〜元アクアマリン〜
ノリっノリで出発準備を整えた護衛さんは、鍛え抜かれた肉体を持つおっさんを連れて来た。
道中の護衛としては申し分無さそうなヒトだが・・・
「よろしくでッシュ! ボクちんは出雲の出身で元尼子家に仕えて居ました愛姫親衛隊の山中馬鹿no介幸盛でっシュ! 強敵(とも)のお誘いを受け是非とも参加いたしたく参りましたでッシュ。」
見た目と口調のギャップで笑わせる芸っすか!?
エンタメりょく高そうですねぇーー今は要らんけど!
「よろしくお願いします。 山中殿はどのような縁で親衛隊にご参加を?」
俺の問いに護衛さんはニカッと山中殿はニッコニコで
「ボクちんの事は是非是非『馬鹿no介』とお呼び下さい! ボクちんが親衛隊に参加したきっかけは尼子家再興の資金繰りのため、本願寺派の依頼を受けて姫様の拐かしを企んだ事がきっかけでッシュ。」
オイオイ、やばく無いか?
「大阪興行が終わり姫様が物見遊山にお付きの女中と二人だけとなった事があったのでッシュ。 これ幸いと配下と共に立ち塞がりましたところ、向かい合ったボクちんは姫の美しい相貌と惹き込まれるような瞳に釘付けになったのでッシュ。 それはもう心臓にばっキューンって感じだったのでッシュ! お付きのマドガミ様が持つ種子島から黒煙が上がってた気もしましたが些細なことでシュた。 撃ち抜かれたハートの衝撃と筆舌しがたい痛みは忘れられないでッシュ。 その後に配下と共に打ち捨てられたボクちんは落武者狩りの手にかかりそうになったのでシュが、間一髪!目覚めて雑魚どもを一掃したのでッシュ。 そして、なんの成果も得られず故郷に帰る面目も無く、死に場所を求めるが如く各地の合戦に参加していたのでシュが、ふと満月を見上げた時!美しい満月から姫様のお顔を連想したボクちんは気がついたのでッシュ! あの衝撃を今一度受けたいと! そして願いました『月よ!我に七転八倒を与えよ!』と、そうして人生の目的に気が付いたボクちんは親衛隊の門を叩いたのでッシュ。 今ではこの傷はボクちんの宝物でッシュ!」
そうして馬鹿no介は服をはだけると誇らしげに胸の傷を見せつける。 その穴の向こうでは護衛さんが良い笑顔でピースサインを送って来た・・・よく生きてんなぁ(汗
「馬鹿no介が長島スーパーアイちゃんランドへ拳ひとつでカチコミかけて来たのは良い想い出でござった。 あの日のダブルノックアウトは語り草よな♪」
「あの日以来慶次との勝負は100戦49勝49敗2引き分けで良い勝負なのでッシュw」
ガハハと笑う二人を見ながら俺は悟った。
あーやっぱりしっかりこれまで通りの残念さんじゃねぇか・・・