● <【 好機、我、召喚求ム 】
クソ鳥<《 我ヲ送レェ、早ク速クハヤクゥゥウッ 》
ゴリラ<〔 フハハ、我々ニ選バレタバカリニ貴様モ大変ダナ! 〕
「喧しいわクソ野郎ども、全員破いて燃やして海に捨てるぞ」
「何あれ、一人で怖っ…近寄らないでおこう」
だいたいこんな感じ。
気が付いたら死後の世界とやらにいた。
よくある転生物の小説とかだと真っ白な空間らしいが、此処はどうやら赤黒い世界らしい、グロい。
【 選ベ 】
全身に怖気が走る声音に振り返ると、光さえ飲み込みそうなほど真っ黒な球体に見下ろされていた。
目がないはずなのに見下ろされているように感じるのはどう考えても錯覚だが、そうとしか思えなかった。
それくらい目の前にいる球体の存在感は凄まじかった。
コレが異世界転生定番の神様なら、どことなくどころか明らかに邪神である。
《 選ベェエエ! 》
耳が犯されるような最悪な金切り声に振り返ると、さっきまで何もなかったはずの場所に冒涜的な見た目の竜、龍?
うん、姿形は若干西洋のドラゴン寄りで、顔面的には鳥みたいな奴がいた。
神のくせに気でも触れてるのか、名状しがたい動きをしている。
どこからどう見ても邪神だ。
〔 選ブガイイ 〕
力強い、どこか大地を思わせる荘厳な声色に振り返ると、またしても何もいなかったはずの場所に………なんだ、うん、羽の生えたゴリラみたいなバケモンがいた。
有り体に言えば悪魔っぽいというか、他が●と鳥なだけにまともに見えてくる。
けど露骨にニヤけてるのを見るに絶対イイ性格してるわコイツ。
間違いない、コイツも邪神だ。
つか三人…三邪神? 君達さ、選べったってなんもねえじゃん此処。
辺りを見渡しても延々と赤黒い世界が広がっているだけ。
強いて言えばトライフォースでも組んでんのか、三体の邪神がオレを囲んでいるくらいか。
とりあえず誰でもいいわ、経緯の説明プリーズ。
【 死亡、享年44歳。我々ガ殺シタ 】
真っ黒な球体が淡々と事実のみを述べてくる。
オーケー把握、なんとなくそんな気はしてたよ。
落ちてきた鉄骨に全身を刺し貫かれるとかいう、滅多にできない体験をありがとうクソ野郎ども。
頭から背の骨にかけて無事だったせい
どうせ殺すんなら即死で頼むわ。
《 過チヲ犯セ、尊厳ヲ冒セ、権利ヲ侵セェェェエエエ!! 》
コイツの言ってる事は意味わかんねえからとりあえず放置する。
〔 フハハッ、ナァニ、難シイ話デハナイ。転生シタ先デ定期的ニ我々カラ試練ヲ課ス。貴様ハソレヲ受ケ、我々ニ娯楽トシテ提供シロトイウダケヨ。後ハ好キニシテヨイ 〕
見た目がぽいのに喋りはアンタが一番マシって、あぁ^~神様のバランス壊れちゃうぅ^~。
でも人一人殺して用意させたかったのが娯楽て………お前ら神だろうが、それくらい自分でなんとか用意しろよ。
そんな理由なら今すぐオレを元の世界に帰せ、こちとらこれでも家庭持ちだぞ。
他人からは地味やら何やら言われるが気立ての良い嫁さんに、可愛い息子(9)と可愛い娘(23)が我が家で待ってんだぞ。
他を当たれ、具体的にはオレの実家で寄生虫してるクソニートとか。
【 転生世界、選ベ 】
「えぇ…問答無用すぎぃ……」
ガンスルーな●にドン引きしていると、地面から石碑や石板みたいなのがせり出して宙へ浮いていく。
一つや二つなんて生易しい数じゃない。
地面が揺れてるんじゃないかと錯覚するほどの数が打ち出されていき、ついには邪神を除いた全ての視界が埋まってしまった。
《 選ベ、選ベ、選べェエエ 》
鳥がくねくねとした気色の悪い動きで迫ってくる。
これ選ばなかったらどうなるんだ。
〔 ソノ時ハ貴様ノ魂ヲ消シテ次ナル者ヲ呼ビ出スマデヨ 〕
なんとも邪神らしいねぇ~、キレそう。
つか今更気付いたけど、スゲェナチュラルに心の声読んでくんじゃん。
腐っても神かぁ~………はぁ……。
帰してくれる気がないのはわかったので、仕方なく宙に浮かんでる石板どもに目をやる。
なんとなーく気付いていたが、どうやら選べる世界は『遊戯王系列』一択らしい。
漫画からアニメ、小説、果ては音楽から二次創作に至るまで、様々な世界のタイトルがズラリと並べられている。
石碑が大元となった物語、二次創作とか音楽とかは石板って感じか。
わかりやすくて大変結構、と、その中の一つ……蛇神に愛されてる主人公が描かれた石板を手に取る。
手に取った理由は神様繋がりからだ。
サッとタイトルと表紙を流し見て裏返すと、そこには大まかなストーリーとキャラクター紹介が書かれていた。
ふむふむ……なるほどなるほど…………えっ、おもしろ…今度しっかり読みたいな……今度があればの話だけど。
思ったより読み込んでしまったが、当初の目的通り石板がだいたいどんなもんなのか把握し終えたので、それを
「…なあ、なんで全部遊戯王なんだ?」
【 疑問、決定 】
《 緩イ雰囲気、ブチ壊シィイィイ! 》
〔 ホォ、良作ヨノ 〕
ダメだコイツら、人の話なんて何一つ聞いちゃいねえ。
●は鱗滝さんもビックリな判断の速さで、鳥に至ってはマジでカスみたいなこと言ってるし、ゴリラは人が手に取った石板取り上げて一人で楽しんでんぞ。
…なんかもういいや。
漫画もアニメも内容は知らんが、遊戯王なら生前そこそこやってたし、テキトーに選んでもなんとかなるべ……サクッと転生しよう。
二度目の目覚めである。
目覚めて早々、頭の中にこの世界で生きてきた十数年分の他人の記憶がぶち込まれてきた。
ハッキリ言ってゴミみたいな記憶しかない、腐ったミカンよりも価値のない記憶だ。
そんなものを起き抜け一発にぶち込まれたせいで気分は最悪、心なしか頭痛もしてきたような気がする。
いや、それは
とにかく、やってくる幻痛を振り払いながら周囲を見やると、今いる場所はドームみたいな広い会場のようだった。
会場だと判断した点は三つ。
コートのような場所である事、観戦者らしき人物らが遠く離れた席にいる事、そして目の前に立っている戦意マンマンの相手である。
ひとまずはちゃんと転生できたみたいでよかったといったところ。
「受験番号45番、シニョール
少し離れた場所で、ヘンテコなデュエルディスクを構えた金髪おかっぱ頭の枯れ木みたいな教師が何事か言っている。
見るからにキモイので無視して左手の違和感に視線をやると、そこには鈍器として使えそうなくらい鋭角な銀のデュエルディスクがハマっていた。
腰には赤黒いデッキケース、服装はスリムタイプのスーツとそこそこ一般的ではある。
名前勝ちするような異常性は見る限りないようで大変よろし。
「実技試験に遅れてくるようなドロップアウト・ボーイには、ワタクシが直々に引導を渡してあげルーノ!」
左腕の軽さに金属の重みじゃねえなこれ、とか思いながら首を傾げていると、額に青筋立てたクロノス教諭とやらがなんか叫んでらっしゃる。
発言から鑑みるに、現在は入学の為の実技試験真っ最中との事、しかもオレはそれに遅れてきたとか。
なるほど、そりゃキレるわ。
【 最初ノ試練。奴ヲ倒セ 】
周囲を小さな黒い球体がふわふわと浮きながら、聞いた事のある声で試練とやらを課してくる。
どう考えてもあの世界にいたクソ野郎です、ありがとうございます。
クソがッ、大人しく自分の世界に引きこもってろってんだ。
〔 ソウ言ウデナイ。他所カラ眺メルライブヨリモ現地デ見ル方ガ面白カロウ? 〕
プライベートもなんもねえなこのゴリラ。
気安く肩に乗るな鬱陶しい。
《 殺セ、殺セェェエエ!! 》
頭の上ではしゃぐなクソ鳥、テメェをブチ殺して焼き鳥にして食っちまうぞ。
「デュエルコート、オォンヌ!」
あァ~、どいつもこいつも有罪にしてェ……ふぁあっく、せめて手早く終えよう。
デュエルディスクを構えて、ベルトに付いている赤黒いデッキケースから前世でよく使っていたデッキの一つを取り出してシャッフルする。
ちなみにコイツの中身は四次元ポケットみたいになっていて、かなりのデッキ数入っている。
転生特典とやらで、前世で使っていたデッキセットが丸ごと入っているそうだ。
【 感謝セヨ 】
あぁ~ありがてぇありがてぇ。
〔 心ニモナイ事ヲ平然ト宣ウナ貴様… 〕
そらぶち殺された恨みは忘れてねえかんな。
《 小サイ男ォォオオオ!! 》
殺すぞクソ鳥。
……邪神どもの相手もそこそこに、対面するクロノス教諭をジッと観察する。
薄々感じてたけどデッキはシャッフルしないようで、うぅ~ん初心者かな?
まま、
気にせずデッキをセットして、初手のカードを5枚揃えたらデュエル開始だ。
「デュエル!」
「……デュエル」
そういえば掛け声みたいなのあったな、と他人の記憶で思い出しながら言葉を吐いた。
【 勝テ 】
《 殺せェエエ! 》
〔 オ手並ミ拝見ダナ 〕
────────デュエルが始まる。
クロノス・デ・メディチ LP / 4000
「ワタクシの先攻、ドロー」
ライフポイントは4000、先攻ドロー有。
それだけでもキレそうなのに、何故かジャンケンもサイコロもコイントスすらもなしにターンが始まる。
記憶で知っていてもあくまで記憶は記憶、実際に体験するのとでは違う。
オレは頬が引くつきそうになるのを必死に抑えながら相手のプレイを待った。
「手札より
余程良いカードでも引いたのか、急にニヤつき始めるクロノス教諭。
現代遊戯王ならここで『うらら』か『増G』ホイホイするところだが、生憎このデッキには入れちゃいない。
コイツはあくまでロマンデッキ。
不粋な真似は許されないナリ。
【 敗北ハ禁ズ 】
わかってるっての。
「さらに魔法カード『融合』を手札から発動。手札の『
地面にできた渦へと、三体の機械が沈んでいく。
どうでもいいけど底なし沼ってもがけばもがくほど沈んでいくの、マジで怖いよね。
「エクストラデッキより、『
渦が消えた瞬間、地が割れ、底から鋼鉄に覆われた巨大な機械兵が現れた。
────────────────────────────────────────────
『
融合・効果モンスター
星10/地属性/機械族/攻4400/守3400
「古代の機械巨人」+「アンティーク・ギア」モンスター×2
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードが攻撃する場合、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない。
(2):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
(3):このカードが破壊された場合、自分の墓地の「古代の機械巨人」1体を対象として発動できる。
そのモンスターを召喚条件を無視して特殊召喚する。
────────────────────────────────────────────
攻撃力は実に4400。
ライフが4000のクソ仕様の中、普通に一撃貰えば即アボンである。
《 死ヌ? 死ヌ、死ネェェェエエエ! 》
お前はマジで黙ってろクソ鳥。
「カードを2枚伏せテー、ターンエンドでスーノ!」
どうやらこれでクロノス教諭のターンは終了らしい。
ぼっ立ちの4400に伏せカードが2枚、手札は1枚のみ。
使ってるカードからしてみても時代を感じるね…。
「オレのターン、ドローフェイズ、ドロー」
〔 フッ、ボーナスバルーンダナ 〕
肩に仁王立ちしたゴリラが鼻で笑う。
非常に癪だがゴリラと同意見だ。
妨害札として警戒すべきはたったの3枚だが、使われているカードプール的に『うらら』や『増G』なんかの手札誘発が飛んでくる可能性は限りなくゼロに近い。
つまり警戒すべきは伏せられた2枚のみ。
で、伏せカードも古いカードプールのものとなると召喚反応型なら『奈落』か『激流』、攻撃反応型なら『ミラフォ』や『マジシリ』に『
今の手札なら余裕でクリア可能な盤面だ。
「スタンバイからメインに。オレは手札から魔法カード『ハーピィの羽根帚』を発動。相手フィールドの魔法・
「ディーノ!? そ、速攻魔法『リミッター解除』! これにより『古代の機械究極巨人』の攻撃力は2倍になるノーネ!」
『
攻撃力 / 4400 → 攻撃力 / 8800
守備力 / 3400
急なパワカの登場に観戦者含めた全員が驚いたようだが、クロノス教諭は試験の監督をやってるだけあってかすぐに持ち直して多少のリカバリーをされる。
ちなみにもう1枚の伏せカードは『ダメージ・コンデンサー』だった。
手札を1枚捨てて、受けた戦闘ダメージ以下の攻撃力のモンスター1体をデッキから特殊召喚するカードだ。
ハッキリ言ってライフ4000の世界でソレは弱すぎるのではと思わないでもない。
そんなリスキーなカード入れてるところにより時代観を感じながら、ディスクに次なるカードを差し込んでいく。
「手札から魔法カード『テラ・フォーミング』発動。デッキからフィールド魔法を1枚、手札に加える」
一応妨害があるかどうかチラ見しながら待ってみたが、特になにもなさそうだ。
オレは手札と混ざらないよう気を付けながらデッキを抜いて、その中から1枚手札に加える。
「オレが手札に加えるのは────────『
「カオス、フィイールド?」
しっかりシャッフルしてからデッキをディスクに戻す。
反応から見るに、クロノス教諭はこのカードの事を知らないらしい。
だんだんとこの世界の基準がわかってきた気がするゾ。
【 記憶付与、未読疑問 】
最初の一発でだいたいの常識は把握済みだし、誰があんなゲロ以下の汚ねぇ記憶これ以上見るかよ。
【 理解不能 】
「続けて『混沌の場』を発動。このカードの発動時効果処理として、デッキから『カオス・ソルジャー』と名の付いた儀式モンスターを手札に加える」
「なぁ!? なんでスーテッ。か、かかか、カオス・ソルージャ!?」
「……ワロタ」
びっくら仰天、ハトが豆鉄砲受けたみたいな表情でムンクの叫びを再現するクロノス教諭。
独特な言い回しに思わず笑ってしまったが、笑顔は一瞬で引っ込んだ。
なんか急に会場中がざわざわし始めたんだけど……『カオス・ソルジャー』程度で喧しいなオイ。
「……儀式魔法『超戦士の萌芽』を発動。レベルの合計が8になるように、手札の光属性モンスター1体とデッキの闇属性モンスター1体を墓地に送り、手札から『カオス・ソルジャー』儀式モンスター1体を儀式召喚する」
「ま、まサーカ…?」
気にせずプレイを続けてみれば、途端に会場中のざわめきが静まり返る。
身体が、意識が、視線が、嫌なくらい集中しているのがわかる。
マジでなんなんだ急に、情緒不安定かよ。
《 キェェアアァアアア、来ル、来ルゥゥゥウウウ!! 》
みんな情緒不安定だわぁー。
〔 アレト一緒ニサレルノハ困ルナ 〕
【 同意 】
「ハッ……手札の『開闢の騎士』、並びにデッキの『宵闇の騎士』を墓地に送り」
クソ鳥の扱いに嘲笑いつつも、オレはそのカードを召喚した。
「現れろ────────『カオス・ソルジャー』」
────────────────────────────────────────────
『カオス・ソルジャー』
儀式モンスター
星8/地属性/戦士族/攻3000/守2500
「カオスの儀式」により降臨。
────────────────────────────────────────────
「「「ワァァァアァァアアア!!!!」」」
金色と蒼色の甲冑が美しい騎士が登場した瞬間、会場が割れんばかりの歓声に包まれる。
まったくもって意味がわからないが、どうやらこのカードはハチャメチャに人気なカードみたいですね。
売ればいくらになるだろうか。
〔 貴様ハナチュラルニクズダナ 〕
《 鬼畜鬼畜ゥ! 》
【 愛着無、無念 】
散々な言われようだが気にしない。
邪神の言葉なんぞいちいち真に受けてられんわ。
「と、ととと特別講義してあゲール。いいいイイでスカー? いくらあのデュエルキング、武藤遊戯の最強カードと言エード、攻撃力はたったの3000。攻撃力8800の『古代の機械究極巨人』は超えられなイーヌ!」
えっ、何、この世界の人達たかだか攻撃力8800、妨害どころか耐性もないぼっ立ちモンスター1体超えられないのか……何気に衝撃なんだが。
〔 気軽ニ攻撃力ガ10000越エル世界ノ話ヲサレテモノ 〕
【 世界・環境ノ違イ、油断、慢心 】
《 世代ノ違イ、違イィ! 》
あーはいはい、世界と世代の違いね。
あとクソ鳥は頭の上でくねるな気色悪い。
気を取り直して、召喚した『カオソル』の効果を使う為にディスクのボタンをポチっとな。
「『カオス・ソルジャー』の効果発動」
「ブラブラブラブラブラ♪ 所詮ドロップアウト・ボーイ。『カオス・ソルジャー』がバニラモンスターなこトースらぁ、知らないのデスーネ!」
「『宵闇の騎士』を使用して儀式召喚した『カオス・ソルジャー』は、以下の効果を発動できる」
クロノス教諭のありがたぁいお話をスルーして、ディスクから効果を選んだ『カオス・ソルジャー』は空へと高く飛び上がり剣を振りかぶる。
「1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動────────そのモンスターを除外する」
「ナァ!?」
「ハァア!!」
『カオス・ソルジャー』が剣を振り下ろすのと同時に、『古代の機械究極巨人』の背後の空間に歪みが現れて引きずり込まれていく。
やがて完全に姿が見えなくなると、クロノス教諭の顔色は見るからに悪くなっていた。
どこからか「クロノスが知らないカードが存在するなんて」「先生とて到達できないところがある。デュエルの世界は底が知れない」とか聞こえた気がする。
が、しかし、これで終わらないのが現代遊戯王版『カオス・ソルジャー』である。
「『宵闇の騎士』より『カオス・ソルジャー』に与えられた二つ目の効果も発動。相手の手札をランダムに1枚選び、次の相手エンドフェイズまで裏側表示で除外する」
「イィ!?」
『カオス・ソルジャー』が剣先をクロノス教諭の手札へ向けると、クロノス教諭の手札が光の粉となって消え去っていく。
おいソレ実体のあるカードだろ、どういう原理だよ。
【 神秘也 】
《 不思議ダネェッェエエ! 》
〔 遊戯王世界デ原理ヲ考エテモ無駄ダ 〕
あ、そう、考えちゃいけないやつね。
なんにせよこれでラストアタックを拒むものはなくなったわけだ。
「バトルフェイズ、『カオス・ソルジャー』でダイレクトアタック」
「あわわわわわわっ」
「フッ!」
「ダメージステップ開始前、手札から『混沌の使者』の効果発動」
『カオス・ソルジャー』がカッコよく飛び上がるのを横目に、手札のカードをディスクにセットした。
「このカードを手札から捨て、『カオス・ソルジャー』と名の付いたモンスターの攻撃力をターン終了時まで1500アップする」
「ハァァァアアッ」
『カオス・ソルジャー』レベル8
攻撃力 / 3000 → 攻撃力 / 4500
守備力 / 2500
効果を発動した瞬間、『カオス・ソルジャー』の剣が光に包まれ刀身が闇色に禍々しく変化。
『カオス・ソルジャー』はそのまま無情にも、青通り越してもはや白くなってるクロノス教諭の元へと降っていく。
「やれ、『カオス・ソルジャー』────────カオス・ブレード」
「セイヤァァアアアアア!!」
「マンマミーアァァアアア!」
クロノス LP / 4000 → LP / 0
歓声とデュエル終了のアラームが響く中、オレはため息を呑み込みながら試験会場を後にした。
【 祝、試練踏破 】
《 ヤルナ、ヤァアァァルナァ!! 》
〔 中々見所ノアル決闘デアッタ。引キ続キ励ムガヨイ 〕
他人の家に帰ってベッドの上でぐったりしていると、未だに帰る様子のない三邪神がトライフォースで囲んで見下ろしてくる。
鬱陶しいので手で払おうとしたが、オレの手はヤツらに触れる事なくすり抜けて壁にぶち当たった。
壁には穴が開いた。
【 デハ次ナル試練ヲ待テ 】
《 次ィ! 殺レレ、犯レレレ、ヤレエェェェエ! 》
〔 話シテイタ通リ、試練以外デハ好キニ生キルガヨイゾ 〕
オレの攻撃なぞ意に介していないのか、三邪神は気にした様子もなくトライフォースで見下ろしながらそう告げてくる。
もしかしなくても、コイツらずっとオレの近くで行動を見てる気か、だとしたら最悪なんだが……。
〔 ヤハリライブハ現地ニ限ルダロウ? 〕
イイ表情してんねェ、ファッキュー。
地獄へ帰りやがれクソ野郎どもが。
追記、続きは九分九厘書かないです。
故に続きがいるなら誰かが書いて…。