仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~   作:唐 十三郎

107 / 161
「リアリティライダーショー、デザイアグランプリ! いよいよ纏様の参戦ですが、どうやらまたひと悶着ありそうです。そして纏様のライダー研究は一段落。仮面ライダー電王シリーズと関連する劇場版を全て見終えたそうです」
「良かった……良太郎とタロスたちに出会えて良かった……凄すぎるよ電王!! ふえ~ん!!」

 感極まった纏はツムリの目を気にせず泣いていた。電王は仕方ない。

「ねぇツムリちゃん、電王以外も見てみようかな」
「その言葉を待っていました! ではですね」
「あい待たれよツムリとやら。此処は妹であるこの擬宝珠檸檬が預かった!!」
「れ、檸檬?!」
「あらあらまぁまぁ……急に割り込まれましたね。でも良い事です。纏様の妹様のその実力、是非お願い致します!」
「うむ。レモンのオススメは……これじゃ!!」
「えーと……”侍戦隊シンケンジャー”? おい檸檬、ライダー作品じゃないぞ」

 急に現れた纏の妹の檸檬。和装だが珍しく振袖では無くピンクの羽織に市松模様の袴を履いている。髪型もいつものツインテールのお団子を大き目に巻いて刀を模したカンザシを刺していた。そして人差し指を左右に振る。

「ちっちっち……我が姉ながら甘いのぉ纏。これはな、やはり同じ東映さんの作品で且つ仮面ライダー電王と同じ脚本の小林靖子にゃん先生が書かれた大作なのじゃ!」
「な、なんだってぇ~?!」

 纏と檸檬の後ろに”どーん!”とか”ばーん!”とか書き文字が出てきそうな勢いだ。

「まぁレモンもカンキチと本田からお薦めされたんじゃがの」
「あー……あの2人はそういうの詳しそうだな。しゃーねぇ、他のライダー作品で見たいのが決まるまで箸休めに見ていくかぁ」

 そして纏が電王以上の沼にハマっていくのはまた別のお話。


麗羅X:そして彼女がやってくる

 纏は超神田寿司を出てツムリとの転送直後、デザイア神殿では無く先にチラミの私室にツムリの誘導で出向いた。挨拶と初顔合わせである。ツムリはドアをノックして中のチラミに確認をする。

 

「おはようございます。擬宝珠纏様をお連れしました」

「は~い。入ってきても良いわよ~♪」

 

 室内に入ると金フチフレームで丸レンズのサングラスをかけ、髪は少し緩めのパーマで鳥の巣の様な様相をした男が出迎えた。ゲームマスターのチラミだ。そのファッションセンスから嫌悪感が込み上げてきた纏。チラミの服装は相変わらず派手で、やはりこげ茶色のジャケットとパンツを着ていて中のYシャツは白地に奇妙な柄が入っている。悪趣味と言えば悪趣味とも取れるだろう。少なくとも纏には気に入られなかった。

 

「貴女が擬宝珠纏ね、シクヨロー! デザグラのゲームマスター、チラミよ~ん♪」

「あ……はい、宜しくお願いします」

「なーに、その冷たい態度? いい? デザグラはエンターテインメントなのよ? あんまり愛想悪くしているとオーディエンスの支持を得られずにデザグラから直ぐに追い出されるわよ?」

「はい。気を付けます」

 

 気を付けるも何も今のチラミの寒いくらいのご陽気キャラの有様にどん引きしていたのだが、ただそれを言うと益々何か面倒な事を言ってきそうな予感がした纏は、この場をなるべく何もせずにやり過ごす事にしようと考えた。だが彼女の予想よりもチラミは面倒で且つ苛立たしい発言を次々としてくる。

 

「しっかしアンタのデザグラにかける願いってコレ~? アンタちゃんとデザグラについて聞いてる? こんなショッボイ願いで本当に良いワケ~?」

「……はい。何か問題でも?」

「だってこんな願いなんてさ、せっかくの手元の大切なダイヤをドブの川に投げ捨てるようなもんじゃない? 勿体ないったらありゃしない。潰れた中川の坊ちゃんに代わって秋本のあのネコっ被りが連れてきたと思ったら、こーんなモノの価値がわからないコで本当に大丈夫なのかしら~?」

 

 纏は耐えた。チラミのこの人を食ってかかる茶化した態度にさえ耐えきれば問題無いと。先ずはデザグラに参加しなければ何も始まらないのだ。だがチラミの悪態は更に加速する。

 

「そういえばアンタの変身するエントリーフォーム、アレどーにかならないの?」

「? そちらも問題が?」

「大アリよ! 何よあのオッパイ! デザグラの事ナメてるの?!」

「いえ……別に」

 

 実際に纏が変身するラヴィのプレストアーマーは胸部の造詣が他の女性ライダーたちと著しく違う。基本的にエントリーフォームの造詣からして本来は男女に差異は無く、プレストアーマーは単一で女性の乳房の為に仕様変更する事は全く無い。その為に今まで参加してきた女性ライダーの中には胸が窮屈に感じる者も少なく無かった。その点を考えたプラスなりに、より身体にフィットしたライダースーツを考案したのだ。だがチラミはそれが気に入らない。

 

「良い? いくらオーディエンスに媚びるって言ったってねぇ、過剰なセックスアッピ――ルも要らないのよ!! オーディエンスで枕営業でもしたいのあーた?」

「! ……いいえ、別に」

 

 言ってくる言葉がいよいよ強く汚くなってきたがまだ纏は耐えた。更にチラミの言葉の暴力は加速する。

 

「何よその態度~? だいたいねぇ、あの秋本の女狐のオッパイからして物凄く生意気なのよ!! 何よあのドカパイ?! バレーボールでも入れてんじゃない……ぷおいぃいいいいいいいい?!!」

 

 とうとう纏の心が限界を越えた。思いきり腰が入った平手打ちでチラミを叩いて吹っ飛ばしたのである。真横に吹っ飛び柱に頭を打ち付けるチラミ。眉間にシワを寄せた纏が叫んだ。

 

「うがぁあああああ! 頭打ったぁあああああ!!」

「さっきから大人しく聞いてりゃ言いたい放題言いやがってこのグラサンオネェが! 大概にしろよ!!」

「んなんなんな……んなーんですってぇ?!」

「……プッ! グ、グラサンオネェ……クククク!」

「あーたも面白がっているんじゃないわよツムリぃ!!」

 

 目の前で起きたドタバタに噴き出したツムリ。

 

「い、いえ……纏様が両津様と同じ言葉でチラミを罵倒したものでつい……クククククク!」

「……勘吉が?」

「そーよ! あの短足ゴリラも同じ事言いやがってぇ!! アンタもいい加減にしなさいよ。さもないと……」

「なんだよ? 脱落か?」

「! 良くわかっているじゃない……」

「やれるもんならやってみろ、グラサンオネェが。但し、ゲームプロデューサーってヤツから今度こそ何言われるかわかんねぇけどな」

「! ……アンタ、何言ってるのさ? アタシは別に……」

 

 目線を逸らし鳴らない口笛までフューフュー始めたチラミ。纏は麗子から前もって聞いていた事をカマをかけて言ってみたがどうやら図星だったようだ。

 

「好き勝手して楽しくやりてぇみたいだがな、アタシの邪魔をするならアンタだってぶっ飛ばす! 良く覚えておけよ!!」

「ひ、ひぃいいいいいいいい!!」

「纏様、そろそろ準備がありますので行きましょう」

 

 纏の啖呵でチラミが怯える。この場を諫める為にツムリが口を挟んだ。2人はチラミの部屋を出て廊下を歩く。

 

「全くあんな気持ち悪いグラサンオネェ、良く勘吉が手を出さなかったもんだね?」

「出してましたよ? 出会って即で殴り飛ばしていました」

「! ハハハ!! やっぱりねぇ。勘吉が最も嫌いそうなタイプだもの」

「フフフ……本当に纏様と両津様は似ていらっしゃいますね」

「えー? もーやめてよツムリちゃーん!!」

 

 楽しく談笑しながら2人は廊下を歩いていく。

 

 さて同じ頃、ニラムの私室に秋本麗子が訪れていた。ニラムの姿は相変わらずの小洒落たスーツで蝶ネクタイを絞めていて、横にはビジネススーツを着込んだ秘書のサマスが控えている。そして麗子は昨日とはうって変わってピンクのサテン生地で作られたチャイナドレスを着込んでいた。麗子の艶めかしい身体のラインがクッキリと浮かんでいる。髪型はチャイナドレスに合わせて両端を三つ編みにして更にお団子状に纏めてピンク色のサテン生地のシニヨンに納めていた。

 

「お招き頂きありがとうございます、ニラム」

「いやいや、まさか秋本商事の御令嬢をこうしてお招き出来て光栄の至りです」

「でもお邪魔じゃなかったかしら。別に私は他のお部屋に居ても……」

「いえいえ。せっかく貴女が選んでくれた新しいライダーのお披露目です。是非御一緒にセレモニーを見守ろうではないですか」

「そう言う事でしたら。ところで前からお願いしていた両津勘吉の件ですが……」

「それなんですが……オホン!」

 

 ニラムは畏まって咳払いをする。

 

「どうやら妙な事に巻き込まれていた様ですね……」

「妙な事?」

「ええ。もう少し調査を進めていきます。お待たせしていて申し訳ありません」

「いいえ。両ちゃ……両津勘吉の事をどうか宜しくお願いします」

「ふむ……こんな美しいお嬢さんに慕われていて、つくづく両津勘吉と言うのは幸せ者ですね」

「そんな……別に慕ってなんて」

「フフフ……正しくそれこそが、リアル!」

「コホン! ニラム、そろそろ……」

 

 相変わらず直ぐに独特のセンスで調子に乗ろうとするニラムをサマスが咳払いをして諫める。

 

「おっと……セレモニーが始まる様ですね」

「纏ちゃん……くれぐれも気を付けてね」

 

 時を同じくして、ジャマーガーデンでは道長に転機が訪れていた。




 筆者です。「麗羅X」をお送りしました。
 纏ちゃんとチラミさんの初顔合わせ回でした。両さんも初手からキレましたが、纏ちゃんはそれ以上でした。ここで初情報、ラヴィも実はエントリーフォームからオッパイが強調されたデザインになっています。何にでも噛みついてくるチラミさんなのでこれは仕方なし。そして麗子さんはニラムから接待を受けていました。エロチャイナドレスですよ。エロチャイナドレス(大事2回)。麗子さんもあざといので……

 前書きのシンケンジャー話は東映特撮Youtubeにて今現在シンケンジャーがやっているからですね。檸檬ちゃんなら多分視聴しているに違いないと思っています。そして薦められた纏ちゃんも激ハマりします。明日の更新分ではその辺について更に深掘りしますね。

 少し前の後書きで”秋本治のナイス!なチョイス こち亀3”をお薦めさせて頂きましたが(https://syosetu.org/novel/320823/105.html)、では何故なのかとそろそろネタバレしますね。冒頭のマンガが新作なのですが、なんと水魔のチュチュパイセンの髪型をした両さんが出てきます。長年連載してきたこち亀で時折出てくる両さんがコスプレした何かの研究をする評論家や研究家の先生。このチュチュパイセンのコスをした先生の名前が”最新ガンダム女子髪型突飛過ぎる駄郎の介脚本難解佐衛門”と言う、擦り寄せする所か擦り下ろしまくってる名前を名乗っています。とにかくカラーページを1枚ピラっと捲った瞬間にソレが出てきますからインパクト凄くて、思わずコンビニで笑い飛ばす所でしたw 是非皆さんもお見掛けしたら手に取ってお買い求めください。

 では明日も間に合えば17:30更新ですのでよろしくお願いします。

 

この作品をお読みになっている貴方は

  • 男性
  • 女性
  • どちらとも言えない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。