迷い人と星の子   作:ポテチバタースキー

34 / 34
2話目、アイちゃん視点です。1話目は前話ですので、ご注意ください。
では、どうぞ。





第17ー③´話:アイちゃん的戦略(アイ視点) 3/9更新

 

 

 

 

 お風呂から上がって、これから夜ご飯。

 シスイ君はキッチンでお料理中で、私はベッドでゴロゴロ中だ。

 部屋着のスウェットはシスイ君の物を敢(あ)えて着ている。彼シャツ&ナイトブラの胸チラで、シスイ君へのアピール作戦の一環として。

 

「もう少し待っててな」

「んーっ、分かったぁ」

 

 ご飯が出来るまで、今日の出来事を振り返る。頭の中で1人作戦会議だ。

 アクシデントとか我慢出来なかったところはあったけど、大体以(・)前(・)計(・)画(・)し(・)た(・)通(・)り(・)のお風呂だった。

 洗いっこに混浴、飲(・)ま(・)せ(・)合(・)い(・)か(・)ら(・)の(・)イチャイチャホームビデオ。……後、お風呂上がりに体を拭き合うのもやった。満点ではないけど、それなりに満足の内容。

 恋愛のABCで言えばCの手前くらいまでは来たかな? 

 シスイ君のアレの触り方も分かったし。順調順調。

 前々から考えてはいたんだけど、今日のユナ婆との喧嘩で決断したんだ。

 今後、私のやり方でシスイ君との関係を進めていくって。

 シスイ君が何とか円満にやっていこうとしているのは理解できる。私の事を本当に大事に想ってくれていることも。それは勿論(もちろん)嬉しい、嬉しいに決まってる。

 けどね?

 シスイ君のやり方だと、シスイ君と私の関係がゆっくり進むから、そのうちユナ婆に追いつかれちゃうかもしれないんだよ。一時的に私が何かしらアドバンテージを得ても、それは小さくて、その分ユナ婆も詰めてくる。

 しかもユナ婆は、ことあまつかみ(別天神)? なんていう術でシスイ君ですら操れるらしい。それはつまり、シ(・)ス(・)イ(・)君(・)と(・)え(・)っ(・)ち(・)し(・)て(・)子(・)ど(・)も(・)を(・)作(・)ろ(・)う(・)と(・)思(・)え(・)ば(・)い(・)つ(・)で(・)も(・)出(・)来(・)る(・)って事。

 前に探りを入れた時は乗り気では無かったけども、もしそうなった時、シスイ君はユナ婆をどうするかな?

 多分、その責任を取ろうとすると思う。

 シスイ君、優しくて真面目だから。

 ……結局さ。

 今の私って、シスイ君の『カノジョ』で『パートナー』なのに凄く不安定な立場なんだ。

 いくら私達がお互いに想い合っていても、それが現実。

 ……じゃあ私は、どうするべきか?

 今すぐ結婚する?

 出来ないよね。法律的にシスイ君が18歳にならないと無理。

 シスイ君に泣きついて、ユナ婆との関係を切って貰う?

 意味無いよね。ユナ婆はしつこい。それに既成事実を作る口実を与えるだけだろうから。何よりシスイ君に辛い思いさせたくない。

 シスイ君をユナ婆とシェアする?

 死んでも嫌。シスイ君がユナ婆に抱かれているのを想像するだけで、吐き気がする。

 そうなるとやっぱり……、ユ(・)ナ(・)婆(・)よ(・)り(・)先(・)に(・)既(・)成(・)事(・)実(・)を(・)作(・)る(・)。それしか無い。勝ち逃げパターンだ。

 元々結婚後シスイ君と子どもを作る予定だったし、その予定が少し早まるだけ。結婚生活の実質があるんだから、外向けの形は後からでも良い。

 今日えっちしようか迷ったんだけど、シスイ君のブレーキを壊す方が先かな。いきなりヤっちゃったら、シスイ君は自分自身を凄く責めるだろうし。

 えっちに近い事をたくさんして、シスイ君の様子を見ながら、えっちへのハードルを段階的に下げていく。それと並行して、誘惑し続けてシスイ君が私に手を出したくなるように導く。

 結果、お互い満たされて超ハッピー。

 場合によっては、私の方からシスイ君へ仕掛けるかも。ダメ押しで『女の涙』と『お願い事』を使っても良い。

 絶対に負けられない戦いだから、シスイ君を奪われたくないから、……私は手段を選ばない。

 ユナ婆がシスイ君を諦めてくれたら、それが1番良いんだけどね。

 

「夜ご飯出来たぞ~」

「んっ、ありがと~」

 

 ベッドから起き上がって、座椅子に座る。

 座卓には、ココアと野菜たくさんのクリームシチュー、大きなウインナーとベーコンが目立つスパゲッティ。それからデザートの、器に移された蜜柑(みかん)の缶詰とヨーグルト。

 ええっとスパゲッティの名前何だっけ、ペペロンチーノだっけ?

 デザート以外、全部シスイ君の手作りだ。私も手伝おうと思ったんだけど、「いや、俺が作るよ。アイは頑張り過ぎてるからさ、少しでものんびりして欲しいんだ」って言って譲らなかった。

 優しいなぁ。低く見積もっても、いつも7割方シスイ君が家事やってるのに。

 心が温かくなって、シスイ君への想いが溢(あふ)れてくる。

 ぽかぽかした気持ちで待っていると、エプロンを外したシスイ君が向かいの席に座った。

 

「「いただきます」」

 

 スパゲッティがピリッと辛くて美味(おい)しい。

 幸燦園(こうさんえん)で初めての誕生日会の時もスパゲッティだったなぁ。

 あの時も食べさせ合いしたんだよね。

 

「シスイ君、あーんっ」

「あ、あーん」

 

 ぎこちなく口を開いたシスイ君。

 私のフォークに巻いたパスタを、パクッと食べた。

 照れ臭そうにしているのが、また可愛い。

 

「次、私にも食べさせて?」

「ああ。はい、あーんっ」

「あーんっ」

 

 パクッと一口。

 うん、美味しいっ。

 

「ねね、シスイ君」

「ん?」

「明日も修行付き合って欲しいな?」

「ん〰〰……、アイの体調に問題が無ければ……かな」

「平気平気っ! お風呂場でスッキリしたし!」

「ごほっごほっ!!」

 

 シスイ君、ココアを飲んで噎(む)せてる。耳も紅(あか)くなってるし。

 ちょっと悪い事しちゃったなぁ。

 でも、恥ずかしさを乗り越えた甲斐はあったよね。

 それだけシスイ君の中で強烈なインパクトとして残っているって事だから。

 

「ごほっごほっ……こほっん゙ん゙っ……ふぅ……。あのぉ、お風呂はね、もう少し手心を加えて欲しいというか何というか……」

「シスイ君だって満更でもなかったでしょー? 自分では気づいてなかったかもしれないけど、ガン見してて鼻息荒かったよ? 男の子全開だったし?」

「ごふぁっ!!」

 

 シスイ君は額(ひたい)を撃ち抜かれたように仰(の)け反って、座椅子の背凭(もた)れに背中を預けた。

 あちゃあ、……ダウンしちゃったかも?

 人の本能なんだから、気にしなくて良いと思うんだけどなぁ。

 私、シスイ君に求められているのが分かって、とっても嬉しかったよ?

 えへへへ。

 

「シスイ君シスイ君」

「……ごふっ……何で……ござんしょ」

「前々から思ってたんだけどね、シスイ君達以外に忍者な人、居るのかな?」

「……可能性は否定出来ないよな。何人もゴロゴロ隠れているとは思いたく無いけど」

 

 姿勢を正したシスイ君は、真剣な表情だ。

 切り替えた時のカッコ良さも、シスイ君の魅力の1つ。

 

「やっぱり、私も早く強くならないとダメだよね?」

「……確かに早い方が良いかもしれない。でも、焦る事は無いさ。……大丈夫。俺が側に居るし、みっちり教えるよ。体術……戦闘術、幻術対策なんかも含めてな」

「おおっ! 楽しみだなぁっ! 明日からもよろしくね?」

「勿論さ」

 

 私を安心させるような笑顔のシスイ君。チクリと僅(わず)かに心が痛んだ。

 楽しみなのは本当。疑問に思った事も本当。ただ、疑問でカモフラージュした部分があって。

 一般的な護身目的よりもユ(・)ナ(・)婆(・)対(・)策(・)の(・)力(・)が(・)欲(・)し(・)い(・)んだ、私は。

 ユナ婆があそこまでしゃしゃり出る理由の1つは、私が非力だから。

 シスイ君と同じくらい強くなれば、ちょっかいを出しにくくなる筈(はず)。

 私には幻術が効かないみたいだし。

 そんな事を考えながら、シチューをスプーンで掬(すく)って食べる。

 う〰〰んっ、解(ほぐ)れたジャガイモと牛肉が良い具合にマッチしてるねっ。明日は更に美味しくなってそう。

 ……あっ、そうだった。

 シスイ君に伝えないといけない事があったんだった。

 

「シスイ君」

「ん?」

「明日の朝ご飯から、お米チャレンジしてみよっかなって」

「……無理に食べなくて良いんだぞ。苦手な物を食べなくても生きていけるんだから」

 

 シスイ君が気遣わしげな顔つきで、私を見つめている。

 トラウマがあるの知ってるからね。無理もない。

 けど、私がママになった時の事を考えると、逃げ続ける訳にもいかないんだ。

 

「心配してくれてありがとっ。でも、チャレンジするのも大事じゃない? やるだけやってみたいな」

「……分かった。ただし、気分が悪くなったりしたら直ぐに止める事。我慢するような事じゃないからな」

「んっ、本当にありがとね。シスイ君」

「礼を言うような事じゃないさ。当たり前の事だよ」

 

 ……それ以降も、私達は談笑しながら、また時々食べさせ合いながら、夜ご飯を食べ進めていった。

 こんな何でもないような穏やかな時間が、温かくて幸せ。

 想い想われる――その積み重ねに心が満たされる。

 シスイ君に救われる前、心の奥底で渇望していたもの。

 私は、この幸せを絶対に喪(うしな)いたく無いんだ。

 

 

 

 








という事で3/9更新分でした。
ここまでお付き合いいただいた皆様、本当にありがとうございました。m(_ _ *)mペコリ
一応、一区切りとなります。1週間延期したのにギリギリ……。アイちゃんドウシテドウシテ……。

当初、私としては、ほのぼの寄りで緩やかに進めるつもりだったんですけどね、内なるアイちゃんに『おいポテチ。私の置かれてる状況が分からないのかな? この期に及んで生温い手を使うなんてあり得ないよ?』と詰められたんです……。
何度も書き直さざるを得なかったんです……。
だから私は悪くない!!
運営様、見逃して!!(土下座)


■告知

次話以降に関して、一応不定期更新(更新出来る時は日曜21:00更新)という事になります。
本筋については、話をある程度書き上げて溜めてから投稿した方が良さそうかなぁと判断しました。
その理由は下の『現状説明』にて触れていますので、もしよろしければご参照ください。(前回あとがきで割愛した内容となります)

早めに投稿するとしたら、アイちゃんとシスイ君のイチャイチャorほのぼのな間話になるかと。
本当にごめんなさい。


■現状説明

まず、物語の一番大外の部分(土台の設定や、ざっくりした物語全体の流れ)は、今まで予定通りといえば予定通り(大きな変更をしていないという意味で)なんです。
結末も、書き始めた時から複数パターン(当初3パターン、残り2パターン)考えてはあります。
ただ、本筋の次話以降、いつも私がガバガバ言ってる一話単位のプロット、それから中規模単位(章になるのかな?多分)のプロットにかなり頭を悩ませていまして……。
ネタバレ防止のため抽象的に言うと、アイちゃんとシスイ君の結末に大きく作用する訳では無いけれども、完全に無視していい訳でも無い部分がね……中々良いアイディアが浮かばないんですよ……。そこが定まらないと、次話以降の本筋の展開が非常にしづらいんです。(ぼかした言い方でよく分からないですよね……ごめんなさい)

その上で週一更新or隔週更新の場合、予定している物語の流れに沿って書くのは、今の私にはかなり厳しいかなと。
出来る限り拙作の主要キャラクターを操りたくない、別個の人格として動いて欲しいという私の意志も影響していると思います。(よくプロットから逸脱する原因の1つでもあります……)
恐らく拙作の状況的に、流れから大きく逸脱してビター要素多めの方が物語的には面白いのでしょうけど、拙作に限っては本末転倒になってしまうのでね……。



という事で、ご容赦いただけると幸いです。m(_ _ )mペコリ
不定期更新の件について、重ね重ねごめんなさい。


P.S.雑感
Googleのストアってさ、確かR18ダメだよね?
『R17.9なプロの作品って、どんな感じで書いているんだろうなぁ』って調べてたら、対◯忍のノベル(検索して調べたらバリバリのR18)が出てきてビビったわ……。
ノベルなら良いのかねぇ……。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
一言
0文字 一言(必須:5文字~500文字)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。