幻想楽迷郷 ~A hedonist lost in a Gensokyo~   作:ソラセカン

76 / 83
招かれた顧客

 

食後にて

 

 

牡丹「あれ、そういえば明日って満月だっけ?」

 

霊夢「えぇ。明日が満月よ」

 

空「共有する時間は十分だ。今すぐやるか?」

 

牡丹「今夜にしよう。午前中は…少しふらつかせてくれ」

 

霊夢「へぇ…?あんたが目的言わずにふらつくの珍しいわね」

 

牡丹「あぁ。野暮用だ」

 

 

 

 

 

 

 

無縁塚。俺は恐らくここ辺りから迷い込んだ。

15人目。ナズーリンさんは俺にそう言ったのだ。

そして今日。16人目が来る気配がある。

誰かが教えてくれた気がした。

こんな事を教えてくれる人物に心当たりは無いのだが。

 

 

ナズーリン「という前置きで私の所に来られても困るのだが」

 

牡丹「16人目が来るってなら、ここは必ず通る道なのかなぁ…と」

 

ナズーリン「15人送ってきたけど、今まで次の外来人をそこまで気にする人はいなかったと思うよ」

 

牡丹「因みに、どれくらいの間隔で入ってくるとか数えてます?」

 

ナズーリン「私がそんなに暇だと思うのかい?完全に不規則さ。立て続けに案内した覚えは無いがね」

 

牡丹「暇鼠さんは新参者に優しいですね。俺もそう在れれば良かったのに」

 

暇鼠(ナズーリン)「暇鼠とはなんだ暇鼠とは。しかし君は、新参者を迎え入れる気は無いと?」

 

牡丹「うーん…何というか、来られるとかなり不味い気がするんですよ。もしかしたら同郷の人なのかもしれないのに」

 

ナズーリン「再会を喜ぶような性格でも無いだろうしな、君は」

 

牡丹「失礼な正解ですね…来ました。行ってきます」

 

ナズーリン「話しながら探ってたのか?相当警戒しているみたいだ」

 

 

 

 

気を極限まで抑えて接近してみたが…何だあれ?いかにも異世界転生モノで主役やってましたって風貌だ。皆顔が同じに見える。整形?

 

 

???「誰だ!そこにいるのは分かっているぞ!姿を現せ!」

 

 

熱血系かぁ…言葉の節々に(エクスクラメーション)がついていること間違いなしだ。

 

 

???「出てこないというのなら…こちらからいくぞ!」

 

 

何故観察しているだけなのに、ここまで敵意を向ける事が出来るのか。

 

 

???「シャイニングブレード!」

 

 

そう。俺達は横文字が大好きなのだ。案外気が合うかもしれない。

 

 

ズガガガガガガガガガガ!!!!!

 

 

牡丹「はぁ?バカみたいに強いじゃねぇか」

 

???「今のを避けるとはただ者ではないと見た!お相手願う!」

 

牡丹「可笑しい。似てる筈なのに格差が酷い」

 

???「俺の名はトウマ!斎籐トウマだ!斉藤じゃないぞ!齊藤でもない。齋籐トウマと呼ばれる事もあるが、実のところは「龍壊拳」良いパンチだ!」

 

牡丹「…で、あんた誰?」

 

トウマ「前世では引きこもりニートの脛かじり三昧だったが、死んで女神様に転生させて貰ってからは心を入れ替え、真っ当に生き、6人の妻と「6人!?」生涯を全うしたのだ!」

 

牡丹「一夫多妻も甚だしいな。生涯を全うとか言ってたが…また転生したのか?しかも多分全盛期の姿とかで」

 

トウマ「勿論だ!異世界での功績が認められて、俺は不老不死の身体を手に入れ、異世界を渡り歩く事も出来る様になったんだ!」

 

牡丹「お前みたいなのが現れるから、反則技も手放せないんだろうな。核兵器かよ」

 

トウマ「何、君も悪いようにはしないさ。ここがどんな世界なのかは知らないが、女神様の采配だ。きっと麗しい美女がいるのだろう?しばらくこの世界も楽しませて貰うとするよ」

 

牡丹「博麗大結界は欠陥結界なのか?」

 

 

コイツは駄目だ。我が強すぎてこっちの意見を聞けないタイプ。真っ直ぐで無敵の人。面倒臭ぇ…!

 

 

牡丹「説得する気にもならんが…出来る事ならこの世界は諦めてくれないか?もうちょいその…脳味噌が蕩ける様な世界を選んで欲しいんだ」

 

トウマ「言っている事の意味が分からない。俺はこの世界が良いと思ったから選んだんだ。それとも、この世界は自分のものと言い張るつもりか?」

 

牡丹「アンタは良いと思うどころか、この世界も自分のものと言い張りそうな勢いじゃねぇか。この世界は全てを受け入れる。だが、この俺はどうかな?」

 

トウマ「安心したまえ。君の妻を狙うつもりは無い。NTRは趣味じゃなくてね」

 

牡丹「…手を出すなって言ってんだよ! 元気→神力 傲慢 誑かす鉄槌 その頭、いっぺんぶちまけろ!」

 

トウマ「どうしても俺を受け入れる気は無いみたいだね。なら、死んで良いよ!」 バァン

 

牡丹「ほぉ、銃なんて久し振りに見たぞ。ここに現代兵器なんざ持ち込むな不埒者が」

 

トウマ「何故君のような者が女神様と似た気配を…?ここは神々の世界だったのか?」

 

牡丹「貴様で勝手に想像しろたわけ。答えは行動で示せ」

 

トウマ「…いや。君は神じゃない。そして俺に勝てもしない」

 

牡丹「もうよい。御託は聞き飽きた。傲りを抱えて往ね」

 

ビッ 空『傲ってんのはお前もだ。傲りに違わぬ実力を理解した癖に』

 

トウマ「分身か。未来ある若者を潰すのは心が痛むよ!バニシングマシンガン!」

 

牡丹「握らずとも、掴むだけで失せる輝き」 グッ

 

空『さっきまで横文字大好きとか考えてた奴の台詞とは思えねぇな。亜光速殴打』

 

トウマ「ぐうぅぅ!?う、腕が!これ折れて…やらせておけば調子に乗りやがって!」

 

空『何時から不老不死に超回復がセットだと勘違いしてたんだろうな。なるほど、治さんか』

 

牡丹「回復を妻共に頼りきったか、そこまでの深傷を負った覚えが無いか。どちらにせよ無様だ」

 

トウマ「こんなやつマトモに相手してられるか!デスペル!」

 

牡丹「………心臓破裂か」

 

空『これまた随分物理的デスな』

 

トウマ「こんなに追い詰められるとは思わなかったぞ!腕が治ったらまた勝負してやる!」

 

空『逃がすべきか捕まえるべきか』

 

牡丹「早く追えや…

 

空『超回復いる?』

 

牡丹「もう少し破裂した心臓で生きてみる…

 

空『何秒もつか数えてやろうか?』

 

牡丹「数えながら追え…

 

 

 

 

 

ビッ 空『よっと』

 

トウマ「ついて来るな!」

 

空『お前は強い代わりにダメージ耐性が無かったみたいだな』

 

トウマ「うるさい!」

 

空『良かったじゃねぇか。溶けた脳味噌がきゅっと引き締まってよ』

 

トウマ「んんっ!」 バシュッ

 

空『気持ち悪い声出すなよ。大するならそこの草むらがオススメだぜって…博麗神社に逃げ込むなんて運も無いのな』

 

 

 

 

 

 

運の尽きは君にある

 

 

 

 

 

 

トウマ「助けて!誰か!お化けに腕を折られたんだ!」

 

???「あー?ここは診療所じゃ無いんだけどね…」

 

トウマ「追われてるんだ!助けてくれ!」

 

???「はいはい分かったから。奥で腕を固定してなさい」

 

トウマ「ありがとう…ありがとう!あれ、あれっ…腕を固定ってどうやれば良いんだ?」

 

お化け『適当に固い板を腕に当てて、包帯か何かでぐるぐる巻いときゃ良いんじゃねぇの?』

 

トウマ「うわああああ!?」

 

お化け『お化けなら建造物貫通は当たり前だ』

 

トウマ「こっ、ここに!ここにいる!助けっ!」

 

???「神聖な神社から出ていきなさい」

 

お化け『気が変わるの早すぎだろ霊夢。せめて固定のやり方位教えてやっても…ん?』

 

霊夢「アンタに言ってんのよ亡霊!」 バキッ

 

お化け『これはビックリ。良い一撃貰っちまった。これがお前の能力か?トウマさんよ』

 

霊夢「彼、トウマって言うのね。ふぅん…守り甲斐がありそう」

 

お化け『…ん?お前本当に霊夢か?』

 

霊夢「私を知ってる様ね。でも残念…私はアンタを知らないの。失せなさい、さもなくば祓うわ」

 

お化け「…戦う意思は無い。質問させてくれ」

 

霊夢「彼が怖がってるの。失せろって言ったのが聞こえなかった?」

 

お化け「重傷だな。催眠術にひっ掛かるたぁ、博麗の巫女失格じゃねぇか」

 

霊夢「あ?祓われたいのね。御札の雷!」

 

お化け「何だその技!?スペルカードはどないしたってんだ」

 

霊夢「私達の前から消えなさい」

 

お化け「会話にならねぇな。引かせて貰う」

 

 

い、行ったのか…?

 

 

トウマ「助かった…」

 

霊夢「無事で良かったわ。腕も治してあげる」 パァァ

 

トウマ「な、治った…!ありがとう!命の恩人だ!」

 

霊夢「お安い御用よ。自己紹介しましょう。私は博麗霊夢、この神社の巫女さんよ」

 

トウマ「俺は斎籐トウマ。その、霊夢」

 

霊夢「なぁに?」

 

トウマ「俺と結婚してくれ!」

 

霊夢「大胆な人…」

 

トウマ「君に惚れてしまったんだ…」

 

ビッ ???「どういう状況?」

 

お化け「こういう状況」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。