【完結】ロキ・ファミリアを数年離れていた外面の良いHENTAI女が俺に向かって「貴方の子供よ」と嬉しそうに言ってきた。   作:SUN'S

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ギルドの真ん中で「お前は俺の番だろうがっ!!」と誇り高き狼人族は吠えた。尚、イスの偉大なる種族はその独占欲にときめきを感じたらしい

私はロキ・ファミリアの冒険者だ。

 

ちょうど今日で一ヶ月だ。

 

早くベートに会いたいなと思える精神の変動に喜びを感じるのも悪くない。私の赤ちゃんもベートに会いたがっているし、本当に早く会いたくて会いたくて私は狂いそうだ。

 

そんなことを考えているとベートがギルドの両開きの扉を蹴り開け、ズカズカと入ってきたかと思えばいきなり私の事を嗅ぎ始めた。私は「どうしたの、なにか臭う?」と素直に彼に問いかけると不機嫌そうな顔を見せる。

 

「どいつだ?」

 

いったい、なにを言っているのだろうか。と、私は困惑・思考しているとベート・ローガは私の両肩を掴み、すごい怒りの感情を露にして問い詰めようとしている。ふむ、本当に見当がつかない上に主語も抜けている所為でなにも分からない。

 

「テメェら、コイツは俺の(おんな)だぞッ!!どこのどいつか知らねぇがベタベタと気色悪りィ臭いを押しつけるんじゃねぇ!!!」

 

そう彼は叫んだ。

 

しかもギルドの真ん中で、何十人もの冒険者が換金・査定を受けているギルドのロビーで私と赤ちゃんを抱き寄せて私の事を俺の(おんな)だと宣言したのだ。そのせいなのか、キュンと胸の奥で何か高揚感と幸福の感情に似たものが跳ねた。

 

しかし、それよりもだ。

 

ロキ・ファミリアのみんなとギルドに来ていた冒険者が一斉に雄叫びをあげ、私とベートに「おめでとうだよ、この野郎!」とか「やっと認めやがったな、クソカス狼がッ!」とか「自分の番なら待たせるんじゃねえよ、クソボケが!」など祝福なのか嫉妬なのか分からない感情を向けられる。

 

「……チッ、お前も番らしくしろよ」

 

うん、そうするよ。私は素直にベートの言葉にうなずき、彼に抱き寄せられたままギルドのソファーに腰掛ける。いわゆる「ときめき」という感情の高ぶりを感じているのはなんとなく理解した。

 

この感情を抱くのは初めてだ。

 

だが、決して悪いものでないのは理解できる。むしろ、ずぅーーーっと感じていたいとすら思える幸福感だ。ああ、なるほど、私はようやく本当の意味でベート・ローガの番になれたのだろう。

 

「うっ!」

 

「……なんだ?」

 

ベートはグッと赤ちゃんの差し出したものを受け取ると首を傾げる。まあ、そうなるのは当然だ。彼に渡されたのは此方の世界に合わせて作った雑嚢型停滞キューブである。つまり、ポーション類は当然として武器や防具、キャンプ用具すら収納できるアイテムを彼は気付かずに貰ってしまったわけだ。

 

本当は私がプレゼントしようとしていたものを赤ちゃんが離してくれなかったからね。ただ、こうやって家族でコミュニケーションをとるのも悪くない。むしろ、とても素晴らしい光景だ。

 

 




〈雑嚢型停滞キューブ〉

イスの偉大なる種族のテクノロジー。

いわゆるウェストポーチに似せて作られた停滞キューブの改造品。ウェストポーチ内は外部と時間の流れが異なるため経年劣化や賞味期限など衛生面や破損など心配する必要性はない。ちなみに安全策として生命活動を続けているものは仕舞えない仕組みになっている。
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