幻想楽迷郷 ~A hedonist lost in a Gensokyo~   作:ソラセカン

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穢月・結

 

霊夢「どうなってる訳…?」

 

紫「迂闊には近付けないわね。それと、気をしっかり持ちなさい」

 

霊夢「分かってるわ。もう、終わらせないと」

 

萃香「しかしアイツ生きてるのか?もう二週間だぞ」

 

紫「永琳に頼んで紺珠の薬まで服用した位だし、しぶとく生き延びてそうではあるわ」

 

魔理沙「まさかまたここに来る羽目になるとは…良い気分では無いな」

 

霊夢「良いじゃない。もう月人はいないんだし」

 

魔理沙「月を手放したなら、アイツ等の月人呼びも変わるのだろうか」

 

永琳「今度はナニ人になったのかしらね」

 

霊夢「興味ないわ。行きましょう」

 

 

 

 

 

牡丹「穢れが蔓延したから、もう食べられそうなものが見つからない。穢れが無いから保存食なんて作る必要無かったんだろうね。ジリ貧かな」

 

 

逃げ遅れた兎でもいれば良かったんだが。…!? そうか、もう二週間経ったんだな。長い闘いだったぜ…早く合流しなければ。

 

 

 

『別の気配…あぁ幻想郷の奴等か。器と合流する前に潰すか』

 

 

 

霊夢「2つの気配が同時に…!」

 

魔理沙「片方が空で、もう片方は穢れの集合体みたいな奴だと思うんだが…」

 

永琳「…迎えに行くならこっちね」

 

魔理沙「ん?迎えに行く事が目的では…」

 

永琳「少し苛立ってるのよ」

 

魔理沙「……そうか」

 

霊夢「それなら別行動にしましょう。私は永琳について行くわ」

 

魔理沙「えっ?」

 

霊夢「何よ」

 

魔理沙「いや、てっきり空を迎えに行って罵詈雑言を浴びせるのかと…」

 

霊夢「そんなの後回しよ。まずはアレを退治するわ」

 

萃香「私はそうだな~…月人を退ける程の穢れが気になるし、私も永琳について行こう」

 

魔理沙「じゃあ私が迎えに行ってくるぞ。まずは情報が欲しいからな」

 

紫「それなら私はここでゆっくりと…んんっ。ここであなた達のサポートをさせて貰うわ」

 

霊夢「いつもとあんまり変わらないけどね。案内頼むわ永琳」

 

永琳「任せなさい。月を穢してくれた礼はたっぷりとお返ししてあげないとね…!」

 

魔理沙「恐ろしい愛星者だ」 バシュッ

 

紫「永琳」

 

永琳「何?」

 

紫「呑まれてるわよ」

 

永琳「呑まれてやってんのよ」

 

紫「アレと戦うなら更にその感情が強くなってしまうわ。少し冷静になりなさい」

 

永琳「………助かったわ」

 

萃香「感情に付け入るタイプの精神攻撃か…」

 

霊夢「感情の制御が出来なくなるのね。気を付けるわ」

 

紫「厄介なものを生み出してくれたわ本当に…」

 

 

 

魔理沙「どこだ~?」

 

牡丹「ここだ~!」

 

魔理沙「お。生きてたか」

 

牡丹「お薬と食料のお陰でなんとか」

 

魔理沙「それは何よりだ。で、あの穢れの集合体は何だ?」

 

牡丹「俺の片割れの魂が暴走してる」

 

魔理沙「オイオイ。飼い主ならしっかり手綱握っておけよ?」

 

牡丹「あれはケルベロスよりも恐ろしいぜ。何せ自分と同じ性格なんだからな」

 

魔理沙「それなのに対立したのか」

 

牡丹「同じ性格でも、目的がまるで違う。俺が立ちはだかると、こんなにも厄介だったんだと痛感したよ」

 

魔理沙「なるほど。弱点とかは?」

 

牡丹「見当たらない。ひたすら消耗させてるが、回復の方が早いかもしれない」

 

魔理沙「頭数が増えたからな。消耗を上回らせられるさ…こ、これしか無いのか?」

 

牡丹「残念ながら…」

 

魔理沙「たはー」

 

 

 

 

『んーっと…どうして君達がここに来たのかな?元凶から叩きたかったのかい?』

 

霊夢「それ以外無いでしょ。覚悟なさい」

 

萃香「こりゃたまげたなぁ。野心がひしひしと伝わって来るよ」

 

霊夢「私、調子に乗るなって警告したわよね?それを破るなら容赦しないから」

 

『御託は良いから。掛かってきなよ』

 

霊夢「あんたねぇ!夢想封印!」

 

『妖怪って訳じゃないからね。直撃は嫌だけど』

 

萃香「私は殴るが、構わないよな!」ゴゴゴゴゴ

 

『超質量範囲攻撃?もっと大きい質量がここにあるじゃないか』 バゴッ

 

萃香「あんまり削り過ぎるなよ。風情が無くなる」 ドゴォン!

 

『ここに来て風情の心配とは…余裕たっぷりだな!』 バゴゴゴゴゴゴゴッッッ!

 

萃香「この数はちょっと…霊夢ッ!」

 

霊夢「もういい…夢想天生!」

 

『ダメージ無効は強力だが、その形態いつまで持つんだ?』

 

霊夢「あんたを退治するまでよ!」

 

 

 

 

魔理沙「なーんだありゃ」

 

牡丹「我ながら凄いですねぇ。どうやってんだあれ」

 

魔理沙「長丁場になりそうだな…」

 

牡丹「根拠は俺」

 

魔理沙「掛かりすぎだ」

 

紫「やってくれたわね空君」

 

牡丹「ワーオ紫サン。お願いします助けて下さい」

 

紫「月人に苦戦ならともかく、自分の力に苦戦するってどういう事よ…」

 

牡丹「そーんな事言われても…俺はどこぞの神の火で焼き尽くされちゃったし?アイツもやられて…暴走したのか」

 

紫「強すぎる執念も考え物ね。「いや、その執念があるからこそ」はいはい。あなた達も、アレの足止めを頼むわよ」

 

魔理沙「足止めだと?何か有効打を当てる策があるんだな?」

 

紫「えぇ、あるわ。急いで向かいなさい」

 

牡丹「魔理沙!ブレイジングスターや!」

 

魔理沙「テンション上げてくぜぇ!」

 

牡丹&魔理沙「「ヒャッホー!」」 ドシュゴォォォ!!!………………「着いたぜ!」

 

『気配でバレバレだよ!』

 

牡丹「半日ぶりィ!凝霊 スピリッツ・サイクロン!ここら一帯を吹き荒らせ!」

 

『ありきたりなそよ風を…』

 

魔理沙「レーザーに要注意だ。恋符 マシンガンスパーク」

 

『ッ…手数が多すぎる』

 

霊夢「ナイスよ魔理沙!……これが空達二人分の埋め合わせ?」

 

空「面目無い」

 

魔理沙「責めてる場合じゃ無いだろ?今は手数で押し切るしかないぜ!」

 

『4対1…まぁこっちの数は幾らでも増やせるんだが、萃香め』

 

空「萃香?来てたのか」

 

霊夢「萃香は不意を突いた攻撃に回ってるから、私達が隙を作ればより強い攻撃を当てられるわ」

 

空「より強い攻撃ったって、有効打には…」

 

霊夢「良いの。兎に角攻撃を続けて!」

 

空「考えるよりも先に身体は動かねぇよ!?」

 

 

考えろ…考えろ…魂の暴走を止める術を。穢れの薄くなった俺にしか出来ない芸当は何だ?器として吸収出来れば良いんだがそれが出来ないんだだからどうする俺に出来ることいや俺にしか出来ない事は何だ考えろ考えろ考えろ考えろ「何ぼけっとしてんだ!」ぼけっと…?マズイッ!

 

 

牡丹「くっ!」

 

霊夢「集中しなさい!考えるのは後!」

 

牡丹「それじゃ勝てないだろ!ジリ貧だ!」

 

霊夢「その前に負けたら意味ないでしょ!?」

 

牡丹「結果は何も変わらねぇよ!」

 

霊夢「そうやって決めつけて!自分で自分を弱くしてるんじゃない!」

 

牡丹「今回のケースは違うだろ!勝つために考えてるんだ!勝つためには!勝つためには…!」

 

霊夢「思い付かないなら考えないでよ!」

 

牡丹「ッ…」

 

 

 

出来ないならやるな

 

 

 

魔理沙「お、おい!」

 

霊夢「あっ…空なりに考えてたのよね?ごめ「もう良い。分かってる」…そう」

 

牡丹「全部、事実だ。全部、俺の責任だ。擁護しようもない自己責任。だから…もういい」

 

 

 

 

俺の自己が人を傷付け、その傷がいずれ俺に帰ってくる。俺の傷を抉るために作られたナイフで、傷口を切り付け、溝を深くし、傷口が核まで到達した時、自己は死ぬ。それが今だ。

 

なんて華麗な因果応報。なんて残酷で美しいシステム。…なんてくそったれなファッキンワールド。いらない。必要ない。

 

ぶち壊してやる。

 

 

 

 

 

牡丹「ガァアアアアアアァァァァァァァ!!!!!!!!!

 

霊夢「うるさっ!?」

 

魔理沙「ッッッ~…」

 

『お前…』

 

牡丹「ぐぅうぅぅぅあぁっ!がぁぁぁぁあぅぅぅぁああああ!!!!!!!!」

 

『好都合か?がら空きだぞ!』

 

牡丹「き゛!ゅ゛っっどお゛!じいぃ゛っでえぇ゛!ドッガッアッー゛ンンンッ!!」 キュッ

 

『!!!!!!!』

 

魔理沙「…マジか」

 

霊夢「何が起きて」

 

ズガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!

 

 

 

 

 

『クソッ!しくじった…!』

 

牡丹「お前は俺のナイフだ。欲望そのものの刃。お前を壊せば、俺は変われる」

 

『人がそう簡単に変われ「るようにするんだよ。常識・固定概念クソ食らえだ。不条理を壊し、弱きを挫き、強きも挫き、全て挫いて先に進む。じゃあな。イド」 キュッ

 

『俺は諦めない…!』

 

「だからどうしたんだよ。雑魚が」ブシュッ

 

魔理沙「あ…ぐ…」

 

牡丹「悪いな。お前達も巻き込んでしまった」

 

霊夢「ふ、ふざけ」

 

牡丹「これがふざけてる様に見えるのかよ。価値観変えてやろうか?」

 

霊夢「あんたなんか…!鍛えてやるんじゃなかった…!」

 

牡丹「そうやって過去を悔やんで何が見えるんだ?もしあの時こうすればより、今をどうするかだろ。そんなことも忘れたか?」

 

霊夢「忘れてしまいたいわ…こんな辛い目に会う位なら」

 

牡丹「脆弱過ぎて話にならんな。さようなら博麗霊夢、さようなら幻想郷。もうこれでおしまいだ」

 

空「それで良いのか?」

 

牡丹「あれ、何でお前が」

 

空「イマジナリーフレンドからの最後の提案だ。まぁ聞け」

 

牡丹「どういう…」

 

空「お前が今使っている力は【ありとあらゆるものを破壊する程度の能力】だ。何故これが使えているか考えてみろ」

 

牡丹「何をしたんだよ」

 

空「考える余裕はいずこ。壊れた能力を繋ぎ合わせてたんだよ。あの状態じゃ、それ以外に出来る事も無かったしな」

 

牡丹「ははっ、サンキュー、な」

 

空「とはいえ、掴むと壊すじゃどうにもならん。お前はもうこれでおしまいなんだろ?だったら俺の思考実験に付き合ってくれよ」

 

牡丹「…聞かせてくれ」

 

 

 

空「右手に破壊、左手に掴む力を込めろ」

 

牡丹「こうか」

 

空「そう。そしてあの時の様にその手をがっしりと組むんだ」

 

牡丹「あの時…?」

 

空「少しは頭働かせてくれよ…紅魔館にカチコんだ時のフランドール戦だよ」

 

牡丹「あー?あー!」

 

空「その参りに参った精神どうにかならんか?」

 

牡丹「ピリピリしてきたぞ!」

 

空「よし。そして同時に手を放せ」

 

牡丹「そしたら能力が…」

 

空「フランドールの使い方より下手だからその問題はねぇよ。というか出来るだけ強い意思でどちらの力も使え」

 

牡丹「矛盾させるのか?」

 

空「そういうことだ。事実、あの時の出来事には不審な点がある。それを度外視して都合の良い結末を持ってくる力が、あのエネルギーにはある筈なんだ」

 

牡丹「エンディングを呼び寄せるって訳か。正直もうどこから挽回すれば…」

 

空「記憶改変は必須だな。今回だけで嫌われすぎだぞ」

 

牡丹「へーい」

 

空「もう十分だ。解放しろ。考えてきたから内容は俺がやっとく」

 

牡丹「ずあっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

データ改変中…

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

 

………………

 

 

 

 

…………

 

 

 

……

 

 

 

 

 

過ちを修正しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

牡丹「どうなった?」

 

霊夢「居た居た。何してたの?」

 

牡丹「霊夢こそ。無事だったのか?」

 

霊夢「何の事?」

 

牡丹「さっきの爆発…」

 

霊夢「爆発なんかしてた?」

 

牡丹「?????」

 

霊夢「何時にも増して変ね。会場で待ってるわ」

 

牡丹「ちょ、情報足りねぇ…」

 

魔理沙「よ。国王サマ」

 

牡丹「はぁ!?」

 

魔理沙「何驚いてんだ。自分が言ってた癖に」

 

牡丹「悪い、俺また記憶が吹っ飛んでしまってな。俺が国王になるまでの流れを教えてくれないか?」

 

魔理沙「大丈夫なのかよそれ…まず、次の満月の時に帰ってこないお前を探して見付けた。私の箒の後ろに乗ってただろ?」

 

牡丹「乗った乗った」

 

魔理沙「それで暴走した魂?を退治する為に霊夢と萃香と私達で足止めして、穢れ対策バッチリな永琳に一撃で倒して貰った」

 

牡丹「あっ永琳先生居たんだ。いや、後付け設定か…?それとも俺が余計な事してただけだったんじゃ…」

 

魔理沙「続けるぞ?それでも執念とかで生き延びてた魂をお前が吸収して消滅させた。その後紫がここを幻想郷第二支部にするとか息巻いてたから、その話にお前が乗って月の所有者として定着した訳だ。だから王様でもなんでもないんだが…お前が『ムフフ。これで国王だな』って言ってたからさ」

 

牡丹「若干暴走魂の願いみたいのが混じった結果なのが気になるが…あれから何日経ってる?」

 

魔理沙「月の表面の整備とかもあって大体1ヶ月かな」

 

牡丹「どう考えてもやり過ぎですねお疲れ様でしたァ!」

 

 

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