仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~ 作:唐 十三郎
「嫌な予感がする……」
「両さんがそんな事言うなんて珍しいな。風邪か?」
「バカ言え。ワシが風邪なんて引くか。にしてもこの悪寒はなんだかなぁ?」
「季節の変わり目だからな。本当に風邪じゃないか医者に診てもらったらどうだ?」
「英寿……ワシの身体を気遣ってくれるのか?」
「いや、単に伝染されたらイヤなだけだ」
「我が身可愛さかよ! でもなぁ、医者絡みでロクな目にあってねぇからなぁ……」
実際、人間ドックの折に両津の骨格が前例の無いものだと騒ぎになり、医師団が研究の為に軟禁した事がある。その時造られた標本には大智ですら驚いたくらいだ。
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「また変な事にならんだろうな? コロナウィルスの特効薬とかで……」
「それは本当にシャレにならなそうだな……」
「両さん両さん……どうやらそういう次元の話じゃないみたいだよ」
今回分のテキストを読んでいる景和が両津を呼ぶ。かなり顔が青ざめている。
「両さん、これ本当に大丈夫?」
「うーん……今回ワシ、休んで良いかな?」
「え?! そりゃ流石にヤバいでしょ!」
「いやーこんなの知ったら気が進まないなぁ。そーか、なんか言い知れない悪寒がすると思ったらコレが原因か……」
両津も思わず青ざめたその真相は? この後直ぐ!!
深夜の工事現場。突然正体不明のライダーらしき人物に襲われた道長は積み重ねてあった廃材に投げつけられ倒れた。
「! 油断していた……! それにしてもアイツは……?」
薄れゆく意識の最中、変身解除したその存在を見る。小洒落たスーツを身に纏った若い男。だがそこで道長の意識は途切れた。
「死してなお生きるとは……搬送しろ」
「どちらに?」
「死とは……リアルでなければならない」
道長を襲ったのはニラムであった。傍に控えていたサマスに芝居がかった口調で指示し、その場を後にした。
翌朝。いよいよ延長戦が始まる。デザイア神殿のツムリからの説明が行われる。
「さぁ、これが最後のゲーム。ジャマーボール延長戦サドンデス。ボールは1つに戻ります。先に得点を入れたほうが勝利です」
ライダーたちはジャマーエリアに転送された。既にジャマトチームは準備している。やはりその数は多い。祢音は怯え呟く。
「あの数を相手に……勝てるの?」
「僕たちが協力すれば大丈夫だ」
大智が怯える祢音を励ます。皆が首を縦に振り頷く。
「目指すは勝利のみ」
「ああ。ケリをつけようぜ」
英寿の言葉を両津が後押しする。
ライダーたちは一斉にバックルをドライバーへ差し込む。
『『『『『『 SET (CREATION)』』』』』』
「へーん……」
『『『『『『変身(しん)!!』』』』』』
『 BEAT 』
『 GREAT! 』
『 DEPLOYED POWERED SYSTEM GIGANT SWORD 』
『 BIG WIND FAN 』
『 NINJA 』
『 MONSTER 』
同時変身を終えたライダーたち。ロポが前に進む。ジャマト側もジャマトライダーが前に出てきた。
『 READY……FIGHT!!』
普段ライダーたちの変身後になる音声が延長戦開始の合図となる。上空に浮かぶ得点票の電光掲示板からボールが落ちてきた。
「フッ!!」
ジャマトライダーよりもロポがボールを掴む。ライダーたちが一斉にその場を離れパスを繋ぐためのフォーメーションを組もうとするも、ジャマトチームのど真ん中に居たルークジャマトから赤く怪しく輝いた光弾が発射されロポに直撃した。
「ぐはぁあああああ?!」
撃たれた衝撃で後ろに飛ばされたロポ。せっかく掴んだボールもジャマトライダーに奪われる。
「ジャアアアアアア!!」
ポーンジャマトにパスを回し、素早いパスワークでゴール付近に待機していたルークジャマトまでボールが回る。だがそこにタイクーンが駆けつけてレイジングソードで次々斬りつける。
「てやぁああああああ!!」
だがそれも予測済みだったのか、無数のジャマトたちがタイクーンに次々と襲いかかる。
「ジャバ!」「ジャマ!」「ジャージャーメッ!!」「ジャイアンリサイタッ!!」
「クッ……数が多すぎる!」
苦戦を強いられていくタイクーン。しかしここへナッジスパロウが救いに現れた。
『 MONSTER STRIKE!』
「避けろ景和!!」
「! わかった!!」
巨大な拳型のエネルギー弾が上空から飛んで来た。ナッジスパロウの声が届いたタイクーンは急ぎその場を離れる。
「ジャババババ?!」「ジャッバーババッ!!」「ジャバババジャバババ!!」
モンスターストライクで一網打尽にされた無数のジャマトたち。そして転がったボールを拾い上げる者が居た。
タイクーンである。
「景和、ボールをよこせ。君には荷が重いだろう?」
「! ……そうだね、でも!」
ライダーたちのゴール下、建物を見つめてタイクーンは決意する。避難しているこども食堂の皆が心配そうに見つめている。その中には当然ながら纏と檸檬も居る。
「勘吉……景和くん……」
「景和もカンキチも……頑張るんじゃぞ……」
「! 纏……檸檬……」
少し離れていた場所に居たタートルズが呟いた。
皆の気持ちを受け止めたタイクーンは、今度こそ迷わないと決心する。
「俺が皆を守るんだ……。だからこそ……このゲームに勝つ!!」
「その意気だ!」
「よーやく覚悟出来たのかよ……まぁこれでもう景和の心配は無くなったな」
『 GIGANT SWORD 』
『 TYPHOON CHARGE 』
後続のジャマトたちを倒しながらギーツとタートルズがやってきた。
「見てろ。種明かしだ!」
ギーツがルークジャマトとジャマトライダーをギガントソードで斬り飛ばす。吹き飛ばされ地に伏せた2体のジャマト。すると2体とも豪徳寺武の姿になる。
それを見てナーゴが驚く。
「ウソ?! シロクマさんが2人?」
倒れた内1体が苦し紛れに叫ぶ。
「マズい!!」
「……やっぱりな。こいつらは人間の姿をコピーしたジャマトだ」
「え?!」
ギーツの説明にタイクーンが驚く。
「言っただろう? 退場した者は……もう居ない」
「! ……そうか、そうだよね」
昨晩英寿が言っていた言葉を思い返す景和。目の前の存在はあくまでコピーをしたジャマトであり、退場した人間そのものではない。
倒れた2体のジャマトが再び本来のルークジャマトとジャマトライダーの姿になる。そしてまた後続のジャマトたちが現れる。そしてその中に数体、赤い羽織を着込んだジャマトが居た。
「?! アイツは!」
「また妙なジャマトが居るな……」
「止せ英寿! ……ワシが行く」
攻撃の姿勢に入ったギーツを制止するタートルズ。前に歩き、1体のジャマトに近付いた。そしてジャマトは1人の男に変貌した。
「? あの人は……」
「冴さん、知っているの?」
「うん……確か前のデザグラに居た人」
ロポがくぐもった声でナーゴの問いに答えた。
「確か”丸井ヤング館”。妙な名前をしていたからね。僕も覚えているよ」
「あの人も……」
「両さん……」
ナッジスパロウも覚えがある丸井ヤング館こと寺井。両津はゆっくり近づき変身解除をした。ギーツはいつでも両津の身を守れるよう構えている。
「両さん! 久しぶりだねぇ!!」
「おう丸井。妙な所で逢うなぁ」
屈託の無い笑顔で声をかける丸井。元々は葛飾署に所属し両津と同じく公園前派出所に勤める善良な警察官だ。
「デザグラに出たんだな……」
「うん……ウチも色々大変でね。今の世間の動きを見ていたら不安になってきてさ。せめて家族だけでも守りたいと思ってね」
「そうか」
「知ってる? 失踪者でも生命保険を受け取れる方法があってさ。デザグラ参加も特例が効くらしくて覚悟を決めて申し込んだよ」
「そうか」
「でもこうしてジャマトの身体になったから安心して家族の所に行くことが出来るよ~」
「! ……そうか」
「両さんもいっそジャマトになろうよ。そうすれば辛い事全部開放されるよ!」
「……断る!」
『 SET 』
「あれー? せっかくの良い提案だと思ったんだけどなぁ……じゃあごめん、僕もジャマトだからさ、ライダーの両さんと戦うね。倒されたら改めて考えてよ」
「黙れ」
「両さんも麗子さんも中川君も大原部長も、もちろん奥さんも子供たちも。みーんなジャマトになってこんな嫌な世の中を無くしちゃおう!」
「黙れ!!」
『 BIG WIND FAN 』
手にした大ハリセンで丸井の頭を上段から叩きつけるタートルズ。だが頭半分だけ吹き飛ばすも丸井、いや丸井の姿をしたジャマトは倒れない。
「もー、いきなり酷いよ両さん。でも変身できるのは両さんだけじゃないからね!」
『 JYAMATO 』
丸井ジャマトは腰に巻いていたデザイアドライバーにジャマトバックルを差し込んだ。
「へんしーん……とーお!」
メタボ体型ながらもキレの良い動きで変身ポーズを行う。右手拳を腰に引き、左手を広げて前に突き出しグルリと回す。そして右拳を広げて斜め左に突き出す。好きだった作品なのかスカイライダーの変身ポーズだ。
ジャマトライダーに変身した丸井ジャマトは足元から無数の触手を伸ばしタートルズに襲い掛かる。
「おっと! 全く、丸井がジャマトになったらこんなに狂暴になるのかよ!」
「狂暴だなんて酷いなぁ。力の正しい使い道を世間にわからせようとしているだけじゃないか」
「! それが狂暴だってんだよ!!」
『 TYPHOON CHARGE 』
怒鳴りながらレバーアクションを行いタイフーンチャージに入るタートルズ。バックルの大部分を占める風車が高速回転を行う。大ハリセンに緑色のエネルギー波が纏う。
『 TYPHOON STRIKE 』
『 JYA-JYA-JYA STRIKE 』
タートルズが繰り出したタイフーンストライクに対し、丸井ジャマトライダーも即座にジャジャジャストライクで応戦する。
「ちっくしょう! 硬ぇな、この野郎!!」
「両さんがいつも強いってわけじゃないからね!!」
丸井ヤング館こと寺井洋一は陰こそ薄いが決して貧弱な訳では無い。亀有公園前派出所のメインメンバーそれぞれが性格も含めて強すぎるだけであって、一般人の部類としてはむしろ逞しい。メタボ体型である事を気にして妻になるべく食べ物の事を相談もしているし、基本的に飲酒喫煙もしない。強いて言うなら趣味の落語好きの度合が一般よりも深いくらいだ。そんな彼が絶大な力を手に入れたら、いかに効率的な戦い方が出来るのか試したくなってしまうのが世の常。極上の美酒に酔っている状態なのである。
「くっそ~……丸井のヤロウがこんなにタチが悪くなるなんて思ってもみなかった……」
「これで済むと思っているのかい、両さん……」
「何……だと?」
後ろに控えていた他の赤い羽織を着ていたジャマトも一斉に変身した。タートルズの戦っている丸井ジャマト含めて計6体。丸井ジャマトも少し下がり他のジャマトライダーたちに合流する。
「「「「「「さぁ両さん、どれが本物かわかるかな?」」」」」」
「うるせー! 全部本物だろうが!!」
「「「「「「正解~♪」」」」」」
合計6体のジャマトライダーたちがタートルズに襲い掛かる。
「あれはマズい! 流石に両さんが危ない!!」
「で、でも……両さんが待てって」
「そんな事言っている場合か!」
ギーツ・タイクーン・ナッジスパロウが言い争いをしているその時、一際高い建物の上に2人の人影があった。
「困っている様だな両津。助太刀に来たぞ!」
「……両さん」
その声の主は季節感全力無視で海パンにネクタイだけの姿。見る人が見れば間違いなく”変態”と思うだろう。しかも彼だけでは無く、もう一人の男も同じ姿だ。但しこちらは頭だけデザグラライダーの様なフルフェイスマスクをしていたが。片耳だけ立っていて舌をペロリと出している犬の様である。こちらの男はあまり大きな声を出さずにいる。
「! あ、あの変態は……!!」
「冴さん、あれも知っている人?!」
「し、知らない!! あんな変態知らないぃいいい!!」
祢音の問いに冴は全力で答える。と言うより恐怖で震えている。
「ほう……これまた珍しい人が」
「仮面ライダーワンコー。汚野たけしか」
「何?! 英寿も大智くんも、あの変な人知ってるの?!!」
ギーツとナッジスパロウは突然現れた変態に対し至って冷静だった。……心底嫌そうな態度ではあったが。
筆者です。「玉晒XIV」をお送りしました。
ここまでお読み頂いた皆さま、お待たせいたしました。汚野たけしこと海パン刑事。いや、改め海パンライダーがとうとうジャマト戦にやってきました。詳しい活躍はまた明日の更新分になりますので今しばらくお待ちください。もう既に冴さんは怯えてますね。海パン刑事、実際冴さんにナニをしたのやら……
最近執筆の間にちょいちょい積んであるプラモにも手を出してます。Figure-rise Standard ホシノ フミナ。世間で言う美少女プラモ。略称:美プラと言うやつです。実はこの辺発売のものはいくつか金型が共通のものを流用しておりまして、下半身周りの部分が同一規格なんですね。そしてこのフミナ、ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、通常時でもスパッツ姿と言うなかなか扇情的な格好をしているのですが、不要パーツは生肌の腿(モモ)パーツが付いてきます。明らかに狙っているのかと思うくらいです。ところが肝心の軸受けパーツは余剰分無しで、BANDAIさんのパーツ注文でも既にストック無し。ダイバーナミのプラモが見つかったらパーツ取りだけの為に衝動買いするかもしれません。
では明日も間に合えば17:30更新ですのでよろしくお願いします。
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