幻想楽迷郷 ~A hedonist lost in a Gensokyo~ 作:ソラセカン
空「あ、その前に…」
牡丹「月…の石を対価に求められてたな。紫さん頼りになるがどうする?」
空「頼るしかないっすね…ゆっかりさ~ん!」
紫「はいはい。復活おめでとう」
空&牡丹「「月に行きたいんですけど」」
紫「今は無理よ」
牡丹「ありゃ、この前行ってませんでしたっけ?」
紫「貴方の言うこの前が何時の頃か分からないけど、満月の夜じゃないと私の能力が通用しないのよ」
空「言われてみりゃそんな設定だった気がしなくも…」
牡丹「今日確か新月だよな?」
空「それまでに2人の連携でも鍛えてみるか?」
牡丹「そうだな。他には…あ、そうだったな」
空「偶発的な何かが起こることも期待して行こうぜ」
紫「頭の中で会話出来るなら最初からそうしなさいよ。気になるじゃない」
牡丹「そう言えばフラグをそこら辺に置き散らかしてたなーと思い出してよ」
紫「何か口実が無いと会話すら出来ないと言うの?」
空「何か言えよコミュ障」
牡丹「…
空「誉れは幻想に消えました」
紫「私以外誰にも伝わらないわよそれ」
牡丹「カルチャーショック」
空「んなくっだらねぇことばっか話してっからコミュ障なんだろうがよ」
牡丹「俺達の武器はそれしか無いだろうがよ」
空「悲しくなってきた。やめだ」
霊夢「あんた達よく自分同士でそんな会話出来るわね」
牡丹「俺達の様な人間にはうってつけの能力だな」
空「いるか?その能力。それじゃあ、紅魔館へフラグ消化に行きますかね」
霊夢「あ、夕飯どうするの?」
牡丹「わざわざ作って貰って遅くなったら悪いから、外で済ませてくるよ」
霊夢「分かったわ。なんなら紅魔館で済ませてきそうだけどね。それじゃ行ってらっしゃい」
牡丹&空「「行ってきます」」 バシュッ
霊夢「二人分の声で言われると凄い違和感感じる…」
なんかまるで新婚夫婦みたいな会話だったな?
そうだな、もうほぼ自然体だ。
うーん異世界ノベルクオリティ。
あんなチョロチョロな人間性してねぇよ、博麗霊夢は。
たまにはデレてくれても良いんだよ。
叶わぬ願望じゃないことを祈るよ。
牡丹「おいっす美鈴!」
美鈴「あれ、貴方雰囲気変わりました?気が2つ感じられますよ?」
牡丹「色々あったんだよ。紅魔館がもう復興完了してる事の方が俺は驚いてるわ」
美鈴「お嬢様と妹様が手伝って下さったのでね。瓦礫の撤去さえ終わってしまえば、後は咲夜さんがどうとでもしてしまいましたよ」
空「十六夜咲夜…あの人本当に人間か?」
美鈴「あ、そっちも喋るんですね」
空「そりゃ喋りますよ。俺も空ですから」
美鈴「どちらが本物…とか考えないんですか?」
牡丹「考えた上での結論ですよ。そうやって対立する事にあまり大きな意義を感じなかった。それだけです」
空「自傷行為みたいなもんですからね。手を取り合って協力する。吐き気を催す程の綺麗事ですけど、綺麗事が最も効率が良いんじゃないかと思ってますから」
美鈴「割とそこはしっかりしてらっしゃる…」
牡丹「さて。こんな事話すのも面白くて良いけど、フラグの消化が最優先だからね。お嬢様はいる?」
美鈴「お会いになるつもりでしたら、人外メイド長が黙ってないですよ?」
咲夜「誰が人外メイド長よ」
美鈴「咲夜さん!?仕事は全うしてますから!」
咲夜「全うしてなきゃ困るのよ。で、お嬢様に用があるのね。正直、貴方の事はもうなるべく近付けたくないんだけど…お嬢様のお望みでもあるから仕方なく、生かしたままでお連れするわ」
牡丹「ハッ…何を言うかと思えば。仕事に私情を挟みかけるメイドが完璧で瀟洒たぁ片腹痛いわ」
咲夜「害と見なした者を排除するのが私の役目。メイド長としての正常な感情を持つことに、部外者の貴方が口を挟まないでくれる?」
牡丹「へいへい。じゃ案内宜しく」
咲夜「はいは一回。教養も無いわけ?」
牡丹&空「「HEY!」」
咲夜「…」 カチャカチャカチャカチャ
美鈴「咲夜さん我慢です。憎たらしいのは分かりますけど我慢です」
牡丹「そのブレブレの剣先では私を排除する事もままなりませんね。大人しく案内して下さいな」
咲夜「ご 案 内 し ま す ね♪」
空「仕事疲れでストレスMAXメイドの愛想笑いはたまりませんな」
咲夜「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す…
連れて参りました」
レミリア「ありがとう咲夜。…どうかした?」
咲夜「いえ、何も。失礼しました」 バタン
牡丹「~♪」
レミリア「何かしたわね」
牡丹「刺されても文句言えませんな」
レミリア「全く…それで、身体の方はどうなの?」
牡丹「美鈴には気が2つあるって言われたよ」
空「この通りね」
レミリア「あら、少し妖怪側に傾いたんじゃないの?」
空「マジで?人間卒業試験待ってます」
牡丹「そう言えばフランは?また地下室引きこもっちゃった?」
レミリア「いいえ。貴方のお陰でその心配は無くなったわ」
ガチャッ
フラン「来たのね」
空「おっす。元気そうで何よりだ」
フラン「なにそれ。私のスペルの真似事?」
牡丹「違う、とも言い切れ…いや根本から違うな」
フラン「そう。てか良く生きてたね」
牡丹「なー。死んだかとは思わなかったけど何か妙な感覚だったわ」
空「記憶も分裂したしな。正直それが一番キツかった」
フラン「能力はどうなったの?」
空「綺麗さっぱりどっかにいっちまった。多分、フランの能力を掴んだままの状態で」
フラン「そっかー…ま、日常にはいらない能力だからそこまでかな」
空「改めて無くしてみると結構能力頼りだったな俺」
牡丹「下手に強い力が手に入ったからな。胡座かいてたんだろ」
空「そうに違いない」
フラン「それやってて虚しくならない?」
牡丹&空「「全然」」
フラン「重患者だったわ。あ、そうそう。君がパチュリーの実験に付き合う約束をしているみたいな話があったから行ってくれば?」
牡丹「丁度行こうと思っていた所だ。借りは返さんとな。それじゃ」
レミリア「待ちなさい」
牡丹「どした?」
レミリア「…いえ、やっぱりなんでもないわ」
空「思わせ振りかよ!」
フラン「意味合ってるそれ?」
空「知らん!ガハハ!失礼しましたぁ~」 バタン
フラン「何を言いかけたの?」
レミリア「この先彼に待ち受けてる運命の結果。言うだけ野暮だと思ってね」
フラン「そうね。本当に言うだけ無駄だったと思うわ」