幻想楽迷郷 ~A hedonist lost in a Gensokyo~   作:ソラセカン

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幻想改変前奏談(お前に世界は変えられない)
憧れの大地へ


 

暑い…目の前が霞んできた…

 

慣れないこんな山奥に自転車で来るもんじゃないな…

 

あ…れ…?

 

 

 

ドサッ

 

 

 

 

 

 

どれくらいの時間倒れてた?

頭が痛い、喉が乾いた、くらくらする。

間違いない。熱中症かこれ。

身体から熱が逃げてくれない。あ、自転車があんな所に

 

ブロロロロロ…!

 

あ~クソッ!アイツも俺もこんな所に人が来るなんて思っちゃいなかったよな…!

何㎞出してやがる…バカみてぇにフカシやがって…そんなこと考える場合じゃない早く避けねぇと死ぬぞ畜生が!

 

 

ズッ…ズッ…

 

 

マズイマズイマズイマズイ!足が上がらねぇどうしていつもいつも咄嗟の判断が出来ないんだ機転を利かせろ熱でイカれた頭を上手く使え進め!!!

 

 

キィィィィィイ!!!

 

 

間に合った!ってヤッベ勢いが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピーポーピーポーピーポー…

 

 

 

運転手「あれ、確かここら辺で落ちていってしまって…」

 

消防士1「···特徴を聞いた感じだとその方は恐らく熱中症の可能性が非常に高いですね。水分補給も出来ていないでしょうし、この坂から転げ落ちたなら怪我もしているでしょう。一刻も早く救助しなければいけないんですけど…」

 

消防士2「何処を探しても見つかりません。自力でこの森から脱出したのでは?」

 

消防士1「かもしれんな。だが森を抜けた先は海だぞ?」

 

消防士2「水死体は勘弁ですね」

 

消防士1「縁起でもないこと言うな!」

 

運転手「あの…これ、私の方にも責任ってありますかね…?」

 

消防士1「う~ん証言者が貴方しかいない以上なんとも言えませんが、署の方で事情聴取はされるでしょうね」

 

運転手「あぁ…折角の休日が…」

 

消防士2「ドンマイです」

 

消防士1「牡丹空(ぼたんそら)。熱中症な上に轢かれかけるとは随分と運が悪いもんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今までの人生で最もスリリングな一時だったな…こんな所でくたばるとは情けない。身体中打撲傷だらけで動くのも億劫さ。非日常を求めて旅立ち結果は得れたが再起不能。コンティニューさせてくれ…

 

やけに涼しいなここ。森の中ってこんなに涼しいものなのか?···好奇心には勝てないね。

 

あ~痛い痛い痛い。杖が欲しいね杖が。

 

樹海ほどじゃないけど辺り一面木だらけで方向が分からん。OKシリクサ。道を教えて。ありゃ、Google先生頭可笑しくなっちゃった。GPSが…省電力モードは切ってあるんだけどな。

 

歩くしかないか…

 

 

 

数時間経過…

 

 

 

ふざけんな…もう夜じゃねぇか!

えっ、ループしてるよね。景色が変わらんとかそんなことある?俺は無いと思う。

一か八か木登りしてみようかな。今日が満月で本当に良かった。

ん…お!あんな所に小屋があるではないか!ちょっと道を尋ねよう。地理には本当に詳しくないからGoogle先生が頼りにならない今、現地民に頼るしかないのだ。

 

 

空「夜分にすみませ~ん」

 

???「誰だい、こんな夜遅くに私の家を訪ねる不届き者は」

 

空「牡丹空という者です。こんな夜遅くまで歩き回っていたどちらかと言えば不審者です」

 

???「なるほど。して、何の用かな?」

 

空「道に迷いました」

 

???「そうか。おやすみ」

 

空「おやすみなさい」

 

 

こんな夜遅くの訪問は流石に不味かったな。

今日はもう寝よう。初めての野宿だ。テンション上がるぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

空「うーん今日も良い天気」

 

???「人の家の前で野宿とは。作法がなってないのではないかね?」

 

空「それもそうですね。すみません」

 

???「それで、道に迷ったんだっけ?」

 

空「はい。ですが帰り道ではなく、人里の場所を教えて下さい。ナズーリンさん」

 

ナズーリン「私の名を初見で知っている…やはり外来人だったか。そして帰り道ではない…という事は、特に外界への未練はないんだな?」

 

空「楽しめればそれで良いので」

 

ナズーリン「···そうか。君にも友人や親がいただろうに。それを捨ててまでこちら側に来る意味があると言うのかい?」

 

空「(意味がない訳が)ないです。」

 

ナズーリン「···何を威張っているのかいまいち良く分からんが良いだろう。そして君は今、腹ペコの妖怪の前に現れた餌だと言うことも、理解しているのかな?」

 

空「(理解していない訳が)ないです。」

 

ナズーリン「威勢だけは一丁前かな。ふざけた事を抜かしながらも、逃げの体勢を取っているのはバレてるよ。別に鼠を舐めている訳では無さそうだから生かしてやっても良いんだけど、この温情、いる?いらない?」

 

空「いらない訳がないです。」

 

ナズーリン「意地でもないです。を言いたがるな君は…しょうがない。人里まで連れていってあげるよ」

 

空「ありがとうございます」

 

ナズーリン「因みにこのやり取りで生き残ったのはこれで15人目だよ」

 

空「結構多いんですね」

 

ナズーリン「そうでもないさ。まぁ気分だよ気分。じゃあ行こうか」

 

空「お願いしまーす」

 

 

幻想郷に迷い込んだ人間って結構いるんだな。あぁ、食用人間とかもいるのかも。やけに手慣れてる感じだし。

 

 

ナズーリン「ほら、あそこが人里だ」

 

空「···!」

 

 

凄い…マジで幻想郷だ…

 

 

空「生きてて良かった」

 

ナズーリン「ん?」

 

空「本当に…」

 

 

 

 

 

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