「──こ、これは……!」
「……?」
「どうした? 竈門少年」
任務当日。目的地到着直後。
炭治郎は何故か目を剥き、アワアワと取り乱し始めた。
「いや『どうした』ってそんなッ、早く止めないと……!! 皆食べられちゃいますよ!?」
「……??? すまない竈門少年。ちょっと何を言っているのか解らない」
「えっ、いや、ですから──……。
…………もしかして『人喰い列車』って、それそのものが鬼……というワケでは──」
「
「〜〜〜〜っ」
(ダメよ、笑っちゃダメ……! でも汽車を鬼と間違えちゃうなんて、可愛い!!)
「…………。
……禰豆子。ちょっと今だけ、兄ちゃんを箱の中に入れてくれないか……?」
「ムゥ……」
(──アッ、どうしよう尊い! 恥ずかしがってプルプルしてる炭治郎くんも、『箱に入れるのは無理だけど……』って少し困った顔でなでなでしてる禰豆子ちゃんも、可愛い過ぎる!! 二人纏めて抱きしめたい!!)
「ありがとなぁ禰豆子……元気出た……もうちょっと頑張るよ……」
「ムームー!」
「ハハハ! 間違いは誰にでもある! 気にすることはない!
──さて、そろそろ発車時刻だな。行くぞ甘露寺! 竈門少年!」
「あっ、はい!」
「行きましょう!!」
*
一方その頃。
「──猪突猛進! 猪突猛進ッッ!! 勝負だ鉄蛇ィィィ!!!」
「やめろバカッ!?」
「なんだアイツ!? 刀を持ってるぞ!!」
「イィィヤァァァ!!!(汚い高音)
なんでいっつも任務関係ないトコで問題起こすかなぁこのクソ猪はさァァァ!?!?」
〝汽車を『巨大生物』と勘違いする『YAMA育ち』〟と〝後天的に髪の毛が変色するトンデモ体質〟の持ち主同士が巡り合うまで、あと少し。
*
──ゆらゆら、ゆらゆら、揺られている。
ユサユサ、ユサユサ、揺さぶられている。
暖かな空気に包まれたまどろみが──少しずつ、溶けていく。
目を開けると、実家の縁側にいた。
……俺は、何をしていたんだったか。
「あ、やっと起きましたか」
「────」
「──かぐや、様?」
「……
「…………あぁ、
「やはりそうでしたか。……その節は、ご迷惑をおかけしましたね」
「気にするな。……その前も、その後も……貴女には、助けられてばかりですから」
「ふふっ。なんだか本当に、昔に戻ったみたいですね──これは久しぶりに、私を『ねーね』と呼ぶあなたが見れるかもしれません」
「……あまり揶揄うな」
「すみません。あまりに懐かしくて、つい」
……幸せだ。
戦いは終わり、かぐや様は目覚め、こうして俺の隣に居てくれる。
…………。
なのにどこか──
大正コソコソ噂話
『煉獄さんが見た夢』と言えば『何故か一人だけ悪夢オンリー』で有名なので、実は『かぐやが目覚めて幸せに暮らしているが、結婚相手が錆兎』というルートもあったが……普通に錆かぐ結婚ルートを書くなら分かるが、『煉獄さんの夢として出る錆かぐ結婚後』がイメージ出来なさすぎてボツになったらしいぞ。