少年少女が抱える闇で殴りあいをさせたかった   作:よくメガネを無くす海月のーれん

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おまたせ、まった?(激遅投稿)

はい…約1か月の空きが出ましたが…作者は元気です()
年末年始本当に予定詰め詰め&デスマで死ぬかと思った…まだまだ忙しいのですが、少しばかり落ち着いたので投稿です。1月終わる頃か2月始まる頃には、前までのように戻ると思うので…

というわけで、どうぞ


面倒くせぇ腐れ縁のメンヘラ(能力は最高峰とする) 

悪魔

 

それがもしいるとしたら、それがもし人として形を持ったのなら

 

きっと、こういう人間のことを言うのだろう。

 

今、俺が最も欲しい瞬間に、最も来てほしくないヤツが、味方面でやってきたとき

 

例えるなら、忘年会の予定を仲間内で組んでいたら、それを小耳に挟んだあまり関わりたくないヤツが我が物顔で参加してきたとき

 

例えるなら、人数が足りずに少しランクの低い店を選んでせっかく予定やらなんやらを詰めたはずなのに、ソイツの追加と予定のせいで当初の店に戻したり、日にちを変更しなくちゃいけなくなって、予約のキャンセルや謝罪の連絡を入れなくちゃいけないとき

 

…さすがに具体的すぎるかもしれないが、そういう、数が足りないから来てはほしいのだが、少なくともお前じゃないという気持ちが今の俺の心情だということを理解してほしい。

 

(さすがにひどくはないかい?私はタイミングを見計らっていただけさ。なんだい?前もって連絡を入れておけばよかったかい?それじゃあ断るだろう?)

 

めんどくせぇメンヘラみたいことを言いだした。まぁ事実だ。

 

実際、絶対なんか言って断るだろう。なんてったって来てほしくないからな。で?なんでここにいる?

 

(なぜだって?わかっているはずなのに聞くのかい?惚けるなんて可愛いところがあるじゃあないか)

 

一発ぶん殴っても多分許されるだろ、それくらいに腹立たしい。

 

(それはまぁ、本当に忌々しいことに混ざってしまったおかげで、[ワタシ]は君を助ける理由ができてしまったからねェ。助けに来たというわけさ)

 

心から声が響くというのは、二度目の経験だ。前とは毛色が違う何故だか心に張り付くようなねっとりとした感情だ。こういう人間で白鷺燐火絡みとなるとそれはもう一人しかいない。

 

「ホントに…来てほしくなかった。知識狂い」

 

俺はコイツと初めて会う。が、初めて会った気はしない。なんなら、ずっと一緒に過ごしてきたような、思い出の隅々にこいつがいたような錯覚さえ受ける。それは白鷺燐火と混ざったからというのもあるだろうが、俺が初対面で悪態をついたのは、原作としての知識もあるからだろう。

 

[ワタシ]。知識欲の擬人化。食人嗜好、人の闇、逢坂の言葉を借りるなら、その人が隠したいと思う本心や本性といった一面を収集し自分のものとしてきた化け物。善か悪かと問われれば、明らかに悪側であり、たとえ成り立ちを知ったとしても、犠牲になった人たちが帰ってくるはずがない。それは白鷺燐火の本体にも言えることだが、ストーカーはちゃんと害があったのでセーフのはずだ。……なんて、正当化したって罪は罪だ。俺も加担しているんだから俺も同罪、逃れることはできない。

 

(う~ん、君はやっぱり思いつめるタチなのが面倒だねェ。[ワタシ]に面倒だって言われるなんて、自分で言うのもなんだが相当だよ?)

 

「うるさい…。そういうところが嫌いなんだよ。我が物顔で、俺を騙んな」

 

心に語りかけられるというのは思いのほか労力がかかる。それは思考の容量を勝手に使われているからで、自分で思考を分割してそれに喋らせているのと同じくらいのことをしているからだ。マルチタスクが勝手に行われている。心の中で会話を完結することもできるが、そうすると内容と内容が混ざり合い会話にならない。だからこそ、区別をつけるために、口に出しているのを俺、心に問いかけられているのを[ワタシ]という風に分けている。

 

そうしないと、俺は俺なのかわからなくなる。自己の崩壊、こんなことでそれを起こしたくない。

 

というか、心をシャットアウトしていたはずなのに、どうして話かけてくんだよ…。そうした内心すら読み取ってくるから、会話が楽な反面、気持ち悪さもある。

 

(それはねェ。まだまだ君が未熟だからさ。付け入る隙なんて幾らでもある。あぁそう、本体…といっても君じゃあない。そこのたかだか端末程度に乗っ取られかけているのには、私達のやり取りは聞こえていないよ。なにせ、制御に手いっぱいだろうからねェ)

 

「そうかよ…で?」

 

(およよ…淡泊だねェ。泣いてしまいそうになるよ…。せっかく君の意向に沿うようなことをしてきたというのに…)

 

心の中で下手な泣き真似をされるというのは心底腹が立つことらしい。初めて知った。俺は青筋を必死で抑えながら、話の続きを要求した。

 

(いやぁね?君が図書委員ちゃん…だっけ?を気にかけていたり、今回の騒動の発端である生徒会長も居るだろう?)

 

(彼女らを少しばかり干渉して遠ざけただけさ)

 

「……それは」

 

(いやぁ、生徒会長は楽に済ませることが出来た。君と君を侵食した忌々しい抜け殻の後始末のときに脅しをかけていたからね。それと同様のことを行って、かつ少しばかり情報提供したら引いてくれたよ)

 

別の意味で背筋が凍る。

 

(図書委員は少々厄介だった。食って掛かってくるものだし聞く耳を持たない。やれやれ…君は本当に……人たらしだねェ…。まぁそこも好ましい面ではあるんだが)

 

「何をしたんだ…」

 

自分が思うよりも低い声が出たことに驚いた。俺は最低なヤツで人を巻き込んだ結果としてここにいる。だからこそ、これ以上他の人を巻き込みたくなかったから、それをしてしまえば、本格的に自分が自分で居られる自信がなかったから、最後の一線として引かれたラインを踏み越えるようなことを断じて許せなかった。

 

(どうどう…手荒な真似はしてないさ。少しばかり説得しただけ。そうだねェ…癪だが、君に伝言を一つ頼まれている)

 

(取引、貸しが一つ、だそうだ)

 

「……そうか…」

 

安堵の息が漏れた。少しうすら寒さを感じるその伝言から現実逃避をしつつ、これ以上巻き込まれる人がいないことを知る。

 

(さてさて…話を戻そうか。君はこの状況を打破できる力がない。だからこそ、[ワタシ]が君の望むようなことをしつつ、助けに来たというわけさ。泣いて喜ぶと良いよ?)

 

「生憎…自分が泣いていい人間じゃないと思っている。泣いてる暇があるなら自分で何とかする手段を考える」

 

(ふぅ~ん、助けが要らないと?)

 

「少なくともお前の手は借りない」

 

甘く囁かれる脳髄を揺らむ言葉にどうにか耐える。乗ったら終わり、そのはずだ。それは白鷺燐火の心によるものでもあり、原作知識による警戒でもある。二重の警鐘が鳴らされている。

 

人を啜る悪魔に耳を貸す、それがどれだけリスクを持つことなのか。想像もつかない。

 

(前と同じようにいくなんて甘い考えじゃないだろうね?)

 

しかし、囁かれる言葉は苦々しいことに事実だった。

 

「……違う」

 

口では言っても、俺が今八方塞がりであることは事実で、俺自身何もできないことはどうしようもない真実だった。

 

(図星か。君のそういうところは抜け殻に浸食されても変わらない好きな一面なんだけどねェ。いやいや…捻じ曲げてしまったらそれこそ解釈違い…)

 

「…なんだよっ」

 

俺の葛藤を勝手に読んで、うんうんと唸るコイツに嫌気が差すが…どうやったって俺じゃあ対処はできない。耐えるしかない。苛立ちを…抑えるしかない。

 

ようやく、言葉を紡いだ悪魔は甘言ではなく契約書を持ってきた。

 

(そうだねェ?君は自分の手で何とかしたいんだろう?そして[ワタシ]の手を借りたくない)

 

(でもね?それを君が言える立場ではないと[ワタシ]は思っている。なにせ君はこの場では弱者なのだから)

 

この状況を説明される。だが、俺は何となくその言葉の先を読んでいた。

 

いや…予想はしていた。コイツが現れた時から。

 

だって、俺はコイツで、コイツは俺だ。ようはただの一人遊びに興じていたにすぎない。

 

始めから答えが分かり切った問答を続けていたにすぎない。

 

ただの自問自答だ。

 

口では嫌だと、手を借りないといっても、そんなのただの建前で、最終的には手を借りる。それは決定事項だった。手を貸してもらえないと、俺は何もできない。

 

心の奥底ではコイツに助けを求めたんだ。きっと来てくれると、根拠のない自信があった。

 

コイツはそれに答えてくれただけだ。

 

なんでこんな…情けないんだろう。

 

一人でできると言葉で吐いても、その実、誰かの助けを求めている。

 

自分でできると口だけ言って、何もできていない。

 

なんだよ…俺。変わんねぇ。

 

白鷺燐火を救った時と、他力本願を理解して吐いていた時の俺と

 

変わんないじゃんか。

 

…こんな風になりたくなくて、頑張ってんだけどな。

 

「…あぁそうだ、それは否定できない事実だ」

 

絞り出す言葉。思考は読まれているはずなのに、なんとも腹立たしいことに突っ込んでこない。化け物風情が空気を読むな。身勝手な盗人(私を捨てたワタシ)が同情面するな。

 

心の支柱が緩んでいるから、俺じゃない私が出てくる。今はそんな問答してる暇はないのに。

 

ただ、助けに来てくれただけなのに。

 

 

()()()()()()()()()()()

 

 

その言葉は、俺にも[ワタシ]にも刺さる言葉だった。

 

沈黙

 

ラインを踏み越えた。それだけは理解できた。

 

言ってから、後悔する。でももう遅い、

 

静かに、静かに[ワタシ]は言葉を紡いだ。

 

(…本当に、厄介なことをしてくれたね…)

 

「…俺だってなりたくてなったわけじゃない」

 

そんな言い逃れ、通じるわけがない。

 

だって、この道を歩むと決めたのは

 

茨の道に一歩踏み込んだのは

 

俺自身だ。

 

(わかっているだろうに…、はぁ…そうだよ。こんなのただの一人遊びに過ぎない)

 

今までの何もかもを知ったような口ぶりから、何ともけだるげな、まるで惰性でゲームをプレイしているような雰囲気へと変わった。

 

(君が予想する言葉と、[ワタシ]が予想する言葉を、予定調和で返してるにすぎない)

 

まるで、自分に言い聞かせるように。

 

(ピッチングマシーン同士でキャッチボールをしているようなものだ)

 

まるで、また同じ悪夢を見るのかとため息を吐くように。

 

(何とも救われないよ。君を巻き込んだ。巻き込むべきじゃなかった)

 

聞き分けのない子供に言い聞かせるように。

 

(君は…そうなるべきじゃなかったよ)

 

まるで取り返しのつかないことを目の前で告げられたような気分だった。

 

淀む思考と、暗む感情、[ワタシ]が感じるソレは、そのどれもが俺のせいだった。

 

([ワタシ]は…また……失敗したらしい)

 

失敗…そう言われて、普通なら癇に障るだろう。そんなことないなんて言うだろう。

 

でも…今の俺を[ワタシ]が言い表すなら。間違いなく()()だった。

 

(すーはー…うん、君を助けるためにはじっくり時間をかけないといけない。根深いものだからね)

 

深呼吸して気を取り直した言葉に含められた想いだけが、深呼吸で抜けきれなかった想いだけが重く重く感じられる。

 

(それは今ではないのだろう…。わかったよ)

 

無理やり心を切り替えるように、言葉を捨てた。

 

(詳細は省く。取引だ)

 

省かれた言葉は掛け違いの服のボタンのようで、何とも歪に噛み合った。

 

「内容は?」

 

(異能一つに、君の情報を一つ)

 

(君自身の言葉でしゃべってもらおう)

 

「……心を読めばいいんじゃないか?」

 

(詳細を省くといったはずだよ。それに、悠長にしてる暇もないだろう?)

 

少し、苛立つように言葉が続けられる。

 

(ただ…[ワタシ]の言葉で話すなら…知りたいんだよ。君がどういう人間なのかを。[ワタシ]は君が言う通り、知恵狂いだからね。白鷺燐火を唆した、白鷺燐火を受け入れられた人間を知りたい。もちろん君を傷つけるようなことはしない。そこだけは約束する)

 

「……わかった」

 

頷くしかなかった。何故なら、これは俺が下で、[ワタシ]が上だからだ。俺がどれだけ不平を言っても、助けを求めているのは俺で、それを助けるか見捨てるかは[ワタシ]だからだ。

 

俺にできるのは懇願だけだ。だから…

 

「なら…俺も一つ、自分の言葉で宣言しとく」

 

俺が歩み出したスタートを。きっと白鷺燐火という存在が求めているであろう言葉を吐き出す。

 

どれだけ嘘つきと言われてもいい。ただ、たった一つの言葉だけは真実にしよう。それだけは必ず実現させる。

 

あぁ、詐欺師と言われても何も言えないな

 

(……なんだい?)

 

「……救うって言葉に嘘はない。どんな面倒臭いヤツでも、どんな闇抱えてるヤツでも、救うよ。それだけは信じてくれ」

 

それだけは、たとえ俺が白鷺燐火に浸食されようと、そこだけは、その一点だけは、まぎれもない俺の本心だ。

 

(…………)

 

(はぁ…DV彼氏に依存する女の気持ちが、本心で分かった気がするよ)

 

心底呆れたような声色だった。

 

(蔑ろにされているはずなのにね…どうしてと思っていた。いや、心を食んで、理解はしていたつもりだ。知識としてね)

 

(でも、それはいうなれば国語の教科書で登場人物の解説された心理状態を覚えただけに過ぎなかったらしい)

 

「…なんだよ」

 

(実体験として味わうと…なるほど、と思っただけさ)

 

投げやりの雰囲気が、どこか笑うような、いや嗤うような雰囲気へと変わった。

 

(はぁ…君のせいで気分が乱高下だ。好きな人に袖を振られるのはクルものがある。それにあんな風に言われたものだからね…)

 

(それなのに…)

 

伝わる感情、言葉に思考、そのすべてに…

 

(今は実に気分がいい)

 

喜色が籠もっていた。

 

(君はホストが向いているよ。そのクズさ加減や言葉の上手さも相性がいい。君は瞬く間に成り上がるだろう)

 

……泣きたいよ。ホント。

 

(その後…グサリ)

 

「……縁起悪いこというなよ。痴情の縺れみたいなので、燃やされかけたんだぞ。笑えねぇわ」

 

(君が刺されたら、死際を看取ってあげよう。せいぜい笑ってやろうじゃあないか)

 

うすうす予想はできていたというか…再三言っているが…詐欺師が天職なんじゃないか。そう思う。

 

「たち悪…ってか俺、そんな顔よくないし、無理だろ」

 

(……君のその自意識の低さはあまり良いとは言えないんだが…、まぁいいだろう。面倒くさい彼氏を持つと大変だねぇ)

 

うんざりと吐き出された言葉だ。俺だってうんざりしてるけどな。ってか彼女面すんな。

 

(さぁ女の敵彼氏君。面倒くさいメンヘラ二人と首を突っ込んできた勘違い男(?)をぶっ倒すために、最強に都合がよくて面倒くさいメンヘラが面倒な条件を片手に君を助けに来てあげたよ)

 

女の敵…まぁそうだろうな。うん…言われてその言葉の的確さに心が切り分けられたみたいだ。

 

「あとで褒めれば対価なしとかにならない?」

 

適当に言った言葉だ。無理だろうな。

 

(それはやぶさかではない。やぶさかではないが…苦渋の思いで拒否させてもらおう)

 

意外に長考した。そこまで悩むならいいじゃん。

 

(いや…いや…うん、契約内容は変えない)

 

…その心は?

 

(粘着すれば褒めてくれるだろうから)

 

カスを出すな。カスを。

 

(まぁまぁ…君のことを教えてもらうだけだ。破格の対価だろう?)

 

それは…そうなんだが。

 

やり取りが緩慢となっていくのは、たぶん俺も[ワタシ]も疲れたからだ。もうギスるのすら面倒くさくて、投げやりになってるだけ。それがたまたま嚙み合ったから、まぁこのままでいいかなんて雑になっている。

 

(考えてもみろ。詐欺師と悪魔、いいコンビじゃないか)

 

あぁ、なるほど。

 

似た者同士だからだ。

 

俺も、コイツも、必死にあがいて、どうしようもできなくて、俺は誰かに頼って、コイツは人から奪うことにした。本質は、自分じゃ何もできない。何もできないから、外部に力を求めた。

 

嫌いになんてなれるわけがない。まぁ白鷺燐火が嫌ってるのは、今までの恨みつらみなんだろうが、それでも、俺自身は、柳田修介にとって、コイツはただの同類だ。

 

「わかったよ。OKだ。条件を飲もう。契約成立だ。…予定調和だけどな」

 

ポジティブな投げやりで、俺は契約を飲んだ。まぁただの確認なんだがな。契約することは変わらない。それが互いに笑ってできたのか、舌打ちしながらできたのかの違いだ。今?前者だよ。少なくとも、俺は笑えた。

 

なんだよ、苦労人じゃん。

 

(今更かい?)

 

「今更だな」

 

重ね合わせたように言葉を出す。それだけで十分だった。

 

腐れ縁。そういう関係になったみたいだ。少なくとも、さっきまでの、心が乱れて代弁していた()とは違い、個人としての俺は、この関係は悪くないと感じた。

 

「頼む」

 

(あぁ、少しばかり頬を借りるよ)

 

たったそれだけで伝わる。まぁうん、楽だ。

 

俺の右頬に口が出来る。その口はいくらか口を開け閉めして唇を整えると、俺とは違うねっとりとしたじめッとした声で、歌うように言葉を紡ぐ。

 

「やァやァ!彼を放っておいてやりあうなんてフェアじゃあない。誰にでもチャンスは与えられるべきさ。だからこそ介入させてもらうよ?[ワタシ]が得た知見に則った公正という概念に従ってね?」

 

その朗々と読み上げられた言葉とは裏腹に、脳内で囁くような言葉が巡る。

 

(一回目、君の口から名前を聞こう。君に眠る人も含めて。他の誰でもない[ワタシ]に対して、君の名前を告げてくれ。それが契約の履行合図だ)

 

「……俺の名前は柳田修介。前世は「――――」だ」

 

「契約履行だ。一つ目の力を君に代わって[ワタシ]が振るおうじゃないか」

 

「『戒律(タブー)。この場にいる相手への敵対行動の禁止、恩恵:心身回復付与』」

 

その言葉と共に、全員の胸に地面から光る鎖が刺さる。特に外傷もないソレは、俺や先生、逢坂や白鷺燐火に混ざるナニカを地面に縛り付けているようにも見えるが別に問題なく動くことができ、動けばそれに追従するように光る鎖もついてくる。唯一『擬神暗来』が、頭を抱えて苦しんでいる様子から、コレが『擬神暗来』に悪影響を与えることは明らかだった。

 

だが、先生や逢坂が直も攻撃を続けようとした時点で、その光る鎖はパキンという音と共にひびが入る。

 

瞬間

 

「あァ!?!」

 

「くっ!?」

 

二人の身体に同じようなひび割れが出来る。そこから罅割れの傷はどんどん身体に広がっていく。それから逃れようと。片方はバルブを回し、もう片方は世界に溶けようとする。しかし、そのどれもが効果が現れなかった。

 

「全員に守らなければいけないルールを追加させてもらった。ルールを守っている間は心身の回復が促進、付与される。破ればそれらが逆転し、心身に傷を与えるものとなる」

 

「仏教用語、戒律。仏教徒が守るべき規範であり、原初の戒律に則ったものとなっている。すなわち禁忌、タブーともいえるものだよ。守らなければ罰が与えられる」

 

「君達はタブーを破った。だからこそ、破り続ける限り、君達には罰が与えられる」

 

「これは少し特殊でねェ。別に戒律を守らせようとする強制力や特定の相手に不利になるようなルールは設定できない。誰もに利があり、そして破れば等しく罰が与えられる」

 

「戒律は公平なものでなくてはいけない」

 

「彼は問題ないねェ。ただ君達は違う。明確な殺意と害意を持って行動した。だからこそ、君達が今感じているダメージは大きなものだろう。そこの神モドキは…存在としての矛盾といったところかな?害意の塊だから…存在レベルでのダメージを受けている?滑稽だねェ。」

 

そんなことを言っていると、『擬神暗来』は舌打ちをして、ズズズと、白鷺燐火の身体から流れていく。下がっていく。消えていく。退散することが出来たらしい。完全に抜け切ると、膝立ちになって崩れ、肩で息をしながらもキッとこちらを睨んでくる。正確には俺の右頬を睨みつける。

 

「やったじゃあないか。『擬神暗来』の対価を払わず返させてあげたよ?感謝するといい」

 

「余計なお世話よ…。貴方の言葉を借りるなら、私が対価を払わないのはフェアじゃない」

 

「ふぅん?彼を巻き込んでまで自爆しようとしたのを止めたのに自覚がないのかい?」

 

「哀れだねェ。そんなんじゃ彼に嫌われてしまうよ?」

 

「お前が言うなッ!!!!」

 

「怖い怖い。ただ[ワタシ]の言うことは至極真っ当な話さ。これは彼も交えて話さなければならないことで、君達で争ったところで解決することじゃあない。さぁタブーを守る限り君達が傷つくことはない。話し合いを始めようじゃないか。君達が取れる行動は会話のみ。ここから先は暴力ではなく対話の世界。言語、それも日本語というものを持つ人間に平等に与えられた機会だよ」

 

「さぁ、会話をしようじゃあないか」

 




面倒くせぇ女!!!!

はい、こういうクソめんどい女が書きたかった。ちーなみに、1.5章でこやつはこれでも控えめです。

苦労人で、当人はめちゃくちゃため込んでるのにそれを周りには伝えず、自分だけであがいてあがいてあがきまくってる女が、同類の男を見つけたよ!自分だけがわかってやれるって面して、自分と同じ男のそばにいるために、都合のいい女になろうとあくせく頑張ってるよ!袖にされて、悲しんでたら、クソ甘い言葉吐かれて、やるきになってるよ!かわいいね!

面倒くせぇ!!!!!!!!!!

主人公も面倒くせぇ!

主人公は、自分自身の現状と不甲斐なさに絶望して、心の底で誰かに助けを求めてたけど、それを聞いてやってきた女を拒絶して罵倒して、そのくせ、権利はお前([ワタシ])にあるから好きにしろよと投げやりになったくせに、その女が本当に欲しい言葉を与えて助けさせてるクズだよ。それを自覚してるんだ!かわいいね!!

面倒くせぇ!!!!!!!!!!

という風に同類です。誰が何といっても同類です。

~~~~~~~~~~~~~~~

はい、本当に遅れて申し訳ない。評価ありがとうございます。めっちゃ助かってます。

何気に1.5章が1章より長くなりそうで怖いですね…。2章は1.5章以上に長くするので許して…(インフレの始まり)

えっ?逢坂と委員長のあれこれどこって?…(目そらし)(マジでちゃんと構成というか、ちゃんと面倒くさいのを考えてるので、ユルシテ…)

あ、あと言われそうなので、前もって言っときますね…。

この作品は!!!作者が!!!面倒くせぇ少年少女(一部大人)が!!!!その面倒臭さで殴り合うお話です!!!!ヤンデレは!!!!書きます!!!!!曇らせも!!!!書きます!!!!

それ以上に面倒くせぇキャラを書きます!!!!!!

ふぅ。ということで、2024年も拙作をよろしくお願いします。

2024/05/20
2024/05/20の活動報告にて、ちょっとした投稿に関する報告がございます。よろしくお願いします。

第二章ヒロイン投票

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  • 暴力系ヒロイン()
  • 上位者系ヒロイン()
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