鬼殺しのかぐや姫   作:しやぶ

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(存在しない)前回の内容を振り返っていくぜ!
 鼓屋敷編! 以上!! 説明不要!!!

 ……という冗談はさておき、真面目に相違点と影響を箇条書きにしながら省略した部分の概要を説明します。

 炭治郎。
・正史における浅草戦の時間(最低一日。移動時間分合わせて二日三日程度の想定)が休息期間となり、ひささんとの面識が既にある。
・浅草戦が無いので体調が万全。(足と肋骨の骨折が無い)
・最終選別で顔を合わせた受験生の数が正史よりも多いので、善逸の強さに対する信頼が相対的に大きくなっている。

 善逸
・炭治郎と同じくお助けパラディン(上位階級の先輩隊員による監督)付きの初任務が用意されていたが、雀の言葉が理解できなかったため先輩と合流できず、正史通りの場所で泣き崩れていた。
・禰豆子の情報(食人衝動が実質皆無であること、並の異能持ち程度なら互角以上に渡り合える戦闘力を持っていること)について判明していないので、屋敷の外に残した正一、てる子の護衛が彼になっている。

 伊之助
・炭治郎及び善逸と同じくチュートリアル任務が用意されていたが、鴉を食べようとした結果指示が通らず、(おそらく適当に走り回っていた道中に鬼の気配を感知して)鼓屋敷に突入。正史における彼自身の台詞より、炭治郎及び善逸が屋敷に到着する三日前から屋敷で索敵を行っていた模様。
・正史では善逸が倒していた舌鬼を討伐している。

 (きよし)(稀血の少年)
・伊之助は鬼(バケモノの同類)だと思っている。
・一人で頑張った。炭治郎は『鼓鬼以外が転移の鼓を持っている』ことと『稀血という単語』『独特な血の臭い』に気付いていたので、扉を開ける前に『そこに居るのは清か』『キミの弟と妹に頼まれて来た』ことを説明。手当をして索敵を続行した。

 響凱
尚速(しょうそく)鼓打ちの解禁理由が正史では『他の鬼に稀血を奪われる前に早く喰わねば』という焦りと、炭治郎の『諦めない』という言葉が琴線に触れたからだったが、こちらでは『(炭治郎)に近付かれて斬られかけた場面が何度かあったため、本気を出した』というシンプルな理由になっている。
・最期はほぼ同じ。超回転で散乱した原稿を炭治郎が踏まないよう回避したことで手が緩み、接近を許す。その後炭治郎から血鬼術の強力さを認められ、隙を晒し……そのまま斬首。


 今回の本編は外で待っていた善逸視点から始まります。
 ……繋ぎの回なので、正直味は薄いかもです。すみません。
 


(7)

 

「あばばばばば……」

 

 尋常じゃない速度で、鼓が打たれる音がする。

 おそらく鬼の異能──『血鬼術』による攻撃。少なくとも俺には、これが『普通の楽器』を使った『無害な演奏』とは思えなかった。

 

 そして音が止み……静寂。攻撃が完全に止まったのだ。

 鬼を倒した、という認識でいいのだろうか。炭治郎は、無事なのか……?

 

 

「……あの」

 

「──んひィッ!? 何!? できれば次からは話しかける前に合図して欲しいな!?」

 

「…………すみません。ただ、その……そんなに怯えられると、俺達まで不安になるので……」

 

「ヤダごめんね!? でも俺、できもしないことを『任せておけ』なんて格好付けて言えないんだよ! 心も身体も弱いから!!」

 

「…………『屋敷からバケモノが出てきても、日向(ひなた)に居れば大丈夫』……この言葉は嘘じゃないんですよね?」

 

「えッ、それは正真正銘本当のことだけど……まさか俺、頼りなさすぎてもう信用失ったの? この短時間で??」

 

「……正直、ハイ」

 

「ンガッッ」

 

 流石の俺も、これだけハッキリ言われると心が痛い。

 

「だって……だってしょうがないだろぉ……? 俺、まだ入隊して刀貰ってから十日も経ってない新人なんだよ……? 最終選別も運良く生き残っただけで、()()()()()()()()()()()()()()のに……そんな状態でぶっつけ本番、しかも()()()()で任務にあたれって……コレ組織の方が酷いと思わない……?」

 

「えっ、『新人だけ』って──もしかして炭治郎さんもですか!?」

 

「あ」

 

 ──しまった、失言だ。また不安にさせるようなことを言ってしまった。

 

「でっ、でも安心して! 炭治郎は()()から!! ──あぁいや、俺の同期だから新人ではあるんだけど……!」

 

「…………とてもそうは見えませんでしたね」

 

「うぐッ」

 

 言われなくても本来なら『アナタと違って』と続くのだろうなと分かる、冷たい目。

 あぁそうだよ。そんなの俺自身が一番分かってるよ。

 

「……実際、炭治郎は他の新人とは音──いや、『格』が違うんだ」

 

 『呼吸』をずっと使ってケロリとしてる奴なんて、あの会場に居た中では炭治郎だけだった。

 

「だって、誰もが自分の安全を確保するので手一杯だった、あの試験会場で──アイツだけ()()()()()()()んだぜ?」

 

 炭治郎が居なかったら、あの時の合格者は一人か二人になっていただろう。

 おそらく自力で生き残っていたのは、あの『傷顔短気野郎』と……声しか分からなかった、『せっかち野郎』くらいだから。

 

 

「猪突猛進! 猪突猛進ッッ!!」

 

 

 そう、まさにこんな声の──ッ!?

 

 

「ひッ!?」

「きゃあああああ!?」

「──イィィヤァァァ!? バケモノぉぉ!?」

「善逸さんの嘘吐きッ! なんですかアレ!? 普通に太陽浴びてるじゃないですかッッ」

 

 いや待って!? 俺もビックリして『バケモノ』って言っちゃったけど、アレ人間!! 鬼じゃないから! 俺嘘吐いてない!!

 ──って弁明したかったけどくっっそが身体固まって声出ねえ!!!

 

「あん? なんだぁ、テメェら……。

 ──ん? おぉ……!? なんだよオイ、いるじゃねぇか! ()()()()()()()()()()()()!!」

 

 

 ──は? どうして()()()()()()そんなワケのわからないことを仰っているのかしらこの猪頭さんは??

 なんで嬉しそうに『さっきの相手は弱過ぎて不完全燃焼だった』とか言ってるの? 悪いけどたぶん、俺はソイツよりもっと弱いよ??

 

 

「オイテメェ! 俺と勝負しろ!!」

「え、嫌だけど」

「ははぁん? さてはテメェ、俺様にビビってるな!?」

「うん。超絶ビビってますが何か??」

「──は?」

「──は??」

 

「……舐めてんのか? テメェ」

「いや舐めてねぇよ!? ホントの本気で『戦いたくない』と言ってるんですよこちとらぁ!! つかそもそも、隊員同士でやり合うのって御法度だった筈だし!!!」

「知るかぁ! 俺と戦えタンポポ頭!!」

 

「──イィィィヤァァァ!?!? ホントに襲いかかってきたよコイツゥゥゥ!?」

 

「逃げるな待ちやがれぇぇ!!!」

 

「ひぃぃぃ!! 助けて炭治郎ぉぉ!!!」

 

 

 

 *

 

 

 

 大正コソコソ噂話

 

 今回一番のポイント。

 かまぼこ隊が誰も重傷を負っていない。

 

 次回は炭治郎視点でこの直後から始まるみたいだぞ。

 

 ……ちなみに善禰豆フラグはまだ折れ切ってはいないぞ。頑張れ善逸。

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