幻想楽迷郷 ~A hedonist lost in a Gensokyo~   作:ソラセカン

73 / 83
怪力乱神と半端者

 

相変わらずここは暑いな。冬場なら丁度良いのだろうか。

 

この身体は便利だぞ~暑さも寒さも感じないからな。

 

生命的魅力に欠けていると言えよう。

 

生命力の塊に何て事を言うんだ。

 

お!

 

 

牡丹「小石じゃないか!何で認識出来るんだ?」

 

小石「言い方に含みがあるね。お姉ちゃんも一緒だよ」

 

空「姉の姿は見当たらんが…」

 

さとり「わっ!」

 

牡丹「…」

 

さとり「すみません調子に乗りました」

 

牡丹「お仕置きという名目の、実験対象になって貰おうか」

 

こいし「ん…?君さぁ!ほんの少し見ない間に、何かあった?」

 

さとり「えっ?あっ…そんなことが…」

 

空「星熊勇儀に会えりゃそれが一番良いんだが。今何処にいるか分かるか?」

 

さとり「勇儀ならさっきそこで…」

 

勇儀&こいし「「わっ!!」」

 

空「…」

 

勇儀「反応が薄くてかなわん」

 

こいし「2度目ならいけると思ったんだけどなぁ」

 

牡丹「姉妹揃って唐笠妖怪みたいなことやってんじゃねぇぞ。さておいて勇儀、俺と勝負しろ」

 

勇儀「勝負って言っても、昨日お前は腕を折ってまで私の攻撃を掴んでみせたじゃないか」

 

牡丹「アレが本気なもんか。本気なら俺は死んでた」

 

勇儀「ふぅん…腕が治っている、か。何をした?」

 

空「別世界へ観光に。今度は俺達があんたの本気を引き出す番ダ』

 

牡丹「界王拳…」

 

勇儀「お前の本気に敬意を払い、盃は置いて闘ってやろう。だが私の本気を引き出すには、まだまだだな!」

 

牡丹「…今はこれで試してみるか」

 

空『後悔スルナヨ』

 

牡丹「ッラァ!」

 

勇儀「速さは中々だ!直前まで反応が間に合わなかったよ!」

 

空『魂撃』

 

勇儀「そっちはそれ以上か!打撃が身体の芯に響いてくるぞ!」

 

 

俺達二人の連携でこの程度か…

 

苦い記憶が蘇るぜ。このままジリ貧まで持ってかれてな。

 

 

勇儀「こちらからもいくぞ?今度も堪えてみせろ!」

 

空『当タラネェナ』

 

勇儀「実体有り無しの切り替えが出来るのか…ならばこちらを削るまでだ」

 

牡丹「3倍…!」

 

勇儀「うはっ!?その技面白いな!」

 

牡丹「随分と余裕だな!」

 

空『穢(から)元気 受ケ取レ器』

 

牡丹「うっし!」

 

勇儀「そっちがそこまで援助に徹されると、攻撃の隙が無いな…」

 

空『殴リ合イデ決メチマエ!』

 

牡丹「4倍…5倍!」

 

勇儀「鬼が、殴り合いでやられる、なんて!冗談じゃない!」 ガシッ

 

牡丹「なっ…!?」

 

空『避ケロ!』

 

勇儀「もう遅い!」

 

ボジュッ!

 

 

牡丹「ごぷっ…」

 

空『亜光速』

 

 

 

 

 

 

うっわ真っ青。内臓全壊か?容赦ねぇな。腹貫通してないのは修行の成果とでも捉えておこう。元気 超回復

 

 

 

 

 

牡丹「ずあっ!」

 

勇儀「ぐっ!」

 

空『ふぅ…』

 

牡丹「今のは効いたぜ!内臓全部イッてたかもなァ!」

 

空『全部イッたんだよ。人として死んどけ!』

 

牡丹「じゃ、遠慮なく…!」

 

勇儀「こんな素早く回復されちゃ困るなぁ!」

 

牡丹「また本気にならないと、今度はあんたが痛い目見るぜ!絶命拳!」

 

勇儀「くっ…!はぁ!!!」

 

 

 

ゴッッッ…!

 

 

 

牡丹「拮、抗…か」

 

空『超回復 命使って漸く。壁は厚いな』

 

勇儀「うぐっ…それで?まだお前が残ってるなら、私でも少し厳しいぞ」

 

牡丹「命を無駄に出来るのも元気がある限りだ。超回復だって、そう何度も使える訳じゃない」

 

勇儀「不死身戦法出来る奴が、大きな力を使えれば使える程強いに決まっている」

 

空『力の総量は残り半分。回復と亜光速で半分も消費しちまった』

 

勇儀「これで半分か。想像以上に強くなってくれたじゃないか!」

 

牡丹「鬼の神としての貴方に、どうしても勝たなければいけなかった。勇儀さん。俺は、俺達は、月の民に届きますか?」

 

勇儀「月の民、か。かつて八雲の奴と組んで月に向かい、戦った事がある。…今の私を以てして、敵いはしないだろうな」

 

空『俺も1度戦って、負けました。屈辱だった…俺の歩みを止めてしまう程に!』

 

勇儀「ワケアリって面だな。であれば分かるだろう?今のお前達でも、敵わない」

 

空『…分かっていました』

 

牡丹「まだ終わってねぇぞ」

 

勇儀「まだって…2度も死にかけておいて言う台詞では無いぞ」

 

牡丹「素の力じゃ敵わないのはもう聞き飽きた。じゃあ次だ!フュージョンであんたを越える」

 

空『そう…だな。そっちも試さないと』

 

牡丹「何弱気になってんだ。何が為の10年だ?万全で勝てなかった相手に、万全以下で挑む気か」

 

空『…悪い。俺がここまでしてきた意味を、台無しにする所だった。ありがとな』

 

牡丹「おう。やるぞ!」

 

空『あぁ!』

 

 

フュー…

 

ジョン!

 

はっ!

 

 

 

 

ドンッ!

 

 

 

 

勇儀「な、何が余力半分だって?」

 

『「さぁ、続きを始めようぜ」』

 

勇儀「…届く」

 

『「え?」』

 

勇儀「そんな技があったなら、きっと勝てるさ。もっと自信持って良いぞ!」

 

『「悪いな勇儀さん。魂の俺のフォローをしてくれてよ。分離する時に良く刻んでおくぜ」』

 

勇儀「ん…?お前は魂のヤツでも肉体のヤツでもない、別人格なのか?」

 

『「合体すると意思が統合されて、新たな牡丹空が生まれる。素材になった俺達の意思と記憶を引き継いで、目的を成し遂げるのが俺の役目だ」』

 

勇儀「へぇ…割としっかりしてるな。分離と言っていたが、どれくらいで元に戻るんだ?」

 

『「今のところ合体していられるのは30分と+5秒だ」』

 

勇儀「+5秒が気になるが…そんなことよりやるんだろ?流石に全力で掛からないと、私が不味そうだ」

 

『「あんたの全力でも、俺に敵うかどうか…」』

 

勇儀「何ィ?」

 

『「本当は合体せずにお前を倒せる位、強くなりたかったらしいからな。素材の俺達にとってはもう負けも同然なんだ。流石に合体してまでお前に負けるなんて、俺のプライドが許さない。元気 超回復 受け取れ!」』

 

勇儀「…これもプライドか?」

 

『「そうさ。そして目的達成の糧だ。いくぜ!」』

 

 

バッ!

 

 

勇儀「なっ…!?」

 

『「理解できないって顔だな。認識すら出来ない速度でぶっ飛ばされただけの事なのによ」』

 

勇儀「このッ!」

 

『「おめぇなんて指1本で…は骨が折れそうだから、片腕だけで相手してやるよ」』

 

勇儀「また折ってやろうかァ!」

 

『「俺は優しいからな。サービス期間が終わる事は無いのさ」』

 

勇儀「ふぅ…確かに相当な差があるようだ。ならば、四天王奥義 三歩必殺。受け止めてくれるな?」

 

『「愚問だ…!」』

 

 

ズンッ… 一歩目。勇儀との距離を測る必要は無い。

 

 

 

ズンッ… 二歩目。彼女は鬼気迫る顔をしている。まるであの時の俺みたいだ。

 

 

『「来いよ」』

 

 

パシッ

 

 

『「掴んじゃったもんね…だったか?」』

 

勇儀「…お見事」

 

『「半端者同士の合体は、半端じゃないぜ!」』

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。