ポケット モンスター
ちぢめて ポケモン という
みぢかな ようで ふしぎな いきもの
このひろい せかいの いたる ところに
かず おおくの しゅるいが そんざいし
そして たしゅ たような いきかたで
それぞれが さまざまな ばしょや
いろいろな かんきょうで
せいかつし はんえい して いるのです
わたしたち にんげんは そんな
ポケモン たちと ときに ちからを
あわせて たすけ あったり
いきかたや くらしを けんきゅう したり
あるいは ポケモン しょうぶを つうじて
こころを かよわせたり …… わたしたちは
せかいの いろいろな ばしょや にちじょうの
いろいろな ばめんで ポケモンと かかわり
いままでも これからも よりよい
かんけいを きずくために つとめて います
おっと もうし おくれました
わたしの なまえは ナルシッサ
ポケモンの けんきゅうを している
ひとよんで ポケモン はかせです
はじめまして あたらしく ポケモン
トレーナーに なる あなた
あなたの ことを くわしく
おしえて くれますか?
「んん……ふあぁ……」
少年があくびをしながら腕を伸ばし、次いでかけ布団をずらしつつ起き上がった。壁掛け時計はちょうど午前6時を示し、カーテンが開かれた窓からは白々しい日の光が入り込んでいる。
寝惚け眼をこすりつつ、眠気覚ましに真っ白に輝く太陽を仰いで布団をたたみ、もう一度伸びをしてあくびする。
(今日何日だっけ……)
乱れた髪を雑に整えつつ、ふとカレンダーへと目を向ける。月は一年の中間期である六月、カレンダーの日付にはびっしりとバツ印が記されており、22日から先のマスにはなにも書かれていない。
つまり、今日は6月22日。ふう、と軽く息を吐く。嘆息、溜め息、果たしてどちらであろうか。
「もう……半年も経ったんだね……」
呟くと同時に、ふわりと肩に風を感じ、何かが降り立った。足元にも小さな生き物がいるようで、体を擦り付けられているような感覚もある。
「大丈夫、ぼくはいなくならないよ」
少年が答えれば、肩の生き物は頬と頬を擦り合わせるような姿勢で顔に抱きつく。足元の生き物は柔軟な体で足に巻き付く。その場から逃がさないように、ここから離れられないように。彼に拒まれることも恐れずに、ただ身を寄せる。
────温かい。
少しだけ胸につかえていた苦しさがなくなり、寂しさが薄れて心が軽くなったような気もする。
少年は思う。きっと、自分は愛されているのだろう。理由はわからない。目的もわからない。ただ、漠然と、幸福感に満たされているように錯覚している。
(……ごめん)
少年は頭に抱きついたままの生き物を抱き抱えて床に降ろし、足に巻き付いている生き物もまた自分から離れさせた。生き物たちの哀しげな鳴き声に答えるように頭を撫でると、ゆっくりと部屋の扉へと歩みを進めてノブに手をかける。
「きゅう……」
少年を見上げ、小さく鳴き声をあげる様子からも、彼を心配しているのだろう。不安そうな暗い表情を浮かべる生き物二匹を見下ろして、「大丈夫」と微笑んでノブを回した。
そして、視線を上げながらゆっくりとドアを押していく。蝶番がきしむ音とともに、窓と同じ方角から入り込む日の光が部屋へと入り込み、中にあるものを照らす。起きてから五分。遂にドアが開け放たれた時、扉のその外側に広がっていたのは────
────おはよう、ぼく
海抜数百メートルという高所から海原と水平線を臨む塔の、遥か頂点であった。