エクシヴァルワールド フューチャー戦機XVGS   作:銀祐

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エクシヴァルワールドの中央にある大陸国家グランストライア。セイロスを中心にケテルナ、ダステル、ブラント、ストケイ、ドラクマといった6つの地方で構成されたこの国は「ヒュドラグルム」と呼ばれる機械生命体を率いる侵略者「グリフォギィラ」の襲来を受けていた。それらを対抗するべくグランストライアは技術を駆使し、最新工学「アストルムテクノロジー」を完成し、それを利用したブレイブマシンを搭乗する者を中心として結成した特殊防衛組織GJS(グランジャスティストライア)はヒュドラグルムを次々と撃破し、エクシヴァルワールドの救世主となった。彼らが少年少女の憧れになるのにはさほど時間がかからず、国民の希望はGJSの双肩にかかっているはずであった…


序章:ファーストフェイズ

【セイロス地方 ウェストライア基地付近】

 

ウェストライア地区、そこはセイロス地方の西部に位置する地域でケテルナ地方とダステル地方との境目でもある場所。そこへ騎士型ヒュドラグルムのザーカブ、悪魔型ヒュドラグルムのケムダーの大群が王都グランセイロスへと侵攻していた。その一方でエリュシオン基地ではGJSのブレイブマシンが出撃する事になった。GJSの新型ブレイブマシンとなるゲシュペリオン。量産型ゲシュペンストを元に、嘗てグランストライアが開発した伝説のブレイブマシン、「ダイユーシャ」と「ダイカイザー」を模倣して開発された機体である。今回はその次期主力機候補のテストを兼ねての実戦テストとして出撃したのであった

 

『各員に告ぐ、これより進軍するヒュドラグルムを殲滅せよ!』

 

『了解!』

 

ゲシュペリオンの指揮官機を操るのはGJS統括者であるトウハク・クロードウィンで彼の言葉に呼応するように他の隊員達は声を上げる。ゲシュペリオン達はブレイブソードによる斬撃とブレイブシューターによる射撃でザーカブとケムダーを次々と撃破していく。しかし他のケムダーとザーカブがゲシュペリオン達を攻撃した所にトウハクの指揮官機が迎え撃つ

 

『ここは俺に任せろ!お前たちは先に行け!!』

 

トウハクの指揮官機はブレイブシューターに専用のアタッチメントと合体する事でGブレイブシューターというバスターライフルとなる。トウハクはそれをケムダーとザーカブの群れに狙いを定める

 

『ターゲットロック…!ファイヤー!!!』

 

Gブレイブシューターから放たれた巨大なビーム砲がケムダーとザーカブを飲み込むように一掃されていき、次々と撃破されていく。しかし残ったケムダーとザーカブがゲシュペリオン指揮官機の足止めをするかのように攻撃を仕掛けた所にブレイブソードを専用のアタッチメントと合体する事でGブレイブソードという大剣で薙ぎ払う

 

『邪魔だ!!どけぇえっ!!!』

 

トウハクはゲシュペリオンを操りながら敵を圧倒していき、そのまま残りの敵も全て撃破した。その様子を見ていたディガルクの部下である隊員達が彼の元に集まってきた。彼らの活躍もあり、無事に敵の全滅に成功した

 

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【王都グランセイロス セイロス城】

 

城内の謁見の間では首相派トップであるダイムザント・クロードウィンとその側近であるザイアローン・ジブリアント、そして首相派の政治家及び門閥貴族たちがライブ配信で戦況の一部始終を見届けていた

 

「流石は首相の息子、並外れたパイロット技術ですな」

 

「当然だ。我が息子トウハクは英雄的に秀でた才能を持ちながらこの国も安泰する事になるだろうよ」

 

ザイアローンが言った後、ダイムザントは自身の息子であるディガルクの活躍に喜びを感じていた。何故なら世間ではGJSが初めてヒュドラグルムを倒した事で王都中の人々から称賛の声を浴びている。今やGJSはグランストライアにとっての英雄的存在であり、国民からの期待を一身に背負っている。だからこそダイムザントは息子のトウハクにGJSの隊長を任せるのだった

 

「首相、第二派が来ます。今度はバティカルタイプです」

 

「わかってる…トウハク、聞こえるか?」

 

先程のザーカブとケムダーの群れは第一波で次なる第二波は竜型ヒュドラグルムバティカルの群れだと想定したザイアローンが言い、ダイムザントの通信機で息子に連絡すると、すぐに返事が来た

 

『お呼びでしょうかお父様』

 

「第二波が来る以上迎撃に向かってほしい、それとお前の更なる実力を民衆に見せつけてやれ」

 

『わかりました』

 

その事を理解したトウハクは通信を切り行動に移す

 

(頼んだぞ我が息子よ…民衆共に英雄の存在が必要不可欠である事、そしてこの世界は私が支配し、私のやり方が常に正しいという事を知らしめるためにな…)

 

ダイムザントは何かを企んでいそうなことを思い、口角を上げ笑みを浮かべるのだった

 

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『敵の第二波が来るぞ。各員、警戒態勢に入り迎撃せよ』

 

『了解!』

 

ディガルクの指示に従うゲシュペリオン隊のメンバーは第二波となるバティカルの群れが来ることを想定し、迎撃準備に取り掛かった。そして進軍するバティカルの群れがゲシュペリオン隊と対峙しそうになったその時、上空から何かが飛来することになる

 

『ディガルク様、上空から未確認の機体がこちらに向かってきます!』

 

『何!?援軍か!?』

 

レーダーから何かが反応したと感づいた隊員がディガルクに知らせる。ディガルクは敵か味方かどちらの援軍なのか戸惑い始める。そして上空から現れたのはダイユーシャを彷彿するような白いブレイブマシン、ダイカイザーを彷彿するような赤いブレイブマシンがバティカルの群れとゲシュペリオン隊の前に降り立った

 

『一体どうなっているんだ?我々GJSはそのような機体を所有した覚えはないぞ…?』

 

余りの想定外さによって困惑するディガルクをよそに、バティカルの群れが襲い掛かろうとしたその時だった

 

『……ギンユーシャ、行動を開始する』

 

『……リュウセイザー、行動を開始する』

 

白いブレイブマシンであるギンユーシャ、赤いブレイブマシンであるリュウセイザーは襲い掛かるバティカルの群れに対して敢然と立ち向かう。まずは1体のバティカルがビームライフルで攻撃した所にギンユーシャが左腕から発生するリフレクター、プロテクトへクスで防ぐ。その後右腕から発射するワイヤーソード、アームドハーケンで反撃し、更にリュウセイザーが左腰部からロシュセイバーMVSを抜き、2体のバティカルを切り裂く

 

ギンユーシャは二丁のヴァリスライフルでバティカルを次々と蹴散らしていた所に4体のバティカルが一斉にビームランチャーで攻撃をしようとした所に背部の武装プラットフォームに8基装備された無線誘導兵器、ドラグーンスライダーが展開して放たれ、バティカル達に直撃させる。一方、リュウセイザーは背部に搭載されているペネトレーターキャノンを放った後、装備したユニットを分離して遠隔操作し、直接突撃させるフェニックスウイングでバティカル達を翻弄しながら撃破していく 二人の操縦者による息の合ったコンビネーションでバティカル達は次々に撃破されていき、あっという間に全滅させた

 

『すげぇ……あの機体は俺達と同じブレイブマシンだけどまるで違うぜ……!!』

 

『見た事のないブレイブマシンだ。まさかヒュドラグルムの群れをこのように圧倒するとは…!!』

 

圧倒的な強さを見せる赤いブレイブマシンを見て、隊員達は自分達とは格が違う事を理解した。あまりの強さにディガルクは驚愕する一方、他の隊員達はその圧倒的過ぎる力を目の当たりにして呆然としていた

 

『君は何者だ!所属と名前を言え!』

 

『……XVGS、それが俺たち』

 

『……そしていずれ解る事になる』

 

トウハクは通信機を使い、白と赤のブレイブマシンパイロットに呼びかけると、二人はそう答えた後、こんな所に長居は無用だと言うかのようにその場を後にしながら飛翔した

 

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「何なんだあのブレイブマシンは…!?我々はそんなものを製造した覚えはないぞ!?」

 

「落ち着いて下さい首相、確かにあのブレイブマシンは我々とは別のベクトルの技術で製造されたものかもしれませんが、あの性能は既存しているどのブレイブマシンよりも高性能なものです。そして分析した所によると一年前に王族派の連中が奪取した試作型ブレイブマシンの10機の内の2機と一致しています」

 

ダイムザントは焦りを感じ、ザイアローンは冷静になって分析した結果、一年前に自分達首相派に反旗を翻した王族派のメンバー達がグランセイロスにある施設内に強襲し、輸送艦ごと強奪した試作型ブレイブマシン10機の内の2機であると把握した

 

「試作型のブレイブマシンだと……!?まさか王族派の奴等、アストルムテクノロジーを解析して完成させたのか!?だとしたら厄介な事になったものだ……」

 

ザイアローンの報告を聞いたダイムザントは王族派がアストルムテクノロジーを解析して完成した技術だと察した。すると帰還途中だったディガルクからの通信が入る

 

『お父様に報告します。あの2体ブレイブマシンが何なのかそのパイロットに問いかけるとXVGSという組織に所属していると答え、そしていつかわかると言い残して去っていきました』

 

「それで?」

 

『しかし彼が言った言葉の意味がわからず、彼は我々の敵ではないと判断しましたが、彼の言った事が本当ならば、XVGSという組織は我々が思っている以上に脅威になる可能性があります』

 

トウハクが言った事にダイムザントは少し考え込む。ディガルクが言うように未知の技術で開発されたであろうブレイブマシンの存在も然る事ながら、その性能の高さにダイムザントはXVGSに対する危機感を募らせても動揺する事はなかった

 

「成程、お前がそこまで言うのなら、奴らはただのテロリスト集団ではなさそうだな……わかった、引き続き我が政策活動を怠らないよう気を付けろ」

 

『わかりました』

 

ダイムザントの命令を受けたトウハクは通信を切り、ウェストライア基地へと帰還した

 

「首相、この事がもし国民達に知れ渡れば大混乱に陥るのは間違いないでしょう」

 

「ああ、わかってる。あのヒュドラグルムは謎の侵略者が生み出した機械生命体という事になっているが実際は我々によって世界を一つに纏めるために作られた架空の悪を生み出し、GJSを組織して退治させようと同時に『悪い奴をやっつけるヒーロー』というエンターテイメント性を持たせたからな」

 

「私達のような政治家と言う名の独裁者のやり方が常に正しいのは知っての通りですが、そもそもグリフォギィラやヒュドラグルムを生み出したのは我々において他にはなく、それらを生み出した謎の侵略者という設定で君達が組織したGJSという自作自演のマッチポンプでエクシヴァルワールドの救世主になるつもりだったんだろう?そのために邪魔な国王夫妻を抹殺して、その後釜に座ったのは明白でございます」

 

「我々首相派がこうしてこの国の上層部として君臨したのは事実、しかし私の言ってる事はヒュドラグルムに関する事だが本当に重要なのはあの事件の事だ。そのために我々はグリフォギィラという悪を作り出し、GJSという正義を作り出す事で世界を一つに纏めようとしてきた。全てはそのためにあるのだよ…」

 

ザイアローンとダイムザントの言うこの事とはヒュドラグルムに関する事だった。ダイムザントはGJSとヒュドラグルムとの戦いで世界を一つに纏めようとするやり方や自身の思った事が正しいと言う考えに凝り固まっていた。その言葉を聞いたグリフォギィラはある事を思いついたかのように言い出す

 

「いつも通り事を運ばせる事に支障はないという事ですが、我々にとって都合の悪い真実を知る者は消さなければなりません。そう、得体の知れない連中が真実を民衆に知らせる前に…もしそうなってしまったら我等にとっては不味い事になります…」

 

「言われるまでもない。誰であろうと我々首相派による政治こそが絶対正義である以上、それを阻むような輩は徹底的に排除するのみだ。それが例えレジスタンスやテロリストであってもな……ザイアローン、ゲシュペリオンの他にも更なる主力は用意しているのならあのとXVGSという連中が次に何をしでかすかわからない。警戒だけは怠るな」

 

「わかりました」

 

ダイムザントとザイアローンはGJSに更なる発展を遂げるための戦力と架空の悪であるヒュドラグルムによるマッチポンプで世界を支配するための計画を進めていった

 

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その頃、白と赤のブレイブマシンは人工島らしき場所へ帰還し、格納庫に付くとコクピットブロックから降りてヘルメットを脱いだギンユウ・ミカドグニルとカツラギ・キヨスミールはグランストライアの現状を見て言葉を交わした

 

「ダイムザントを始めとした首相派の連中は自らが生み出したヒュドラグルムという悪でエクシヴァルワールド各地に侵攻し、GJSのブレイブマシンで退治させる。そして世界を一つに纏めた所で支配し、自分達こそが絶対正義として君臨するつもりなんだろうな。奴らが正義を名乗る資格なんて無いって事が何故理解できないんだ……!」

 

「今は怒りをぶつけるよりも先にやるべき事がある。まずは来るべき時へと向けて備えなければならない、そうだろ?」

 

「ああ、わかっている……」

 

ヒュドラグルムというマッチポンプ用の悪を生み出し、それをグランストライアの国民達が討伐する事でエクシヴァルワールドを一つに纏め、最終的には世界を我が物にしようとする悪しき陰謀に対しギンユウは怒りを露にする一方、そんな彼に諭したカツラの言葉で落ち着きを取り戻す

 

「ダイムザントは謎の侵略者グリフォギィラが生み出した機械生命体ヒュドラグルムとそれらに対抗するGJSによるマッチポンプでグランストライアの実権を掌握しようとしている。最早首相派は利権の為にグランストライアを支配し、私腹を肥やすだけの愚かな連中だ」

 

「そのためにも俺たちは国王夫妻と死んでいった俺たちの父さんや母さんを始めとした王族派メンバーの無念を晴らすためにも戦わなければならない。たとえ相手がどんなに強大であろうとも、俺達は最後まで戦い抜く。それがXVGSという救世主だ」

 

カツラギとギンユウはダイムザントによるGJSとヒュドラグルムによる自作自演の戦いと言う名の独裁政権を止めるべく戦う事を改めて決意する。それから月日は流れ、ようやく始動する事になるエクシヴァル・ヴァンガード・セイヴァー、XVGSは世界の命運を握る重大な使命を背負っていたのだった

 

|Not even justice, I want to get truth.《正義だけでは足りない、僕が求めるのは真実だ》

 

そのためにもグランストライアの国民やエクシヴァルワールドに住む人々に真実が必要となる…

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