東方 編史帖~上白沢慧音の過去へと迫る旅   作:マジカル赤褐色

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神々が待ちかねた逢魔が時

 

 

「お、お前は……………!」

 

 

俺の前に現れたのは、俺の家から消えていたカナエ。

 

姿が変わっているが、どことなく面影を感じた。

 

 

 

「青葉さん!ここは私に任せてください!」

 

 

カナエは大幣を手に持ち、青と黄色が差し込む髪をたなびかせて政子牙の前に立つ。

 

 

 

「その気配、まさか生きていたのか…………」

 

 

その姿をみて政子牙は呆然としている。

 

 

「どういうことでしょうか、中に強力な神威を感じますね。まさか……………現人神を通り越して、よもや神そのものになるとはね」

 

 

現人神………?神………?何の話をしている、あいつは………?

 

 

「しかし、人間の身で人間の枠組みを超えるなど、肉体を構成する遺伝子に大きな負担をかけるのではないですか?一度に三柱相当の神威を宿すなど、人間の器で耐えられるものではない筈です。本来のあなたは、そうとう弱っている筈だ」

 

 

「貴女が壊した神社の修繕費用…………全額、負担してもらいます!」

 

 

カナエが幣を振りかざすと巨大な木の柱が幾本と降り注ぎ、政子牙へと襲いかかる。

 

 

「おーっとぉ!まさか、御柱か…………!」

 

 

柱は政子牙の立っていた地面を圧壊する。

たちまち煙が立ち上ぼり、後退した政子牙も慌てて鞭を持ち変える。

 

鞭は光の糸へと姿を戻し、今度はしなる紐から一直線の棒へと変形し、そして最後は槍の形状に変わった。

 

 

「あの鞭、形態変化ができるのか!?」

 

 

磨弓の言葉通り鞭は完全に別の武器に変形した。

だが敵は2体いる。政子牙がそうこうしている間に千年狐クダマがカナエに向かって飛びかかる。

 

 

クダマは咆哮とともに両前脚を振り上げる。

 

 

 

───────全体重を乗せた強烈な振り下ろし。

 

 

「潰されなさい!!!」

 

「はっ!!!」

 

 

しかし、カナエは背中を向けることもなく顔をそらすこともせず真正面からクダマに立ち向かう。

 

 

「なんと─────っ!?」

 

 

なんと──────カナエは両手でクダマの前脚を押さえつけ、押しつぶされるどころか力で拮抗し始めたのだ。

 

自分の倍以上大きな猛獣の力を少女の細腕が押し返す。

 

 

「いまです……………青葉さん!!!」

 

 

「──────っ!そうだな………!!!」

 

 

カナエの言葉を受けて俺も決意を固める。

 

 

「『無我燼閃(むがじんせん) 不惜身命(ふしゃくしんみょう)』!!!」

 

 

俺は光の槍を持ち、回転しながら斬りつけると共に剣を勢いよくクダマの胴体に叩きつけた。

 

 

クダマの身体が衝撃で大きく揺れる。

今のは手応えありだ。

 

 

「やらせませんよ─────!!!!」

 

 

そんな俺の元へと政子牙の槍が突き出される。

槍は一気に長さを増して、最初は絶対届かなかっただろう間合いまで刃が伸びてくる。

 

 

「偶符『偶像粘土ショットガン』!!!」

 

 

しかしその攻撃はすかさず、横から入った磨弓の射撃で遮られることになる。

 

 

「ふんっ!!!」

 

 

「神槍『東方のグングニル』!!!」

 

 

その隙に、俺の槍がクダマを突き刺した!

 

光の槍がクダマの胴体を貫く。

クダマの身体が激しく揺れる。

 

 

「フン………!たかだか巫女の一匹と商人とデク人形風情にしてはしぶといですね………だが、貴様らに何ができる………!」

 

 

クダマの身体が飛び跳ね、俺は燃え上がる尻尾ではたき落とされる。

 

 

「ぐぅっ…………!」

 

 

炎上する着物を脱ぎ捨てる。

あの尻尾、延焼効果まであるのか………

 

 

(…………………なるほど、そういう事か)

 

 

クダマがやけに硬い。

今の俺に相手できるようなものではない。

そもそも、理屈上俺にクダマを倒すことは不可能だという前提があるようだ。

となると、今までの俺たちの戦い方は間違っている。

俺が叩くべきは政子牙のほうだ。

 

クダマは典に別の神の神威………つまり力を与えたものであるのならば…………全く同じように神威を持っているカナエなら倒せるはずだ。

カナエがさっきクダマの力を押し返せていたのはそういうことだろう。

 

 

政子牙は俺にも神威があると言っていたため、俺がクダマを殴れないということはこの仮説は成り立たないが、そんなことはやってみなければわからない。

あの手応えのなさは、俺の力ではまるで無力ということだけだ。俺が何度やっても同じだ。

ならば交代したほうがまだ、理にかなっている。

 

政子牙は獣人であって神ではない。ならば、俺でも相手することができる。

俺と磨弓が政子牙を止めている間に、カナエがクダマを攻撃する、この作戦に変えるぞ。

 

 

「カナエ、いいか。俺と磨弓が政子牙をやる。その隙にクダマのほうをやれ、」

 

「は…………はい!」

 

 

次とかこの先とか、そんなものはない。

お前は、この場で早々に終わらせる。

 

 

「いいだろう……………業の精算だ…………!」

 

 

こんな感情…………産まれて初めて抱いた。

あの女がそこ場にいる、という事への激しい嫌悪感。

一刻も永くそこに在る事への異常な拒絶反応。

 

俺の心の奥底に沈む【ソレ】が、何かとなって俺にさらなる力をもたらそうとしている。

 

 

 

「ぐっ………っ…!?」

 

 

それは前触れもなく訪れる。

自分の頭が音を立てて痙攣する音。

身体の力が抜けて、ただある強烈な痛みに対する抵抗感だけが残り続ける感覚。

 

 

「ぐぁっ………………ぐぁぁぁぁっ!!!」

 

「青葉さん!?…………はっ……!?」

 

 

カナエが俺を支えようとするがその動きを横からクダマが飛びかかって邪魔をしてくる。

 

 

「青葉さん!青葉さん!!!」

 

 

「ガァァァ………あァァァッ………!!!!!」

 

 

眼球から、口から血が流れ出る。

なぜだ………俺はまだ、それほどの重いダメージは受けてないはずだ………

 

 

俺は……………………オレ…………が…………誰なのが、

 

 

 

 

「どうやら獣の力を使いすぎて、肉体が耐えきれなくなっているようですね?…………それは好都合、なら介錯はおまかせくださいとも!!!」

 

 

 

政子牙は鞭を取り、紐の方を握ると、勢い良く柄を投げ飛ばしてきた。

 

 

「青葉さん!!!あの鞭は必ず頭に当たります………!!!弾かないきゃ…………!!!」

 

 

カナエが何か呼びかけているが今の俺には聞こえてこない。

痛みの事しか頭になくて、周りの何もかもが聞こえない。政子牙が攻撃しているとか、このままじゃ攻撃食らって死ぬとか考えられない。

 

今は…………目の前の痛みだけが真実。

 

この痛みが、自分を殺そうとしているようなその激しい激痛が……………!!!

 

 

 

「青葉!!!当たるぞ!!!」

 

 

磨弓の呼びかけを聞いた瞬間、俺の身体が弾け飛ぶように咆哮を上げる。

 

 

 

「はぁぁぁぁぁぁ……………ウオォォォォォォォォォォォォァァァァァァァァァァァッ!!!!!!」

 

 

俺の叫びが轟いた時、鞭の攻撃が弾き飛ばされる。

 

 

「一撃必殺の打神鞭を弾き返したですと!?」

 

 

しかし、そんなものは一瞬のこと。

弾かれた鞭がひとりでに動き出し、俺の身体を縛り上げてしまった。

 

そのまま俺はものすごい速さで政子牙の手元へと引き寄せられた。

政子牙の腕に首を巻き取られ、鞭に縛られたまま、鞭の柄から短刀の刃が生えてきて俺は首にそれを突きつけられる。

 

 

「青葉さん!」

 

「さて、これで王手。彼の身柄が惜しければ、一人ずつ命をください───特に、そこの緑の方のね、」

 

 

政子牙はニヤニヤとしながら俺の首をきつく締め上げる。

 

 

「うぐ…………っ…………」

 

「青葉さん……………やめてください、青葉さんを返して!」

 

「人質とは卑怯な!貴様、それでも武人か!」

 

「武人………?勘違いされては困りますね。わたくしはあくまでも軍師。戦いを本職としてはおりません、あまりに力の差がありすぎて錯覚でもされましたか」

 

 

そうだ、政子牙はただの軍師。

戦いを生業としていない…………それですらこれほどの力を持っている。

 

 

「なーんて、よそ見してる場合じゃなかったですねぇ?」

 

 

政子牙の言葉と同時に、カナエの背後からクダマが飛びかかってきた。

 

 

「しまっ…………!!!」

 

 

カナエはクダマに押し倒されてしまった。

 

 

「あんな華麗な変身だのなんだの見せつけておいて、結果何一つ変わっていないじゃないですか。その力、守矢の二祭神の残りかすですね?まだそんな力を残していたとは…………こんな手間取ることになるなら、最初にあなたも封印しておくべきだった。いや…………そうでなくとも殺し損ねた私の責任でありますがね、」

 

「貴様、守矢神社に何をした………!神社の祭神を封じ、聖域を穢し、挙句に巫女の命すらも奪おうとしたのか………!」

 

「そして、あなたの大好きな大好きな袿姫様を封じ、手駒にして人里を潰した大罪人にさせた…………までがセットですね!ははっ!」

 

「貴様……………!!!」

 

 

磨弓が踏み出す。

 

 

「おーっと?いいんですか?お二人がやられてしまって。おそらくこの状況を打破する最後の切り札ですよ?あなたのこれからの動き次第では助けてやらないこともないかもしれません」

 

「…………………何が言いたい、」

 

「仲間になれと言ってるんですよ。拒否権はないです、あなたも大好きな袿姫様の為になれるなら本望でしょう?ははっ」

 

「…………………………貴様、正気か?」

 

 

 

政子牙は大笑いする。

 

 

「はっはっはっはっ!!!」

 

 

それはもう腹がねじきれるぐらいに。

そして反らしていた顔を下ろす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バァカがよぉ!!!本気でもしたか?一時でもわたくしに背いたような悪性分子、ここでブザマに皆殺しに決まってるだろぅ!!!」

 

 

「それがおまえの本性か政子牙?」

 

 

「えっ?」

 

 

「お前はどれだけ……………人の心を弄べば気が済む、」

 

「人って………w あれ埴輪兵でしょ?人間じゃないじゃないですか。しかもわたくしがさっきから煽ってるの半分獣と半分神様と人形ですよ。人間いないじゃないですか、」

 

 

俺の問いかけにヤツが返したのは、くだらない屁理屈だった。

 

 

 

 

「そうか…………………勘違いしていたようだ、」

 

 

もはや怒りを通り越して呆れがくる。

もう頭の痛みはなくなった。

 

ならば────────

 

 

「おや?もしかして、あなたたちが悪いってこと理解してくれました?」

 

 

「あぁ……………やっと分かった、」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前が正真正銘の………クズだって事をな………!」

 

 

 

 

ここからは………………………俺たちの土俵だ!!!

 

 

 

「げ─────────」

 

 

短刀を喉に突き刺そうとした政子牙だったがもう遅い。

 

 

「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

 

俺は口を開き、勢い良く目の前にある政子牙の腕に歯を突き立てた。

 

 

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 

 

俺の顎は一瞬にして政子牙の腕の肉と皮膚を噛みちぎり、骨も噛み砕いた。

 

 

 

「ぐぅぉっ…………!!!」

 

 

政子牙がたまらず俺を離し、引き下がる。

政子牙の右腕は完全に破壊されたが、政子牙は冷静に状況を判断する。

 

 

「バカな…………これほどの咬合力…………普通の獣の生み出す力では…………!」

 

 

「────────もう良いよ、おまえ、」

 

 

 

俺の怒りもついに頂点を超えた。

今までの俺の殻を突き破って、さらに【真に迫ったオレ】が姿を現す。

 

 

 

「青葉…………!身体が…………」

 

 

 

「カァァァァァ………エェ、アァァァァッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の頭から生えていた角が全て砕け散り、俺の頭皮から新しい角に生え変わる。

 

今までよりもずっと太く、長い。

さらに爪が伸び、歯が鋭く生え変わる。

 

そして赤だった俺の瞳の色が、今では鮮やかな虹色へと変化した。

 

 

 

 

 

「何ぃっ…………!?」

 

 

さすがの政子牙もこれは想定外だったようだ。

無理もない。ヤツからすれば俺自体が反則だからな。

 

 

 

 

 

 

「せぇぇぇぇりゃっ!!!!」

 

 

 

俺は剣を薙ぎ払う。

剣から放たれた波動がクダマを一発でカナエの元から引き剥がした。

 

それは、俺がクダマに攻撃が可能になったということの証明。

 

 

 

 

「檻から放れた気分だ……………なんだか、肩の疲れが取れた気がする、」

 

「青葉さんが、あの優しい青葉さんに戻った………」

 

 

 

 

「か……………ふんっ!なんなんですかこの茶番は!どいつもこいつも次から次へと姿を変えて!変身ヒーローか!」

 

 

「どうやら、わずかに希望が見えたか。私も変身したいが、今の私では難しい。ここは貴方たちに任せよう、私も全力で援護する!」

 

 

こちら側は完全に立て直した。

 

 

「政子牙…………もう一つ勘違いしていた。俺はお前を人間の敵だと思っていた…………でも違う、お前は幻想郷ぜんぶの敵だ」

 

「私の大切な場所をめちゃくちゃにしたこと、絶対に許しません!」

 

「覚悟の準備はできているな?」

 

 

 

政子牙は右腕を破壊された状態でも、瞬時に動揺から立ち直ってみせた。

 

 

「…………………ふん!そっちがその気ならとことんやってやりますよ、良いですか?変身魔法少女ヒロインを気取るのなら、敵も変身を使うことを忘れないでくださいよね!!!」

 

 

政子牙が指を鳴らすと隣にクダマが瞬間移動してきた。

 

 

政子牙は飛び上がり、空中に浮き上がる。

それと同時にクダマの身体も宙に浮かぶ。

 

 

 

 

 

「……………………何をする気ですか!」

 

 

「さっきわたくし言いましたよね、この千年狐クダマは、天狗の集落にいる菅巻典という一匹の軟弱な妖怪に、対応する神威を埋め込んだ改造妖怪だと、」

 

 

 

政子牙はこれまでにない醜悪な笑みを浮かべる。

何か…………最悪なことをしてくる気だ…………

 

 

 

「…………!まさか、お前………!」

 

 

「そのまさかですよ…………クダマの中に埋め込まれた、神としての本質…………幻想郷の複数の神を埋め込んで作り上げた合成獣(キマイラ)、その真の力を見せてやる…………というわけですよ!ほんとはあなたたちにはもったいないんですが、こうなった以上は仕方ない!徹底的に叩き潰してやるよ!!!」

 

 

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

「ぐぅぅぅあぁぁぁぁぁっ!!」

 

「きゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 

 

 

クダマの身体を今までにないほどの熱い炎が駆け巡る。

炎の中に飲み込まれたクダマの姿はもう見えない。

あるのは、太陽のような炎の渦だけ。

 

 

すると政子牙は、驚きの行動に出た。

 

 

 

 

「さて…………引き金になる神威を選んだほうが良いですね。ですが、もう決まってますよ。あなたたちがのんびりしている間に、この幻想郷に住まう神の大半は、我が打神棍の中に飲み込まれた。それゆえに、どんだけ神威捨てても代えが効くんですよ!」

 

 

政子牙が持っていたのは、なんと…………!!!

光り輝く2つの玉だった!!!

 

その2つの玉からは膨大な力を感じる…………

まさか、アレが神威…………?

 

一つは茶色の光を放ち、もう一つは淡い紫色の光を放つ。

 

 

「さて、これで混ぜればうまくいくでしょう」

 

 

政子牙は炎の渦をものともせず近づき、その中心に向かって2つの玉を、ゴミ箱に丸めた紙くずを捨てるかのように、乱雑に投げ入れた。

 

 

 

「神様を道具のように………!こんなの、ひどい………!」

 

 

カナエが悶絶する中で、炎の輝きは一層増していき、炎の勢力がさらに広がる。

くそっ、クダマでアレだぞ。

これ以上強くなったら………………!!!

 

 

 

 

 

 

「では、あなたたちの初めて見る習合神の力、冥土の土産に受けてみろ!!!相手は神様ですよ、せいぜいうやうやしく拝んで行きなさい!!!」

 

 

炎の玉が唸りを上げて俺たちに向かって突撃してきた。

 

 

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「なぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

 

 

 

「さぁ、今捧げた神威を糧に、真の姿を見せてみよ…………鏖殺だ、ゆけ!奴らを殺せ!!!【才天神(さいてんしん)オウキジン】!!!」

 

 

 

 

炎の中から出てきたのは、炎をまとう琵琶を抱える、紫色の髪を携えた美しい女の女神…………

女神は、巨大なお琴の上に座り、穏やかな表情をしている…………だが、目の焦点が定まらない…………

なんだか肌の様子も生物的でないし、爪や視線の鋭さもおかしい…………

 

 

だが、悔しいが圧巻の一言だった。

燃え盛る炎の音を奏でるかのようなその女は、たしかになにか、【しっくりくる】。

 

政子牙もテキトーに神威を混ぜ混ぜしているわけではない。

使う神に対応した、波長の合う神どうしを合わせているわけだ。

ハーモニー…………というのでは語弊があるが、なんだかそれに近いものを感じた。

 

 

だが、壮観至極に浸る俺の真横で、カナエが顔を青くしている。

 

 

 

「そん、な……………あれは………………」

 

 

カナエが幣を握りしめる。

 

 

「許せない………………!!!」

 

 

 

 

 

 

 

「お客様、本日のメインディッシュ…………いや、あなたたちにとってこれが最後の晩餐になりますがね。いちおうメニューをご紹介致しますと、【わたくしの持ってる神威と、菅巻典と、九十九(つくも)八橋(やつはし)弁々(べんべん)姉妹の詰め合わせ】でございます!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

政子牙の凶行は留まることを知らず、俺が心を奪われた天女は、また別の幻想郷の付喪神をクダマに混ぜた、さらなる異形の怪物だったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




【封神録小ネタ帖・才天神オウキジン】


典「飯綱丸様………可愛い私があんな無残な姿に………」

龍「私が衝撃的だったのは、政子牙の力を借りても全然役に立ってなかったお前の醜態だな」

典「泣きたいです」

慧音「しかし、今回ばかりはそれが助けになったな。お前が力ある大妖怪だったら、青葉たちはもうこの段階でゲームオーバーだ。ゼロに何かけてもゼロだ。弱い妖怪に神威埋め込んでも、弱いものは弱い。なるほど、大活躍だな、典」

典「フォローになってないですよ………」

慧音「しかし青葉………あの男、また新たな力を見せつけたな?変身の先の変身………いや、あれは生物学的に言うなら変態か?まぁなんにせよ、現時点で分かってる彼の力はまだ膨大な設定の2割にも満たないと言えるだろう………しかし、変身の変身で人格が元に戻るとは………やはり、変身中支配系魔王様ではなく、人間状態のあまあま王子様が本来の人格………?いや、それでは矛盾する。獣の人格は本性ではなく獣として存在していた仮定の青葉の本性であり人間の人格は人間としての本性。つまりどちらも彼にとっては表の人格………?だとしたら、この変化はいったい………」


龍「いい加減長いため、ここで封神録小ネタ帖。クダマ・九十九姉妹の習合神としての真名、オウキジン。彼女は古代中国の伝奇小説、『封神演義』の序盤に登場する敵役の琵琶精、「王貴人」の事だそうだ!」


慧音「なるほど封神演義か………たしか周国と殷国の動乱の只中、釣り名人の導士である姜子牙が打神鞭なる神器を手に、人間界に住まう神々や仙人の数々を封じてゆく物語だな。やがてそれは神界をかけた戦いへと繋がり、地母神である女媧をはじめ道教や仏教など、当時の中国で信仰された多くの神々が乱れ戦い始める…………まさしく、ファンタジー小説のプロトタイプと言えるだろう」

典「西遊記とともに親しまれる、歴史ある中国文学であると同時に、早苗編の大きな根幹となった元ネタになります。ぜひ皆さまもお読みになってはどうでしょう」

龍「封神演義なぁ………昔、ジャ〇プで連載されt((((」

慧音「ちょっストップストップストップストップストップ………おほん………次回、『(うた)』」

龍「もしかして!このあとスーパー宝具とか出てきたり!?空からめちゃくちゃボールみたいなの降ってきたりする!?」

慧音「んなわけがあるか!というか、そもそも作者世代ではないだろう!」

典「もうやめてください…………」



次回に続く!!!!!
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