龍殺しの鐘   作:白菜を身にまとった生命体

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2話:とあるウェイトレス(美の女神)

翌日

 

ベルはダンジョンには行かず予備の武器を買うために巨大な塔【バベル】へ向かっていた。そんな中、

 

「あの!」

 

「…はい?」

 

ベルを呼び止めるウェイトレスがいた。銀髪で可愛らしい女性だが、ベルは警戒していた。何故なら、彼女から放たれるほんの僅かな神の気配を感じていたからである。

 

「私、あそこのお店で働いてるので何か食べていきませんか!」

 

「…さっき食べたからな…夜に来ますね」

 

「はい!お待ちしています!」

 

そう言ってベルはそこから離れると、考え込む。

 

(あの感じ…オラリオに来てから感じていた気配と同じだ…まさか、あの人は…いや、悪意は感じなかったから今は何も知らない方がいいか)

 

そう思いながらバベルで予備の武器を買うと、一度拠点に戻り、あのウェイトレスが働いている【豊穣の女主人】へ向かった。

 

 

「来てくれてありがとうございます!えっと…」

 

「ベル・クラネルです。あなたは?」

 

「シル・フローヴァです。ご注文は何にしますか」

 

「…これとこれで」

 

「はい!」

 

ベルは【豊穣の女主人】に入り、商品を選ぶとあたりを見渡す。女性のウェイトレスしかおらず、店主も女性であった。そして、その見た目に似合う力があることも、ベルは見抜いていた。

 

(Lv.3か4くらいか?…かなり腕が立つ人だ…それに、あのエルフのウェイトレス…美sじゃなくてあの人もかなり強い…)

 

そんなことを考えながら注文の品が来ると、ベルはそれを食べ始める。すると、

 

「【ロキ・ファミリア】の団体様が来店にゃー!」

 

そんな声と共に大人数の団体が入ってきた。

 

(…リヴェリアさんもいるってことは本当に【ロキ・ファミリア】なのか…門番に追い返されたからなぁ…というか、昨日のミノタウロスの時にあった人、【ロキ・ファミリア】の冒険者だったのか…)

 

そんなことを考えながら食べていると、ある狼人が大きな声を上げた。

 

「おい、アイズ!あのトマト野郎のことは話してねぇのかよ!」

 

(トマト野郎…?まさか、昨日のあれか?しかしトマトって…)

 

そんなことを考えている中、その狼人は騒ぎ始める。言いたい放題しており、流石に他の仲間たちからも止められていたが、ベルは

 

(美味い)

 

としか思っていなかった。

 

「…アレ、あんたのことじゃないのかい?」

 

すると、【豊穣の女主人】の店主 ミア・グランドが【ロキ・ファミリア】…のあの騒いでいる狼人を見ていた。

 

「多分そうですね」

 

「あんなに言われてるのに、なんとも思わないのかい?」

 

「…あんなので怒ってたら強くなれませんよ」

 

「中々強いね」

 

「えぇ、ごちそうさまでした」

 

ベルはそう言って金を払うと【豊穣の女主人】から出ようとする。すると、

 

「ま、待って!」

 

ベルの腕をあの金髪の少女が掴んだ。

 

「…あの時の」

 

「うん、昨日の…」

 

「アイズ、何をしていr…ベル!」

 

アイズを目で追っていた【ロキ・ファミリア】のLv.6冒険者であり、【九魔姫(ナイン・ヘル)】の二つ名を持つエルフの女性 リヴェリア・リヨス・アールヴが立ち上がり、ベルを抱きしめた。

 

「なぁッ!?」

 

糸目の女神のロキがその光景を見て驚愕する。先ほどの狼人や小人族の男性も驚愕していると、ベルが慌てて引きはがす。

 

「り、リヴェリアさん!皆さんびっくりしてますから!」

 

「あっ…!?す、すまない!」

 

「リヴェリアが…乙女の顔をしてた…」

 

「し、しかし…何故ベルは【ロキ・ファミリア】に来ないんだ?確か、紹介状は渡したはずだが…」

 

「…あー、それが…門番に「お前みたいなへなちょこが【ロキ・ファミリア】にくるんじゃねぇ!」って言われて紹介状をビリビリに…」

 

「…ほう」

 

その瞬間、リヴェリアから殺気が放たれる。その気を感じたアイズはガタガタと震え上がった。

 

「リヴェリアさん!出てます!殺気が出てます!あと後ろの方が怯えてます!」

 

「あっ!?私はまた…」

 

そう言って恥ずかしがるが、ベルの手を掴みっぱなしである。

 

「…あの、とりあえず今から帰るので…」

 

「あ、あぁ、そうか…」

 

「…はっ!とりあえず自己紹介を」

 

「あー…僕はベル・クラネルです」

 

「私はアイズ・ヴァレンシュタイン…よろしく、ベル」

 

「はい!それじゃあ!」

 

そう言ってベルは【豊穣の女主人】から出ていった。




精神的にも鍛え上げられたからそんなに怒らないベル君

次回 2.5話:鐘と姫君の出会い
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