幻想楽迷郷 ~A hedonist lost in a Gensokyo~   作:ソラセカン

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見える…見えるぞッ!

 

霊夢「依頼は…誰でも募集で一件だけか」

 

空「あるのか。一件」

 

霊夢「畑を荒らされていて困っています、と。良くある依頼ね。やってみる?」

 

空「え。俺に解決出来るもんなのか?」

 

霊夢「場合によらなくはないけど、基本的に低級の妖怪か獣かの二択だからまず解決出来るわ。なんなら覚えたての霊力の練習台にでもしなさいよ」

 

空「いやまぁ良いんだけどさ。一人で解決出来る実力が…やっぱなんでもない。受けるよ」

 

 

さっき自分で自分を疑うのは壁にぶつかった時だけだって思ってた癖に、もう弱気になってやがる。…臆病者め

 

 

霊夢「いざとなったらこのお札使いなさい。低級なら一発で、獣に対しても脅しにはなると思うわ」

 

空「いやぁありがたい。不安で夜しか眠れないんだ」

 

霊夢「予想被害時刻が真夜中だから夜寝ちゃダメなのよ」

 

空「ファー」

 

 

 

 

空「そろそろ頃合いか。それじゃ行ってくる」

 

霊夢「行ってらっしゃい。気をつけて」

 

 

その後の修行は体力を使いすぎない為に地味なやつの方をやらせてもらった。お陰様で霊力を全身に纏わせるのは意識すれば出来るようになった。まぁ集中してる状態で出来ただけなのでまだ使い物にはならないだろう。

 

 

依頼人「それでは今日はお願いします」

 

空「はい。まだまだ未熟者の身ですが、精一杯やらせていただきます」

 

 

さて、どこに隠れていようか。屋根だな。うん。

 

 

空「すみません。屋根の上で待機させてもらいますね」

 

依頼人「あ、分かりました。引き続きよろしくお願いします」

 

 

 

しばらく待っているが…全然来ないな。俺の気配がだだ漏れだったのかもしれん。纏わせて集中、いやそんなことしたら霊力が一点に集まって余計に気配が強くなるだろ。…どうしよ。霊力でセンサーみたいな事って出来ないのか?相手の姿を捉える…捉える?これって掴むに応用出来るんじゃないか?相手の姿を捉えた、と相手の姿を掴んだ、か。正直本当に程度の能力なのかも怪しい…ヤバいヤバい。疑っちゃダメだ。まだ見直す必要は無い。俺にその能力があると仮定しよう。そうしたら相手の姿を感覚で掴む事が出来る。探れ、広げろ、この力がどういう物かと疑う必要は無い。自信を持って俺の力だと言い張れ。ただそれだけの事だ。

 

………

 

……

 

 

 

空「ッ!?」

 

危ねぇ!?声出かけた。見えた。頭の中に3Dマップでもあるんじゃないかって位、正確にここに迫ってる奴のシルエットが見える。これは…良かった。人型じゃない。奇襲するなら……今だ!

 

 

空「あぁりゃあ!」バキャ

 

妖怪「ぐふっ!」

 

空「なけなしの霊力を喰らえ!」ボフッ

 

妖怪「ぐああぁぁぁ…」

 

空「悪いな。俺の霊力が少ないばっかりに苦しめながら殺すことになっちまうとは」

 

依頼人「お、終わりましたか…?」

 

空「あぁ、はい。これで大丈夫だと思いますよ」

 

依頼人「あぁ良かった!これで眠れる…」

 

空「あれっ、畑が荒らされてるだけじゃなかったんですか?」

 

依頼人「いや、あの~本当は毎日ここを通りかかる妖怪の音が煩くって眠れなかったんですよ」

 

空「あ、畑に実害は無かったんですね。だったらその妖怪と交渉するとかでも良かった気がしなくもなかったですけど。ってかどちらにせよ話し合いで入っても良かったな」

 

依頼人「いえいえ、祓ってくれて大満足ですから、これ以上はないですよ」

 

空「そう、ですか。ではこれにて」

 

依頼人「あ、ちょっとちょっと。報酬をまだ渡してないですよ」

 

空「あぁすみません。少し焦ってしまいました」

 

依頼人「それでは20銭…で本当に宜しいのでしょうか?」

 

空「良いんですよ。私はまだ未熟者ですから。多少値を張りますが、確実性を求めるならちゃんと博麗の巫女に任せる事をお薦め致します」

 

依頼人「はは、そこはご自身の売り込みをする所でしょうに」

 

空「おや、それもそうですね。ではでは今後とも牡丹空をご贔屓に…」

 

 

 

空「ただいまーってもう寝てるか。…何か虚しいな、妖怪退治って」

 

 

 

そう、今回は俺が自分の能力に気を割きすぎて、ほぼ自然体で相手を殺すという非倫理的なことを自発的にやった訳だが、それについて特に何も言わないっていうか…その結果であることが良いみたいな反応されちゃったからなぁ…うーんこの

 

 

空「つか風呂、専用場所作ってねぇや。入れるかな」

 

 

誰もいないよな…大丈夫だよな?はっ!?さっき使ったあの能力で確認すりゃあ良いじゃねぇか!うわこう考えるとマジで汎用性高ぇなオイ!どれどれ…?うーわやっぱいるか。仕方ないか。あれでもこのシルエットって…色々と小さいしやっぱりそうか。これ結構正確なんだな。何かすんません萃香さん。

 

 

…寝よ。

 

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