【完結】ロキ・ファミリアを数年離れていた外面の良いHENTAI女が俺に向かって「貴方の子供よ」と嬉しそうに言ってきた。   作:SUN'S

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いつも無表情な剣姫は嬉しそうに「やった」と笑った。やっぱり、アイズは笑ったほうが可愛いとイースは思う。

私はイース、ただのお母さんだ。

 

今日はロキ・ファミリアの定例会議の議題になった「身体能力の底上げ」について考える。いわゆるステータス頼りになってしまいがちな冒険者の基礎能力、剣術や槍術、魔法の知識、モンスターの情報、それらを少しずつ強化するというのが議題に挙がっていた。

 

なぜ、そんなことになるのか。と、少しだけ考えて「Lv.2」の粗悪で横暴な態度の被害を減らすためかと直ぐに納得してしまった。どこかで似た事件もあったからなとベートを見る。

 

ちょっとだけ気まずそうだ。ふふ、今のベートは優しくてかっこいいパパなんだし、これからも気をつけていけばいいんだよ。………ところで、なんでレナのお腹も大きくなってるのかな?

 

ふいっと顔を反らすベート。ニコニコと笑うレナ、ムムッとするリーネ。なんとも言えない空間だけど、こういうところも彼の魅力のせいなのだろうか?などと静かに考える。

 

「イース、また教えて」

 

いきなり、私達のところにやって来たアイズはそう言って木剣を差し出してくる。いちおう、私は支援や魔法を使う裏方なんだけど?と彼女に伝えると「うん、知ってる。でも剣は使えるよね?」と言われた。

 

ウ~ン、いつだったか?

 

アイズにバルザイという賢者でありながら最高の剣士として悪神に立ち向かった人物の話をした。もしかして、私もバルザイと同じだと思われているのだろうか。

 

「……イース?」

 

分かった、やってあげるよ。

 

私はベートにガロンを預け、彼女の後ろを歩く。なぜかロキやベートたちも着いてくる。………私は本当に剣術に関しては素人だぞ?と伝えて左手だけで木剣を構える。

 

革命舞曲(ガボット)

 

アイズはスッと片手を木剣の先端に添えて、狙いを定めるように顔の横に木剣を構える。ちょっと待て、なんでアイズが知ってるんだ。

 

「ボンナバン!!」

 

そう言おうとした次の瞬間、一瞬で距離を詰めてきたアイズの木剣を突きを受け流す。……今のは本気で私を刺し殺すつもりだったけど、私はなにかアイズに悪いことをしたのだろうか。

 

アイズ、どういうつもりかな?

 

「……じゃが丸の仇!」

 

いや、あれはじゃが丸じゃない。

 

あれは夜のゴーントという奉仕種族だ。なぜかデフォルメ化されてアイズの背中に張り付いていたけど、まだ子供だったんだぞ?しっかりと親元に返してあげるのは当たり前の事だ。

 

そんなことを言い合いながら木剣をぶつけ合う。はあ、もういい。私が悪かったよ。あれが夜のゴーントとはいえアイズが大切にしているのは知っていた。けど、あの夜のゴーントだって親に会えなくて寂しいと鳴いていたんだよ?

 

それとこれをアイズにだそうだ。

 

私はカバンを開けてあるものを手渡す。おそらくノーデンスの信者の証であろうアミュレットをアイズに渡すのは気が引けるけど。こうなったら仕方ないと割りきることにした。

 

「…………ほんと?」

 

まあ、もしもの時は駆け付けてくれるさ。

 

ウ~ン、ロキになんて説明しようか。

 

 




〈夜のゴーント〉

奉仕種族。

ノーデンスに仕える無貌のコウモリに似た生き物。アイズ・ヴァレンシュタインの背中に張り付いていたのは幼体か力を無くして弱っていた個体だろうと推測されているが不明である。また、アイズ・ヴァレンシュタインを気に入ったのだろうか。ノーデンスの信者と知らしめるアミュレットをプレゼントした。
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