少年少女が抱える闇で殴りあいをさせたかった   作:よくメガネを無くす海月のーれん

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感想評価、誤字脱字報告ありがとうございます!

やっと第一章が終わりました。
後は閑話と、1.5章に続いていきます。因みに閑話がこのお話のヤンデレ成分の7割と言っていいです。閑話を書くために、本編という過程を書いた。そんな感じです。楽しみにしてくださいな。


エピローグ3 大人の出る幕はないとしたら、私はなんのためにいる/私のワトソン/面白いことになってきたねェ

「どいてくれ。谷崎」

 

「どきませんよ。先生」

 

静かな問答。積もる沈黙。

 

廊下、もう放課後だ。あたりは夕暮れの寂しい橙に包まれ、もうすぐ夜が来ることを空の彼方、翳っていくのが見える。

 

人はいない。嫌に静かだ。この時間帯に人がいないことは珍しくはないが…それでも外から聞こえるはずの部活終わりの生徒の声が聞こえない。そんな違和感が脳裏をひっかく。

 

あの空き教室が夕焼けよりも赤くなったあの瞬間、はためいたカーテンの隙間から見えた火、きっと柳田が行動を起こしたのだ。凶行、止められなかった。

 

私は向かわなくてはいけない。

 

それなのに、何故私は此処で立ち竦んでいる。

 

何故生徒一人の引き止めを無視することが出来ない。

 

私は

 

何のために教師になったのだ。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

止めなくてはいけなかった。

 

柳田修介という生徒はどこにでもいるありふれた生徒、といえば失礼に当たるが、友人と遊び、それなりに勉学に励み、テストの結果に一喜一憂する、あまり特徴がない生徒だった。

 

あの日、授業中に叫んだ柳田は、まさしく変わってしまったのだろう。その日の放課後から、柳田は何かに取り憑かれたように活発に行動を始めた。

 

私はその現象を知っていた。他ならぬ私自身にも起きた現象。

 

異能

 

私が今の私に成らざるを得なかった原因で、人を容易に狂わせるもの。

 

問い詰めるべきだった。変化に、おかしさに、気付いていたはずなのに、過信した。大丈夫だと思った。

 

異能はそんな優しいものではない。

 

慣れがそうさせたのだ。自身の異能で積み上げた経験が、対処法が、私の判断を鈍らせた。

 

もう間違えないと誓ったはずなのに。

 

異能は…人が抱えるトラウマや生来の性質、どす黒い欲望などが具現化したものだ。

 

異能を分類することは難しい。人それぞれで千差万別、似た異能でも発現する理由が違うだけで対処法も全く違うものになってくる。

 

もっと対話をするべきだった。少しでも柳田が抱えてしまったものを知ってあげるべきだった。

 

異能は流動性だ。人の感情が不定形で変質しやすいからこそ、確固たる異能というものは少ない。形を持って、変わらない異能を持ち続けている人間がいるとしたら、それはきっと闇ではなく黒い信念というべきものだ。トラウマから異能を発現させた異能持ちに多い。もういじめられたくない、もう殴られたくない、そうした確固たる意志があればあるほど、異能は強いものになる。

 

私の異能は万物を纏うことが出来る異能だ。しかし、元は違かった。異能を発現させてから友人を亡くすまでは、物を流すことが出来る異能だった。左から右へ移動させる。物体の移動。そういうことができた。責任逃れが得意な私に発現した異能としては、ぴったりのものだったと思う。

 

異能は流動性だ。持ち主の心境が変われば、異能も姿形を変える。原型を遺しているものが多いが、それでも前の異能とは180度違う異能にもなり得る。トラウマの克服、生来の性質を受け入れる、あるいは…自分が変わってしまう何かが起きる。

 

私は友人を亡くした。私のせいだ。責任逃れが得意な私が、その責任を、友人のために生きるという責任を背負うことになったから。私の異能は今の異能になった。『万物流纏』、この世にある物を自身に纏うことが出来る。友人の死をもって責任逃れをやめた私が次にしたことが…

 

精一杯の虚勢だったからだ。

 

私は生きるのが下手だった。波風立てないよう誰かの意見に常々同調するようにしていた。弱い自分を隠して強い自分に見せて。人の意見をさも自分の意見であるように言って。自分自身を守る為に必死だった。

 

『万物流纏』、この世にある物を自身に纏うことが出来る。人の意見を纏って、弱い自分を強い自分であるかのように虚勢を纏って、いつしか本当の自分が何だったのか思い出せなくなった。自分を失った。

 

異能は流動性だ。だが、私は変わるのが怖い。自分を失って、自分じゃない自分を日常的に演じて、今度はなにに変わるというのだ。今度の私は、どんな罪を犯すというのだ。友人を失って、責任逃れをやめた。なら、大事な生徒を失って、精一杯の虚勢すらやめてしまったなら…

 

次の私はどうなってしまうんだ。

 

異能は克服することもできる。異能が無くなることはないが、姿を変え、形を変え、今まで呪ってきた自分を祝福してくれるようになる…はずだ。又聞きだから本当であるかはわからない。そうであってほしいと願う。

 

異能は流動性だ。だから、他人が関わってやることである程度異能の方向性を絞ることが出来る。誰も信用できない人が発現させた異能と、誰か一人でも頼れる人がいる人の発現させた異能は殺傷能力等で違いが出る。

 

柳田、お前は誰も頼ることが出来ない状態で異能を発現させたのだろう?

 

自分自身で完結できる異能というのは、誰も頼ることが出来ないという意識の表れだ。

 

お前が誰かに頼ることが出来る人間になってほしいから、お前に自分を見失ってほしくないから

 

私みたいになってほしくないから

 

お前が抱えるものに手を貸そう。

 

頼ってくれ、もう二度と無力感に苛まれたくないんだ。

 

信じてくれ、私はできる。できるんだ。

 

そう嘯いて、強がっていた。

 

 

 

ただ…私はどこまで行っても教師(無力)でしかなかった。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「何故、止める」

 

眼前に立つ谷崎 結華。図書委員をしていた生徒の一人だ。なぜ彼女がこうして私の前に立ちはだかるのか。なにか質問があるのか?

 

だが、すまない。今は谷崎にかまっている暇はないんだ。

 

「どけ谷崎。私は行かないといけないんだ」

 

「行ってどうするんですか」

 

間髪入れず返される言葉、それは私が今から行こうとしている場所のことを知っているような口ぶりだった。

 

「行って…行って私は…」

 

言葉が詰まる。意味もなく歯噛みする。私以外にも頼っている人間がいたか…。行方も知れぬ嫉妬心がふっと湧き出たが、それ以上の自嘲が溢れて嫉妬心を押し潰した。

 

こんな無力な私以外にも頼る人間はいるだろうな…。

 

「止める。止めなくてはいけない。私の責任だからだ」

 

吐き出した言葉は義務感に溢れていた。

 

「畠中 洋一が異能持ちであることに気付かなかったのは私の責任だ」

 

「柳田 修介とぶつかり合う状況を作り出したのは私のせいだ」

 

「もっと慎重になるべきだった」

 

「ちゃんと話し合っておくべきだった」

 

止まらない後悔、気づけば懺悔の言葉を口にしていた。生徒に言ったってどうしようもなかった。

 

しかし、谷崎は私が最も欲しがっていた言葉、心を抉る言葉で刺した。

 

「えぇ…そうです」

 

「先生が悪い」

 

「柳田くんがそういう風になっていたのは読めていました。最初からおかしかったんですから。疑ってかからない方がおかしい」

 

言葉のナイフ、正論が酷く心につっかえる。

 

「異能は良くも悪くも人を変える。それを甘く見ていた先生の責任です」

 

しかし、言葉の裏に隠されたナニカに気付かなければ、そのまま言葉を受け止めてしまっただろう。

 

気付いていなければ、割り切れただろうに。

 

「だからこそ」

 

なにか違う。気付いてしまった。

 

「何もできなかった先生は大人しくしていてください」

 

予想する中で、最悪の可能性が出てきた。

 

「邪魔なんですよ。彼にとって。いまさら首を突っ込んだところで、もうどうにもなりません」

 

雰囲気が変わる。空気が刺しこむ。今更ながらに掛け違えたボタンに気付いたような、もうここまで来てしまったなという諦観のようなもの。

 

異能持ちは…

 

「これは…彼の物語です。私も貴方も部外者なんですよ」

 

もう一人いた。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

ハロー、どこかの誰かの故も分からぬ聴衆諸君。

 

と、自分らしくないことをした。引っ張られてしまった。

 

異能を解除。

 

元の私が戻ってくる。

 

改めまして、私の名前は谷崎 結華。異能持ちです。

 

唐突ですが、私の異能は『本心投影』といいます。能力はシンプル、本に登場するキャラクターを自身に投影します。

 

投影すると、登場人物と私が混ざった状態になり、その人物の力を扱うことが出来ます。

 

例えば、勇者が魔王を倒す物語を自身に投影したのなら、勇者のごとき力を得ます。

 

例えば、難事件を解決する名探偵を自身に投影したのなら、名探偵のごとき推理力を得ます。

 

例えば、魔法少女が悪を倒すお話を自身に投影したのなら、魔法少女のごとき魔法の力を得ます。

 

そういう力です。どうです?すごいでしょう?

 

さぁそこで私達の世界を観ている皆さん、どう思いますか?

 

と問いかけても私からなんのアプローチもできません。異能はこの世界にしか影響を与えられないのでしょう。もしくは私の異能の出力が足りてないからかもしれません。

 

先程まで、シャーロック・ホームズを自身に投影していました。

投影する時間が長ければ長いほど、その人物に寄っていきます。しかし、強い自我を持つ人物を投影すると、短時間でも呑まれそうになるから油断禁物です。

 

柳田くんが接触してきたときも、シャーロックホームズの他に複数の人物を投影して推理しましたが…どうにも人を見下すようになるので、嫌になります。たぶん、思考が人間から逸脱するから、その思考に辿り着けない人間を見下すようになる…からだと思います。

 

まぁ、気持ちがいいのは否定しないので、なぁなぁで済ませますが。

 

その混ざりあった私の推理が正しければ、私達を観ている観測者、聴衆がいるはずなのですが…物語の人物が物語の外側をどうにもできないように、何を問いかけたところで、反応は返ってこないでしょう。

 

ですので、居る体裁で話を進めます。

 

今この状況、私や先生が行ったところで事態は終わっています。

 

何故知っているのか?

 

まぁ端的に言えば、何も監視していたのは一人だけではないということです。異能を使えば簡単でした。魔法って便利ですね。

 

同じくストーカー紛いのことをしている人が居たのは驚きでしたが、それくらい柳田 修介くんに関わり合いになりたいと思ったということでしょう。ストーカー仲間の情報が異能で暴けなかったのは痛いですが、相手も同じく私の情報を抜けきれていないでしょうし、お互い様です。

 

はい、なぜ柳田 修介くんに関わるのか?

 

それは、異能を使った推理でなにをどうしても、人数を変えようと、人を絞っても、『柳田 修介が事件の中心にいる』『柳田 修介に関われば事態は好転する』という結論に辿り着くのです。彼は困った時の潤滑剤か何かなのでしょうか?

 

唐突ですが私の異能は、物語に関わりたいという願望によるものです。

 

現実はゴミです。何もかもがつまらなく、退屈で、ただただ苦痛です。

 

ですが、物語は別でした。

 

世界を救う勇者はとても輝いて見えました。

 

難事件を解決する探偵はとてもかっこよく見えました。

 

魔法に憧れて

 

ヒロインに憧れて

 

いつしか私は物語に浸るようになりました。

 

自分がこの話に居たらどう動くかを夢想し始めました。

 

メアリー・スー、そう呼ばれる人間になっていました。

 

だからこそ私は

 

『本心投影』を発現させるに至りました。

 

物語への自己投影(メアリー・スー)が、物語から自己への投影(逆メアリー・スー)に変わったというのはなんとも皮肉なことだと思います。

 

ですが、私らしくもありました。

 

私の本心は、私が物語に登場するわけではなく、物語の人物そのものになりたかったからです。

 

だから、私を否定して物語を肯定する異能が生まれたのは偶然ではなく必然です。

 

でもそれこそが私らしさです。自分ではないなにかに成ろうとする私こそが、私たらしめるものだと考えています。

 

少し自分語りが過ぎましたね…。

 

つまり、何故柳田くんに関わるのかというと

 

現実に存在する一個人の私ではなく、柳田 修介が紡ぐ物語の登場人物、谷崎 結華に成りたいからです。

 

ようは物語に関わりたいというだけです。

 

柳田くんが絶望的な未来を辿るのは推理できていました。いくつか不確定要素はあるものの、どのルートに行こうも大概が悲惨な目に遭うので、変わりありません。

 

なのでそんな可哀想で愚かな柳田くんを助けてあげようというのが私の理由です。

 

おっと…中身がはみ出てしまいましたね…。気を抜くとすぐ出る…。

 

まぁ彼は私にとってワトソン君と同じです。私のように賢くはありませんが、勇気があって行動力がある…あと私の本の知識に着いていくために、勉強してきた点も評価できます。

 

よく投影するシャーロックホームズが無意識にワトソンを求めているのか…それとも私が単に好ましいと思っているからなのか…。

 

まぁ柳田くんに奇妙な執着をしているのは認めましょう。

 

そんな助手くんが、必死に行動しているのです。ホームズとしてワトソンくんの頑張りを邪魔させません。

 

……混ざってますね。一度投影の時間を置かないと、不味そうですね…

 

そんな感じで、私は先生の足止めをしているのです。まだ実力行使に移っていないのは先生が優しいからですね。こちらとしてはありがたいです。先生を傷付けるつもりはありませんので。

 

さて、こうして足止めをしていればあと少しで…

 

「君達、ちょっといいかい?」

 

ほら、後始末役(ストーカー仲間)がやってきました。

 

エピローグと行きましょう。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「やぁやぁ、役者が揃っているようだね」

 

「貴様は誰だ」

 

「おぉ〜、本物だ。そうかっかしないでおくれよ。ワタシはこの騒動の後始末を任せられたものさ…安心すると良い」

 

「何一つ安心できる要素がないと思うんですが」

 

「同感だ。さっさとどけ。谷崎もだ」

 

「行かせませんよ。それよりもそっちの仕事は終わったんですか?」

 

「仕事…?」

 

そうワタシに問いかけた女…十中八九、ワタシの詮索を掻い潜った人間だねェ。面倒くさい。

 

この二人、正確には五人いるが他三人は脅威度や関わり合いが薄い。だから放置だ。私からの頼みだからといって、なんでも助けていては成長に繋がらない。

 

ただ、この二人は違う。

 

ワタシの常用する異能に、広範囲の人間の名前や性格等の情報を得られる異能(名前や性格だけでその人の心中等は知ることがない上辺だけの異能さ)がある。

 

そして、記憶を改竄する異能には相手の情報を知らなければいけない。条件を設定しないと、無差別に本体や彼の記憶も消してしまう。だからこその広域情報探査だ。よく使う組み合わせ。これだから異能の収集はやめられない。

 

それを掻い潜ったとなると、直接情報を得なければいけない。個人的に知るということはワタシの欲を満たす行いではあるが、それを直接しなくてはいけない相手は厄介な手合いが多い。

 

そちらの状況を理解できていない女はどうとでもなる。異能を使って体の周囲に防護壁のようなものを纏っているから異能が通らなかった。なら、その内側に入り込めばいい。

 

しかし、そっちの女は違う。情報が初めから改竄されバグを起こしていた。おそらく異能を使って、自身の個人情報に別のものを混ぜた。だから、その女の情報を検索した時エラーを吐いた。

 

私達と同じだ。別の何かが混ざっている。多重人格者かあるいは自身と他の人間を融合か憑依させる異能でしかありえない挙動。

 

間違いなく手ごわい。そういったことをして、普通の生活を送っているとなると、それだけ変わってしまった自分を受け入れていることになる。出がらしの本体とは違う。

 

自我が強い。

 

「あぁ、終わったよ。君達と同じように抵抗した者がいたが…そちらは丁重にお帰りいただいたさ」

 

「貴様、生徒に何をしたッ!」

 

「怒らないでおくれよ…異能持ちだって貴女もバレたくないだろう?ちょっと隠蔽工作をしたというだけさ。危害は加えていない。そういうお願いだからね?」

 

「で、私達に何の用ですか?私は貴女達の邪魔はしていませんよ。教導者さん」

 

なるほどなるほどォ…警戒度を上げるしかないねェ。

 

気付いている。教え導く者、本来のワタシの役割。それを知っているということは…

 

ふむ、だが今は仲良く出来そうだ。自分のやるべきことを理解している。問題は…

 

「教導者だと…?」

 

こっち。

 

「先生、終わったんですよ。彼女がいるということは、もう後始末、エピローグに入ったということです」

 

独特の言い回し、増々頭の中を覗いてみたいが…今回ばかりはその動きに免じてやらないであげよう。それに…協力者たり得るかもしれないからねェ。

 

「うんうん、理解が早くて助かるよ。サービスとして教えてあげよう。彼は生きてるよ。一応…五体満足さ。終わったらお礼しに行くと思うから、待っているといい。そこですべてを知ればいいさ」

 

「えぇ……心苦しいですがそうします。もっと関わっておけばよかったですね」

 

「…止めるんだな?」

 

理解が出来ていない。しかし、ワタシ達が敵であるということは理解しているんだろうね。

 

うーん…本体と近いものを感じるねェ。酷く哀れで不愉快だ。行動が中途半端でそれを自覚しているから質が悪い。そして、それを取り戻すために意固地になっている。

 

見極めが必要だ。彼女は本体が所属するクラスの担任だ。ふさわしい人材であるか調べなくてはいけない。もし、不必要な存在なら…その存在、すべて美味しく頂いていくしよう。

 

「先生…はぁ、敵対しなくて済んだはずなのに手遅れじゃないですか」

 

おや?

 

「私は先生の味方でもあります。先生も彼も守りたいからこうして止めているだけで、先生に危害を加えるようなら話は違ってきますよ」

 

なるほど…。慕われているねェ。加点+1だ。これで2対1になってしまった。

 

「『本心投影・影の女王(スカアハ)』…1分あれば十分です」

 

「へェ…『血角変慟』。それじゃあ遠慮なく」

 

全身から血で凝固された角を生やす。本体の『肉体増殖』と相性がいいんだ。『肉体増殖』だけでも出来なくはない。が、血がどうしても足りなくなる。だが『血角変慟』は、あり得ない量の血が生成される。異能らしい異常さだねェ。肉体の操作と血の生成、それが合わさると多角的な攻撃が可能になる。本来血の角を生やすだけだが、組み合わせると分化、操作ができるようになるんだよねェ。

 

持ち主は…自傷癖のメンヘラだったかな?血を角に凝固させるだけで血を出さなくちゃいけなかったから、手首を掻き切って異能を使っていたよ。

 

まぁ…今は居ないがね?

 

「生徒に手出しはさせない。『万物流纏・重力』、積み重ねた異能の違いを見せてやる」

 

片方は影そのものが蠢きだし、切っ先をこちらに向ける。

 

もう片方は周囲だけが歪んでいる。

 

試しに血の角を伸ばしてみるとどちらも本人に当たる前に影に防がれ、一定距離に入った血の角が砕けて地に落ちた。

 

ふむ、影と重力、どちらも似た異能は持っているが…サンプルは多いに越したことはないだろう。

 

「ふふっ…タイムリミットを設けようじゃないか。時間制限は彼等が帰宅するまで。その時間生き残れたら手を引こうじゃあないか」

 

ワタシが切り札を出せば終わりだからねェ。それじゃあつまらないじゃあないか。

 

「随分と余裕ですね」

 

「あまり舐めるなよ…」

 

二人共、戦意は上々。

 

「ワタシを倒せるならやってみるといい」

 

「因みに…」

 

「『衣身電芯』、異能が一つとは限らないけどねェ?」

 

電気を帯びた血の角、帯電した身体、試しに合わせてみた異能の噛み合わせを確認しながら、血の角を操作し、その先端を二人に向け

 

「さぁ、生き残ってくれたまえよ」

 

一斉に射出した。

 




感想評価よろしくお願いします!

もう変わりたくない、失いたくない、主人公に自身を重ねて、主人公を助けることで自分も救われた気になろうとする女&物語の人物と混ざり合ってヒロインと同じ感じになるも、鼻から「私が、私達が、谷崎 結華だ!」したメンタル強者で、主人公に対して、色々な人物が混ざりあった奇妙な執着(ホームズにとってのワトソン、スカアハにとってのクー・フーリン等)を向ける女

VS

知識欲の権化で、知らないものを知ろうとして手当たり次第に人を襲った結果、えげつない量の人の闇を背負い、それでも自我を保っていられるメンタル上位存在(主人公に向ける執着は、犬猫を可愛がるソレ。ペットに変な芸を教える人間絶許ウーマン)

ファイッッッ!!!

小話
異能の名前考えるので詰まってるのが更新遅れる理由だったり…、感想で思いついた名前書いていって…(コメ稼ぎ)(別に四字の制限を設けているわけではない)(ダブルミーニング大好きマン)

『血角変慟』は、地殻変動で、大きい力によって地殻が徐々に動いていくことを、親からの圧力によって、自分を徐々に捻じ曲げられた末に、生まれた親への怒り、反抗、自分を自分と認められないやるせなさ、自傷行為に走ることへの慟哭が、血の角という形で現れたという設定だよ!
角は、出っ張ったもの、突き出たもの、かどがあるもの
という意味。
心から突き出てしまった、かどができてしまったことへの嘆きの表れだよ!
ま、この先、そのかどが丸くなることはないんですがね!!!

追記
2023-10/17の活動報告にて、異能の名前の募集をしております。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=303924&uid=412269

追々記
章の名前を設定しました。
由来はシンプルに
(主人公が自身の生存を)
(ヒロインが自分だけの幸せを)
手に入れよう
という感じです。どちらも達成できたしヨシッ!()

第二章ヒロイン投票

  • 支配系ヒロイン()
  • 暴力系ヒロイン()
  • 上位者系ヒロイン()
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