龍殺しの鐘   作:白菜を身にまとった生命体

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2.5話:鐘と姫君の出会い

「…しかし、びっくりしたよ。まさかリヴェリアがあんなことをするとはね」

 

「うぅ、私は何てことを…」

 

「意外と乙女」

 

「それはどう言う意味だ?アイズ」

 

「イエ、ベツニワルイイミハアリマセン」

 

「…説教だな」

 

「ガタガタガタガタ」

 

この世の終わりかのように顔を青ざめながら震えるアイズを横目に、リヴェリアは小人族の男性 フィン・ディムナと会話をしている。

 

「…あんなことをしてしまったが、私とベルはかなり前の…私が休暇を貰って旅に出ていた時にな」

 

そう言ってリヴェリアはベルとの出会いを話し始めた。

 

 

ベルとの出会いは今から10ヶ月以上前に遡る。

 

「…ッ!ダンジョンではないがこの量は怪物の宴(モンスターパーティー)ではないか!」

 

リヴェリアは遠征前の息抜きとしてとある街まで旅行をしに行っていたが、その道中で大量のモンスターに襲われていた。

 

100や200…いや、1000を超えるほどの量には、Lv.6のリヴェリアでも対処できなくなっていた。そして、影のようなモンスターの攻撃がリヴェリアの顔に向かって放たれた瞬間、

 

「燕返し」

 

空からベルが現れ、そのモンスターを倒した。

 

「…誰だ!」

 

「旅人です。あなたの救援に来ました」

 

「そうか…この数は流石に魔法を使わないといけない」

 

「なら、僕が時間稼ぎしつつ倒していきます…それと、魔法を放つ時、モンスターじゃなくてこの刀を狙って撃ってください」

 

「何を言って…」

 

「お願いします」

 

ベルの目を見たリヴェリアはただ頷くことしかできなかった。何故なら、ベルの目は数多の死線を潜り抜けた猛者の目をしていたからだ。

 

ベルは優しく微笑むと怪物の宴(モンスターパーティー)に突撃する。そんな中で、ベルは攻撃を防ぎ、躱し、倒していく。

 

(…凄いな)

 

そんなベルを見ていたリヴェリアは杖を構えながらそう思った。技術だけならアイズ以上なのではないかと思ってしまうが、そんなことは頭の片隅に置き、詠唱を始める。

 

「【終末の前触れよ、白き雪よ。】」

 

すると、リヴェリアの周りが冷えていく。まるで極寒の地にいるかのように周囲が冷えていき、草木が凍り始める。

 

「【黄昏を前に(うず)を巻け。】」

 

リヴェリアの周りに雪の結晶が現れ始める。ベルはそれを見て刀を強く握り、タイミングを測る。

 

「【閉ざされる光、凍てつく大地。吹雪け三度の厳冬--我が名はアールヴ】」

 

ベルは詠唱が終わった瞬間、刀を上空に投げ飛ばす。リヴェリアはそれを見て刀に第一階攻撃魔法【ウィン・フィンブルヴェトル】を発動する。それは極寒の三条の吹雪を放つ魔法であり、その魔法が刀に直撃すると、その魔法は何故か刀に吸収された。

それだけではなく、その刀は白く光りはじめた。

 

「なんだ…?」

 

リヴェリアはその変化に驚愕していると、ベルは刀を掴みリヴェリアの前まで下がると横薙ぎに刀を振るった。すると、刀から斬撃が放たれ、その斬撃を喰らったモンスター全員が身体の芯まで凍りつき、粉々に砕け散った。

 

「はぁ…はぁ…」

 

リヴェリアはベルの手を見ると、指の二、三本が凍りついており、それに気づいたリヴェリアは即座に解凍を行い、念の為と持っていたポーションをベルに飲ませた。

 

「ありがとうございます」

 

「いや、いいんだが…さっきのは一体…」

 

「…」

 

「…分かった、聞かないでおこう…とりあえず聞きたいのだが、何かファミリアに入っているのか?」

 

「いえ、まだです」

 

「【ステイタス】無しであれとは…まるで昔の英雄だな」

 

「目指しているものはそれですから」

 

「…そうか、そういえば名乗っていなかったな。私はリヴェリア・リヨス・アールヴ、ロキ・ファミリアの冒険者だ」

 

「あなたが九魔姫(ナイン・ヘル)…僕はベル・クラネルです」

 

「…ベルか。すまないが一つ聞いていいか?この街に行きたいのだが…」

 

「…この街なら僕も向かっていたので、道は分かりますよ」

 

「そうか…な、なら…一緒に行かないか?少しだけだが共闘した仲だ。それに…ベルのことを知りたいからな…」

 

「…別にいいですけど…」

 

ベルは最後の言葉だけは聞こえなかったものの、それに了承した。

 

 

「…とまぁ、あとは一緒に街まで行っただけだ」

 

(…あのリヴェリアが乙女の顔をしておる…あの少年、恐ろしい奴だ…)

 

(そ、そんなに強いんだあの子…)

 

(…あの強さも納得…)

 

(いや、【ステイタス】無しでモンスター倒せるとか化け物か…化け物やわ…)

 

「…のれ…」

 

「ん?どうした?レフィーヤ?」

 

「おのれェェェェェェェ!!!!!ベル・クラネルゥゥゥゥゥゥ!!!?!!」

 

すると、酒を飲んでいたのかエルフの女性 レフィーヤ・ウィリディスが口から炎を吐いているかのような怒りを露わにしながら叫んだ。

 

「やべぇ!?なんかブチギレてるぞ!?」

 

「おい誰か止めろ!」

 

「助けてくれベート!」

 

「何で俺なんだよ!」

 

「捨て駒」

 

「捨て駒だろうね」

 

「というより生贄だな」

 

「おいごらぁ!テメェら!って待てこらおまッ…ギャァァァァァァァァ!!?」

 

「ベートさん…」黙祷

 

「うるっさいよアンタらぁ!」

 

「女将さんがキレてるにゃ」

 

「…うふふ」

 

そんなこんなのどんちゃん騒ぎが【豊穣の女主人】で起きた。

 

「はっ!ベルがまた女を落とした気配が!?」

 

「何言ってるんだ?アルフィア」

 

「やはり私もオラリオに…」

 

「マジでやめろアルフィア」




ベートは犠牲になったのだ。レフィーヤの鬱憤ばらし…その犠牲にな。

次回 第3話 怪物祭(モンスター・フィリア)
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