まだ海賊がいた時代、商船が海を進んでいると1隻の客船を見つけた。
普段なら気にせず通り過ぎる船長だったが、あまりにも客船に人の気配が無く、船同士が海上で連絡を取り合う為の道具を使ってもなかなか返事が帰ってこないので、船長は少し近くを通る事にした。
客船の近くまでくると人の気配が無い理由が分かった、海賊だ。海賊にやられたんだ。
海賊に妻子を殺された過去を持つ船長は酷く心を痛めながらも、生き残っている人が居ないか探すことにした。
客船の周りに商船を固定し、乗組員と船長の計4名で捜索を開始したが、案の定生き残ってる者はおらず、酷い匂いを放つ死体と荒らされた貨物が散らばるのみ。
女性の死体が無いことからおそらく使い道がある者は殺さずに連れていったのだろう事が分かった。
しばらく客船を捜索していると1人の乗組員がオルゴールの音が聞こえると言い出した。
オルゴールは昔から海の悪魔を呼び寄せると伝えられており船長と乗組員は海賊に襲われ、幽霊船と化したこの客席を海の悪魔が迎えに来たのではないかと、とても怯えた。
しかし、よくよくその音色を聴いてみるとどこかの部屋から聞こえている事が分かり探してみると、食料庫から聞こえてくる事が分かった。
船長と乗組員が意を決して部屋に入るとそこには食い散らかされた食料達と女性の死体があり、生きてる人がいる様にはとても見えなかった。
そして、オルゴールの音色は女性の死体の後ろにある樽から聞こえてくる事がわかった。
恐る恐る船長がその樽を開けてみるとそこには酷く汚れた、しかし生きてる少女が入っていた。
少女は酷く怯えた表情をしていたが、自分達は海賊では無いことを説明していくうちにその表情は安心へと変わり涙を零しはじめた。
船長は泣き止んだ少女に何があったのか聞くと、どうやら海賊が急に船に乗り込み、人を殺し始め、騒ぎになったので少女の母は少女を連れてこの食料庫に逃げ込んだらしい。
そして悲鳴がだんだん近づいて来たため、母親は少女に、この樽に入って何があっても声を出さないこと、2日以上たってから物音がした時にこのオルゴールを鳴らす事を少女と約束し、少女の入った樽に蓋を閉めた直後、食料庫に海賊が入ってきて母親を殺し、そこにあった食料を食べながら騒ぎ始めたらしい。
そして半日ほど海賊達が騒いだ後も母親とした約束どうり、樽の中に隠れていたそうだ。
そして我々が船に乗って来た音が聞こえたのでオルゴールを鳴らし始めたとの事だった。
状況をある程度把握した船長は少女に商船に乗らないかと提案し、少女はその誘いを受け、商船に乗り込む事を決意した
。
数日後、とある客船が海賊に襲われたであろう商船を見つけた。
end