【完結】ロキ・ファミリアを数年離れていた外面の良いHENTAI女が俺に向かって「貴方の子供よ」と嬉しそうに言ってきた。 作:SUN'S
私はロキ・ファミリアの冒険者だ。
今はロキのお願いでダンジョン59階層より先を目指す遠征前の宴を開催している。リヴェリアも少しだけお酒を煽る回数が多くガレス・ランドロックやフィン・ディムナも同様にリヴェリアと同等、あるいはそれ以上にお酒を浴びるように飲み干す。
「ブゥワーハッハッハッ!どうじゃあ、お前らにワシのような飲み方はできまい!!」
「嘗めるなよ、この短足ドワーフがッ」
「後悔するぞ、お前たち」
この三人とロキによってファミリアは発展し私の研究の手助けとなっている。ふむ、そうなるとお礼をするには今日の宴は丁度良い機会かもしれないわけだ。私はミア・グランドに近付き、彼女に「少しだけ厨房を貸してほしい」と伝える。
ほんの一瞬だけミアは動きを止める。
だが、すぐに「あんまりアタシの厨房を汚すんじゃないよ!」と叫び、私の入室を許可してくれた。あまりお酒を飲んでいないベートに「赤ちゃんをお願い」と任せ、いつも持っている停滞キューブから酒乱牛を取り出す。
あの邪神の持ってきた食材を食べさせて大丈夫だろうかと不安になるがロキも無礼講と騒いでいるし、さほど問題にはならないはずだ。あまり濃い味付けもお酒には合わないだろうし、今回はおしりしおとモルス油だけにしよう。
ジュワァァァッとモルス油と肉汁の弾ける音。あの邪神の持ってきた食材にしてはマシなものだ。そんなことを考えているとカウンター越しに無数の目がこっちを凝視していた。
ロキ・ファミリアのみんなもそれぞれ騒いでいた他の冒険者も私をジーーーッと私を見ている。なるほど、これが食材の人を惹き付ける力というものかと納得しつつ、一口大に切り裂き、大皿に盛り付けた酒乱牛のステーキをテーブルに運ぶ。
「私が一番ね!!」
「ズルいわよ、ティオナ!?」
そうやり取りするヒリュテ姉妹の言葉を皮切りに酒乱牛のステーキに群がっていくロキ・ファミリアの団員を見つめながら私は静かに「人間の食欲は恐ろしいな」と呟き、ステーキにがっつくロキに「いつもありがとう」と言って虹の実ワインを差し出す。
なぜかロキに泣かれた。
私は赤ちゃんを抱えているからステーキに飛び付けないベートに近づき、予め小皿に移しておいた酒乱牛のステーキをフォークで「あーん」と言って彼に食べさせてあげる。
「…お前、そういうのはよぉ…あれだぞ?」
こういうのはベート以外にしないよ。と、彼に言ったら恥ずかしそうに酒乱牛のステーキを頬張った次の瞬間、彼の毛並みが逆立った。
どうやらすごく美味しかったらしい。
ふふふ、こういうのもいいね。ベートと家族っぽいをことをするのは嬉しいと感じるし、とても良い精神汚染を受けている気分だ。
〈酒乱牛のステーキ〉
哺乳獣類。
高濃度かつ気品の良いアルコールを好み、常に酔っ払っている酒乱牛のステーキを「おしりしお」のみで味付け、モルス油で一気にこんがりと仕上げた料理。ダンまち世界とは離れた世界の食材であり、常人より五感の鋭い冒険者は直ぐにステーキの旨みに気付いた。
〈虹の実ワイン〉
果実酒。
栄養豊富な果実を蒸留して作った最高級ワイン。気温や湿度によって七度も味を変えるため、ロキの酒豪神生をたった一口で塗り替える程の一級品。ガレスによく飲ませろと集られる。