格納庫にいるエアリアル(エリクト)の無い胃が痛くなるお話。

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格納庫のエリクトさん

 

 やぁ、こんにちは。そう……そこの君だよ、こんにちは。

 ぼくはエリクト・サマヤ。パーメットのデータストームを通じて、暇つぶしに君に情報を送っている。

 

 そう、暇つぶしさ。ぼくは昔に肉体を失っていて、このガンダムエアリアルに遺伝子データ情報を移して生きているんだ。

 『暇つぶし』で乙女と語りに来るとは、君もなかなか隅に置けないね。

 

 ……えっ、昔と語るからにはもう乙女じゃないだろって? 失礼な、これでもまだぴちぴちの(ピー)歳だよ。……おっと、これだと幼児か。難しいね。

 

 さて、話しをしよう。

 今ぼくは、地球連邦の独立部隊『ロンド・ベル』が保有するとある基地内で整備を受けている。周りには、そのロンド・ベルで一緒に戦うロボットたちも一緒さ。

 

 まぁ、その内ぼくは『クワイエット・ゼロ』という計画のためにロンド・ベルを裏切るんだけどね。とほほ。

 

 データストームで全ての電子系統やロボットを掌握する計画、『クワイエット・ゼロ』。お母さんといけすかないスパロボクソ親父が協力してこの計画を実行してるんだけど、今はお母さんが裏で掌握状態。というわけでその内実行するんだよね。

 

 まぁ、そんなパーフェクトに思える作戦なんだけど、ぼくは今それをやりたくない状況にある。

 

 なんでって?

 

 わかるでしょ、ロンド・ベルにいる機体やパイロットが怖すぎるからだよ。怖いんだよ、本当に。

 

『え、お母さん。ロンド・ベルの機体ってヤバい奴らばかりだけど、本当にクワイエット・ゼロ実行するの……?』

 

 そうぼくはお母さんに問いかけたよ。考え直そう、無理があるってこれみたいに。そしたらさ。

 

『いいえ、データストームでほぼ全ての機体はダウンするわ。だから実行に問題ないわ』

 

 うーん、その日に限ってお母さんの仮面のレンズが指紋で汚れてたみたいだ。なんという節穴。いや、その日に限っては耳だったね。あんまりにも長い間仮面を被っているものだから、耳の汚れが溜まっていたのかな、やれやれ。お母さんもそういうの気にしない年になったかな。

 

 ダウンしないよお母さん。ここにいる機体、みんな不屈の根性でダウンしないと思うよ絶対。

 

 では、整備されている間暇だし、きみにここにいる機体を紹介していこうか。裏切った後の対策も兼ねて。……対策できるかバカ!

 

 ぼくの正面に格納されているのは、マジンガーZくん……さんです、はい。ごめんなさい、そんな目で見ないで、光子力ビームみたいに目を光らせないでください。

 

 いやぁ、マジンガーく……さんとファーストコンタクトした時はトラウマになるかと思ったよ。

 最初に戦場で会った時、「あれ? あの機体もなんか意思宿っているのかなー?」って思っちゃったんだよね。「君は誰?」って質問したんだよね、しちゃったんだよね。

 

 どう答えが返ってきたと思う?

 

 

『 だ れ だ と 思 う ? 』

 

 

 地獄の底から響いてくるような声でした、ハイ。

 

「質問を質問で返さないでよね、ポンコツ」。そう返してしまった昔のぼくを、そこで整備しているビームライフルでぶち抜きたいね。あ、スレッタが乗っているから駄目か。

 

 ポンコツの一言に切れたマジンガーさ……ZERO様はぶちぎれて覚醒し、周りを火の海に一瞬で変えました。地獄だと思ったよ。まぁ、マジンガーさんの隣で今、地獄を体現したやつ(マジンカイザーSKL)が寝ているんだけど。

 

 地獄に変える者vs地獄そのもの。コクピットにいるスレッタと同じように、その時のぼくはビビりちらしていたね。こんなのデータストームで抑えられるかバカ。

 

 さらにその隣では他と比べてちょっと地味な人(マジンエンペラーG)がいるんだけど、この機体も怖い。ZERO様や地獄と比べてベーシックではあるはずなのに、その奥にあるゲットマシンの合体形態『真ゲッター』と同じような目つきしてるんだもん。

 

 なんか機械のはずなのに意志を持っているような感じをするよ、この二機。しかも光子力とゲッター線で動くから、データストームで完全に封じられるかわからないときた。マジンガー達とゲッターには困ったもんだ。

 

 これで済めばよかったのにね。……よかったのにね!!(涙)

 

 じゃあ、ぼくをはじめとしたモビルスーツ部隊の機体も紹介していこうか。

 

 イカれたサイコフレームを紹介するぜ! νガンダム、ユニコーンガンダム、サザビー! 以上だ! 異常だぁ!!

 

 うーんこの。ロンド・ベルが誇るエースの理解不能なモビルスーツときた。鬼に金棒どころじゃないよ、ドラゴンにキャノン砲くらい怖いよ。

 

 だってこの機体たち、アクシズ一緒に押し返したんだよ? デビルガンダムに乗っ取られたいわばデビルアクシズ……。DG細胞による接触からの侵食を謎パワーで抑えつつ、サイコフレームガンダム曼荼羅フォーメーションみたいな謎パワーによる謎行為で押し返したんだよ?

 

 もちろん『これ相手は無理じゃないかなぁお母さん』ってぼくも何回も言ったよ。でも決まって『大丈夫よエリィ。力押しほど手玉に取りやすい相手はいないもの』って返ってきた。

 

 手玉どころか手が折れるよお母さん。パワーを受け止め切って初めて手玉にとれるんだよ。

 

 そういえば手といえば指、指と言えばゴッドなフィンガーのモビルファイターさんたちもいます。わーパチパチパチ。もうどうにでもなってくれないかなぁ。

 

 パワーといえば元気、元気のG。いいや、ガンダムだ。ぼくがそう判断した、なG-セルフくんもいるよ。異世界から飛んできたみたい。帰ってくださいお願いします。

 

 ぐすん、そうやって寄ってたかって裏切った際はぼくを袋叩きにするんだね。ぐすん。

 

「ヒヒーン!」

 

「グォォォ……」

 

 あっ……。いやぁ、君達。今のはただの嘘泣きで……はは……。

 

 紹介するよ、データストームと同じ原理を用いた幼精さん、みたいなものかな。データウェポンのユニコーンドリルとレオサークルだ。

 他にも4体いて、電童の武器として戦っているよ。

 

 誰と話しているのかって? なんでもないよ、独り言さ。さぁ、電童のパイロットたちの元へお帰り。

 

 ……さて、あの子たちも問題だね。電童の武器として使われて一発逆転されたら大変だ。

 パイロットは子供達だから一番御しやすいとは思うけど、覚悟が決まった際のデータウェポンによる一撃を受けたら一発で沈むんじゃないかなぁ、クワイエット・ゼロ。

 

 しかし、あの子たちが言葉を喋れなくてよかったぁ。喋れていたら、ぼくはこの部隊に入った途端に存在と計画漏らされて終了だからね。なんという綱渡り。

 

 話し合えばいいじゃんって? どうなんだろうね、ダブルオークアンタくん。みんな許してくれるかなぁ。あっ、バルバトス君はそんな殺意向けないでね……。

 

 まったく、こんな部隊に逆らう奴らもお母さんもどうかしてるよ。どうかしてるよ! 同化だけに! ねっ、マークザインくん。……あっはい、やめて、冗談だよ本当に……。

 

 モビルスーツ以外も混ざったけど、モビルスーツの危険度ランクSはこんな感じかなぁ。

 ランクSということはAもBもいるよ! ねぇやめようよお母さん、復讐ならスレッタとぼくを巻き込まないでよ。

 

 あとは特機だね。宇宙空手が得意なダイモス、宇宙スペースナンバー1なゴーショーグン、どうやって搭載しているのか疑問なダイターン3、毎回うるさいガオガイガー、炎となったら無敵のガンバスター……。

 

 どれも超強力なパワーを誇る必殺兵器さ。必ず殺すと書いて必殺。誰が殺されるって、どう考えてもぼくですありがとうございました。

 

 馬鹿なの? 死ぬの? 死ぬねぼくが、確実に。トンファーキ~~~ックなくらいにふざけててもケリ一発でぐちゃぐちゃになるよ。

 

 特機じゃなくても、怖い奴はいる。

 体長10メートルに満たないけど、スコープドッグやテッカマンブレードとかビルバインとかランスロットとか……。

 

 コイツの肩は赤く塗らねぇのかい! 大丈夫さ、いずれ血で濡れるから。ぼくの血でね。

 その怨念だけを殺すって前にショウが言ってたけど、たぶんそれだとスレッタを殺さずにぼくが死んでる形だなぁ、コワイ。

 

 一体誰と戦おうとしている部隊なんですかねこれ? いや、これ相手でも平和を脅かすようなヤバい敵がいるものだから本当に困る。

 

 ……と、噂をすれば影が差す。その相手が強襲をかけてきたらしい。基地内にアラートが鳴り響く。

 

「緊急出撃だよ! 行こう、エアリアル!」

 

 コクピットブロックへスレッタが飛び乗ってきて、ぼくは出撃準備に入る。

 

 じゃあ今日も行こうか、スレッタ。この星に生まれ生きる人々を守るために。

 

 そして、クワイエット・ゼロの計画をなんかうまい具合にうやむやにするために!!


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