幻想楽迷郷 ~A hedonist lost in a Gensokyo~ 作:ソラセカン
相変わらずここは暑いな。冬場なら丁度良いのだろうか。
この身体は便利だぞ~暑さも寒さも感じないからな。
生命的魅力に欠けていると言えよう。
生命力の塊に何て事を言うんだ。
お!
牡丹「小石じゃないか!何で認識出来るんだ?」
小石「言い方に含みがあるね。お姉ちゃんも一緒だよ」
空「姉の姿は見当たらんが…」
さとり「わっ!」
牡丹「…」
さとり「すみません調子に乗りました」
牡丹「お仕置きという名目の、実験対象になって貰おうか」
こいし「ん…?君さぁ!ほんの少し見ない間に、何かあった?」
さとり「えっ?あっ…そんなことが…」
空「星熊勇儀に会えりゃそれが一番良いんだが。今何処にいるか分かるか?」
さとり「勇儀ならさっきそこで…」
勇儀&こいし「「わっ!!」」
空「…」
勇儀「反応が薄くてかなわん」
こいし「2度目ならいけると思ったんだけどなぁ」
牡丹「姉妹揃って唐笠妖怪みたいなことやってんじゃねぇぞ。さておいて勇儀、俺と勝負しろ」
勇儀「勝負って言っても、昨日お前は腕を折ってまで私の攻撃を掴んでみせたじゃないか」
牡丹「アレが本気なもんか。本気なら俺は死んでた」
勇儀「ふぅん…腕が治っている、か。何をした?」
空「別世界へ観光に。今度は俺達があんたの本気を引き出す番ダ』
牡丹「界王拳…」
勇儀「お前の本気に敬意を払い、盃は置いて闘ってやろう。だが私の本気を引き出すには、まだまだだな!」
牡丹「…今はこれで試してみるか」
空『後悔スルナヨ』
牡丹「ッラァ!」
勇儀「速さは中々だ!直前まで反応が間に合わなかったよ!」
空『魂撃』
勇儀「そっちはそれ以上か!打撃が身体の芯に響いてくるぞ!」
俺達二人の連携でこの程度か…
苦い記憶が蘇るぜ。このままジリ貧まで持ってかれてな。
勇儀「こちらからもいくぞ?今度も堪えてみせろ!」
空『当タラネェナ』
勇儀「実体有り無しの切り替えが出来るのか…ならばこちらを削るまでだ」
牡丹「3倍…!」
勇儀「うはっ!?その技面白いな!」
牡丹「随分と余裕だな!」
空『穢
牡丹「うっし!」
勇儀「そっちがそこまで援助に徹されると、攻撃の隙が無いな…」
空『殴リ合イデ決メチマエ!』
牡丹「4倍…5倍!」
勇儀「鬼が、殴り合いでやられる、なんて!冗談じゃない!」 ガシッ
牡丹「なっ…!?」
空『避ケロ!』
勇儀「もう遅い!」
ボジュッ!
牡丹「ごぷっ…」
空『亜光速』
うっわ真っ青。内臓全壊か?容赦ねぇな。腹貫通してないのは修行の成果とでも捉えておこう。元気 超回復
牡丹「ずあっ!」
勇儀「ぐっ!」
空『ふぅ…』
牡丹「今のは効いたぜ!内臓全部イッてたかもなァ!」
空『全部イッたんだよ。人として死んどけ!』
牡丹「じゃ、遠慮なく…!」
勇儀「こんな素早く回復されちゃ困るなぁ!」
牡丹「また本気にならないと、今度はあんたが痛い目見るぜ!絶命拳!」
勇儀「くっ…!はぁ!!!」
ゴッッッ…!
牡丹「拮、抗…か」
空『超回復 命使って漸く。壁は厚いな』
勇儀「うぐっ…それで?まだお前が残ってるなら、私でも少し厳しいぞ」
牡丹「命を無駄に出来るのも元気がある限りだ。超回復だって、そう何度も使える訳じゃない」
勇儀「不死身戦法出来る奴が、大きな力を使えれば使える程強いに決まっている」
空『力の総量は残り半分。回復と亜光速で半分も消費しちまった』
勇儀「これで半分か。想像以上に強くなってくれたじゃないか!」
牡丹「鬼の神としての貴方に、どうしても勝たなければいけなかった。勇儀さん。俺は、俺達は、月の民に届きますか?」
勇儀「月の民、か。かつて八雲の奴と組んで月に向かい、戦った事がある。…今の私を以てして、敵いはしないだろうな」
空『俺も1度戦って、負けました。屈辱だった…俺の歩みを止めてしまう程に!』
勇儀「ワケアリって面だな。であれば分かるだろう?今のお前達でも、敵わない」
空『…分かっていました』
牡丹「まだ終わってねぇぞ」
勇儀「まだって…2度も死にかけておいて言う台詞では無いぞ」
牡丹「素の力じゃ敵わないのはもう聞き飽きた。じゃあ次だ!フュージョンであんたを越える」
空『そう…だな。そっちも試さないと』
牡丹「何弱気になってんだ。何が為の10年だ?万全で勝てなかった相手に、万全以下で挑む気か」
空『…悪い。俺がここまでしてきた意味を、台無しにする所だった。ありがとな』
牡丹「おう。やるぞ!」
空『あぁ!』
フュー…
ジョン!
はっ!
ドンッ!
勇儀「な、何が余力半分だって?」
『「さぁ、続きを始めようぜ」』
勇儀「…届く」
『「え?」』
勇儀「そんな技があったなら、きっと勝てるさ。もっと自信持って良いぞ!」
『「悪いな勇儀さん。魂の俺のフォローをしてくれてよ。分離する時に良く刻んでおくぜ」』
勇儀「ん…?お前は魂のヤツでも肉体のヤツでもない、別人格なのか?」
『「合体すると意思が統合されて、新たな牡丹空が生まれる。素材になった俺達の意思と記憶を引き継いで、目的を成し遂げるのが俺の役目だ」』
勇儀「へぇ…割としっかりしてるな。分離と言っていたが、どれくらいで元に戻るんだ?」
『「今のところ合体していられるのは30分と+5秒だ」』
勇儀「+5秒が気になるが…そんなことよりやるんだろ?流石に全力で掛からないと、私が不味そうだ」
『「あんたの全力でも、俺に敵うかどうか…」』
勇儀「何ィ?」
『「本当は合体せずにお前を倒せる位、強くなりたかったらしいからな。素材の俺達にとってはもう負けも同然なんだ。流石に合体してまでお前に負けるなんて、俺のプライドが許さない。元気 超回復 受け取れ!」』
勇儀「…これもプライドか?」
『「そうさ。そして目的達成の糧だ。いくぜ!」』
バッ!
勇儀「なっ…!?」
『「理解できないって顔だな。認識すら出来ない速度でぶっ飛ばされただけの事なのによ」』
勇儀「このッ!」
『「おめぇなんて指1本で…は骨が折れそうだから、片腕だけで相手してやるよ」』
勇儀「また折ってやろうかァ!」
『「俺は優しいからな。サービス期間が終わる事は無いのさ」』
勇儀「ふぅ…確かに相当な差があるようだ。ならば、四天王奥義 三歩必殺。受け止めてくれるな?」
『「愚問だ…!」』
ズンッ… 一歩目。勇儀との距離を測る必要は無い。
ズンッ… 二歩目。彼女は鬼気迫る顔をしている。まるであの時の俺みたいだ。
『「来いよ」』
パシッ
『「掴んじゃったもんね…だったか?」』
勇儀「…お見事」
『「半端者同士の合体は、半端じゃないぜ!」』