幻想楽迷郷 ~A hedonist lost in a Gensokyo~ 作:ソラセカン
さとり「ふむふむ…やはり鬱病の症状と酷似していますね。今までも何度か陥ってはいますが、貴方が穢れと呼んでいる力で何とかしてきた様です。貴方の様な人達はその穢れで自我を保っているので、失って体調を崩すのも無理は無いでしょう。月人の人々?生まれつき穢れが薄い者達とは後天的に月人に成った、それも穢れによって成長してきた貴方とでは、人格形成の仕組みが違いますから。そんなに落ち込まなくても良いですよ。仕方の無い……そ、そうですか」
にとり「会話いらずって凄いなぁ…会話せずとも意志疎通が出来るツールも魅力的かもしれない」
紫「そういう技術が真っ先に使われるのは、争い事なのよね」
にとり「技術者が泣いてるよ」
さとり「何をされても文句は言えない立場…今そうおっしゃいましたね?考質は取りましたよ?お願いします」
紫「話が進んでたわ。なら墓参りに行ってらっしゃい!」
にとり「荒療治だなぁ」
牡丹「来てしまった…でもまぁ…ありがたい、のか?」
目の前には老衰という人として最も素晴らしい死を遂げた、歴代最高クラスのトラブル体質巫女。博麗霊夢の墓がある。そういえば、墓参りなんてしてなかったなぁ…どうせ来てしまうのなら、せめて土産物でも持ってくれば良かった。その方が喜ぶだろう。彼女は最期まで現金な奴だったのだから。あぁ、
俺の知ってる東方Projectは終わったんだ。
物語は続いていきますよ、どこまでも。
なんて華麗な因果応報。
さようなら、博麗霊夢。
散りばめた発言が後の自身に突き刺さる。理解していた筈の事実に何度も絶望する、屈辱。屈辱から逃げていた自分自身への怒り…受け入れろ、事実を。受け入れられないなら抗え!
さとり「ッ!気配が変わった!」
紫「染まりやすくて助かるわ…今なら」
にとり「盟友!調子はどう?」
牡丹「あぁ…バッチリだ!」
紫「何年ぶりかしら、その威勢」
牡丹「さぁな…何度でも再点火可能な威勢だよ」
にとり「乗ってくれるだろう盟友?」
牡丹「勿論。きっかけ一つで何かが掴めそうなんだ」
にとり「過去と未来。今の君に必要なのは…」
牡丹「過去の清算、かな」
にとり「任せなさい!ちょっと待ってて!」
紫「他の子の墓参りも済ませて来なさい」
牡丹「おう。魔理沙と咲夜と…あの現人神はどうなったんだっけ?」
紫「早苗って言いなさいよ…もう現人神では無いんだから」
牡丹「あれ?そうだったっけ?月に引きこもり過ぎたか。信仰心の稼ぎ頭だったし、死なれても困る訳だ」
さとり「……恐ろしい人です」
牡丹「読んだか。俺の力ならそれが出来る。今更他者の運命なんて知ったことじゃない」
紫「あら。また何か企んでるの?」
牡丹「あぁ。それは過去に行って決断させて貰うけどな」
紫「それは…退屈な日々を変えてくれるものかしら」
牡丹「きっと変わってる筈さ。いや、変えてみせる」
さとり「心を読めるのが私だったから良かったものの…」
牡丹「そういう部分では大変信頼しております故に」
さとり「う~ん…あ、魔理沙さんのお墓はこちらですよ」
牡丹「どもども。あ、「紅魔館です」ですよね~…」
さとり「会いたくない要因の一つ…まぁ、分からなくはありませんが」
牡丹「どうしようかな…結局意味は無くなるから行かなくても…」
にとり「盟友~!準備が出来たぞ!」
牡丹「よし逃げよう!今のレミリアには会いたくない!要望も分かりきってるから聞く余地無し!さぁ行こう!」
紫「元気でね~」
牡丹「…はい!」
さとり「私からも…もう二度と会うことは無いでしょうし?」
牡丹「ははっ…また違う形でお会いしましょうか」
にとり「ほらほら乗ってくれ盟友!悪いね紫。このタイムマシンは2人乗りなんだ」
牡丹「どこぞの金持ちだよ。それでは、また」
にとり「離れてくれよ~巻き込まれたら手に終えないからな~」
グワン
牡丹「うわ。なんだこれ。スキマ?」
にとり「色々な奴らの力を参考にしたからね。それで、どこまで戻るの?」
牡丹「俺が月に攻め込んだ時」
にとり「いつの事?」
牡丹「…覚えてない」
にとり「しっかりしてくれよ盟友…仕切り直そう」
プシューッ
牡丹「あのー」
紫「な、何かしら」
牡丹「俺が月に攻め込んだ時っていつでしたっけ?」