【ガンプラバトル】
それは組み立てたガンプラを用いて行う競技で、毎年世界大会が開かれるほど大人気だ。そのため、各学校にも【ガンプラバトル部】は存在し、地区毎のブロック予選での優勝を経て全国大会へ出場が可能だ。当然、俺達が在籍する聖鳳学園にも【ガンプラバトル部】は存在し、かつては多くの大会で優勝した強豪だった。先輩方が積み上げた功績に恥じぬよう、俺達は練習を重ねてきた。……のだが。
「「はぁ~……」」
部室の机に突っ伏し、大きなため息を吐く俺ことスズムラ・シンと、【ガンプラバトル部】の部長にして元幼馴染、現恋人のホシノ・フミナ。
「部員、増えないね……」
「だな……」
悲しいことに、現時点で【ガンプラバトル部】の部員は俺とフミナの二人だけ。公式戦は3対3のチーム戦のため、あと一人必要だ。……だが、その、あと一人の勧誘に俺達は苦労していた。今日まで校内の生徒、男女問わず声をかけたが全敗に終わっていた。
瞬間、俺の脳裏を一人の男の顔が過る。
最近、部員の一人がコンテストでグランプリを獲得したと口にした時の、あの得意げな表情。部員引き抜きをかけてフミナがガンプラバトルによる決闘を申し込んだ時、そちらの人数が揃ったら応じると答えた挑発するような笑み。あの表情を思い出すと……。
「あー駄目だ、イライラする」
「大丈夫?おっぱい揉む?」
「気持ちは嬉しいけど、時と場所を弁えてくれたらもっと嬉しいかな」
フミナの誘いを断り、引き出しにしまってある煎り豆を出す。袋に小分けにされたそれを一気に口に放り込む。頭に上った血を胃に向かわせることで、精神を落ち着かせる。
袋をゴミ箱に捨てたタイミングで、フミナが立ち上がる。
「私、先生に選手権エントリーの交渉してくる。シン君は部員の勧誘をお願い」
力強く拳を握るフミナの瞳は、熱意で真っ赤に燃えていた。何としてでも大会に出場するという、強い意志を感じ取った。何かきっかけがあれば暴走する危険性を孕んでいそうな気がするけど、大丈夫だろう。そこまで馬鹿じゃない筈だ。
「……分かった。俺もやるだけやってみる」
「お願い。それじゃあ……」
フミナが、両腕を広げて俺の顔を見上げる。……ああ、ハグして欲しいのか。
「はい」
「ふぅ~……」
両腕を広げると、フミナは肺の中を空っぽにするように息を吐く。そして俺に抱きつくと……。
「すぅ~……」
今度は俺の胸に顔を埋め、息を吸う。次に頭部をぐりぐりと擦りつける。さながら、獣が樹木に体を擦りつけて縄張りを主張するように。
「じゃあ、行ってきます!」
「ああ。俺も行ってくる」
フミナの背中を見送った後、俺も部室を後にした。
「うちの
椅子に座り、手を膝の上に置いて深々と頭を下げる男性の名はスズムラ・シンさん。俺ことカミキ・セカイの一つ上の先輩にあたる。
「うぅ……」
部室の隅で正座させられ、目の幅涙を流して泣いているのはホシノ・フミナさん。『究極のバトルが楽しめる』という【ガンプラバトル部】の部長らしい。さっきまでスズムラ先輩に正論でボコボコに説教されていた姿からは少し想像しづらいけど。因みに、スズムラ先輩は副部長をやっているそうだ。立場を入れ替えた方がいいんじゃないか。
「いえ、そんな。最後まで説明を聞かずに帰ろうとした俺も少し悪いですし……」
「っ!なんて良い子なんだ……っ!」
スズムラ先輩が顔を逸らし、口元を手で押さえて小刻みに震える。ハンカチをポケットから出したってことは、もしかして泣いてる?なんだろう、ちょっと心にチクッと刺さる……。
「そ、それで【ガンプラバトル】って何なんですか?百聞は一見に如かずって言いますから、見せてください」
「……分かった。部長、準備お願いします」
スズムラ先輩は椅子から立ち上がると、棚の中のロボットを見ながらホシノ先輩に声をかけた。
「え~っと、実は私、足が痺れてて」
「やれ」
「はい」
ホシノ先輩は痺れる足に鞭を打って立ち上がり、機械の操作を始めた。すると、青い光が浮かび上がる。
「すげー!」
劇的ビフォーアフター。何もなかった機械の天板に、砂漠が現れた。手で触って感触を確かめてみたくなったけど、ここは我慢。
「さっき部長がセットした端末、GPベースにはガンプラとファイターのデータが入っている」
スズムラ先輩の手元には、緑と黒のロボット……ガンプラが。
「そのGPベースにガンプラをセットすると──」
スズムラ先輩がガンプラを台座に置いた、次の瞬間。
「おおっ!」
スズムラ先輩の手元に球体が二つ浮かび、画面が三つ展開した。球体に手を添えると、ガンプラの瞳に光が宿り、身構える。
『BATTLE STRAT』
「スズムラ・シン。アーミーアストレイ、出る!」
スズムラ先輩の掛け声と共に、ガンプラが出撃する。背中のブースターを吹かして、空を縦横無尽に飛び回る。
「こんな風に、コンソールを使ってガンプラを操って戦うんだ」
飛翔しながら、スズムラ先輩のガンプラが様々なポーズをとる。両腕を前に伸ばしたり、泳ぐように手足を動かしたり、或いは膝を抱えて丸くなって回転など。
そんな中、画面にアラート音が鳴り響く。目を凝らせば、武装した緑色のガンプラが向かってきている。……画面を埋め尽くさんばかりの大軍が。
「フミナ!お前、モックの出現数の桁弄ったな!?」
スズムラ先輩に指摘されたホシノ先輩が、サッと顔を逸らす。さっきの仕返しか?なんと大人げない……。
「あーもう、面倒くさい!」
コンソールを操作すると、ガンプラが装備している武器の一つ……後で聞いたところ突撃銃と呼ぶらしい、に短剣を装着。敵を迎え撃つ。
発砲音と共に弾丸が撃ちだされ、敵を1機、また1機と仕留めていく。
「邪魔っ!」
弾の補充中に接近された時は、西部劇のガンマンのように腰の銃、拳銃を抜いて早打ちか、突撃銃を槍のように突き出して撃退。
「おらぁっ!」
或いは頭部をサッカーボールのように蹴り飛ばして後ろにぶつけたり、手足を掴んで投げ飛ばしたり、武器を奪って攻撃に使用するなどして暴れまわる。
「……と。これがガンプラバトルだ。やってみるかい?」
最後の1機に短剣を突き刺して撃退したスズムラ先輩が、俺の方を向く。
さっきホシノ先輩が言った『究極のバトル』。それを目の当たりにした俺は、気分が高揚していた。
──これなら、本気の真剣勝負ができる!師匠から教わった次元覇王流拳法を極めることができる!
なら、答えは一つだ。
「はい!」
「力強い返事だ。早速だけど、この入部届に名前とクラスを記入してくれ」
スズムラ先輩が棚から出した紙とペンを受け取り、ペンを走らせる。
名前、カミキ・セカイ。クラス、2年。2年……何組なのかまだ聞いてなかった!
「すいません!転入手続きが終わっていないので、一旦職員室に戻ります!」
この時、俺は
あれから二日が経過し、放課後の【ガンプラバトル部】部室内。
あの後、正式にセカイが【ガンプラバトル部】に入部。俺達は【プラモデル部】に部員、コウサカ・ユウマの引き抜きをかけたガンプラバトルを申し込んだ。ミヤガが『人員の選別と機体の準備を考えて、二日後に行いたい』と言ったので、それを承諾して現在に至る。
フミナの膝枕を堪能しながら部室の天井をボーっと眺めていると、扉を開ける音が。
「遅れてすまない」
顔を上げてみれば、プラモデル部のミヤガとシノダ、ユウマの3人ともう1人が来た。確か……生徒会長だっけ?
「来たか。……で、なんで生徒会長も来てるんだ?」
「……今回の我々のガンプラバトル。君達はユウマ君の引き抜きを提示したけど、こちらの要求の提示はしていなかっただろう?そのために来てもらったのさ」
俺がフミナの膝枕を堪能していたところを見たからか、冷静に振舞っているようでかなり苛立っているな。口元もヒクついているし、青筋も浮かんでいる。
そして、生徒会長が口にしたのは、【ガンプラバトル部】を【プラモデル部】に吸収すること。実質廃部と言ってもいい。
「「だと思った」」
俺とフミナの息ぴったりのリアクションが気に食わなかったのか、ミヤガがつまらなそうに眉根を下げる。
「意外と冷静だね。それとも、よっぽど勝つ自信があるのかな?」
「勿論。セカイ君のことはミライ先輩から聞いてるし、シン君の実力は私がよーく知ってるから、ね」
と、フミナが俺に抱きつく。同時にミヤガの眉間に皺が寄る。
「じゃあ、始めるぞ。全員、GPベースとガンプラをセットしてくれ」
ラルさんに促され、各々がGPベースとガンプラをセットする。
コンソールが出現し、各々のガンプラの瞳に光が灯った。
『BATTLE START』
かくして、戦いの火蓋は切って落とされた。
ステージは峡谷。フミナ君達は崖下に身を隠し、ユウマ君達の位置を探る。
というのも、ユウマ君は狙撃が得意だからだ。ソースはフミナ君とシン君。迂闊に動けば露出したところを狙われるし、部位によってはそのまま負けになると警戒しているようだ。
使用機体だが、シン君はいつも通りアーミーアストレイ。フミナ君も同じくいつも通りパワードジムカーディガン。セカイ君は……トロフィーに隠されていたドムの装甲を被っていたガンプラ。
セカイ君の機体について何を言っているか分からないかもしれないが、困ったことに一から十まで全て事実だ。シン君との手合わせで装甲の一部が剥がれ、不審に思ったフミナ君が装甲を慎重に剥がして今の外見になった時は、どういうことだと困惑した。原型はビルドバーニングのようだが……まあ、それは今は頭の片隅に置いておこう。
『私はここよ、バトル部!』
『何?あのホビーハイザック、遊んでるんじゃないの?』
と、上空を【プラモデル部】のシノダ・エリ君のホビーハイザックが飛行する。
『……十中八九囮ね。シン君』
『おう』
囮だとフミナ君が判断すると、シン君は素早く行動に移った。セレクターレバーを操作し、銃が露出しない程度の高さになるよう、銃座代わりの銃剣を岩壁に突き刺し、姿勢を低くして構える。照準を合わせ、タイミングを見計らい……。
『あれ?どこ?どこなの!?』
『フィッシュ』
引き金を引くと同時に弾丸が放たれ、ホビーハイザックのコックピットに命中する。これで3対2。
『そこかあああ!!』
『ちょっ、ミヤガ先輩!?』
制止するユウマ君の声を無視して、ミヤガ君のAEUイナクトが飛び出す。
『ここは任せたわ!』
『行ってきます!』
『ああ、
フミナ君とセカイ君が移動する中、シン君はその場に残った。セレクターレバーを再び操作して、銃剣を鞘に戻して待ち構える。
『ウェルカム!』
『うわっ!?』
今度は銃口が露出するように構え、射撃。当てるためではなく、ユウマ君に攻撃させるためか、弾をばら撒くようにフルオートで。
『くっ!』
一瞬迷ったが、ユウマ君は狙撃で突撃銃を撃ちぬいた。つまり……。
『見つけたぜ!』
『来たか!』
ユウマ君の現在地がバレるという事。セカイ君が飛び出し、ユウマ君に突撃する。フミナ君も同様に飛び出し、援護射撃を行う。
『くたばれ諸悪の根源!』
……。
ミヤガ君がそんな事を言いながらライフルを連射。シン君は使い物にならなくなった突撃銃を捨て、拳銃と銃剣を抜いて迎撃。そして、1マガジン撃ち切ったところで拳銃を放り投げ、同時にブースターを吹かして接近。ミヤガ君は距離を取ろうとするが……。
『なっ!?』
右腕に巻き付けたアンカーランチャーのワイヤーがそれを阻止。そのままライフルを銃剣で破壊し、攻撃の選択肢を減らした。
『諸悪の根源とは、随分な物言いだな。俺がお前に何かしたか?』
『何もかもだ!』
吠えるミヤガ君は、自由に動かせる左腕にプラズマソードを握って斬りかかる。シン君は銃剣を振るい、攻撃を防ぐ。
『お前がフミナくんを独占していなければこんな事態は起きなかったんだ!幼馴染だか何だか知らないが、フミナくんを独占するなど烏滸がましい!』
『良いじゃねえか、幼馴染じゃなくて恋人なんだから』
『嘘だっ!幼馴染が恋人になれるわけないだろう!』
『だから幼馴染じゃなくて恋人なんだって言ったんだろうが。お前馬鹿なの?その頭の中に詰まっているのは灰色の脳細胞じゃなくてゴマ豆腐なの?だったら少し分けてくれよ、醬油と山葵で美味しく頂いてやるから』
『何をぉぉ!?』
二人は言葉で殴り合い、得物をぶつけて文字通り火花を散らす。
『わかったわかった、なら証拠代わりに自慢話をしてやる。まずは──』
『喋るなぁ!』
振り上げられたプラズマソードが顔面に迫る。
『ファーストキスは抹茶チョコの味だった』
顔面に当たる寸前で、左腕が止まる。
『なん……だと……!?』
『バレンタインデーにチョコを貰ったから俺の家で一緒に食ってたんだけどな?おばさんに吹き込まれたのか、最後の1個は口移しでって言ったんだよ。そん時のフミナがまあ可愛いのなんの。羞恥で顔真っ赤にして、プルプル震えながら口移しを実行したんだよ。で、それに便乗してファーストキスもお互いに捧げた、というわけだ。あ、チョコは勿論フミナの手作りでーす』
ミヤガ君の動揺ぶりを表すように、AEUイナクトの左腕が小刻みに震える。
『ああそれと、フミナのおっぱいは俺が揉んで大きくした』
『っ!?』
シン君の爆弾発言に、今度は全身が震え始めた。フミナ君達は戦いに集中して聞いていないのかノーリアクションだが、私達はびっくり仰天した。まさか、そこまで関係が進展していたとは。
『と言っても、成長期とか遺伝とか色々理由はあるけどな。付き合い始めて暫くしてから週に3、4回くらいの頻度で揉んだら今の大きさまで成長しましたー。そういえば、最近ブラがきつい気がするって昨日言って──』
『キイイイイエエエエァァァッ!』
ミヤガ君が甲高い奇声と共に振り下ろした攻撃をシン君は回避し、序にアンカーランチャーを外して離脱した。
『なんだ、アレは!?』
それは太陽をバックに現れ、峡谷に大きな影を落とした。ガンダムシリーズにあまり詳しくないセカイ君とは違うベクトルで、それの出現に私は驚愕した。
「あれは、アグリッサ!?機動戦士ガンダム00に登場した、大型モビルアーマー!」
というのも、公式ルールにおいて試合中に機体を追加投入することは禁止とされている。更に大型モビルアーマーの使用も制限されており、三人全員で1機を操作することになっている。そしてアグリッサは、AEUイナクトと合体する機能を有している。そう、
『大型モビルアーマーの追加投入なんて、選手権の規約違反じゃない!』
『そうだね、フミナくん。
フミナ君が抗議するが、ミヤガ君はこれが公式戦ではないからと開き直り一蹴。シン君達が歯軋りする音が聞こえたのは、気のせいではない筈。
『吹き飛べぇ!』
プラズマフィールドに捕まるまいと飛翔するシン君のアーミーアストレイに、アグリッサと合体したミヤガ君のAEUイナクトが武装であるプラズマキャノンを放つ。
『ユウ君どいて!』
シン君の援護に駆けつけようとするフミナ君達の前に、ユウマ君が立ち塞がる。
『お前、いつまで自分に嘘を吐くつもりだ!?』
『……』
先程言葉と拳をぶつけあってユウマ君の何かを感じ取ったのか、セカイ君が問いかける。しかし、ユウマ君は何も答えず、銃を構えて威嚇する。
『この……』
ユウマ君の態度に苛立ってきたのか、拳を握りしめて殴りかかろうとするセカイ君。しかし、それに待ったをかける人影が。
『先輩?』
『ホシノ先輩……』
『ユウくん……』
ホシノ君は悲し気な声音で右手のビームマシンガン、バックパックのライフル、左腕に内蔵したガトリングを構え、ユウマ君に狙いを定める。
『私は夢を諦めたくない。そしてその夢を邪魔する人は誰であろうと排除する。……それが、子供の頃に約束を交わした幼馴染であっても、例外なく』
冷たい口調で言い放つホシノ君だが、銃口と声音が微かに震えている。やはり、幼馴染への情は捨てきれないようだ。
『フミちゃん……』
それはユウマ君も同じなのか。言葉もガンプラも小さく震えている。
『僕は……』
暫しの睨み合いの後、ユウマ君は意を決したように銃を向ける。
『シンさん、上昇!』
シン君が言葉通り上昇すると銃口からビームが放たれ……ミヤガ君のアグリッサに命中した。
『コウサカ君!?何故だ!?』
『申し訳ありません、ミヤガ先輩。公式戦でないとしても、このような不正ある戦いを僕は認めません!』
突然の裏切りに、驚愕の声をあげるミヤガ君。しかし、ユウマ君は決別の意思を表明するように、ミヤガ君の不正を糾弾した。
『シンくん!』
『ああ!』
フミナ君のパワードジムカーディガンが飛び出し、両腕のガトリングを。シン君のアーミーアストレイがバックパックに搭載した3つ目の銃、AA-12をベースに作成したというフルオートの散弾銃を発射し、アグリッサを完膚なきまでに破壊する。
『セカイ!』
『はい!』
爆発する寸前に離脱したAEUイナクトに、セカイ君が突貫する。
『次元覇王流!聖拳突き!』
『うわあああああっ!』
セカイ君のガンプラの拳がAEUイナクトの胴体を貫く。そして、ミヤガ君の悲鳴と共に……爆発四散。
『BATTLE END』
戦闘終了を告げるアナウンスが流れ、フィールドが霧散した。
「生徒会長」
「はい。バトル部は存続の方向で話し合いを進めます」
そして、帰宅途中。
決着がつき、移籍の手続きなどは休み明けにという事で解散。途中までセカイ、ユウマも合わせて4人で下校していて、今は俺とフミナの二人きり。
「ねえ、シンくん」
「ん?」
腕に抱きついてきたフミナが、覗き込むように顔を上げる。
「私とセカイくんはユウくんとの戦いに集中してて聞いてなかったけど、バトル中にミヤガくんに何か言った?」
「……フミナのファーストキスとおっぱいに関してミヤガに暴露しまし、痛いっ!」
フミナが袖を捲り、直に腕を抓る。爪を立てているのもあってか、滅茶苦茶痛い。
「どうしてそういうプライベートな事言うの!?おかげでラルさんの私達を見る目が文字通り変わっちゃったじゃない!」
「ミヤガが余りにもしつこいからつい言いました!後悔も反省もしています!公序良俗に反しない範囲で何でもするから許してください!」
「ん?」
フミナの指にかかる力が緩む。
「今、何でもするって言った?」
「公序良俗に反しない範囲ですると言った」
「ふ~ん……」
ニヤリ。と、いやらしい笑みを浮かべて指折り数えるフミナ。これから俺はどうなるのか。何時、どんな命令をされるのか。身から出た錆とはいえ、家に着くまで俺は恐怖に震えた。
軽いオリ主と機体設定
スズムラ・シン:名前はシードディスティニーのシン・アスカと、その中の人の鈴村健一さん。声はアスラン。目鼻立ちはどことなくキラ・ヤマトに似ている。
アーミーアストレイ:グリーンフレームをベースに改造した機体。武器はアンカーランチャーを除き全て自作