【エクシヴァロン 食堂】
ここからはである作戦を行う前、XVGSの各チームはそれぞれランチタイムで食事を取っていた
「今回はユウキ達とは別々のミッションか…しかし妙な心残りがあるのは何故だろう…?」
「それはきっと寂しさの裏返しだと思うんじゃないかなぁ?」
「いや、それはないと思いますけど…しかしダイムザントを始めとした首相派は世界を好き勝手した上で自分達のやり方が正しいと言い切る程腐っていますからね……ヒュドラグルムで人々を襲った所でGJSという都合の良い道化で退治すると言うマッチポンプ、そしてその裏では首相派による新たなる世界秩序の構築を目論むと言った所でしょうか……」
「何にせよ首相派は自分達が上の立場である事に安心し過ぎな上で慢心している連中よ。そんな奴らに好き放題させる訳にもいかないわ」
チームユウキとは別々だが、共に戦う仲間がいる事を確信してるが故に違和感を感じるライネスと心残りがあるのは寂しさがあると言い出すリンク。そのリンクに突っ込むミセリアは首相派は自分達が世界を牛耳る事で甘い汁を吸い続けようとする悪党だと断ずる。それを聞いたユカリも彼女と同じ意見であった
「何か憂鬱な事でもあるんなら俺たちが力になるぜ!」
「同じXVGSである以上、気遣いぐらいは出来るつもりだけどな」
「……タクヤにヒュウガか。話を聞くのなら俺は構わないぞ?」
そこへ現れたのはタクヤ・キヨスミールとヒュウガ・ミソロヴェイルだった。彼等は今回チームライネスと共にミッションを追行するチームリーダーである。勿論二人のチームメイトにしてヒロインである6人も一緒だった。チームタクヤのメンバーは明るいピンクでロングヘアのチサキ・タズサリア、緑のツインテールのレオナ・ユメノシュタイン、水色のロングヘアーであるロッカ・アサフィナ。チームヒュウガのメンバーは白が掛かった水色セミロングのマシロナ・クラノスピカ、黒茶髪に長身のルイジア・ヤシオネル、桜色ツインテールのミュウル・サクランディア。3チームによる対談が今始まろうとしていた
「ダイムザントが独裁者であるのは知っての通りだけどヒュドラグルムという独善から生まれた殺人兵器を使って自分の意にそぐわないどころか自分達に怒りや憎しみを向けた人々を虐殺している。これは許されることじゃないわ…」
「それらをGJSという道化によって退治する…他にもヒュドラグルムがGJSによって使役されている事が判明した以上、何か良からぬ事をしでかすに違いないよ……もしGJSとヒュドラグルムがグルだった事を公になったらどうなると思うの?」
「人間不信に陥る……つまり裏を返せばそれだけ騙され苦しめられた事で強い恨みを抱く事になる。そして憎悪はやがて復讐心へと変わり、ダイムザントは世界に対する復讐者となるんじゃないのかな……?」
「そう、ダイムザントはその事を想定してヒュドラグルムやGJSを率いて自身に憎しみを向けた報いとしてそういった輩を殲滅しようと考えているに違いないよ」
チサキとミセリア、マシロナはダイムザントのヒュドラグルムやGJSといったマッチポンプ要員を利用して自分に逆らう者や邪魔者を抹殺する事しか考えていない独裁者思考に対して静かな怒りを抱いていた
「見方を変えると独裁者に対して怒りや憎しみを向けるのは言うまでもなくそれらのせいで全てを失い、その怒りや憎しみが限界に達した時、人は暴力という形で爆発してしまう事があるのも無理ないわ……」
「しかも当然の報いとして虐殺される羽目になってしまうなんてまさに自殺行為以外の何物でもないけど、私達だったら同じ境遇の者を生み出さない信念へ昇華させる事だって出来る筈よ」
「その通りだよ。いくら大事なものを奪われたからといって後先考えず自分の思う通りのいかないのを歯痒く思って誰かに当たり散らすような真似をするのは決して正しいとは言えないよね。私達はその事を忘れてはならないんだよ」
ルイジアとレオナ、そしてリンクは自分達ならそんな悲劇を繰り返さない為にも怒りや憎しみをぶつけるのではなくその想いを受け止めた上で主張する
「確かにダイムザントは自分の為だけにこんな自作自演染みた事を平然とやってのける卑劣な独裁者なのはわかる。だけどそのやり方が正しいでと言って許されると思ったら大間違いやお」
「そうだよ、ティアナさんの両親である国王夫妻をヒュドラグルムで亡き者にした事を正当化刷るなんて間違っているんだから」
「ヒュドラグルムの事は勿論許せないけどそれを悪用しようとしている事もまた然りだわ。そんな奴らの思い通りにさせないためにも私たちは全力で阻止しなきゃいけない事なのよ」
ロッカとミュウル、ユカリはダイムザントのやり方が正しいとは思っていないと否定し、それを聞いたミセリア達も同意するように大きく首肯して見せる
「ヒュドラグルムとGJSが単なるマッチポンプ要員だけじゃなく、何の関係もなく巻き込まれて被害に及んだ人々を敵と見なして排除しようとするなんてどうかしてるぜ!」
「今では種族による差別と個人に対する憎悪事態が奴等にとっての悪である以上、自分達が正義と信じ、非がある相手を理解せず一方的に身を苦しめて心を虐げる独裁を正当化してる程狂っている……だからこそ俺達が止めるしかないんだ……」
「同感だ、グランストライアだけじゃなく、他の大陸国家を支配するためのマッチポンプや独裁を企んでいる。しかも自分が正義だと思い上がっているのは明白だ。最早ダイムザントは同じ人間とはとても思えない……」
タクヤとヒュウガ、ライネスは自分勝手な独裁者であり、世界を牛耳って甘い汁を吸いたいだけで人々を踏み台にするダイムザントを筋金入りの外道だと断じる。そんな独裁者を許す訳には行かないと彼等は改めて強く決心した。その後食事を済ませてエクシヴァロンの格納庫へと向かった
【エクシヴァロン 格納庫】
チームライネスのミッションはダステル地方の東方で行われているGJSの新型主力ブレイブマシンのお披露目会をチームタクヤ、チームヒュウガと共に強襲するというものである。ユースベルクとグラムグレイスの他に今回初登場となるタクヤのレヴァンティアとヒュウガのガルドラシア、そしてメイガスイレンとマグノフリートがそれぞれα、β、γの順に並ぶ
『カタパルト、スタンバイ。進路クリア、各チームブレイブマシン、発進どうぞ』
『チームライネス、行きます!!』
『チームタクヤ、出るぞ!!』
『チームヒュウガ、行きます!!』
エクシヴァロンのオペレーターの声がコックピットに木霊する中、電光掲示板らしきものから「BRAKES」、「THROTTLE」「CATAPULT」の順で右の列が「CLEAR』に変わった瞬間、反電磁反発作用による加速Gに耐えながら合計12機のブレイブマシンが出撃する
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【ダステル地方 東地区】
チームユウキが向かっていた所とは別の市街地にはミノタウロス型ヒュドラグルムのアルヴァスとバトロイド型ヒュドラグルムのアグゼリュスが進軍していた所に一体のブレイブマシンが立ちはだかっていた。そのブレイブマシンの名はラギアントグリフ、グランセイヴァーに続くGJSが開発した新たな主力機で操るのはGJSのメンバーであるマゴロク・シドーインだ
『新たな主力機であるコイツのウォーミングアップには丁度いい数だな…徹底的にやってやるさ!!』
アルヴァスの大群が攻撃するが、ラギアントグリフは背面のウイングに搭載されたマトリクスミサイルを発射して攻撃する。更にはアグゼリュスが剣で斬りかかろうとするも右背面に装備されたメガハルバードで応戦し、逆に押し返した後に斬り倒す
『そう簡単には倒せんよ!この新機体、ラギアントグリフの性能をたっぷり味わわせてやろうじゃないか!!』
マゴロクはラギアントグリフのメガハルバードで次々とアルヴァスとアグゼリュスを倒していき、更には左背面の収束荷電粒子砲「ラギアブラスター」と敵を一掃していく。防護シールドに守られた貴賓席に開発者達が歓声をあげる中、GJSの指揮官にしてマゴロクの姉であるムツミは冷静に見ていた
「ダイユーシャを元にしたのがグランセイヴァーでダイカイザーを元にしたのがラギアントグリフ、ダイムザント様は伝説のブレイブマシンを元にゲシュペリオンとは別のベクトルとなる主力を考えたようね。最近では国民達が何やら私達に不満を抱いてるのは知っているけどダイムザント様に刃向かうのであれば容赦はしない」
GJSへの不満を募らせている国民の事を知っていてもダイムザントを信じるムツミは冷徹な表情を浮かべる。その一方でマゴロクはラギアントグリフを乗りこなし、アルヴァスとアグゼリュスを悉く撃墜していく
『何だもう終わりかよ?あまり大したことないなぁ…今までのヒュドラグルムが雑魚過ぎたのか?』
『あまり余計な事を言わないで頂戴マゴロク。ダイムザント様が今まで以上に歯ごたえのあるヒュドラグルムを用意してくれるはず、だから油断は禁物よ』
『わかってるよ姉さん。だけどこんなザコ共相手にしても俺達なら楽勝だろうよ』
『相変わらず口が悪いわね……まあ良いわ、もしどこぞの獄潰しが出て来たらその時はあなたに任せるわよ』
『ああ、任せてくれよ!』
マゴロクの軽率な態度にムツミは呆れながらも弟の活躍に期待していた。この所GJSがヒュドラグルムを退治する事が多く、人々にとって英雄として崇められているのは表向きで、実際はマッチポンプや自作自演をしているだけに過ぎない。そのせいで何の関係もなく巻き込まれて被害に及んだ人々が反旗を翻そうとしても憎しみしかないため、自分達にとっては都合の良い悪として排除する。そのためか自分達への不信と失望感を害悪と看做して弾圧しているのは言うまでもなく正義と信じ、理解せず逃げ、知らず聞かずに非がある者を責めて傷つけるのを悪だとは思わない。だからこそダイムザントは自分達にとって邪魔な存在を悪とみなして正義の名の下に粛清しようとしているのだ
(怒りや憎しみ、苦しみや悲しみ、妬みや歪み、そのような悪循環に等しい負の連鎖を引き起こすものが人間足り得るなんて事はあってはならない。それを断ち切るためにもそう言った負の連鎖と言う悪を屠る正義が我々には必要となる…ダイムザント様はそんな私達から怪物以下に等しい負の感情から解放してくれる存在なのだから……)
悪を裁き、正しき道へと導く救世主を待ち望むようにムツミは心の中で呟いていたその時、レーダーから何かが反応した
「ムツミ様達にお知らせです、周辺の上空から未確認の機体が12機こちらに向かってきています」
「まさか……!」
オペレーターの報告を聞いたムツミはすぐにモニターを見ると、そこにはXVGSのブレイブマシン12機が接近しつつあった。どうやら新型主力機のお披露目会を襲撃するつもりらしい
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無事に着陸したXVGS側のブレイブマシン12機はダステル地方に降り立ち、周囲をレーダーで索敵するとゲシュペリオンの軍団が姿を現す
『早速現れたな、自分達のやり方が正しいとしか思えない悪循環共が』
『やっている事がよっぽど質が悪いから無理もないか、そうと決まれば一気に片づけてやるぜ!』
『そういう事だ!行くぞ独裁者の犬どもめ!!』
ライネスとタクヤ、ヒュウガ掛け声と共にブレイブマシン12機はゲシュペリオン軍団に向けて突撃する
『こいつ等は人の心の悪い部分を理由に悪人としか見ていない…それ故に人を傷つける事を躊躇わず、そして自分だけが良ければそれでいいと思っている…だがそれは間違っている!』
ミセリアのグラムグレイスαはメルクストレイターでゲシュペリオンを狙い撃つ
『自分勝手な正義を信じ、非がある者を理解せず逃げた奴等なんかに負けない!』
『あんたらみたいなのがいつまでも調子に乗っていられると思わないでよね!』
リンクのタイプγはセイクリッドバスター、ユカリのタイプβはグラムブラスティアによる2体のグラムグレイスの攻撃がゲシュペリオンを斬りつける
『あなた達が「助けてくれ」と言われても、私達は助けないからね!!』
『そういう事よ!アンタ達の反吐が出そうな自己中心的な考えなんて私達が叩き潰すんだから!!』
マシロナのマグノフリートαは長剣(太刀)であるマグノリアブレードでゲシュペリオンから戦う力を奪った後に切り裂き、チサキのメイガスイレンαは二丁銃剣であるレディアントスターでゲシュペリオンを蹂躙する
『貴方達のような身勝手で非がある人を踏み台にする卑怯者は決して許さないわ!!』
『被害に及んだ人たちを何やと思っとるねん!?』
レオナのメイガスイレンβは強力なハンマーであるプラウドバスターの一振りでゲシュペリオンを粉砕した後、ロッカのメイガスイレンγは長剣アステールヴィントの斬撃でゲシュペリオンを両断する
『随分と身勝手な事をしてくれたそうね…!これ以上独裁を正当化するのなら容赦はしないわ!』
『そんな人の苦しみや悲しみを蔑ろにして自分達だけが良い思いをしようとするの貴方達を私たちが許すわけには行かない!』
ルイジアのマグノフリートβはヘビィボウガンを元にしたメイルデトネイターから放つエネルギーを物質化して作ったハープーン(銛)型の弾丸でゲシュペリオンを撃ち抜き、ミュウルのマグノフリートγはガンランス型武器であるリリカルランサーで突き刺して破壊する
『自分勝手な理由で国民を理不尽や不幸な目に遭わせた独裁者の手先め!お前らだけは絶対に倒す!』
『お前らのような正義を騙って非がある人々を犠牲する似非ヒーローに情けはかけねぇ!』
ヒュウガのガルドラシアはガルガーノセイバーでゲシュペリオンを薙ぎ払い、タクヤのレヴァンティアはシリウスブレイカーによる強力な斬擊でゲシュペリオンを悉く撃破していく
『正義のためとはいえ、怒りや憎しみを抱いた者を悪と見なした上で手にかける事が果たして正しいと言えるのか?悪と決めつけて排除する事が本当に正義と呼べるものなのか?俺たちはそんな正義を認めない…!だから俺達が証明してみせる……!正義とは弱者を虐げて悪を排除するものではなく、正義の名の下に非がある者を一方的に裁いたり踏み台にしたりするような存在ではないと……!』
ライネスのユースベルクはゲシュペリオンの大群にユースメガランサー一つで立ち向かい、それからゲシュペリオンの群れを斬りつけて破壊する
『悪と罵られようとも構わない……!それでも俺たちは戦い続ける……!それが俺達に出来る事、未来への希望を繋ぐ事なんだ……!』
そう言ったライネスだが、そこへ何かが近づいて来た
『この世に悪があるとすればそれは人の心…その醜さが悪を生み、その美しさが善を生む、そもそも何で表裏一体となるはずのものが一つに纏められないかわかるか?それはな、人間の心そのものが「醜」と「美」という相反する概念が混ざり合っているからこそ存在するからだよ……』
現れたのはマゴロクのラギアントグリフだった
『お前が例の新たな主力機だな?GJSがヒュドラグルムを倒そうとするマッチポンプでしかない事は既にわかっている。それにさっき言ってた事についてだが何を意味する?』
ライネスはラギアントグリフの搭乗者であるマゴロクに問いかけると、彼は無言のまま立ち去ろうとしていた
『ミセリアに皆、俺は奴を追う!ここは頼んだぞ!!』
『いいけど大丈夫?』
『心配はいらない。それより、あいつの言葉の意味が気になるんだ』
ミセリアはライネスを心配していたが、ライネスはマゴロクが発した言葉の真意を確かめるべく、彼の後を追いかけていった。そして市街地の外れにユースベルクとラギアントグリフが対峙する
『もう一度だけ言う、この世に悪があるとすればそれは人の心ついてだが何を意味する?返答次第によってはお前をここで駆逐させてもらうぞ!』
『そう言うと思ったよ、全てはダイムザント様が望む世界と正義のためにお前達のような無法者の獄潰しは目障りだ。ここで始末してもらう!!』
そう呟いたマゴロクはラギアントグリフを動かし、ユースベルクに向けてメガハルバードを振り下ろす
『くっ……!』
咄嵯に回避行動を取ったユースベルクはメガランサーによる反撃のラッシュで応戦する。そこへラギアントグリフがメガハルバードで攻撃した所にユースメガランサーで防ぎながら攻め続ける
『正義だと!?ふざけるな!自分の都合の悪いものは悪と言い張る独裁者に加担する道化が!!』
『そう言われても結構!俺たちに怒りや憎しみなどを向けた時点で既に悪と看做されて当然なんだよ!!歪みも暴走もな!!』
ダイムザントという独裁者に加担しながら自分たち本位の正義を信じるGJSのやり方に対して否定するライネスと例えそうだとしても怒りや憎しみ、苦しみや悲しみ、妬みや歪み、そのような悪循環に等しい負の連鎖を引き起こした時点で悪と判断し、排除する事が正しいと豪語するマゴロク。両者の主張は平行線を辿る一方であった
『人の心の醜さが悪を生み、人の心の美しさが善を生むとしたらその事を理解するのもまた人間だ!故に俺たちは己の醜さを否定せず、それを受け入れる事で己の美しさを自覚する事が出来る!正義の名の下に悪を粛清する行為はただの虐殺に過ぎない!』
『自分の悪意を否定しないのは勝手だが、結局は不完全に過ぎないんだよ!!俺たちは不信感や失望感、不幸や絶望が大嫌いだ!!それが人間足り得るものだとしても嫌いなものは嫌いなんだから絶対なる正義の前では人間足り得るものなんて存在しない!!』
ユースメガランサーで何度も斬りつけるユースベルクとそれをメガハルバードで受け止めて押し返すラギアントグリフ
『なら俺たちがお前達を徹底的に叩きのめしてやる!自分勝手な正義を信じて戦う事しか出来ない哀れな独裁者の操り人形であるお前らをな!!』
『黙れ!そんな善悪両面などの表裏一体を肯定する矛盾に満ちた考えは受け入れられん!所詮は不完全である以上完全に等しい俺たちに勝てるはずがない!!』
両者は武器をぶつけ合いながら激しい攻防を繰り広げる。そして両者は突撃し、フルパワーで激突する。ユースベルクのユースメガランサーとラギアントグリフのメガハルバードが一閃した時、どちらもダメージを受けていた。そこへラギアントグリフのコクピットにムツミからの通信が入る
『その辺にしときなさいマゴロク、これ以上の戦闘は無意味なものよ』
『姉さん!?どうして……』
『もう充分データは取れたわ、そろそろ帰還してちょうだい』
『わかりました……』
マゴロクは無念にも撤退を余儀なくされた
『命拾いしたな、次は容赦しないぞ……その前にお前たちは一体何者なんだ?』
『エクシヴァル・ヴァンガード・セイヴァー、XVGSだ』
『XVGS……その名前覚えておくよ』
マゴロクがその名前を呟き、ラギアントグリフはその場を立ち去った それからしばらくして、ライネスのユースベルクはその後合流したXVGSブレイブマシン部隊に交戦の一部始終を話した
マゴロクがその名前を呟き、その場を立ち去った それからしばらくして、ライネスのユースベルクはその後合流したXVGSブレイブマシン部隊に交戦の一部始終を話した
『大丈夫かライネス?』
『ああ、何とかな…奴等は人間のマイナス面を強く嫌っているのは明白だ。不幸や絶望を否定し、幸福や希望を肯定したいがためにGJSという絶対的な正義を信じ、非がある者の苦しみや悲しみを理解せず、事情や意見すら知らず聞かずなまま、ひたすら自分達が清廉潔白でいられたいと思ってるらしい』
『そのためには人間にとっての悪意の象徴たるヒュドラグルムを悪と決めつけ、それを討滅する……か。まさにマッチポンプだな……善悪両面が嫌だからといって鏡写しを壊して砕いて屠るなんて事は……』
『確かに奴等の言い分も間違ってはいない。だが、それはあくまでも一面でしかない。奴等の主張はあくまで「悪」を憎むという「善」の部分でしかない。それは「醜」と「美」という表裏一体の概念が混ざっているからこそ存在するものであり、完全なる正義などというものは存在しない。人は誰だって完璧じゃないからこそ他人と触れ合う事で成長できるし、助け合っていけるものだろう』
心配するタクヤに言われたライネスは大丈夫だと返答し、更にはGJSが自分達の正義を至上主義としている上での「悪」への憎悪は表面的な部分であり、本質は正義の名の下に悪を裁く事で完全無欠の正義の存在になろうとするエゴイズムだと指摘する。ヒュウガはこぼれ落ちた人間の悪意をヒュドラグルムと言う架空の悪をGJSが正義のために討滅するマッチポンプで善悪両面を否定、鏡写しを抹殺している事に憤りを感じた。それに対しライネスはGJSのやり方は完全無欠の正義に固執するあまり、正義という名のエゴイストである事を明かし、人間は不完全である事を認める事が大切なのだと訴えた
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【エクシヴァロン ブリッジ】
「グランセイヴァーにラギアントグリフ…奴等はゲシュペリオンとは比べ物にならないブレイブマシンを開発していたのか…」
「GJSは今後更なる強力なブレイブマシンを作り出すつもりだろう……それに奴等の独裁は架空の悪であるヒュドラグルム退治で民衆から名声を得るだけじゃなくそれらを使役して自分達に怒りや憎しみを向けた人間を虐殺する事で恐怖政治を行う事も出来る……これは我々にとっても厄介な問題になるぞ……」
「そう言った負の感情しかない理由で悪と看做されたのね…ダイムザントは正義を至上主義としている上で悪を絶対に許さないという姿勢は徹底的過ぎるくらい強いわ。それこそ、悪は死すべしという思想で動いているみたいだし……」
「怒りや憎しみだけじゃなく、歪みや暴走までもが抹殺対象となれば、もはや救いようがないな。あの独裁者は自分に否定的な感情を抱く者を全て敵であり、悪であるという歪んだ価値観で凝り固まっている。だからこそ悪を滅ぼす事で自らの正義を証明しようとしているようだし、それが完全無欠の正義だと思い込んでいるのさ」
フリーデルとクーランが言った後、クーランの妻であるミネリコとフリーデルの妻であるヘレーナはダイムザントのやり口に不快感を示す
「正義なら何をしても許される、それが正しいって思ってるの事を免罪符にして自分の気に入らないものを片っ端から殺していくなのは独裁者の類なのが分かります……ダイムザントのせいで大事なものを奪われて全てを失った人々もいるはずです」
「私も家族を殺されて居場所を奪われた人がいるのにその人達の気持ちを考えずに正義のためと言いながら悪を殲滅して自分が正しいと思い込む傲慢な独裁者を許すわけには行きません。人々の怒りも苦しみも悲しみも蔑ろにして自分だけが完全無欠の正義になれると信じ込んで自分以外の人間は全て悪であると決めつけて根絶やしにするなんて事はあってはならないのです」
オペレーターであるチズル・ケントルシアとメグリア・エルファリウスはダイムザントの思想に対して嫌悪感を示し、正義を理由に負の感情と言う名の悪を徹底的に弾圧する事で許されるはずがないと判断する
「……ダイムザントの正義を絶対視して己のエゴを貫き通そうとするその信念は侮れないものがあるな。自分とその私兵に等しいGJSが正義であると盲信し、悪は滅びるべきという考えは奴自身の独善性が強く出ている。そして、その考えこそが恐ろしいところだ」
「正義を貫くためには何をしてもいいと思っているのでしょう。ダイムザントの正義は自分とGJSの存在意義そのものであり、それを疑う余地はない……そんな風に思っているのかもしれないわね」
「奴の正義は悪は存在してはならないというエゴイズムそのものであり、そのためならばどんな犠牲を払おうとも構わない、例え無関係な一般市民を巻き添えにしても構わないと思っていそうだろう」
「これから先どうするか考え物だね…ところで二人とも、この間新しく整備班に入ってた二人はどうしている?」
「まだ入ったばかりで時々失敗する事もありますし、不慣れな部分もあると思いますが、それでも一生懸命に仕事をこなしています」
「まだまだ覚える事は多いけど、やる気は十分にあると思いますね」
クーランとミネリコ、フリーデルとヘレーナは今後ダイムザントがいつ何をしでかすか分からない事に警戒しつつ、整備員として入ってきた新人達の様子をチズルとメグリアに問いかけるが、二人は新人だからこそ一生懸命に頑張っていると返答した
【エクシヴァロン 格納庫】
【エクシヴァロン ブリッジ】
「グランセイヴァーにラギアントグリフ…奴等はゲシュペリオンとは比べ物にならないブレイブマシンを開発していたのか…」
「GJSは今後更なる強力なブレイブマシンを作り出すつもりだろう……それに奴等の独裁は架空の悪であるヒュドラグルム退治で民衆から名声を得るだけじゃなくそれらを使役して自分達に怒りや憎しみを向けた人間を虐殺する事で恐怖政治を行う事も出来る……これは我々にとっても厄介な問題になるぞ……」
「そう言った負の感情しかない理由で悪と看做されたのね…ダイムザントは正義を至上主義としている上で悪を絶対に許さないという姿勢は徹底的過ぎるくらい強いわ。それこそ、悪は死すべしという思想で動いているみたいだし……」
「怒りや憎しみだけじゃなく、歪みや暴走までもが抹殺対象となれば、もはや救いようがないな。あの独裁者は自分に否定的な感情を抱く者を全て敵であり、悪であるという歪んだ価値観で凝り固まっている。だからこそ悪を滅ぼす事で自らの正義を証明しようとしているようだし、それが完全無欠の正義だと思い込んでいるのさ」
フリーデルとクーランが言った後、クーランの妻であるミネリコとフリーデルの妻であるヘレーナはダイムザントのやり口に不快感を示す
「正義なら何をしても許される、それが正しいって思ってるの事を免罪符にして自分の気に入らないものを片っ端から殺していくなのは独裁者の類なのが分かります……ダイムザントのせいで大事なものを奪われて全てを失った人々もいるはずです」
「私も家族を殺されて居場所を奪われた人がいるのにその人達の気持ちを考えずに正義のためと言いながら悪を殲滅して自分が正しいと思い込む傲慢な独裁者を許すわけには行きません。人々の怒りも苦しみも悲しみも蔑ろにして自分だけが完全無欠の正義になれると信じ込んで自分以外の人間は全て悪であると決めつけて根絶やしにするなんて事はあってはならないのです」
オペレーターであるチズル・ケントルシアとメグリア・エルファリウスはダイムザントの思想に対して嫌悪感を示し、正義を理由に負の感情と言う名の悪を徹底的に弾圧する事で許されるはずがないと判断する
「……ダイムザントの正義を絶対視して己のエゴを貫き通そうとするその信念は侮れないものがあるな。自分とその私兵に等しいGJSが正義であると盲信し、悪は滅びるべきという考えは奴自身の独善性が強く出ている。そして、その考えこそが恐ろしいところだ」
「正義を貫くためには何をしてもいいと思っているのでしょう。ダイムザントの正義は自分とGJSの存在意義そのものであり、それを疑う余地はない……そんな風に思っているのかもしれないわね」
「奴の正義は悪は存在してはならないというエゴイズムそのものであり、そのためならばどんな犠牲を払おうとも構わない、例え無関係な一般市民を巻き添えにしても構わないと思っていそうだろう」
「これから先どうするか考え物だね…ところで二人とも、この間新しく整備班に入ってた二人はどうしている?」
「まだ入ったばかりで時々失敗する事もありますし、不慣れな部分もあると思いますが、それでも一生懸命に仕事をこなしています」
「まだまだ覚える事は多いけど、やる気は十分にあると思いますね」
クーランとミネリコ、フリーデルとヘレーナは今後ダイムザントがいつ何をしでかすか分からない事に警戒しつつ、整備員として入ってきた新人達の様子をチズルとメグリアに問いかけるが、二人は新人だからこそ一生懸命に頑張っていると返答した
【エクシヴァロン 格納庫】
「今回のミッションで傷ついたブレイブマシンは万全な状態にしなければならない!次なる戦いに備えるため、整備と修理を行う!特に新入り、いつも失敗ばかりだが俺たちがお手本を示さなければならない!」
「「はい!」」
「いい返事だ。まずは損傷具合の確認からだ。ブレイブマシンは傷つけばそれだけ動きが鈍くなる。そうなれば戦闘に支障をきたし、最悪大破する事もある。だから、ブレイブマシンは傷つく前にしっかりとメンテナンスを行い、常にベストコンディションにしておく事が大事だと心がけてほしい。その仕事ぶりを目に焼き付けて今後の参考にしてほしい」
「「わかりました!」」
「ところで新入り、名は何て言うんだ?」
「アルス・R・シディス。アビオニクス専門です」
「わ、わたしは風花・R・シディス…です…火気管制照準専属で…ひゅ」
「ああ、とりあえず持ち場についてくれ」
メカニックチーフがクイッと親指を向けブレイブマシンに向かえとさす…が
「うわああ!?」
「お、お兄ちゃん!…す、すいません、お兄ちゃん。なにもないところで転びやすくて…」
「ったく…とりあえず片してから担当機体にむかいな…あれさえなければ最高なんだがな」
ケーブルに絡まるアルスを助け出しながら風花がひたすらに謝り、ベテランのチーフは頭をかきながら持ち場へ還っていった。この時XVGSはまだ知らなかった、GJSとの戦いがまだ見ぬ第三者の介入によってさらに激化していく事を……