幻想楽迷郷 ~A hedonist lost in a Gensokyo~ 作:ソラセカン
牡丹「さーてと。霊夢~!いるか~!」
霊夢「ほら。やっぱり空だったでしょ?」
萃香「くそ~。いつの間に妖力を作り出せる様になってたんだ?」
空「バレちまうもんか。妖力自体は持ってたんだけどな」
萃香「密と疎を操る私から言わせれば、妖力の密度が段違いだから一目瞭然さ」
牡丹「俺の妖力はスッカスカなのか。どれ位?」
萃香「美味くない西瓜と同じ位」
空「うーん説得力が違うね」
牡丹「唸ってる場合じゃねぇぞ。それ系はお前にぶん投げる」
空「身体強化に使う分、ある程度お前も練度はいるぞ」
牡丹「って事で萃香さん。妖力の練り方を教えて下さい」
萃香「茶番劇の導入かい?私で良ければ教えてやっても良いが」
霊夢「そういえば…さらっと流してたけど、何で空が妖力を作り出せる様になってる訳?」
牡丹「あー…うん」
空「まぁまぁ。そういうことですよ」
霊夢「私に何か言えない事でもあるのね」
牡丹「企業秘密って奴だ。此処に企業なんてものはねぇが」
霊夢「ふーん…」
萃香「この際、不問で良いさ。それより…戦ったんだろ?紅魔の主に」
牡丹「最後は自爆したし、レミリアに盛大に利用されたって感じで。あんまり良い結果とは呼べないけどな」
萃香「確かにそれもそうだが。凄い変わり様で追い詰めたじゃないか。自尊心も、人間には烏滸がましい位に尊大で」
空「痛ったい所を突くなぁ…てか覗き見てたんすか?」
萃香「当たり前だ。面白そうな出来事を見逃さないのが長生きのコツだからね。…臭っさい台詞も全部聞いてたぞ♪」
牡丹「ファー。
萃香「最近は毎晩
牡丹「俺の扱いが数ヵ月でモロバレしたってマジ?」
空「昔から手の内バレたら弱っちいもんな俺達」
牡丹「手の内バレてても相手をボコれる、霊長類最強のお方と比べたら惨めになるだけだぜ」
萃香「最強か…目指す気はあるのかい?」
牡丹&空「「無いな。最強は目指すものじゃなくて在るものだ。…って、お前も喋るんかい」」
萃香「では君達にとって、最強とは何かな?」
牡丹「俺が喋るぞ?「おう」どっかの誰かさんが勝手に名付けた頂上、ありもしない頂上だ。そんなモノは踏み締めて、越えなければならない。一種の通過点だな」
萃香「良い答えだ。ならば教えよう。妖怪の大先輩として、妖力の練り方をその身を以てな!」
牡丹「じゃあ先ずは…霊火 超スターマイン」
今の俺が持つ全ての霊力を使用した花火。綺麗な蒼色なのだが、昼間にやるもんじゃない。
萃香「あれがあっては、マトモに妖力も練れんだろうな」
空「霊力を作るのも止めとくぞ。俺だけだったらそんなことしなくても済むんだが…」
牡丹「肉体の欠点も受け入れて、先に進もうぜ」
萃香「それが良い。妖力を出してみろ」
牡丹「ぐぐ…垂れ流しィ!」
萃香「まるで妖獣だな。紫とか烏天狗から貰った妖力もあるだろうに、参考にならんか?」
空「言ってる意味が分からない言葉も、経験を積んで、漸く納得出来るように。ちょっと経験値が足りなさすぎる」
萃香「なるほど…なら段階を踏もう。霊力の圧縮は確か、紅魔館の門番にやっていたよな?今からやろうとしている事は、アレの上を行く」
牡丹「圧縮の…上…?」
萃香「そう。凝縮だ!」
空「確かにそれなら質は高まるが…実用的なのか?」
萃香「何を言う。実用的に仕上げるに決まってるじゃないか」
牡丹「DEATHよね。でも凝縮しても元の妖力の質は変わらないのでは?」
萃香「分かってないなァ~。凝縮された妖力を解放してもそれが元の妖力の質と同じだと思うかい?」
牡丹「あっ、ふーん…変質ねぇ…」
空「大妖怪の妖力が濃い理由はそれか。単純に圧縮からの凝縮で使う容量も減る。だからこそ多くの量を溜められるし、質も抜群と」
萃香「大体全ての力は圧縮から凝縮で同じことが出来る。霊夢もそれをやってるさ」
霊夢「基本中の基本よ」
牡丹&空「「一回でも教えてくれたことあったか?」」
霊夢「鈍いわね」
牡丹&空「「クソガキめ」」
萃香「ま、やってみろ」
牡丹「ぐぐぐっ…」
妖力を集める…この両手の中に。これは火薬…そう。花火の火薬作りみたいなもんだ……手の込んだモノ程質の良いモノが出来る当然の摂理……ぐぎぎぎぎ…!!!がぁぁぁぁぁ!!!
手伝うぜ。
悪い…手を借りる。
落ち込むなよ。俺もお前だ。
そう、だなァ!
萃香「凝縮する妖力がちょっと多いな。本当に段階積む気あるのか?」
霊夢「そういう奴よ。見守っときなさいな、何時もみたいに」
萃香「ハッハッハ。言われてしまったね。まさか修行風景を酒のつまみとする日が来るとは」
……これ以上圧縮出来んのか!?
分からん!やるしかないだろ!
ビー玉サイズが限界だ!これが凝縮だろ!?
あの酒飲みはまだ俺達を小馬鹿にしてるぜ?
あんにゃろォォォォ!!!!
萃香「苦戦してるねぇ…」
霊夢「無謀なのよ」
萃香「えぇ?」
霊夢「やること為すことが無謀で無鉄砲。自分の実力をロクに理解しようともしてない。自分の事書籍の主人公か何かと勘違いしてるんじゃないの?」
萃香「良いじゃないか主人公。彼の物語はこれからさ」
霊夢「…随分と贔屓するのね。レミリアもそんな感じだった気がするし」
萃香「そりゃ贔屓もしたくなるさ。空っぽで中身の無い奴だと思ったら…いや、かつての表面上はそうだったのかもしれないが。どこまでも愚直で真っ直ぐな時の霊夢とそっくりだからな」
霊夢「私が?冗談キツいわ」
萃香「おや、同族嫌悪かい?」
霊夢「まさか。まさかね」
要するに…一点!一点だ!そうだろ?
点をどう定義する!?
どうせならなァ…粒子で行こう。
ガッテン!承知之助ェ!
もっともっとタケモットだァァァ!!!!!
萃香「む。圧縮が終わったな」
霊夢「凝縮し始めた…どこまでやるつもりかしら」
萃香「そりゃもう精根…いや、精魂尽き果てるまで?」
霊夢「違い分からないんだけど」
萃香「学が足りないなあ」
霊夢「要らないわよそんな学」
萃香「そろそろ眩しくなってきたな。光も凝縮して欲しいものだが」
霊夢「もう光で大きさが分からないんだけど!?」
萃香「もう少し泳がせてみるか」
ずっと集中してるとテンション可笑しくなるわ。
不意に冷静になった感覚があるけどアレ、全く冷静になれてないよな。
勘違いやめろ。
もう眩しくて大きさ分からんからやめるタイミング掴めないんだが。
こうなりゃヤケだ。ぶっ倒れるまでやるぞ。
お、やる?抜き打ち体力テストはキチィって。
何時やってもキツいわ。
死にかけの時が?
一番楽しい!
それは意地か本能か。結局俺達は午前から夜中まで、肉体が本当にぶっ倒れるまで凝縮を続けた。ぶっ倒れる時の感覚を知れたのは大きいな、と思いながら2日寝込んだ。とんだ笑い話である。