幻想楽迷郷 ~A hedonist lost in a Gensokyo~ 作:ソラセカン
パッ
豊姫「さて、八雲紫はどこにいるのかな~」
紫「…負けたのね」
魔理沙「あちゃ~…生きてるのかこれ?」
霊夢「死んでるでしょ。どう見ても」
フラン「あれ、前回よりも反応が…」
霊夢「呆れてんのよ」
フラン「あ、ふーん」
『よっと』
魔理沙「嘘だろ?」
『嘘じゃないさ。俺はしぶといからね』
紫「それで?貴方はどっちの空なの?」
『残念だが肉体の俺は死んでる。代わりに魂の俺が現在進行形で増殖中だ。死の間際で掴んだ穢れの本領発揮という訳さ』
フラン「これからどうする気?」
『そりゃもう滅茶苦茶にしてやるよ。月を俺の支配下に置いて実質的に勝利を目指す。地上以上の穢れで溢れさせてやる』
霊夢「ねぇ」
『何だ?』
霊夢「貴方本当に空なの?」
『疑ってるのか?それ以外に無いか。今は生きることに皆必死でね。人格なんざどうでも良いのさ。俺達が誰だろうと構わない。これは生存競争だ』パァン『危ないなぁ』
霊夢「空を返しなさい」
『酷いな。俺達は空の子供みたいなものなのに。受け入れられずに手が出る辺り、人間らしくてとても好きだよ』
魔理沙「いよいよ人間辞めてやがるな」
『時間が無い。ハードウェアを治さないと俺達も後々困るかもしれないからね。その黒焦げ死体を何とか魂さえあれば動く程度に、治療を頼みたい』
紫「治療費は自分で払いなさいよ」
『出世払いでお願いします…』シュッ
魔理沙「エネルギーを使い果たしたのか」
フラン「アイツ出世する役職だったかしら」
霊夢「っ!この気配…」
紫「まずは私が疑われるわよね…」
魔理沙「はいはい解散」
フラン「確かにこれは頭痛くもなる」
『さぁ~てと。都合が良いことに消費よりも生産が上回る奇跡が起きてる。そろそろ攻め込むとしようか』
ブワッ!
豊姫「…嘘。こんなの妖怪探ししてる場合じゃないじゃない…!」
パッ
紫「あら…?」
霊夢「帰っていったわね」
魔理沙「おい!空見たか!?」
霊夢「さっきモドキなら居たじゃない」
魔理沙「そうじゃない!月を見てみろ!」
霊夢「あー?……何これ?」
紫「まるで土星ね…」
依姫「くっ…!この量は…」
『質で勝てないなら量で攻める。護るべきものがある奴は大変だよなぁ!』
依姫「手に負えない…!」
『はははっ!今この瞬間に!この星は俺達の物になった!これならいける…ありとあらゆる星を喰らい尽くして!生態系の頂点に立つ事が出来る!』
「そりゃ大層な目標だな」
『おぉ!器か!治ったみたいで何よりだ。でももう月を依り代にしたから、しばらく使い方が分からないな。現状維持を保って待機していてくれよ!』
牡丹「俺もお前達も、もう世界の理からだいぶ外れちまってるみたいでな?俺は肉体が治ればあら不思議!魂が無くても動けちゃうみたいだ」
『そいつは便利になったな!』
牡丹「だろ?そんでお前の様子を見に来てみた訳だが…」
『これが結果さ!圧倒的勝利!圧倒的制圧!文句無いだろ?』
牡丹「文句しかねぇよ」
『…はい?』
牡丹「何がそれで勝利だ。それに制圧とか言ったな?そんなもの望んじゃいねぇんだよ。こんな勝ち方、認めねぇ」
『うるっさいなぁ…!負けた奴が何勝ち方を語ってんだよ!死んでた癖のプライド固執野郎が!』
牡丹「プライドを懸けて闘うから楽しいんだろうが!負けたくはねぇ。死にたくもねぇ。だがプライドを捨てるのは!もう絶対にやらないって決めただろうが!」
『今の俺達とお前では埋められない程の差があるのは分かってるよな?俺達の計画にはもうお前が邪魔だ。肉体ごと消し飛ばしてやるよ!』
牡丹「手段を目的に変えた奴に、負けてたまるかよ!」