幻想楽迷郷 ~A hedonist lost in a Gensokyo~ 作:ソラセカン
次は…ここか。
まるでストーリーを進める前にサブストーリーやって、落ち着きたがるプレイヤーみたいなアルゴリズム体操だな。
サブストーリーは精神安定剤、はっきりわかんだね。
てか取り敢えず俺は形態変化に慣れたい。五感喪失は致命的だからな。ここなら目的地が明確で、距離は大体掴んでる。光の速度…感覚を全力で研ぎ澄ませろ…!
空「よしっ!」 ビッ
「あぁやべ行きすぎた」 ガッ
幽々子「貴方だったのね。この騒がしい気配」
空「騒がしい気配って色々致命的では?最小限テンション抑えないと、潜入すら出来んのか」
幽々子「さて、お茶にしましょう」
空「覚えてたんですね」
幽々子「約束を破るような亡霊に見えた?」
空「なんなら、待ち合わせ場所でずっと待ってくれそうなイメージ」
幽々子「さぁ…お腹空いたら何処か行ってしまうかもしれないわ」
空「予め奢ると言っていたら?」
幽々子「大人しく待ってるわ♪」
空「現金だなぁ…」
幽々子「だから妖夢、そのもう一人の…そう言えば名前を聞いていなかったわ」
空「もう一人…捕まっとる…あ、牡丹空と申します」
妖夢「試し斬りをしたかったのですが…」
牡丹「単独だと敵わんな。流石剣士だ」
空「ん…剣士?」
牡丹「そういえばそうだな。月にも剣士が居た」
空「すみません幽々子さん。お宅の庭師、借りても良いですか?」
幽々子「良かったわね妖夢。試し斬りが出来るわよ」
妖夢「出来れば不意打ちの方で試したかったのですが…」
牡丹「対剣士は間合いが鍵になってくると思ってる」
空「今回で間合い対策の配置を決めるとしよう。間合いが命取りレベルなら、剣士の相手は俺がやった方が良い」
牡丹「勝率なんてもんは幾らあっても良いですからねぇ…んじゃ、手合わせ願います」
妖夢「こちらこそ。あ、弾幕ごっこでは、無いんですよね」
空「そうですね。剣士としてお願いします」
幽々子「妖夢は半人前とはいえ、まだ早いと思うわ」
戦闘開始
牡丹「ずぇあ!」
空「」 ビッ ガンッ
妖夢「ッ!」
空「」 ヒュッ ガッ ゴッ
妖夢「ふっ、はっ、くっ!」
牡丹「凝魂…」
妖夢「させない!」
空「魂爆」
妖夢「そっち!?っ…」
牡丹「爆発だけなら発生も早いもんだ。威力はさておくがな」
妖夢「でも、もう間合いですよ」
牡丹「奇遇だな」
ズバッ!……ギリリ…!
牡丹「剣の心得は無いが、受けるだけになら使えんだろ」
妖夢「その為の密度でしたか」
空「追尾型多重魂線」
妖夢「そちらは耐えるだけですか?でしたらそこまで苦戦は…」
牡丹「そうですね。耐えて耐えて…壊す」
妖夢「!?」 バッ
牡丹「気付かれましたか。剣士相手に剣士の土俵で戦えると思うほど、自惚れてはいません。壊」
プシュー
牡丹「ありゃ、足りなかったな」
妖夢「剣士の命を…」
牡丹「そうでもしなきゃ勝てません。抗わせて下さいな」
空「大型魂玉ストライク」
妖夢「断ッ!」ザンッ!
牡丹「圧魂ッ!」ボッ
妖夢「くっ!」
空「二対一の数で漸く、か。まだ届かないな。 魂人拳」
WINNER 牡丹&空
牡丹「いや危ない」
空「居合い見えなかったわ。亜光速?」
妖夢「そんな速度出るわけが…どうなんだろう…」
幽々子「牡丹君」
牡丹&空「「はい?」」
幽々子「これは私の推測だけどね、貴方…光速は出せていないと思うの」
牡丹「だってよ。どう思う?」
空「…強ち間違いでも無いかもしれん。さっき妖夢さんにも俺の攻撃は防がれてたし、光にしては遅すぎるんだよな」
牡丹「本当に光速なら幻想郷から月にかけてヒット&アウェイも出来たのか」
空「!」
牡丹「モノは試しだ。後で検証しよう」
空「多分、光速の実感が湧いてないから再現出来てないんだと思う。精々音速よりちょっと早い位か」
牡丹「これは盲点だったな。危うく、月で光速移動を主張するクソガキが爆誕瞬殺される所だったぞ」
空「ありがとうございます、幽々子さん」
幽々子「お役に立てたようで何よりだわ。じゃあお花見でもしましょ」
牡丹「花見?あれ、何で西行妖が…」
幽々子「折角なら、少しだけ景観を良くしようと思ってね」
空「うーんこの」
幽々子「満開にはしないつもりよ。今はね」
牡丹「さいですか。まぁ実害さえなきゃどうだって良いんで…」
幽々子「妖夢~お酒持ってきて~。貴方も飲むでしょ?」
牡丹「酒に呑まれた経験がなぁ…」
幽々子「介抱ぐらいするわ。妖夢が」
妖夢「!?」
牡丹「じゃ、飲んじゃおっかな~♪」
ふむ。確かに実害が出ない程度に春を集めるのはコントロールされてるみたいだな。魂力にも反応するのか?いや、生命力と春は似て非なるものってやつか。あーあ。テンションアガってボディタッチが増えたんじゃないのかい器さんよ。幽々子さんの身体冷た~いって…触らせるあっちもあっちだな。マズイ。何故同じ牡丹空なのにリア充版と非リア充版が生まれているんだ。リアルを充実させる事がリア充の条件…修行でリア充になろう!(ヤケクソ)
遠くで俺の力が弾ける感覚が…残像か。
腹の中が少し気持ち悪いが、耐えられるレベルだ。問題ない。
てか何で仰向け?あぁ…膝枕…新手のスタンド攻撃かもしれない…冷たくて気持ち良くなってきたから寝よう。それがベストさ。…ガン見やめろ。うつ伏せにしよ。雑念が芽生える前に寝ないとな。
「おい起きろよ」
「へ?」
「学校。遅れるぜ」
「義務教育期間は終わったろうがよぉ…」
「人生は終わってねぇんだよ。ほれ起きろ」
「ったく。不便なもんだな。お前が俺を操作してくれよ」
「立場が逆転した所で俺達は同じだから結果は変わらねぇよ」
「納得した」
「納得は全てに優先しとけ」
「えぃ」
小さい頃から人に頼るのが苦手だった。出来ないと諦めるのは嫌いだったから、何とか自分の価値観を変えた。その過程で消えてしまった、俺の写し鏡。もう頼れる人は俺だけでは無くなったのだから。たったそれだけのイマジナリーフレンド。それを俺達は自覚していて、これからも他愛もない愚痴を言い合う仲だと思っていた。知らない間に消えた、俺にとって唯一の
幽々子「目が覚めた?」
牡丹「それから何だよ…」
幽々子「夢でも見てたのね」
牡丹「随分懐かしい夢だよ。未だに答えが見つからない、浪漫溢れるくだらない夢」
幽々子「良いわね~そういうの」
牡丹「うん。良い」
空「おいっす」
牡丹「あ」
空「どうした」
牡丹「いや、俺の記憶を見る前に言わせてくれる?…久し振りって」
空「…?マジで分からんが合わせとくぜ。久し振り、俺」
牡丹「そういうところ本当に良いわ」
空「そうだな。俺もそう思う」
牡丹「んじゃ昼寝もした所で俺達は帰ります」
幽々子「また来て頂戴」
牡丹「えぇ。また」