龍殺しの鐘   作:白菜を身にまとった生命体

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1話:龍を殺せし者

「…やけに静かだな」

 

とある少年 ベル・クラネルは異様な気配の無さに違和感を覚えながら進んでいると、目の前から筋骨隆々の3匹の二足歩行牛ことミノタウロスが現れる。

 

「ミノタウロス…」

 

ベルは帯刀している刀を引き抜く。その刀は青白く、鍔には緑色の宝石をつけていた。ベルはその刀を構えると、3匹のミノタウロスに突撃する。

 

一体目の角を最も容易く切り落とすと、背後に回った2体目が振り下ろした石斧を刀で受け止める。それによって石斧の方が砕け散り、唖然としている2体目を蹴り飛ばすと、その反動で3体目に近づき腕を切り落とす。

 

そして、三体が四方から同時に攻撃を仕掛けようとした瞬間、ベルは三体の首を同時に切り落とした。

 

「…終わり」

 

ミノタウロスの血を浴びたが、そう言って血を拭き取り納刀すると、ベルは背後を見る。そこには金髪の女性がこちらをジッと見ていた。

 

「…見てました?」

 

「…うん」

 

「どの辺りから…」

 

「ミノタウロスに突撃した辺りから…」

 

「…最初からかー…あの、これは見なかったことに…」

 

「…待って」

 

そのまま立ち去ろうとしたベルを女性は呼び止める。

 

「…どうして、そこまで強いの…?」

 

「…ただ鍛え上げただけです。もう2度と、失わないように…失いたくないために」

 

悲しい表情をしたベルはそう言うと、その場から去っていった。それから少しして、

 

「「…名前聞くの忘れてた」」

 

と思った2人であった。

 

 

「…ただいま帰りましたー…ヘスティア様…」

 

「おかえりって…かなりやつれてるね…」

 

「エイナさんの説教を受けてました…」

 

「エイナ君か、今回は何に対して怒られたんだい?」

 

「…なんか5階層まで上がってきたミノタウロスの魔石を見せたら…」

 

「ミノタウロス!?もしかして、他の冒険者から逃げてきたのかな?」

 

「多分そうですね。結構強そうな人があとから来てましたから」

 

「ふぅん…とりあえず、ステイタス更新だね」

 

「はい」

 

ベルはそう返事すると、上の服を脱ぐ。そこには数多の傷跡が見えるが、大部分が黒い布で覆われていた。そしてそれも脱ぐと、そこには酷い火傷跡が広がっていた。ただ、その火傷痕は龍の鱗のような形をしており、まるで龍がベルの身体に巻き付いているかのようであった。ベルは上半身裸になるとベッドにうつ伏せになる。

 

「…いつ見ても、異常な体だね」

 

「えぇ、この傷は…力の象徴でもありますから」

 

そんな会話をしながら、ベルの主神であるヘスティアはステイタスを更新して紙に写し、ベルに見せた。

 

 

ベル・クラネル

Lv.1

 

力:A 899

耐久:S 962

器用:SS 1028

敏捷:SSS 1654

魔力:A 896

 

《魔法》

龍人解放(ドラゴノイド)

詠唱式【龍を纏いて討ち倒す】

・龍人化魔法

・龍の力を得る

・解放に枷をつけれる

 

《スキル》

龍を殺した者(ドラゴンスレイヤー)

・龍と戦闘時、全アビリティ能力超高補正

・全属性・全状態異常無効

・魔法使用時、龍眼解放

・スキル使用時、本能解放

 

東洋最強の英雄

・達人領域

・強者を求める限り、早熟する

・英雄の器

 

 

女神 ヘスティアはこれを見ても(まぁ、ベル君だしね)としか思わなくなっていた。最初から存在する魔法やスキル、そして成長の早さ。しかもスキルや魔法に出ている龍は、神々にとっては苦い記憶しかない。

 

その理由は隻眼の黒竜にあるだろう。当時最強ファミリアだったゼウス・ファミリアとヘラ・ファミリアの冒険者たちを殲滅した黒竜。ベルの義理の父や母はそれに関係している。

 

それはそれとして、ベルは自身のステイタスを見ると笑みを浮かべる。

 

「神様、俺は強くなりますよ…最後の英雄になるために」

 

「うん、ベル君ならなれるよ」

 

ヘスティアは優しい顔をしながら、ベルの頭を撫でた。




アイズにバレたらやばそう系ベル君

次回
2話:とあるウェイトレス(美の女神)
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