幻想楽迷郷 ~A hedonist lost in a Gensokyo~ 作:ソラセカン
映す心はより深く、感情はより引き伸ばされる。
合体が更に極まった時のように、自らの意識の感覚が狂っている。やはりあの外来人はこの世界にとって重要なのだろう。
牡丹「気付いたか?」
空「あぁ。どうもアイツが霊夢と顔を会わせた時から調子が可笑しい。…いやーな推測を1つ」
牡丹「どうぞお構い無く」
空「俺達の立場、外来人としての立場がアイツに奪われようとしている。それに伴い、外来人となってから関わってきた全ての人達との記憶が上書きされている。ってのだ」
牡丹「十中八九そうだな。対処法も良く分からんし、魔理沙もあのザマだし」
記憶を上書きされた魔理沙は、とても穏やかとは言えない顔で眠っている。霊夢もそうだった。記憶の上書きを繰り返している状態なのだろうか。このままでは脳に大きな負担を掛けてしまうだろう。
空「霊夢の遺言が気になってる」
牡丹「さらっと死んだ巫女さんにされたが、私は見捨てて深に繋がってる人を探せってやつか」
空「この異変に限り、霊夢と魔理沙は頼りにできないってのも分かった。2人に共通する特徴は?」
牡丹「自機組、プレイアブルキャラクターか。流石にプレイアブルキャラクターは誰だったかなんて覚えてられないんだが」
空「緋想天とかの形式含めるなら門番も入るしな」
牡丹「プレイアブルキャラクター以外を探そうにも、そんな都合の良いキャラは…」
空「…月人?」
牡丹「強すぎて出せないってやつか。確かにそうだが宛に出来んぞ」
空「もう2人いるさ。永遠亭に」
牡丹「一応さっき2秒だけそれぞれに注意勧告したけど、覚えられてんのかな」
空「相手のリアクションフルシカトで呼び掛けたからな。意味すら分かってない人もいるかもしれん。比較的詳しく説明したのも魔理沙だけだし」
牡丹「ただ、今確認しても意味が無い。まだ視線を感じる」
空「トウマと俺達を交互に眺めてる様な…」
牡丹「そんな事が出来るのは…」
牡丹&空「「八雲紫!」」
自信満々に放った呼び掛けは、魔法の森の木々に吸い込まれた。彼女が違うなら他に誰がいるのだろうか。
牡丹「霊夢は摂理とも言ってたな」
空「幻想郷が俺達に何かをしていると?」
牡丹「やっほー!見てる~?」
空「バッキャロー」
牡丹「迷ってるのか遊んでるのか。どちらにせよ目を付けられてるんだろうな」
空「この状況を把握して、俺達じゃ思い浮かびもしない解決策を提案出来る人物…だな。どっちに聞こうが頼りになりそうだ」
空「視線の気配が無くなったら、永遠亭に座標瞬間移動すっか」
牡丹「準備は終わったぜ。ちょっとばかし俺達のオイタに目を瞑っといてくれよ」
トウマ「ここが魔理沙の家か」
霊夢「そうよ。大丈夫かしら魔理沙…」
トウマ「あっ…魔理沙!無事か!」
魔理沙「トウマ…!怖かったぁ…」
トウマ「安心しろ魔理沙。俺が必ずアイツらを殺す」
魔理沙「ありがと…」
トウマ「魔理沙をこんなに怖がらせた罪は大きいぞ…!おい、霊夢。次に奴等が向かう場所は分かるか?」
霊夢「永遠亭という診療所でしょうね」
トウマ「案内しろ」
霊夢「急ぎましょう」
魔理沙「あ、あたしは何か!」
トウマ「良いんだ魔理沙。ここで休んでいてくれ。これ以上怖い思いはさせない」
牡丹空よ、お前の敗因はたった1つ。俺の女を悲しませた、だ。
完全に自分に酔ってる…これじゃ成長なんて出来ないなぁ
空「来た」
牡丹「早くね?」
空「まだ永琳先生しか接触出来てねぇのに」
牡丹「んで永琳先生も覚えてないと。寝ちゃったし」
空「どうしてこうも都合が悪いのか…」
牡丹「ご都合主義分けてくれねぇかな」
輝夜「話は聞かせて貰ったわ!」
空「テンション高いっすね姫様」
牡丹「話を聞けた…?説明願いましょうか」
輝夜「私なりにさっきの貴方の台詞の意味を考えていたのよ。そして合点が行ったわ。その仮説、訂正してあげましょうか?」
空「下手したら幻想郷そのものが相手だとしても、ですもんね?」
輝夜「面白そうじゃない!聞いていて久々に心が踊ったの。まず、何故私が貴方の事を覚えていられるかなのだけど、貴方に能力を使ってあげた時の事、覚えてる?」
牡丹「俺が生まれた時とも言えるアレか…重要なのは俺との繋がりなんですね?」
輝夜「ご明察。私の能力に時間的な制約は無いわ。だからあの時からずっと肉体を維持しておいたのよ」
空「肉体を維持って…10年間修行して筋肉だって付いたのに?」
輝夜「肉体の貴方が動き始めてから、少しだけ条件は緩めたのだけど、そういった理屈でもないわよね。ご都合主義が当てはまるのではなくって?」
牡丹「本の中の世界にも影響を与えてきてたのか。他に俺と繋がりを持ったやつはいたっけか?」
空「だから夫婦になっておけば繋がりが出来て覚えてて貰えるってか?今度アイツに会ったら言ってやろう。下半身が幻想入りしたんですかってな」
牡丹「何ブツブツぼやいてんだ。自分に相談して無視されたのは初めてだぜ。あ、フランドールか」
輝夜「下半身での付き合いが繋がりとして良しとされるなら、急がないと貴方の居場所が無くなるかもしれないわね」
空「カッチーン。コノ野郎去勢ハ覚悟シテオケヨ』
牡丹「
空『ソリャモウ最硬ノタイミングデナニヲズバッ! ット』
牡丹「NTR寸前で割って入った所で…いや、切って入るのか」
空『NTRジャナクテBSSダゾ。ソコ間違エンナ』
牡丹「どっちでもええわ!フランドールにも接触しないとこの仮説を立証出来ん」
輝夜「行ってらっしゃい。もし覚えているのが私だけだったら貴方、私に依存しちゃうかも?」
空『フゥ…適度な距離感で頼むぜ」
牡丹「俺は姫様の説を信用してる。良い結果が報告されるのを楽しみに待ってな」
トウマ「ここが永遠亭か」
霊夢「そうよ。永遠亭の皆は大丈夫かしら…」
トウマ「さぁ出てこい牡丹空!お前は俺が殺してやる!」
???「何の騒ぎですか…?診療所の前で騒ぎを起こさないで下さい」
トウマ「おぉ、すまない美女よ。霊夢、彼女は誰だ?」
霊夢「八意永琳。この診療所の医者よ」
トウマ「なるほど...先程、牡丹空と名乗る者が此処に現れなかったか?」
永琳「牡丹空…さっき来た方がそのような名前でした。俺を覚えているかとしつこい人だったので、帰っていただき…あら?」
トウマ「何か不明な点でも?」
永琳「えぇ…いつの間にか目の前からいなくなっていたので、追い返した覚えが無く」
???「変ねぇ永琳。医者ともあろう貴方が、患者さんとの診察内容を初対面の外部の人間に漏らしてしまうなんて」
トウマ「霊夢」
霊夢「蓬莱山輝夜。この診療所のお姫様よ」
トウマ「お姫様、か。俺の妻にもそんなのがいたっけな…」
輝夜「で、どうなの永琳。今やった事を正当化できる理由はあるの?」
永琳「あまりにも彼の様子は可笑しかったので…この方を信頼しただけです」
輝夜「…あー調子狂うわね。もういいわ。そうそう、彼なら外部に協力を仰ぎに向かったわよ」
トウマ「…無駄な足掻きを。ありがとう。霊夢、次に奴等が向かう場所は分かるか?」
霊夢「紅魔館という洋館に…違う。此処に、来る」
トウマ「何だと?」
ビッ 牡丹空「おまたせ。待った?かぐや姫様」
かぐや姫様「待ちわびた…訳でもないけど。私の説は正しかったでしょう?」
???「そうね。この程度の説、私でも立てられたけれど」
輝夜「あら嫉妬?真っ先に自分を頼って貰えなかったからかしら」
???「ウフフ。コイツに呑まれてるかも」
お化け「嬉しいね。頼もしい奴等が覚えてくれていた」
トウマ「金髪のあの彼女は?」
霊夢「フランドール・スカーレット。紅魔館の悪魔の妹よ」
フランドール「すっかり説明役が板についているじゃない霊夢。そんな貴女はつまらないわ」
霊夢「な、何を…」
牡丹空「珍しい霊夢の形の1つを見れたと思えば良いじゃねぇか。何時もの霊夢を取り戻す戦い、手伝ってくれ」
フラン「勿論」
お化け「かぐや姫様も手伝ってくれるだろ?」
輝夜「良いわよ!張り切っちゃおうかしら!」
牡丹空「さぁ。こっちは引きこもり2体が相手だ。勝ち筋無いんじゃないの?」
魔理沙「トウマーッ!」
お化け「ワーオ」
フラン「見事なまでにご都合が良いわね」
牡丹空「ご都合主義な程度の能力とかかな」
輝夜「最強じゃないの」
トウマ「ま、魔理沙!?どうして此処に…」
魔理沙「トウマの事がやっぱり心配で…」
フラン「笑いを堪えるのが大変だわ」
お化け「俺ちょっと慣れてきた」
トウマ「分かった。一緒に戦おう。それで良いな、霊夢も」
霊夢「良いわ。誰が相手になるの?」
牡丹空「霊夢は輝夜と、魔理沙はフランと、
下半身「下半身…?お前は何を言っているんだ」
空『じゃあ…お前は何をやっているんだ?』
フラン「私の相手は魔理沙かぁ。今の貴女になら、例え弾幕ごっこであろうと負ける気がしないわ」
魔理沙「あたしがトウマを守るんだ…掛かってこい化物!」
フラン「私が化物?違うわ…私は悪魔だ」
輝夜「良いわねその決め台詞。私もそれっぽいの欲しいわ」
空『フランの奴、滅茶苦茶こっちに共鳴してくれてんな…』
フラン「貴方の感情がどんどん染み渡ってくるの。心が繋がってさえいれば良い、夢で言った通りでしょ?」
牡丹「フッ…10年越しに納得が行ったよ」
輝夜「私には貴方の感情を分けてはくれないのかしら」
空『俺にもまだやり方が良く分からないんで…俺に心を預けて下さりません?』
輝夜「まるで口説かれている様ね。さて、待たせて悪いわね霊夢。初めて会った時からかなり弱体化している今の貴女が、私に敵うと思うのかしら」
霊夢「時間稼ぎ位はさせて貰うわ!トウマが彼に勝つまでのね!」
牡丹「お厚い信頼なこった。顔会わせてからまだ数分だろうに」
輝夜「尻軽男や女にはやられないわ。だって私、重いもの」
空『尻が重い?あぁ安産g…尻が重くてその蹴りは出来ませんぜかぐや姫様』
輝夜「準備運動よ」
牡丹「一方は悪魔、一方はケツ、か。さぁ幻想郷。より注目するべきはどちらか教えてやる。刮目せよ!」
フラン「同じ棚に並べられてしまったわ」