東方 編史帖~上白沢慧音の過去へと迫る旅   作:マジカル赤褐色

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今回いきなり4章にとんでびっくりした人は多いと思います。
でも全部ここで止めます。
これやってる意図は、いつまで経っても章が終わらず次入れない。そんな時にみなさんが楽しみにされている章に少しでもかすっておくように予告編的な感じで触れておくっていう方法でお楽しみいただこうという作戦です。

いつまで経っても次に入れない現象を無くすためのことです。
ネタバレとかが起こらないようにそこらの調整はちゃんとやっておきます。
もちろん文編メインでやりますけど。青葉の細かい設定やらなんやらを把握するためには先をあえて読んでおくってのもまた手です。
べつに、続いているといっても、各章でそんな直接的な関係性はないからね。


第四幕 ロイヤル・ルナ・クロック〜運命を見透かす者
世界・そして・運命


 

─────考えたことは無いだろうか。

 

 

 

この世の中はなんとも生きづらく、自分は周りに比べると不幸なのではないかと。

 

 

お前たちがそう思った事が一度でもあるように、誰もが一度はこの世の中の不条理に疑問をいだいたことがある。

社会の器から溢れた者たちを救うために、時に人に求められたのはそれを受ける2枚目の器。

統治する者はその所有物の一つたりとも壊れることのないように大切に保管せねばならない。

 

 

 

それが─────【為政者の歴史】だ。

 

 

 

この世には、英雄もヒーローもいない。

いまだに救われない者がいるということがそれを物語っている。

まだ全員を救う世界には程遠い。

 

ならば、作らなければ。

 

 

万人を統率し、救いの地へと導く英雄を。

 

大衆に幸福と自由をもたらすヒーローを。

 

世界を統一し、永遠にする真実の楽園を。

 

正義の答えを授け、それを執行する王を。

 

 

─────それが、この私だ。

 

 

 

 

 

お館様の理念は正しい。だが、そのやり方は間違っている。

ならば、私が代わりに成し遂げる。

完全なる、真の幻想郷の創造を。

 

誰もが夢見た────本物の極楽浄土を。

 

 

私ならできる。

この世にある全ての悪を滅ぼし、正義を執行し、秩序の壊れることのない永遠の国を。

 

 

 

それができる確固たる理由が私にはある。

 

 

悪とは何か、それは────

 

 

この私を、邪魔する全てだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────歴史は繰り返される。

けれど、確実に進化しようとしている。

この世のすべては不変ではないのなら、歴史もまた無常のもの。

過ちを正すために、人は同じ歴史を繰り返さぬように進化しようとし続ける。

それは、正しいことなのだ。

 

そして、真の泰平を求めて人は、完成された世界のシステムを目指して行く。

それを正義と呼べないのならば、一体なんと呼ぶのか。

 

だが私、上白沢慧音は思うのだ。

 

正義という概念は、どこにあるどのようなものなのか。

正義という言葉を正確に指し示す事柄が、この世にはあるのだろうか。

 

いや、または…………その答えを見つける為に新たな世界が必要とされるのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────あなたは…………」

 

 

 

「初めまして、布都志見(ふつしのみ)いすゞと申します」

 

 

 

 

 

 

 

「貴方のこの先を指すのならば────こちらです」

 

 

「……………愚者?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────ゆーちゃん、タロットカードって知ってる?

 

 

─────タロットカード………占いで使われる物ね。なんでも、人間の魂の成長の方向性を示しているとか。

 

 

基本的な占いで使われるタロットカードは22枚の大アルカナと56枚の小アルカナから構成されていて、大アルカナは0番の愚者(フール)から21番の世界(ザ・ワールド)へと人間の魂が移り変わっていく様子を絵で描いたものだ。

わかりやすく言えば世界の創造に必要な要素。

うーん、深いね。

で、なんでも今回の異変のキーはこの大アルカナにありそうだ。

 

布都志見といえば、神門青葉の店、いぬゐ宿の看板を古いまま残すように言い付けた占い師の一門だとか、そういった台詞があったかしら。

 

よく覚えてるね〜、そんなこと。

新世界の創造………それを大アルカナの絵柄になぞらえているのなら、意味は通るか。

一人一人の奥底に眠る己の(カード)、世界を創る一要素。

 

22枚が揃ったその時が────

 

 

 

今回の舞台は紅魔館か。

幻想郷じゃ、お墨付きクラスの危険地帯。

数多の魔族が住まい、ある異変の根源ともなった魔王の館。

 

神門青葉は、あそこを良く知っているそうね。

 

俺はそこまではわからない。

けれど、こいつはまた………因果な話かねぇ、

 

─────因果?なんの、

 

さぁ?自分で考えてご覧なさいな、

 

まるで初見の映画を見るような感覚でいるのに、その実すべてを知っているようで、貴方は何がしたいの?

 

俺がしたいのは鑑賞に決まってるだろ。

好きな本が映画化したら、誰だって見たくなるだろう?

 

─────────それは………どういう………?

 

 

 

 

おっと、こんな大事な時に都合悪く誰か来たな?

こんな部屋からはさっさと退散退散…………

 

魔界に帰るわよ。また幽閉生活の始まりね、

 

やれやれ、勘弁してくれよ。そろそろ部屋壊しても良いよね?

 

【また】騒ぎを起こされたらたまったもんじゃないわ。幽閉と言うより投獄中の身なのよ、貴方は。

 

 

 

「───あはっ!不思議ないきものはっけーん!ぶっ潰して良いよね!」

 

 

おぉっとバレた!?

 

何やってるのよ大声出してる場合じゃないわ!早く魔界通穴(パンデモニウムゲート)を開きなさい!

 

 

「逃げても無駄ですよ。私達姉妹から逃げることはできませんから、」

 

 

マジかよ君たち姉妹?

てか、獣人じゃないよね君たち!?

 

 

「やーいやーい!やっつけてあげちゃう!」

 

 

うぉぉぉっ!?ちょ、弾幕やばいやばい!

ゆーちゃん、門開いとくから剣で弾いて!

 

仕方ないわね…………世話の焼ける兄………!

 

 

「もーう!逃げちゃだめー!」

 

「ここへ来た者は誰に一人として逃がすわけには行きません!戝よ、名を名乗りなさい」

 

 

よし来た!俺は神羅、魔界の破壊神!

そして─────

 

神綺様にお仕えする侍女、夢子と申します。

貴女たちのお相手はしていられません。

申し訳ありませんが、撤収させていただきます。

 

 

「あーっ、もう!逃げた〜!どこいっちゃったんだろう………」

 

「ゲートに入った瞬間に入口が塞がれましたね。これでは追跡は不可能かと。ですが、明確な敵意がなかったと言うことは、私たちの邪魔にはならない、そういうことでしょう」

 

「ま、すぐ逃げるような弱いやつは私と姉さんですぐにやっつけれるもんね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひぃ〜、マジか、危ない危ない。獣人の山賊め、なんつー切り札持ってんだよ………!」

 

「あの弾幕は非常に凶悪。弾くならまだしも、避けるのは限りなく困難だったわ」

 

「やれやれ………タロットで言うなら、さしずめあの二人は、太陽(サン)(ムーン)って所か………」

 

「あんなの、どちらも悪魔(デビル)よ…………」

 

「悪魔枠はもう埋まってるよ。ここの連中と紅魔館メンバー含めて22枚だからね」

 

「これ………神門青葉は生き残れるのかしら」

 

「まぁ、そのための紅魔館メンバーだし?」

 

「最強の定義がいよいよわからなくなってきたわね………」

 

 

 

 

「ゆーちゃん、これ余談なんだけどさ、」

 

「なにか?」

 

「タロットカードで運命を定めて「世界を操る」、このメカニズムは「運命を操る」その逆、と捉えて良いのかな?」

 

「運命を操る…………」

 

「ま、そんな能力があったらの話なんだけどね。じゃ、母さんに帰還報告しようか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

東方編史帖〜ロイヤル・ルナ・クロック

 

時を見透かす者 運命を見透かす者

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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