東方 編史帖~上白沢慧音の過去へと迫る旅   作:マジカル赤褐色

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妖怪の山デスチェイス!

 

 

妖怪の山の傾斜に生い茂る木々の間を一台の車両が猛スピードで駆け抜けていく。

 

山城たかねの造りだした鋼鉄の装甲車。

一行はその車両のコックピットの中で重傷を負った神門青葉と飯綱丸龍の応急手当をしていた。

 

腹部を薙刀によって貫通された青葉は即気絶。

飯綱丸も意識は保っているが、背中を深く切り裂かれていた。

 

 

 

「青葉!大丈夫か!」

 

 

慧音は必至に青葉の身体をゆすが青葉から返事はない。

 

 

「大丈夫なわけねーべ!ひとまず傷を布で強く抑えるしかねー!」

 

「傷が深すぎる、いつ中身が溢れてもおかしくない」

 

 

ネムノと山如が必至に看護に専念している。

 

 

「オオバの馬鹿野郎………!私が薙刀に貫かれたって死なないことを知っていながら…………!」

 

 

青葉は薙刀に貫かれた状態で投げ飛ばされた妹紅を受け止めたせいでもろともに薙刀を受けてこうなった。

不老不死の妹紅にとっては何のダメージがないということを知っていながら青葉はそのような行動に走ったのだ。

 

 

「いいや………彼ならばそうしたろうなぁ………」

 

 

そこへ飯綱丸が背中に重傷を負った状態でゆっくりとやってきた。

しかしすぐに足を踏み外して膝をつく。

 

 

「飯綱丸様!しっかり………!」

 

 

文が慌てて肩を貸す。

構わず飯綱丸は続ける。

 

 

「お前が死なぬ身体であることを知っていようとも…………彼ならば大切な仲間が刺されて投げられているのを見捨てようとは思わんだろうさ…………」

 

「……………………オオバ、」

 

 

妹紅が死ぬか死なないかなど関係ない。

青葉は大切な友達を守ろうとしただけだった。

 

 

 

 

 

「おいにとり!ちょっと待ってくれ!サイドミラーになにか映っているぞ!」

 

 

突然、たかねが冷や汗を流しながら声を出す。

 

 

「化野!何が見える!」

 

 

にとりが振り向き、装甲車のコックピット上、甲板の上に立つ化野安曇に話しかける。

 

 

「おぉい!ちょっと待て!?鞍馬天狗の連中だぞあれ!」

 

 

コックピットの蓋を開けて安曇が全員に緊急連絡。

 

 

「ちくしょー、なんてしつこい奴らなんだ!」

 

「たかね!後ろ向くな!前!前!前!」

 

 

にとりが青ざめた顔で慌ててたかねの背中をバンバン叩く。

 

 

「ちょっ、なんだよにと…………ムォォワァァァッ!?」

 

 

たかねは慌てて装甲車のハンドルを切る。

車両は横転する寸前まで傾いてなんとか急カーブした。

 

すぐさま車両の真横を巨大な光の矢が通り抜けていった。

 

 

「あ…………ありゃあ……………なんだ!?」

 

「おいクソたかねコラァ!もっと安全運転しろや!」

 

 

安曇がコックピットに逃げ込み、たかねの頭をつかむ。

 

 

「バカか安曇!そんな事いってる場合じゃないだろ!」

 

「なんなんだよあの光はぁ!」

 

「私の推測じゃ、ありゃ科学熱線………レーザーだ………!」

 

「なにぃっ!?レーザーだと!?どうなってんだよおいモブ天狗コラァ!!!はよ答えろ!!!」

 

 

化野は車両のコックピットの机の下から縛り上げた一般鞍馬天狗を引っ張り出して胸ぐらをつかみグラグラ揺らす。

 

そう、鞍馬天狗はレーザー機を河童から輸入していた。

安曇たちはその現場を押さえたのだった。

 

 

「あばばばばばば、わ、わからないですが………もしかした、レーザー機を輸入していた理由は………兵器研究かもしれないです………!」

 

 

目を回しながら鞍馬天狗は答える。

 

 

「レーザーを兵器にしやがったってのか!?」

 

「だが、私たちが運んできたレーザーは治療や工業機械だ。レーザー兵器なんて持ち込んでないぞ!」

 

「きっと研究が進んでレーザーの特性を理解したのだろう。もう連中は、自分の技術でレーザー兵器を作れるようだ」

 

「他種族の技術を流用して新しいビジネスだなんて、許せるかそんなもん!」

 

「来るぞ!連中、どんどん加速していってる!」

 

 

全員を乗せた車両の後ろから自由自在に木々の間を通り抜けていく兵士たちの姿がある。

 

 

『たかねさん!にとりさん!』

 

『私らの声聞こえてる?』

 

 

コックピットに通信音声が聞こえてくる。

 

 

「やぁ!椛とはたてじゃないか!どこにいる?」

 

『私がはたてさんを背負った状態で皆さんの車両に並走しています』

 

 

それを聞いて慧音はコックピットの車窓から隣を見る。

 

 

慧音と、はたてを背負った状態で四足歩行で車両とほぼ同じ速度で走る椛の2人が目が合った。

 

椛は慧音の方を見て小さく頷く。

 

 

「そっちから見えるか?兵士は何人追いかけてきている!?」

 

『軽く見積もって30くらいよ。逃げるのは不可能と言っていいわ』

 

『こちらで迎撃しなければ、奴らは地平線の果てまで追いかけてきます。撃退に時間をかけてしまえば百鬼丸様が追いついてくる可能性が大です。この場の私たちで迎撃を!』

 

「か、簡単に言いやがって…………!オオバも大天狗もやられてるってのによ!」

 

『私とはたてさんも今からそちらに飛び移ります!時間がない、すぐに迎撃体勢を整えてください!』

 

 

椛の通信が切れる。

そして、次の瞬間に甲板の上から椛の着地音がした。

 

 

「クソが…………ネムノ!太夫!お前らは引き続き2人の看護してろ!慧音先生、妹紅ちゃん、俺らは甲板の上に出るぞ!」

 

「承知だ!」

 

「しょうがないな…………!」

 

 

慧音と妹紅は腰を上げてコックピットの天井を開く。

 

 

「すみません皆さん!私も加勢します、すでに烏天狗の増援も呼んでいるのであとは耐久あるのみです!」

 

 

椛がはたてを降ろす。

 

 

「とりあえず他のみんなも無理はしないで。これ以上負傷者が出たら一大事よ!」

 

 

はたての呼びかけに3人と椛は頷く。

4人は一斉に甲板の上に飛び乗る。

 

 

その正面から鞍馬天狗の軍勢がやってくる。

 

 

 

「さて…………どうするか、」

 

「3人とも下ってください、私が盾になります」

 

「いや、ここは私がやる。加減はどうしたらいいか………」

 

「加減?いらねぇだろ、邪魔するやつは撃退する必要もない、全員撃墜すりゃいいんだよ。味方2人もやられて、一人も生かしておけるわけねぇだろ」

 

 

安曇は怒りに燃える目を放ちながら腰を下ろして拳を構える。

 

 

正面から遅いかかる鞍馬天狗たち。

槍を取り、一斉に甲板の上に立つ4人を攻撃しようとする。

 

 

「妹紅!」

 

「せぇりやぁっ!!!」

 

 

妹紅が勢いよく回し蹴りを放つと、足先から火球が大量に放たれる。

高速の紅玉は鞍馬天狗兵を数名撃ち落とすが、残りの軍勢はそれを鮮やかに旋回して回避してくる。

 

ついに数人の兵士が甲板に降り立った。

 

 

 

「うっ…………もう来たのか!?」

 

 

戸惑う慧音に振り上げられる刀が2本。

 

 

「危ない!」

 

 

すかさず椛が間に入って武器を押さえる。

 

 

「はぁっ!!」

 

 

椛の肩を掴んで跳び箱のように直訳すると慧音は右腕を振りかぶる。

 

 

(青葉のようには行かんかもしれんが、私も守護するものとして戦わなければ…………!)

 

 

慧音の右手が青白い光を放ち、蛍光灯のように蒼い光を放つ刃へと変わる。

 

 

叢雲(むらくも)─────!!!」

 

 

慧音は椛を盾にしながら、前から襲ってきた兵士に剣のような光を放つ腕で殴り落とす。

 

 

「うおっ!?なんだ先生そりゃ!ビームハンドか!?」

 

 

「ふぅん!この車両には指一本とて触れさせまい!」

 

 

慧音は両腕を広げると地面から光の帯が照射され、その合間から光の玉が鞍馬天狗めがけて突撃していく。

慧音の攻撃で鞍馬天狗が一体撃ち落とされる。

 

 

「うおっ!やっちまったよ!?やるな先生!」

 

「安曇!後方を!」

 

 

慧音の方を振り向いて笑う安曇の背後から兵士が1人刀を振り上げて襲ってきた。

 

 

「………………………バカがよ、」

 

 

安曇は何も握らない右手を開くと、そこに突然、どこからともなく細身の水道管が出現した。

 

 

「どっから出しやがった!?」

 

 

妹紅が一般人のはずの安曇がいきなり魔法でも使ったように武器を取り出したのを見て驚く。

 

 

「陶芸家サマを舐めんじゃねぇぞ三下が!!!」

 

 

そのまま振り向きざまに水道管を野球バットのように振り抜き、襲ってきた兵士を返り討ちにした。

 

 

その強烈なフルスイングに兵士は一撃で昏倒し、車両の真下へと転がり落ちていった。

 

 

「あれは人ひとり死ぬ威力だぞ」

 

「強固な肉体を持つ鞍馬天狗ですのでたぶん命までは届かないと思います。安心してください」

 

 

安曇の強烈な一発を見て鞍馬天狗たちは一斉に安曇の方向へと向かう。

バラバラに戦うよりも一人一人削る方が良いと判断したようだ。

 

 

「こっち来んな!てめぇらは車にひかれて死んどけ!」

 

 

しかし安曇は鞍馬天狗を相手に大立ち回り。

大勢の鞍馬天狗の突進を華麗に回避してしまえば、配管で殴りつけて次から次へと車両の下へと落としていく。

 

 

 

 

「ぐふっ…………!!!」

 

 

その横で椛は鞍馬天狗兵の攻撃を防ぎきれずに押し倒される。

 

 

「ったく…………めんどく………ぐっ!!!いってぇなおい!」

 

 

妹紅も死にはしないがジリジリと体力を削られていく。

 

 

「慧音!上から来てるぞ!」

 

 

「しまっ…………ぐぅっ!?」

 

 

慌てて光る腕を入れて防ぐが、尻もちをついて倒れる。

 

 

三人がかりで押さえ込むのが精一杯なのに対して、安曇はたった一人で複数人相手をものともせず立ち回る。

 

あっという間にまとわりつく連中を追い払うと、すぐさま慧音の元まで駆け寄る。

 

 

「おぉらよっ!」

 

 

安曇が慧音を襲う兵士の背中を勢いよく蹴り飛ばす。

 

 

「離れろぉぉぉっ!!!!」

 

 

妹紅が発火する脚で勢いよく兵士を蹴り倒す。

 

 

「はっ!…………せぃ!てりやぁっ!!!」

 

 

椛も紙一重の斬り合いの末になんとか勝利を収める。

 

 

「安曇…………お前強すぎないか?あとその鉄棒どっから出した」

 

「だから言ったろ?昔っから喧嘩じゃオオバより俺のほうが強いってさ」

 

 

安曇はさっき蹴り飛ばした兵士に駆け寄る。

 

 

「なぁに俺の許可無しで立ち上がろうとしてんだよカスが、あんま調子乗ってるとやんぞ?」

 

「ぐっ……………だが、お前たちもここまでだ…………もうすぐ、曹長が合流する…………!」

 

「そうかよ…………だからなんだってんだ。俺の邪魔するやつは誰だろうが全員ぶっ潰す!!!」

 

 

安曇はマウントポジションから力任せに兵士に拳叩きつける。

 

その猛烈な勢いは装甲車の車体を大きく揺らし、さらに金属製の車体を凹ませた。

 

 

 

 

 

 

「ぐぉぉわぁぁっ!?なんだ今の衝撃!………って………あーっ!コックピット天井が膨らんでる!外側の装甲が凹んでしまったんじゃないのか!?たかね!この車両、貧弱すぎないか!」

 

「なんだって!?外の世界の新幹線や最新式の自動車に使われているジュラルミンだぞ!?資料で読んだだけだからどんぐらい硬いかは知らんが!ど、どうやって凹ませた!?」

 

 

 

 

 

「ふん、雑魚が。何人集まったところで俺を止めることはできねぇよ」

 

 

気絶した兵士を車両の下へ乱雑に投げ捨て、安曇は両手を払う。

 

 

「安曇…………さすがに過剰防衛だ……………」

 

 

流石にやりすぎだと思った慧音が安曇を軽くたしなめる。

 

 

「知るかよんなもん。向こうからやってきたんだからこっちがたとえなんべんブッ殺そうが正当防衛だよ。オオバと大天狗を斬っといて、命が助かると思ってるような連中のほうが頭おかしいだろ」

 

「………………………………………」

 

 

慧音は黙ってしまった。

 

 

「お前なぁ…………もう少し加減ってのを覚えなよ。オオバは刀ブン回してるけど、誰も真剣で斬ったことはないんだぞ」

 

「そうなのか?ま、あいつはあいつ、俺は俺。俺には俺なりの正攻法があるんだよ。俺がオオバなら邪魔するやつは容赦なく真剣で全員ぶった斬ってやる」

 

 

安曇は腕組みしながら何とも思わずに言ってのける。

 

妹紅相手にすら堂々と言い返すその仕草に妹紅までもが困ったような顔をする。

 

 

「俺はオオバほどお人好しじゃないが、オオバよりは思い切りあるぞ。あいつは鞍馬天狗とも仲良くなりたいみたいなこと言ってたが、俺はそんな気最初からサラサラねぇな。最初から奴らを全員ぶっ倒す事しか頭にねぇよ。敵に情を与えて躊躇するからロクなことにならねぇ。敵は迷わず消し粒にする方が早いし後始末も楽だ。…………おら、無駄話してる暇はねーぞ。次の部隊が追いつくって話なんだろ?じゃあ残りの奴らも全員ボコボコにしてやろうや」

 

 

安曇は水道管を手品を使ったように消滅させると、法被(はっぴ)をはためかせて車両の中へ潜っていった。

 

 

「ちょいと動き疲れたから水飲るでくるぜ。たかねとにとりが全員ぶんの水筒用意してくれたが、3人も飲むか?」

 

 

そして先程までの修羅のような戦いぶりとは真逆のような爽やかな笑みでこう語りかけてきた。

 

 

「あ、あぁ…………頼むよ」

 

 

慧音は戸惑いがちに頷くと安曇は頷いてコックピットの蓋の下へ消えていった。

 

 

「私も手伝います、中の皆さんにも現在の戦況の報告をしておきます。わずかな時間ですので、お二人には見張りをお願いします」

 

「わかったよ」

 

「承知した」

 

 

椛も蓋を開けてコックピットの中へ行ってしまった。

 

 

 

甲板の上は慧音と妹紅の2人だけ。

 

親友同士だが、とても気まずい空気が流れる。

 

 

 

 

 

「なぁ………慧音。慧音はどう思う?」

 

 

妹紅がゆっくりと口を開く。

 

 

「うん?どうしたんだい妹紅」

 

「安曇はさ、たぶんオオバと全く逆の考えをしてるんだよ。ま、もちろんオオバが異常なだけで、安曇の考えは一般人らしいけどね」

 

 

青葉は障害に対して「敵」という認識を持とうしない。

何事も等しく受け入れようとし、どのような相手であっても必ず共和的な道を望む。

 

慧音と妹紅は以前の冒険で青葉のそういった特性を幾度となく見せられたのだ。

初対面の相手に対しても紳士的に接し、かつての敵を当たり前のように仲間に引き入れてしまっていたり、時には倒した敵の残党対して土下座をするようなこともあった。

 

そして何より、青葉はこれまでに誰一人の命を奪おうとしなかった。

もちろん殺しを好む妖怪など滅多にいないが、青葉の「相手に危害を加えない」という精神、

 

というより彼の「和解を望む態度」はまさに常軌を逸していた。

 

剣客の衣黄御を味方に引き入れたこと、

かつて人間の敵であった竜胆筆竜の侍女たちを今では寺子屋の職員として人間の味方に招き入れることに成功したこと。

それらが青葉の共和性を証明している。

 

 

「でもさ慧音。安曇………あいつは………敵を潰す事が一番大事にしてるんだよ」

 

 

そんな青葉に対して安曇は、自身の行く手を阻む全てを敵と断定し、徹底的にそれを叩き潰すことを信条としている。

 

迷いもなく、容赦もなく、ただ無慈悲にレベルの高い暴力で対象を焼き払う。

 

戦いにあらゆる情を持たないのが安曇の気質なのだ。

 

 

 

「私はオオバのああいう所も嫌いじゃあないよ。でもさ、私は正直………戦いじゃあ安曇といる方が楽だと思うよ」

 

 

妹紅の口から放たれたのは意外な言葉だった。

 

 

「そうなのか…………私は青葉といるほうが安心するんだが…………」

 

「別に私は安曇ほどの殺意はないけどさ、あいつぐらい思い切りがある方が私は好きかもしれない。指示が早いし、物事もしっかりと一貫していてやりやすいんだよ」

 

「なるほど…………それは一理あるよ」

 

 

安曇は協調性を完全に放棄した排他的な思想だが、自分以外の全てを排除するというその考え方は、敵の様子を伺い、理解しようとする青葉のやり方よりもはるかに判断が早い。

 

 

青葉は必ず敵を理解しようとする。

それによって、青葉側が歩み寄っても敵側がそれを受け入れずに何度も危ない目に遭ってきた。

もちろん相互理解には時間もかかる。

 

そう、つまり青葉のやり方は悪く言えば「いちいち面倒くさい」のだ。

 

安曇は単純にこちら側に害を及ぼす全てをハイスピードで撃滅するだけなので、考えることは少なくて済むしはるかに効率的である。

 

 

 

 

 

「なんだかなぁ。すごいよな、なんでこんなにも真逆な奴らが親友になれたんだか。安曇みたいな私よりも決断力も思い切りも凄いやつ、本気で怒らしたら親友のオオバすらぶっ飛ばすんじゃないか?」

 

「…………………………………………」

 

 

 

冗談っぽくいう妹紅だったが、慧音はそれに対して笑ってやることができなかった。

なぜならもちろん、それはまったく笑い事ではないし、あまりにも不吉な発言だったから。

 

 

「あまり不吉なことは言うものじゃないぞ妹紅。しかも人の友好関係に…………青葉に絶交しろって言っているようなものじゃないか」

 

「冗談だよ冗談。それに、オオバには安曇を怒らせる理由も能力もないし、そんな方法も状況もないだろ?それに、安曇はどうせオオバがやられてちょっと気が滅入ってるだけなんだよ。大切な親友のためにこんな本気で怒れるような友人、私はいいと思うよ」

 

「そうか……………」

 

「少なくとも利害が一致していれば頼りになる仲間だ。だから慧音もそんなさ、仲間を疑うような顔しないでよ。最初に言い出したのは私だけど、私は安曇のことは信頼していいと思ってる。なんやかんやでアイツも憎めないやつだろ?な?」

 

「……………そうだな、」 

 

 

 

苦笑いで返す慧音。

 

 

敵に情を持ち込まない安曇に共感できると言っている妹紅だが、安曇のそういうところに理解を示そうとする妹紅の方にこそ、青葉の影響が強く表れていることは慧音にはお見通しだった。

 

 

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