【完結】ロキ・ファミリアを数年離れていた外面の良いHENTAI女が俺に向かって「貴方の子供よ」と嬉しそうに言ってきた。 作:SUN'S
私はベート・ローガの番でガロンの母親だ。
遠征後の祝勝会とお疲れさま会を兼ねた宴を豊饒の女主人でやることになり、私はどこか期待と願望の入り雑じった視線を向けられる。あれは私をまた迎え入れてくれたロキ・ファミリアへの感謝とベートへの労いのために作ったものだ。
そう率直に伝えると「お熱いなあ、ほんまにお熱いなあ!?べったべたやん、もうほんまにベートのこと好きやん!」と騒ぎ始める。私がベートを好きなのは当たり前だろうと思いながらお水を飲む。私の食生活を知っているミアは、かなり多く飲み物を増やしてくれている。
私のガロンはアイズの差し出すお米と牛乳、野菜をどろどろに溶かした離乳食を頬張り、尻尾と耳を忙しなく振って美味しそうに食べている。もう少ししたらお肉もどろどろにしたやつを食べさせるのもいいかもしれない。
ふと私の隣に座っていたベートがいない。いったい、どうしたのだろうかと店内を見渡すとカウンター席に座っている白髪の少年を見下ろしていた。ああ、なるほど、ギルドで言っていたのは少年のことかと漸く私は理解した。
「おい、テメェだな?俺の番に薄汚ねえ臭いをつかせやがったのはっ!!」
「うぇ!?え、あ、ごめんなさぁぁぁぁい!!」
「待てやゴラアァァァッ!!」
いきなり、そんなことを言われたことに驚いた少年は後ろを振り向いて私を見つけると何かを悟ったように「あっ、そうか」と言いたげな表情を浮かべた次の瞬間、わりとすごい速さで逃げていった。
「……あの時の子だ…」
私はアイズの呟いた言葉について考える。彼女は私と同じく少年の事を知っているような口ぶりだ。いや、どちらかと言えば後悔や懺悔など、どこか申し訳ないという感情の変化を感じる。
いったい、どこでだ?といっても分かりきっている。きっと彼女はダンジョンで何かしら、あの少年の関わることで失敗したのだろう。
「ベート、どないしたん?」
「僕に聞いてどうするのさ。…けど、おそらくベートのギルドで『お前は俺の番だ』と叫んだ時に言っていたイースについていた男の臭いの犯人が彼なのだろう。あの愛らしい顔でヒトヅマスキーだなんてすごいね」
そうベートに追い掛けられる少年を見ながらフィンは呆れたように話しているところに割り込み。私は「いや、あの少年はどちらかといえばリヴェリアやアイズのような美人を好みだと思うぞ」と素直に嘘も偽りなく伝える。
すると、リヴェリアは「………ん゛っ!?」と自分が好みと言われたことに驚き、アイズはアイズで「えと…ありがと?」と少し恥ずかしそうに戸惑っている。私は二人のそういうところも気に入っているよと呟き、眠たそうに頭を揺らすガロンを抱き上げ、優しく背中を擦ってあげる。
〈ベート・ローガの兎狩り〉
オラリオの珍事件。
ベート・ローガ氏の配偶者イース氏を狙ったとされるヒトヅマスキーの新米冒険者(白髪・幼顔のウサギを彷彿とさせる美少年)にブチギレたベート・ローガ氏の兎狩りとも言える追跡事件。私達は新米冒険者の少年はベート・ローガ氏による制裁を受けたと推測していた。だが、どうやら件の新米冒険者はベート・ローガ氏の追跡を潜り抜け、なんと逃げ仰せたというのだ。