【完結】ロキ・ファミリアを数年離れていた外面の良いHENTAI女が俺に向かって「貴方の子供よ」と嬉しそうに言ってきた。   作:SUN'S

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イスの偉大なる種族は「私はついていけないよ、ごめんね」と申し訳なさそうに言った。すると、なぜかベート・ローガは安心したように眠りについた

私はロキ・ファミリアの冒険者だ。

 

近々ダンジョンへ遠征するという話題で持ちきりのファミリアでは私を連れていくべきかを厳しくフィン達が話し合っている。ベートとリヴェリアは反対派、ガレスとフィンは賛成派、どちらも納得できる意見を出し合っているようだ。

 

反対派の意見は「母親と子供が一ヶ月も離れるのは良くない。もしもの事があったらどうする」という普通でとても真っ当な意見だ。賛成派の意見は「イースの技術や魔法はダンジョン攻略には欠かせない。後方支援に徹すれば問題ない」という私を守ることを前提とした意見だ。

 

どちらも私を尊重する意見だ。

 

それ故に話は平行線を貫き、どちらの意見も正しくて会議は長引いてしまっているというわけだ。だが、ベートが反対派だと聞いたときは凄く胸の辺りが締め付けられる感覚を覚えた。なるほど、これがときめきというやつか。

 

「……赤ちゃん、おはよう」

 

「うっ、ぅあーっ!」

 

「べろべろばーっ」

 

「おーっ、んぱ!」

 

私は考えるのをやめて、テーブルの上に座っている赤ちゃんと指人形で遊んでくれているアイズ・ヴァレンシュタインを見つめる。私がこの世界で得た知識の中で唯一彼女だけが精霊の血を引き継いでいる。こちらの精霊は深きものどもの様な生態ではなく、ただの自然現象とも言える存在だ。

 

その存在を知るために彼女の身体と精神を解剖・研究をやりたいところだが、ここ数年で分かったのはアイズもベート達と同じ人間と相違ない普通の女の子であり、精霊の血を引いているというのは然程凄くはないと私は判断している。

 

リヴェリアとロキはどこか精霊を神聖視する傾向はある。しかし、アイズ個人を崇め奉る行為はせず人間の女の子として扱っている。その優しさがアイズ・ヴァレンシュタインという冒険者を構成し、彼女を人間足らしめているのだ。

 

「何やってんだあれ?」

 

ただの指人形だよ。と、私は会議を終えて食堂にやって来たベートに答える。アイズの精神安定と成長を促すためにロキが必要だと言っているけど。ただ単に彼女は赤ちゃんを遊んでいるアイズが見たいだけなんだろうね。

 

「……そうか。なあ、遠征にお前は行きたいか?それとも行きたくないか?」

 

ふむ、私は研究するためにダンジョンへ赴くつもりはある。だが、赤ちゃんを置いてダンジョンの深層へと向かうつもりはない。率直に言ってしまえば今回の遠征に私は参加することはできない。

 

「私はついていけないよ、ごめんね」

 

そうベートに告げると安心した様に「はあぁぁぁ…っ」と深い溜め息を吐き、私の肩に寄り添って眠りについてしまった。どうやら、ずぅーーーっと私の事を心配して考えすぎて、まともに眠れていなかったようだ。そっと彼の頭を太ももに移動させて、彼を起こさないように優しく頭を撫でる。

 

一応、もしもの保険として精神交換であの邪神の使っていた必殺技や技術を刷り込んでおこう。ただの遠征で彼が死ぬとは思えないけど。こういう備えをしておいて損はない。

 

ふと視線を動かすと微笑ましそうに私達を見つめるロキを見つけた。しかし、彼女が両手で大事そうに虹の実ワインのボトルを持っていなければ、もっと様になっていると私は思う。

 

 

 




〈精神交換の応用技術〉

精神交換。

イスの偉大なる種族の保有する能力。他者と精神を入れ換えることで、その時代の文化や知識を獲得するための常套手段の一つ。
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