ガンダムSEED PHASE-44「螺旋の邂逅」にて、クルーゼのゲイツと戦うムウがもし、エールストライクだったら、という短編です。
少しあっさり過ぎたかもしれない。

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PHASE-44「螺旋の邂逅」 if戦闘シーン

 動けない〈クサナギ〉を護衛していたムウは、突如襲ってきた()()()()に驚いて周囲を見回した。

 

「――この感じ……、まさか!?」

 

 名状し難いこの感覚は、間違いなくラウ・ル・クルーゼが付近に居ることを示している。……しかし、だ。一体、ザフトがこのL4になんの用があるというのだろうか。

 そんなことを疑問に思いながらも、ムウは〈ストライク〉を返して〈アークエンジェル〉へと向かう。

 

「至急エールを用意してくれ! ……メンデルへ向かう!」

『え?』 

『あ? おい、おっさんっ!?』 

「おっさんじゃない!」

 

 ディアッカの言葉に言い返しながらも、ムウは低い声音でマリュー達へと告げた。

 

「……ザフトがいる!」

 

 

 

 〈ストライク〉のストライカーパックを〈エールストライカー〉へと換装し、ムウはディアッカの駆る〈バスター〉と共にメンデルの港口を抜ける。

 

 中へと入ると、視界に入ってきたのは一面赤褐色の人工の大地だ。住人の居ないコロニー内部は、一度徹底的な殺菌処理が行われていたために、微生物すらも住んでいない。コロニー廃棄の際に一緒に遺棄された研究施設らしい建物だけが、静寂の中に粛然と残されていた。バイオハザードで放棄される前までは、遺伝子研究の聖地として名高かった、その名残り。

 

 しかし、今のムウにはそんなものを見ている余裕はない。……クルーゼが居る。ただ、その感覚だけがムウの精神を極限まで研ぎ澄ましていた。

 〈ストライク〉のモニターの中に、二つの光点が煌めいていることに気づいたのと同時に、名状し難い感覚がムウを襲う。

 

「――来るぞ!」

 

 告げるのと、ほぼ同時。〈ストライク〉のセンサーが二機のモビルスーツを感知し、そのアップ映像と共に機体名が映し出された。一機は〈デュエル〉。そして、もう一機は――見たことも無い形状の、白銀の機体。

 

『え?』

 

 ディアッカが聞き返すのには反応すらせずに、ムウはビームライフルを構えて白銀の機体へと撃ち放つ。直後、相手の方からもビームの光条が伸びてきた。それをシールドで受け止めつつも、ムウは左手でサーベルを抜き放って白銀の機体へと肉薄する。

 

「新型かっ!? ……クソ、クルーゼっ!」

 

 白銀の機体が迫る。互いにビームライフルを連射するが、その悉くはシールドで防がれ、躱される。〈ストライク〉のビームサーベルが横薙ぎに振り切られるが、その先にあるのは()の機体の左腕に装備された(シールド)だ。

 ビームの火花が散り、モニター内がその光に当てられて明滅する。

 

『ここで貴様とまた戦えるとはな。嬉しいよ、ムウ』

「っ……!? クルーゼ!」 

 

 突然明瞭な声がスピーカーから聞こえてきて、ムウは思わず呻く。やはり、この機体の操縦者(パイロット)はクルーゼだったか。

 一度機体を引かせ、サーベルを戻して再びビームライフルを撃ち放つ。連射されるビームの光条を振り切り、(シールド)で防ぎながら、ムウはスピーカーに向けて毒突いた。

 

「貴様――、今日こそ……!」

 

 〈ジン〉と〈メビウス・ゼロ〉。今まではどうしても機体の不利があり、対等にクルーゼと渡り合うことが出来なかった。

 しかし、だ。今回は。この〈ストライク〉ならば。今度こそ、クルーゼを討てるかもしれない。

 そんな思いを胸に、ムウは機体を駆る。クルーゼの機体を再び捉えると、左腕のシールド部からは二連装のビームサーベルが煌めいていた。接近してくる白銀の機体を見やって、ムウは右手でビームサーベルを引き抜く。突撃。

 二機の機体が交錯し、次の瞬間シールドには二連装のビームサーベルが斬り付けられていた。

 

 ――――かかったな!

 

 ムウは胸中で会心の声を上げる。ビームサーベルを封じた今、クルーゼの機体はシールドが使えない。そして、今、〈ストライク〉の右手にはビームサーベルが握られている。

 ――勝った。そう、確信と共に操縦桿を引こうとした――その時だった。

 

『貴様に討たれるなら、それもまた――とも思ったがな、ここで』

「なに?」

 

 クルーゼの意味不明な言葉に、ムウは一瞬動きを止める。

 

『――だが、どうやら貴様はその器ではないようだ』

 

 次の瞬間。白銀の機体の腰部からはワイヤー付きのアンカーが射出されていた。

 

「なっ!?」

 

 ムウは咄嗟に操縦桿を引き、〈ストライク〉をクルーゼの機体から下がらせる。しかし、もう遅かった。

 〈ストライク〉の右腕が肩から切り飛ばされ、もう一つのアンカーがコックピットを穿ち、掠めていく。飛び散る破片の一つが、ムウの脇腹を突き刺した。

 制御を失い落下していく〈ストライク〉を何とか減速させる最中、ムウはクルーゼの声を聞く。

 

『所詮、()()()()()()()()――ということかな?』

「何を言ってるんだ貴様は!」

 

 機体を何とか立て直し、残った左腕でビームサーベルを引き抜く。〈エールストライカー〉のスラスターを全開に吹かせながら、ムウはクルーゼの機体へと突っ込んだ。

 

『なにっ!?』

 

 撃たれるビームライフルの光条をシールドで弾き、〈ストライク〉とムウはクルーゼの機体へと吶喊する。二連装のビームサーベルに光が煌めくのとほぼ同時。白銀の機体の左腕をたたっ切った。

 

『ちぃっ!?』

「クソっ! ここまでか!?」

 

 即座に反撃を食らい、ムウは光条を受けた〈エールストライカー〉をパージする。十分な推力を失った機体は、重力のままに赤褐色の地面へと落ちていった。

 

 

 

  ――→フリーダム登場へと続く。

 

 


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