男女あべこべ自キャラ憑依曇らせ勘違い   作:maricaみかん

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これで新しい人生の始まりだ!

 ヴァンパイアを倒してから、何度もダンジョンアタックを繰り返した。

 そこで、いよいよ魔王に挑めるだけのステータスになったと思う。

 だから、ついに魔王討伐へと向かう。俺達の最後の戦いだ。

 まあ、冒険者として活動することは、またあるかもしれないが。

 

「さあ、魔王イーラを倒しましょう。ボク達ならできます」

 

「ああ、ついに最後の戦いだな」

 

「そうだね。勝てば未来をつかめるんだよ」

 

「逃げても良いんです~。また挑めば~」

 

 本当にな。でも、ゲームシステム的には逃げられるかどうか怪しい。

 俺のゲーム経験的には、十分安全マージンのあるステータスのはずだが。

 最悪の場合でも、俺が全力を出せば勝てる確信があるからこそ挑んでいる。

 万が一にもソル達を失う訳にはいかないからな。

 

「大丈夫。今回で勝ちます。どんな手を使ってでも」

 

「なあ、自分が死んでもとか言わないでくれよ」

 

「そんな心配は必要ないです。ボクは最強なので」

 

 俺はこの世界を楽しむために魔王を倒すんだからな。ソル達と一緒に居られる世界を守るために。

 だから、俺が死んでしまったら何の意味もない。それに、特に自己犠牲の趣味はないからな。

 自分が死んだ悲しみを他者に押し付けるなんて、カッコよくない。理由なんてそれだけでいい。

 

「だったら、安心だね。そろそろ行こうか」

 

 というわけで、イーラ魔王城へと向かう。

 ザコ敵を倒しながらHPを減らしていき、いつもどおりの状況を作った。

 そして、ついに魔王イーラと対峙する。青い肌をして、口から牙が見えているヴァンパイアの男。

 

「よく来たな、勇者ども。さあ、お前達はここで終わりだ。最後の瞬間を、せいぜい楽しんでいくが良い」

 

 原作でのセリフではない。やはり、意志を持つ生き物なのか。吸血鬼が生きているのか知らないが。

 本編と同じ高慢な口調ではあるが。まあ、別に気にすることでもないな。攻撃の内容が違う可能性には留意しておこう。

 万が一の時は本気を出す。まあ、みんなにも活躍できる状態であってほしいものだ。

 せっかく俺達でパーティを組んだんだからな。みんなでの楽しみを味わいたい。

 

「最後の瞬間を味わうべきなのは、あなたですよ。イヴェイドエンド。アピールタイム。カーストレード。ペインディヴァウアー」

 

 いつもの流れで行動を始める。剣が敵にぶつかると同時に、こちらに剣で反撃される。かわす。

 さあ、いつも通りにやれば十分に勝てる相手だ。落ち着いていこう。

 

「アタシも続くぞ! パワーチャージ。メガスラッシュ!」

 

「私も、クイックスペル。ダブルマジック。メガファイア!」

 

「コンティニューヒール~」

 

 みんなもいつもの流れだ。ソルが斬りかかり、セッテが炎の竜巻を撃ち、ユミナが継続回復をかける。

 最後の敵とはいえ、ヴァンパイアと同じスキルしか使ってこないからな。もう対処は十分なんだ。

 

「うぬぼれるなよ! 余の力を味わうが良い。ダークブラッド!」

 

 広範囲に闇の魔法を撃つスキル。だが、対策はすでにある。

 

「通しませんよ。フォローガード」

 

 簡単に言えば、かばうスキルだ。俺にだけ攻撃が当たる。

 だが、イヴェイドエンドの無敵があるから耐えられる。さて、無敵をかけ直しておくか。

 

「イヴェイドエンド。さて、あなたはいつまで続けますか?」

 

 MP勝負になれば、こちらが勝つ。それを抜きにしても、ソル達が先に敵のHPを削りきるだろう。

 最後の戦いとはいえ、一番の難関って感じはしないな。まあ、ちゃんと鍛えたからな。

 

「ならばこれはどうだ! オッドアタック!」

 

 状態異常をばらまくスキル。敵が剣を振ると同時に、みんなに毒や麻痺、火傷が通っていく。

 だが、対応は簡単だ。

 

「ポートコンディション。ポリューションアタック」

 

 ユミナの状態異常を受け取っていく。そして俺に移った状態異常を利用してバフをかける。

 完全に予定通りに進んでいるな。所詮は裏ボスではないということか。

 まあ、世界の脅威は魔王だけだ。こいつを倒せば、後は好きに生きれば良い。

 

「覚悟してくださいね。ペインディヴァウアー」

 

「ハイスラッシュ、ハイスラッシュ! クリスに負けてられないよな!」

 

「メガファイア! そうだね。私達だって!」

 

「メガホーリー~」

 

 ソルが二連続で切りつけていき、セッテが炎の竜巻を放ち、ユミナが光の柱を放つ。

 よし、順調だな。後は同じ事を繰り返していけば良い。

 

「おのれ、おのれ……ダークブラッド! せめてそこの男だけでも!」

 

「無駄ですよ。イヴェイドエンド」

 

 無敵スキルを貫通できる技を、敵は持っていない。

 だから、先ほどまでと同じような動きを繰り返すだけで、イーラを倒すことができる。

 しばらく同じ流れを続けて、後はトドメだけだ。

 

「終わりです。ペインディヴァウアー」

 

「なら、フルスラッシュ!」

 

「メガファイア!」

 

「メガホーリ~」」

 

 俺達の一斉攻撃を最後に、魔王は倒れていった。

 

「なぜ……魔王たる余が……」

 

 そんな言葉を残して、イーラは消えていった。

 さあ、これで後は『エイリスワールド』を楽しむだけでいい。

 適当に冒険でもこなしながら、ゆっくりと過ごしていこう。

 

 まずは、待っているミリア達のところに戻ってからだ。

 フォスへと帰ると、二人は笑顔で出迎えてくれた。

 

「どうでしたか、クリスさん?」

 

「魔王は倒せました。これからは、魔物を倒しながら生きていきます」

 

 あくまで俺は冒険者だからな。他の特技もないし、生き方は決まったようなものだ。

 

「クリスさんの未来には幸福が待っているです。私が保証するです」

 

 ああ、エリカの保証なら期待できるな。

 さあ、これからの人生を、全力で楽しんでいこう!

 

 

――――――

 

 

 ソル達は魔王を倒したことにより、クリスは戦いから解放されると考えていた。

 だが、彼はこれからも冒険者を続けるという。

 つまり、クリスは戦いにとらわれたまま。ミリアやエリカも含めた全員に悲しみが襲いかかる。

 

 それでも、ソル達はこれからもクリスとともに生き続ける。その中で、いずれはクリスの本当の笑顔が見られるはずだ。

 未来への希望を胸に、ソル達は明日へと向けて進み始めた。

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