【完結】ロキ・ファミリアを数年離れていた外面の良いHENTAI女が俺に向かって「貴方の子供よ」と嬉しそうに言ってきた。   作:SUN'S

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ロキ・ファミリアの日常に「赤ちゃんをあやすアホ狼の情けない姿」が増えたらしい。なんだかんだでベート・ローガはしっかりと父親をやっている

俺はベート・ローガ、冒険者だ。

 

ほんの数日前に帰ってきた仲間、イースとの間に子供がいるという事実を知らされた男だ。最初は冗談かと思っていたがマジだった。時折、イースのやつに「やけに俺の臭いをさせてるな」とは思っていたが、まさか酔った勢いとか有り得ねえだろ。

 

そんなことを毛並みも顔立ちも俺にそっくりな赤ちゃんを抱っこしながら考えているとティオナのやつが階段を軽くスキップするように降りてきた。そのまま転けて怪我して部屋に帰れ。

 

「あ、ベートだ。最近はよく赤ちゃん抱っこしてるよね。そろそろ認めちゃったら?あと私も赤ちゃん抱っこしたい」

 

「…今はダメだ、やっと寝たんだ」

 

夜泣きや食わず嫌いはあれど。

 

こいつは抱っこされると安心したように眠りにつく。俺もはじめて抱っこしたときは泣かれるかと覚悟したが、本能的に父親だとこいつは理解してくれたのか。今もこいつは俺の腕の中で安らかに眠っている。

 

「そっか、じゃあ私も見てるね!」

 

「………おう」

 

まあ、それくらいなら良い。

 

俺は下手に手出しされるのは好きじゃねえし、こいつも赤ちゃんを気遣って本当に珍しく静かにしている。リヴェリアのやつは「私も私も!」と忙しなく突っ掛かってくる。

 

お前も結婚して作れよ。

 

そう思わず呟いたら俺はイースに三日も看病されていた。あいつ、なんか短気になってねえかと恐怖を感じながら出来るだけ怒っていないときに抱っこさせてやるようにした。

 

ロキもロキで赤ちゃんを抱っこしながらケラケラと笑って「ウチがおばあちゃんやでぇ~っ」とあやしているが、お前はおばあちゃんじゃねえだろと突っ掛かろうとしてやめた。

 

もう記憶が飛ぶのはごめんだ。ふと赤ちゃんの目が開いた。俺とは違う、イースにそっくりな綺麗な青色の瞳が俺とティオナを見つめている。

 

「…起きたか?」

 

「うっ!」

 

「そうか。おい、まな板アマゾネス」

 

「まな板アマゾネスじゃなっ、おおぅ…いきなり赤ちゃんを差し出すのはやめなよ?いくらベートの子供だからって怪我しちゃうよ?」

 

そう俺に文句を言いながらしっかりと赤ちゃんを抱っこするティオナを見る。とりあえず、今のうちに俺も朝練に行っとくか。なんて考えて立ち上がった瞬間、弱々しい力が俺の尻尾を掴んだ。

 

………あと少しだけだ。

 

俺が椅子に座り直すとティオナはニヤニヤと気色悪い笑顔で俺を見てくる。その顔にイラつきながら「なんだよ」と聞けば嬉しそうにティオナは笑った。

 

「ふふふ、ベートもしっかり父親やってるね」

 

「そういうのは言わないでくれ。まだ、俺の子供だって認めたわけじゃあ、いや、まあ、あいつと俺の子供なのは分かってるが、まだ、その、あれだ、俺の心の準備ってやつがだな…」

 

「はいはい、君も大変だねぇ?こんなアホ狼が父親だと色々と困ったことになるかもよぉ?」

 

「うっ?」

 

「おい、やめろ」

 

変なことを子供に教えるな。っていうか、なんで赤ちゃんも反応してるんだ?ああ、いや、反射的に反応してるだけだし、赤ちゃんってのはそういうもんなのか?などと俺は考える。

 

 




〈ベート・ローガ〉

狼人族(ウェアウルフ)。

ロキ・ファミリア主力冒険者の一人。原作と違って既に「Lv.6」に到達しており、アイズ・ヴァレンシュタインに恋慕していたもののイースのせいで色々とぶっ飛んでしまった被害者である。ただし、精神的にも肉体的にも妻子を持ったことで頗る良好になってきたらしく、あまり怒鳴る事も見下し貶す事も無くなった。最近の悩みはオラリオ中で「早く認知しろや、このダメ狼」とか「そんなんだと捨てられるぞ、クソカス狼」と言われること(尚、イースはベート・ローガを逃がすつもりはない)。
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