東方祭闇録   作:祀綺

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数年ぶりに時間が出来て、投稿済みの物に手を出そうとしたけどよく分からなくて、思い出すのと練習がてら新規投稿する馬鹿です。
よろしくお願いします





面倒ごとと分かって首を突っ込む奴は馬鹿

 

 

 

ここは

 

幻想郷(げんそうきょう)

 

人、妖怪、神、様々な種族を含め正体がよく分からない者や、忘れ去られた者が多く住む、最後の幻想渦巻く楽園である。

 

そんな幻想郷にある森

幻想郷の者たちが魔法の森と称するその場所は、化け物茸の胞子や妖気が溢れ、日はなかなか差さず人は長時間居続ける事すら出来ず、妖怪ですら立ち寄らない魔の領域である。

 

そんな森の奥深くに、妙に開けた空間がありそこに一軒家が存在した。塀で囲まれたその建物は、武家屋敷の様な造りをしている、広い庭の隅には、大きな桜の木が生え風によりその枝や葉を揺らし、見るものに風情を感じさせる。

その屋敷の縁側に、黒の袴に、黒の半袖タイプのピチっとしたスポーツウェアを着た1人の男と、紫色の前掛けのある変わった道士風の服装の金髪の女性が茶を啜っていた。

 

「いやぁ全くもって良い天気だ、そして茶も菓子も美味い……良い日だ、そう思うだろ紫?」

 

「そうね、けど貴方が突然お茶を飲まないかって来た時は、衝撃を受けたけど案外普通ね。藍も来たがってたけどやる事があるし、今度何か埋め合わせしてあげて、喜ぶと思うわ。……あっその菓子貰うわね」

 

紫と呼ばれた女性は、男が手を伸ばしていたお茶菓子を素早く流れる様に手に取ると、そのまま口に運び、口元を隠しながら男の方に目を向けた。

 

「おい!それは俺の……まぁいいわ、誘ったのは俺だし。…埋め合わせね………分かった、考えとくわ。今度予定空けくようお前から言っといてくれ」

 

「分かったわ(……私も断っておけば良かったかしらね、まぁ2人で居られるんですもの、良しとしておきましょう)」

 

「……ズズ(なぁんか寒気がすんなぁ)」

 

男の名は亡月 尽華(なきづき じんか)

毛先にかけ黒から深紫色になる髪を、背中の半ばまで伸ばし、顔に掛かる髪を左のみ耳に掛けた、身長184cmの大きい体。全身は鍛えられ、下は袴上に着ているウェアは僅かに悲鳴をあげている様に感じる、見える肌には所々に傷跡が残る筋肉質、鋭い目に顔は中性的である。

 

女の名は八雲 紫(やくも ゆかり)

見た目は若い金髪の女性だが、種族は妖怪である。その為長寿であり見た目ほど若くない。

幻想郷の創設に関わる1人であり賢者等の数々の異名を持つ、能力は『境界を操る程度の能力』あらゆる境界に干渉を行える強力な力である。そして年増。

 

「誰が年増だって!?」

 

「うぉっ!どうした突然叫んで、年増」

 

「ん、んん。いいえ、何でもないわ、って貴方今私の事何て??」

 

「あ?何も言ってはいなぁってイダダダダダダ!!!!痛い!い、痛え!離せ!!」

 

顔を逸らし茶を啜る尽華に対し、その頭を掴み無理やり自分の方に向かせようと捻る紫、抵抗をしている尽華の首には僅かに血管が浮き出ている。一見さほどの事では無いように見えるが、紫は妖怪、中でも最上位に位置する程である、それに抗っているのだから、尽華もなかなかのものである。

 

「………こっちを見て、さぁもう一度?」

 

シュッ!!

 

「……だが断る!……っとまだまだだなぁ?ゆかりん殿よ?」

 

抵抗を諦め、此方を一瞬見たと思ったのも束の間、拘束を外した尽華は庭に逃げてしまった。それに対し本気で追いかけない辺り、紫も戯れのつもりだったのだろう。そのやり取りは、2人の仲の良さが垣間見れるそんな一瞬であった。

 

「あ!待ちなさい!……人を馬鹿にして、本当に貴方は昔から変わらなすぎよ。…まぁいいわ、本題に入りましょう尽華。……前にも話した通り、また依頼頼めるかしら?」

 

庭に逃げ風を感じている尽華に対し、紫は縁側から立ち上がり庭に出てくる。その表情は先程とはうってかわり、真剣な顔であった。それに対し尽華は不敵に笑みを浮かべ、肩を回し始める。

 

「……あぁいいぜ、その依頼受けさせて貰うわ。元々その役目は俺の役目でもある訳だし、俺以外に適任も居ねぇからな。つってもお前と藍が、2人で分担してやっちまってたから久々な訳だが、問題はねぇだろ」

 

「……貴方も分かってる通り、貴方の役目を変わっていたのは仕方ない事で、貴方の為にも必要だったからよ、本来であれば貴方は経過ではなく後処理の方が適任ではあるもの」

 

魔法の森に怪しい風が吹く、それはこれから起こる事象への先触れであった。

 

「……っと早速か、良いねぇ幸先は良好……良い妖力だ、これなら申し分ない。…………始まるな紫、また新しい時代がやって来るぞ、一体幻想郷はこれからどう面白く荒れるのか、楽しみだぜ俺は!」

 

2人が空を見上げる、変化は一瞬であった。幻想郷の空に異常が起こる、それは人ならざる存在が跋扈する幻想郷だからこその怪現象、その名も

 

 

 

 

異変

 

 

 

 

波紋が広がるかの様に、空が一瞬にして紅く染まる。

それは青から赤へ変わるという単純なものではなく、空が血へと変わったかの様な、すぐにでも雨ではなく、血が降るのでは無いかと錯覚する程の変化、本来は有り得ない超常現象であった。

 

「……そうね、でもやり過ぎない様によ、貴方が本気を出したらそれこそ意味無いもの」

 

「分かってるって紫、異変解決は巫女の仕事だ。俺の役目は現博麗の巫女である霊夢がどう異変に対処するのか、緊急時と判断する以外は手を出さない事……そして」

 

尽華が手を開くと、そこには何も書いてないカードが1枚、それを器用に指で回し最後に親指と人差し指で挟む。するとカードは一瞬黒くなると崩れて塵になって消えてしまっていた。

それを見た紫はため息をつき呆れ、尽華は紫の反応が思ってた反応と違い、首を傾げ直ぐに何処からともなく、また先程と同じカードを紫に差し出しすと、紫の隣に立ち空を見上げた。

 

「新たに考案された幻想郷の新たなるルール、殺伐としたものではなく、命の削り合いたる戦いを、より簡潔に美しく実践的な遊戯とした、平和的(退屈)な遊び【スペルカード】こいつが幻想郷に及ぼす影響の観測だ、……そろそろ向かうとするか、ふっ!」

 

尽華は僅かに膝を沈めると、一気にその場から飛び跳ねて行った。気づけば、凄まじい速さで木々の上を飛び跳ねながら移動している、人の技では無いのは明白であった。そもそも妖怪の賢者に直接依頼される程の存在、生半可な実力では無いのは明白であった。

尽華が飛び跳ねた影響によって生じた風から髪を抑えながら、紫は尽華の向かった方角を見る

 

「相変わず出鱈目ね、余計な事をしでかさないと良いのだけれど……無理かしらね……昔から無茶ばかり、騒ぎがあれば必ずと言っていい程関わってくる。なのに気づけば多くの存在が彼を認め、友として宿敵として、……そして想い人として彼を慕っている」

 

 

 

……だけど同時に多くの種族……特に妖怪や神達から恐れ敬われた存在、それが亡月尽華……かつて終わりの太陽と恐れられた最凶にして最恐の妖……

 

 

 

より強い風が庭を駆ける、しかしその場には誰も居らず、ただ桜の木のみが強く揺れるのであった。

 

 

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「妖気を辿って来てみれば……霧の湖に立派なもんが転移してきてんじゃねぇか……」

 

尽華は紫と別れた後、妖気を辿りながら最短ルートで木々の上や間を駆けてきた。辿り着いたのは幻想郷にて霧の湖と言われる場所であり、本来そこには濃い霧が常に立ち込める所であるのだが、今は湖の畔に巨大な西洋造りの洋館が建っている。さらにこの異変の影響なのか、または異変の主の力なのか霧は血の様に紅くなり不気味に漂っている。

 

「……立派だが色合い悪趣味だろ、目が痛てぇわ、どんな奴が住んでんだよ。……まぁいいか、裏からお邪魔しますかね……表は霊夢が攻めんだろ」

 

尽華は館の裏に回ると、右手で壁に触れながら時々軽く叩いてみたりなどし、感触を確かめた後、他と少し造りの違う所で歩くのを止めた。

 

「ここからにするか、さて鬼が出るか蛇が出るか……すぅ…はぁ…良し、……廻転弐式(かいてんにしき)瓦解猩々(がかいしょうじょう)』」

 

尽華が壁に触れた手に僅かに力を込めると、黒い霧の様なものが現れ壁に触れると、触れた所から崩れる様に壊れ塵と化し、尽華が通れる程の穴が出来上がった。

 

「お邪魔……って、立派なもんだな……書庫かここは、それに普通の書庫じゃねぇ……置いてる本のどれもが、魔に属する物関連……随分とまぁここまで集めたもんだ」

 

尽華は棚の本を見ながら壁伝いに移動を始めた、棚の本はどれも数百ページはあろうかという程の分厚いもので、古今東西の魔導書や魔に属する生物の生態本を始め、特に西洋系列の魔導書が多く目を引く。

 

「……この洋館の造りや本達の系統……紫に聴いてた通り、今回の相手は西洋妖怪……中でも特に上位に位置する連中か。…………厄介なのが1人居やがる、こっちは俺の管轄か」

 

尽華が顔を上げると、そこには広い書庫の上で弾幕を撃ち合う、数人の影が飛び交うのであった。さらに尽華の視線は宝石の様な翼の少女に向けられていた。

 

「……おい霧雨!相変わらずの無鉄砲さ加減だな」

 

「へ!?誰だ…って、尽華!?どうして此処に居るんだ?『ヒュっ!』って危な!」

 

数人の影の内の1人、箒を持ち、デカい帽子を被る見るからに魔法少女と言わんばかりの服装の金髪少女、名を『霧雨魔理沙(きりさめまりさ)』魔法の森のに住処を置く魔法使いである。尽華との違いは、魔理沙の方が比較的魔法の森の浅い所に住んでいるという点である。

 

「天下の霧雨殿が、手も足も出ないとは滑稽だな」

 

「何だと!?『ビュオ!』ヤバ!……てか、どうして此処にお前が居るんだよ!何時も森の奥から出ないくせに!」

 

「よそ見は危ないよ魔理沙!……ってお兄さん誰?新しい玩具(おもちゃ)?遊んでくれるの?」

 

「初対面の奴を玩具認定するとは、どんな教育されてんだか」

 

魔理沙がひたすら避けている弾幕を操る相手、宝石の様な物がある翼を持ち、数人に分裂している金髪の少女は弾幕を止めると、尽華の方に目を向けた。

 

「……(随分とまぁ変わった気配だなァ、気配がダブってやがる、さっきの変な気配はこいつか……やはりこれは俺の案件だな)良し、霧雨!このガキの相手は俺がする!お前は別の奴の相手でもしてろ!ちょうど良く、向こうからお出ましだ」

 

「はぁ!?急に何言って……この感じ……ま!役割分担って所だな。危なくなったら、この魔理沙様が助けてやるからな尽華!」

 

「おうー、そっちは任せたぞ」

 

書庫の正式な入口の所に、悪魔の様な少女とそれを従えている様子のある、魔理沙よりも良く練られた魔力を持つ少女が此方を見ていた。

魔理沙はその人物を一目見て、自身より上の同種だと即座に判断した。魔理沙にとって実力の上下は関係ないのだ、この時大事なのは同種だったという事のみ。

 

「騒がしいから戻ってみれば……こあ、下がってなさい。少しどいて貰えるかしら、身内を大人しくさせたいのだけれど」

 

「それなら、魔法使いらしく魔法で退かしてみるんだな!ま、勝つのは私だけどな!」

 

無鉄砲な東洋の西洋魔法使いVS静かな西洋の東洋魔法使い

対象的な魔法使い同士の戦いが火蓋を切った

 

対して、尽華は

 

「少し相手をしてもらうぜ、流石にお前のそれは看過できそうにないんでな」

 

「……あは、あはははは!!!直ぐには壊れないでね!!知らないお兄さん!」

 

外的な狂気を纏う夜の少女VS異変が正しく進む為に動く妖

 

今4人による各々の個人戦が幕を上げた。

 

そんな最中、異変を解決すべき巫女はというと……

 

「さて、ちゃっちゃと終わらして帰りましょ」

 

館の門を突破し、正面から堂々と侵入するのであった。

 

十六夜の月が見ている事も知らずに。

 





初めに長い間他の作品を更新せずすいません、言い訳ですが更新しようにもできない状態だったのです。その話はまた別で出来れば幸いです。

徐々にこんな感じやったな。と思い出して行ければ幸いですね。だいぶ仕様が変わってたので、1から学びですが……

今後とも何卒よろしくお願いします。他の作品も必ず更新します。
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