仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~   作:唐 十三郎

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「リアリティライダーショー、デザイアグランプリ――っ!! 出番が少ないからと挫けてはいけません。ライダーたちの雄姿をナビゲートするのが私の使命です!!」
「まぁキャラがどんどん増えていくと仕方ねぇ事だ。まだ出番があるだけ有難く思うんだな」
「そんな?! このポジションを守るために日頃どれだけ苦労しているものと……」
「うん、わかるよ。すっごくわかる。でもウチだって中川や麗子、部長とか全く出ない回だって存在するからな」
「え? あのレジェンドキャラの皆さまが?」
「そうだよ。だってこの作品にだって、あいつらの出番殆ど無ぇだろ?」
「確かに……」

 この辺は筆者の筆加減なのかもと思うが、基本はギーツテレビ本編の世界観で動かしているので正直バランスが難しい。海パン刑事や月光刑事&美茄子刑事なんてよく出せたものだと今でも感心する。

「ちなみに、こち亀側からまだ出ていないキャラが来る可能性はあるのでしょうか?」
「候補としてはドルフィン刑事・左近寺・ボルボだな。その他に早乙女リカや小野小町、御堂春とか。まぁ女性キャラは気が強いヤツばかりで本文が全く進まなくなるからちょっと難しいかな?」
「「「あんまりだぞ両津ー!」」」
「「「どーゆー意味よ(や)、両津勘吉ぃ!!」」」

 気が付くと周囲をドルフィン刑事・左近寺・ボルボ・リカ・小町・春が取り囲んでいた。

「だー! 何でここに来るんだお前らぁ?! まだ本文に呼んでないんだから来るんじゃなーい!!」

 うっかり筆者が油断すると誰かしら本文にひょっこり来そうで怖い。


玉晒IV:築いたものは崩される

 こども食堂を開いていた施設の前に展開されたジャマーウォール。そのジャマーウォールの向こう側に子供たちの家族が心配で急ぎ駆け付けてきている。我が子を連れて帰ろうとするも、ジャマーウォールが阻みそれを行う事が出来ない。

 

「どうして? どうして連れて帰れないのよ?!」

「お母さん! お母さん!!」

「どうしてこの壁が邪魔するんだ?!」

「お父さん……」

「帰りたいよぉ……」

「待ってて! ちゃんと助けてあげるから!!」

「りっくん、大丈夫?」

「うん……」

 

 そこへ景和と両津、纏と檸檬がやってくる。

 

「ここは危ないから、食堂の中に避難してください!」

「皆さん、ワシと纏は警察官です! 安心してください、ご家族はちゃーんと守ってご帰宅させます!!」

「このバカはウソは言うけど約束はちゃんと守る……守るか? うーん……とにかくご家族の無事はアタシたちが守りますからご安心を!!」

「おい纏、要らん事言ってんじゃねぇ!! 皆さんが不安になってきてんじゃねぇか!!」

 

 騒動はなかなか止まない。どういう訳かこの異常事態なのに警察もやってこない。ジャマーエリアに残された家族の心配で集まった一般市民の皆も不安が積もるばかりだ。だがこの騒動をピシャリと止める者が居た。檸檬である。

 

「皆、落ち着け! 騒げば騒ぐほど、この事態を招いている者たちの思うツボじゃ!!」

「檸檬……」

「檸檬ちゃん……」

 

 見た目は完全に幼女なのに、大人顔負けで正論を言い放つその堂々とした姿に騒いでいた大人たちは自らの行動を恥じた。

 

「カンキチとマトイ、そして景和が居るから大丈夫じゃ。皆を信じて待っていてくれ」

「こんな小さな子が……お巡りさんたち、本当に頼みましたよ」

「りっくん、この人たちの言う事をちゃんと聞くのよ」

「どうか、どうかウチの娘を御願いします!!」

 

 ジャマーウォール外で待っている家族たちに泣きながら懇願され、両津と景和はしっかりと返事をする。

 

「ああ、任せておけ!」

「皆さん、この子たちは必ず守ります!」

 

 ジャマーウォール外の家族たちが一旦家路に向かうと、こども食堂の参加者たちは建物に戻っていった。啖呵を切った檸檬も戻ろうとするも足がすくんで動けなくなってしまった。檸檬に駆け寄って抱きしめてやる両津。

 

「やれやれ、今更ビビっちまったのか。でもありがとうな檸檬!」

「うん……レモン頑張った。本当はレモンだって怖いよ。でも、レモンまで泣いていたら、きっとマトイもカンキチも……景和だって困ると思って……」

 

 声を殺して泣き始める檸檬。その姿を見て景和は胸が激しく痛む。

 

「どうしたら……俺はどうしたら……!」

「おう、どうした景和? 何か今日はずっとおかしくねぇか?」

「――っ! ……いや、何でもない」

 

 両津の声に素っ気なく返した景和はそっぽを向いて、こども食堂の参加者たちが全員無事か確認しに建物へ向かう。

 

「なんだアイツ……?」

「勘吉。アタシも檸檬と一緒に建物へ入るよ。どうやらここからは出られないみたいだからね」

「そうか。ワシは景和と一緒にジャマトたちから皆を守る」

「カンキチ……景和が苦しんでいるみたいだから助けになってくれ」

「ああ。わかっているよ檸檬!」

 

 檸檬の頭をクシャクシャと撫でてニカっと笑顔になる両津。

 

「ったく……こんなガキにまで心配させんじゃねぇよ、景和……」

 

 その様子を見守る者が居た。英寿である。そして更にジーンが現れる。

 

「お母さんの事が恋しいのかい?」

「ゲームに備えてイメージトレーニングをしていただけだ」

 

 そっぽを向いてその場から離れようとした英寿をジーンが引き留める。

 

「君の家族を調べたんだけどさ……浮世英寿の母親は浮世美歌。おかしいな……君が捜してるお母さんってデザグラのナビゲーターのミツメじゃなかったっけ?」

 

 ジーンは手元のタブレットを操作して、幼少期の英寿の写真を開く。英寿が小学校の入学式の時のものだ。

 

「ハッ……物好きなやつだな」

「ファンなら推しのこと調べるのは当然でしょ♪」

「お前こそ、なんでジャマーエリアの中にいる? 世間には知られてないデザグラをなぜか楽しむオーディエンス……お前らは何者だ?」

「……次元を旅する観光客とでも言っておこうかな」

「只者じゃないって事はわかったよ」

「君もね♪」

 

 食い気味に返事をしたジーンをじっくり見つめると英寿はゆっくりとその場を後にした。感嘆の声を漏らしたジーンは笑顔となって、去って行く英寿をずっと見ている。

 

「ああ~……益々目が離せないなぁ~、英寿くん♪」

 

 そしてジーンもロングコートの裾をバッとひるがえしてその場を後にした。

 

 デザイアグランプリトレーニング用エリアV-1010にて。祢音と冴は後半戦までの空き時間を利用してジャマーボール攻略のための練習を行おうとしていた。

 冴はDGPプリントのサーモンピンクのTシャツに黒のショートパンツとロングタイツ。祢音は円と三角を基調とした幾何学模様のTシャツと黒のショートパンツとロングタイツ。身長差が15センチもあるため、至近距離だと祢音は常に冴を見上げる状態になる。年齢差も4歳離れているのでまるで姉妹の様だ。

 

「冴さん、練習に付き合ってくれてありがとう」

「スポーツ得意だし、下の子に教えるのも慣れてるから」

「下の子?」

「妹と弟がいてね。みんな、スポーツやってて」

「へえ~! 仲の良い”きょうだい”って良いなぁ……私ずーっと一人っ子だったから。私にも教えて、お姉ちゃん♪」

「さすがネコ、甘え上手ね♪」

「ん~? ニャンニャン♡」

「じゃあ、仮想ジャマトで練習」

「「「ジャジャ!」」」

 

 冴が振り向くとポーンジャマトが3体現れる。どうやらデザグラの謎技術を使った練習用ジャマトらしい。

 

「へ……? もしかして……意外と……鬼コーチ?! ふええ~ん!!」

 

 祢音が泣き真似を始めると冴は笑顔でありつつも真面目に練習の意図を説明する。

 

「このゲームで大事なのはパスをしやすい位置取りよ!」

「「「ジャ! ジャジャ! ジャジャジャ!!」」」

 

 仮想ジャマトたちがボールを奪いに冴に迫ってくる。冴は直ぐ祢音にボールをパスした。

 

「ペースを見つけて!」

「はい!!」

 

 軽快な動きで仮想ジャマトたちを翻弄する冴。祢音はその動きを真似ながら冴のパス捌きを覚えようとしていた。

 

 ジャマーエリアのこども食堂から戻ってきた景和はサロンのソファに座り思いつめていた。そこへ大智が声をかける。

 

「さっきのゲーム、様子が変だったけど……心配事があるなら話してみたら?」

 

 疲れ切っていた景和は考えはすれども大智への警戒心が無くなっていたため、堰を切るように悩みを打ち明けた。

 

「実は……前に退場した人と同じ言葉を、ジャマトが! 前にも同じことがあって……」

「そもそも、脱落者は元の生活に戻れるのに、退場者は戻れないのは何故か? 君の話が本当なら、ジャマトは……退場した人たちの成れの果てかもしれない!」

「そんな……」

 

 頭の中で今まで退場したライダーたちがフラッシュバックする景和。青ざめた顔色になり益々辛い顔つきになる。

 

「みんなが動揺するといけないから、このことは秘密に」

「うん……そうだね」

 

 だが、この会話を聞いている者が居た。景和に遅れる形でこども食堂から戻ってきた両津である。サロンの入り口近くで2人の話声を聞いてしまい、ドアを開けずに聞き耳を立てていた。

 

「そうか、それで景和の奴は……さてさて、どうしたもんかねぇ?」

 

 ジャマーガーデンにて。作業服姿に変貌した豪徳寺武。いや、豪徳寺に変貌したジャマトを連れて上機嫌なアルキメデル。

 

「仲間を守ったんだってールーク?」

「ジャマトを救うのが、俺の使命……」

「ん~……! 上出来だ!! フフフフフ……」

 

 両手を叩き嬉しさを表現するアルキメデル。生産者の喜びと言うものなのだろうか?

 その様子を少し離れた場所で伺っていた道長はデザイアドライバーと沢山のIDコアを見つける。IDコアはどれもヒビが入っていた。そのうち1つを手に取る。

 

「これは、俺のIDコア……」

 

 ヒビ割れたバッファのIDコアとドライバーを手にした道長はその場を離れた。

 別の温室に入った道長はそこでジャマトを育成している大樹を見つける。その根元にはひび割れたIDコアが埋まっていた。

 

「これは……もしかして?」

 

 根本に近付こうとしたその時、1体のジャマトライダーが道長に気付く。




 筆者です。「玉晒IV」をお送りしました。

 さて前半戦が終わり、それぞれが疑心暗鬼になってきていますね。そしてミッチーもヒビ割れたIDコアを入手しました。果たして無事に脱出できますでしょうか?

 前書きで言ってた出番云々ってのは自戒も含めた筆者のボヤきです。やっぱりね、キャラ増えて来るとどんどん立ち回りが難しくなってくるんですよ。そのうち両さん未登場の回も作らなきゃいけないのかなと考えては居ますがw 少なくともテレビ本編準拠の間はまだ枠組みの中でのことなので大丈夫なのですが、では何のために両さんを出しているのかと考えてしまうんですね。この辺は「変攻V:愛僧渦巻く迷宮の脱出ゲーム」から考えていた事でした。
https://syosetu.org/novel/320823/9.html
 まるでどこぞの家政婦の様に気が付くと何処かで見ていて余計なお節介をするポジに居たりする両さんですが、それが不思議な調和になるように今後も書けていければよいなぁと願う限りです。

 余談ですが、この2ヶ月半ほどで筆者所持のこち亀関連が30冊を超えました。2~3日に1冊は入手している事になりますね。今後も多分増えますw

 では明日も間に合えば17:30更新ですのでよろしくお願いします。

 

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