どきなさい!私は「お姉ちゃん」よッ!!   作:とろねぎ

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ねえ待って私どんな顔して会えばいいの?

 

 

 

 

力を失った長生きさんが少しずつ弱ってくの好きなんですよね

 

でもふざけるのはやめません

しっとりしたらいつものアークナイツになっちゃう

 

あと二人可愛い方のウルピが来たら完凸なのにッ...!

 

ウルピ■■■

「堕落に小躍りする愚図はどこだ。」

 

あっそっちじゃなくて

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

オペレーターたちで賑わっている、朝の食堂。

その中でよく知った顔が居たものだから、なんとなく近寄ってみた。

 

「おはよ...って何よその顔。随分なご挨拶ね。」

 

端正な顔立ちを驚愕の色に染めているのを見ると、なんだか段々腹が立ってきた。

 

「あ...あなたをこの時間、この場所で見ることがあまりにも珍しあ゙ーーッ!アイアンクローはやめてくださいましーッ!

 

「別に私がいつどこでなにやってたって良いでしょうが。」

 

「ひぃ...ひぃ...それは、その通りなのですが...」

 

「朝は厨房手伝ってるのよ。今は一段落したから休憩中。それで...そのパンケーキ、美味しい?」

 

綺麗に切り分けて口へ運ばれていくパンケーキの様なものを指さして聞いてみる。

 

私のパンケーキ発言に少しだけ眉をひそめると、切り分けた分を飲み込み、ちゃんと文句を言ってきた。

 

「パンケーキというのはあながち間違いではありませんが、これにはシルニキという立派な名前がございますのよ?」

 

「そうね。あなたの故郷の朝食でしょ。」

 

「えぇその通りで...なんで知っておりますの?あ、さてはまた読みましたのね?」

 

私のアーツを知っているアヴドーチャはマジックのタネを見破ったようにドヤ顔で答える。

でも残念。

 

「だってそれ作ったの私だし。」

 

「エッ?」

 

「毎朝同じ時間に同じ物頼んでくれると準備が楽でいいわね。」

 

「え、そ、その言い方...まさか、いつもあなたが...?」

 

「うん。」

 

「どうして...?」

 

「暇だし毎朝手伝ってるのと、もし何かあった時、文句言われに私が出てきたら毒気抜かれるんじゃないかって。」

 

「打算的すぎませんこと?」

 

「でもそういうのを抜きにしても、意外と他の子たちからは好評みたいよ。なんだったかしら...おふくろの味、だったかしら。」

 

「それ言ってるの男性オペレーターの方々ではなくて?」

 

「よくわかったわね。」

 

「......はあ...」

 

何よそのため息。

 

「ちなみになんか問題があったら私がここまで来て土下座するからよろしくね。」

 

「よろしくありませんわ!?」

 

「その後は腹を切って詫び申すからよろしく。」

 

「全くよろしくありませんわ!!?」

 

「......ぷふっ。はー、おもしろ......あ、私はもう上がりだから時間の心配はしなくて結構よ。結局はただのお手伝いさんなわけだし。」

 

「わらわ、まだ何も言っていないのですが...もしや今度こそアーツを...」

 

「顔見れば分かるわよ。単純ドゥリコンループス。」

 

「日に日にわらわの蔑称が増えてまいりますわ...」

 

「いいじゃない。今度自分のあだ名をまとめた記事でも出してみたら?少なくとも私は見るわよ。」

 

「恐らくですが、その九割はあなた産のものでしてよ?」

 

「そうだっけ?ごめんなさいね最近歳のせいもあって物忘れが激しいのよねぇ。」

 

朝でまだ活力が湧いていないのか、えらく冷たい目で私を見るアヴドーチャ。

 

「ほらちゃんと食べないと一日やっていけないわよ。」

 

「食事を一切しないあなたに言われるわらわの気持ちをお考えになったことは?」

 

「無いけど?ところでアヴドーチャ、リサ見なかった?」

 

「あなたが見ていないのでしたら見ておりませんわね。」

 

何よその意味不明な断り方は。

 

「チッ、使えないドゥリコンだ...」

 

「泣きますわよ?それで......なにふぁ、もんふぁいは?」

 

「食べながら話すな...えぇ大問題よ。なにせ...」

 

「んぐっ...なにせ?」

 

「私以外の人が作った朝食になるじゃない。そんなのだめよ、もし万が一おかしなものでも入れられたら...!!」

 

「.........ここまで杞憂という言葉が似合う状況、なかなかございませんわね。」

 

「*極東スラング*」

 

「はあ、朝から物騒ですこと。」

 

「*ぎこちないシラクーザスラング*」

 

「しょ、食事中にやめてくださいまし!?何を言っているのか分かりませんが、発音からして不穏でしてよ!」

 

発音これで合ってたっけな...久しぶりに使ったわねシラクーザの言葉。

 

そんな雑談も食堂の賑わいに溶け込んで行った頃合いだった。

 

視界の端で、クリーム色のふわふわが近付いてきたのは。

 

「お姉ちゃんと、パゼオンカお姉さん...ふわ...おはようございます...」

 

色々乗ったトレイを持ち、あくびを噛み殺しながらやって来たのはリサだった。

 

「おはようございます。」

 

「おはよう。もしかして寝坊?」

 

理由を言い当てられたからか、罪悪感に苛まれた顔で頷いた。

 

ついさっき起きて、急いでご飯を食べに来た感じかしら。

 

「そうなのね。じゃあ...はい。こっちおいで。その可愛い寝癖直してあげる。」

 

「シロツメさん???」

 

「うん...」

 

「スズランさん???」

 

膝をぽんぽん叩いて呼べば、リサはいそいそとその上に乗る。

 

「わらわがおかしいんですの?」

 

「どう?寝起きのリサ、可愛いでしょ。」

 

軽く飛び跳ねた寝癖を直しながら、信じられないものを見るような目のアヴドーチャに妹の可愛さを自慢しておいた。

 

「いえそういうことを聞いているのではなく。このような場でも当たり前のように乗せるのですのね...」

 

「リサは綿毛のように軽いからね。」

 

「いえあなたの脚の心配をしている訳でも無く。多くの方が集まる場で恥ずかしくは...聞いております?」

 

「夜更かししちゃった?それとも寝れなかった?寝れなかったのならその原因を私が処してくるわね。」

 

「...ん...」

 

「あ、ゆっくりでいいからね。」

 

跳ねの無い可愛らしい後頭部に戻ったリサは、もそもそとトーストやら何やらを口に運んでいた。

 

...今シャッターチャンス?シャッターチャンスじゃない?

寝坊リサなんて珍しいもの残しておくしかないわ。

 

「ねえ、アヴドー「お断りいたします。」祟るぞピンクループス。」

 

「や、やめてくださる!?あなたが言うと冗談に聞こえませんのよ!」

 

「私にそんな力あるわけないじゃない。」

 

ぎゃーぎゃー騒いでいる間にも、順調にリサは朝食を口へ運び、皿の上を片付けていた。

 

湯気の立つコップに口をつけて、ほうと一息ついたらしい。

 

「その...寝れなくって。」

 

「そうなの。それはまたどうして?」

 

詳しく話を聞こうとしたら、リサは恥ずかしそうに耳をぴこぴこさせて...

 

「えっとね...明日が、楽しみで...」

 

「何かあるの?」

 

「...お姉ちゃんは、何も無かったの...?」

 

「どうして私に聞くの?」

 

私が何の気なしに答えるとリサは随分ショックを受けたような顔で耳をへにゃらせた。

 

「だって...ママが、来るんだよ?」

 

「はい?一体どこから母様が...」

 

「ドクターさんから聞いたの。今日からママがロドスに来るんだって。」

 

「待って私聞いてない...」

 

どういう訳か頭の中では、あのフードにバイザーの不審者がムカつく顔(見えないけど)でダブルピースしてる絵が思い浮かんだ。

 

あいつマジでっ...!

 

「久しぶりにママに会えるって思ったら、なんだか眠れなくって...」

 

「えぇ分かった。分かったから...これ以上情報量増やさないでちょうだい...」

 

俯いてリサの頭をわしゃわしゃしていると、アヴドーチャは心底不思議そうな顔で私たちを見ていた。

 

でも見ていただけで、口を開くのはリサが食器やらの返却に歩いて行ったのを確認してからだった。

 

「そんなに大事なのですか?ロドスにご家族が来ることくらい、特段珍しい話でもないと思われますが。」

 

「アヴドーチャ、夜道には気を付けるのよ。」

 

「な、なんの忠告ですの!?」

 

「仕事柄ちょっとね...しかもリサの言い方的に今回は訪問じゃなくて駐在...えっ駐在?」

 

「自分で言ったことに驚かないでくださる?えぇと...どのような方かお聞きしても?」

 

「完璧主義の遅刻魔。」

 

「一言で矛盾するのやめてくださる?」

 

だってそうなんだもん...

 

「はあ...ちょっとドクター殴ってくるわ。」

 

「あ、はい。行ってらっしゃいませ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁ今日もいい仕事日和だな!外見えないけどアッハッハ「ドークータァァ???」ハァァァン!!?」

 

酷い独り言を遮って、執務室に突入。

 

「い、イヤァァァ!!殺される!!助けてテンニンカ!デイブレイクバーストしろテンニンカ!!コスト回収してダメージ反射しながらブロック3で能力無効と脆弱付けながら対空で敵を殲滅しろテンニンカ!」

 

「何言ってんの?あとそれアヴドーチャが聞いたらクロスボウ片手に乗り込んでくるからやめましょうね。」

 

「あぁうん...それでどうしたの?」

 

「どうしたのって...よくそうもしらを切れるわね。今日、母様が来るんでしょう?」

 

「......バレたか。スズランから聞いたのかな?」

 

「大正解。なんでリサには教えて私には黙っていたのよ。上手く言い訳できたなら口の中でペヤング作るぐらいに抑えてあげる。」

 

「ねえそれ死なない?」

 

「口内カップラーメンが何言ってんのよ。」

 

「いや辛くて死んじゃう。」

 

「意外ね。消化できるものならなんでもいいのだとばかり思ってた。」

 

「辛いのは嫌いだ。甘そうな見た目の物は...余計に。」

 

あんまり面白い話題じゃなかったみたいね。

 

「あぁそれで...君にだけ黙っていた理由か。ロドスに来る旨の手紙は先月貰っていたんだ。ただ、君にだけ黙っているように書いてあってね。」

 

「はあ...母様はまた一体何を...」

 

「考えているのかしら。」

そう続けようとした瞬間、見計らっていたかのように扉の開く音が聞こえた。

 

最初はリサかと思っていたのだけど、足音が違う。

 

静かな沈み込むような足音と、かすかに聞こえる布擦れの音。

 

...なんだか汗が出てきたわ。

 

「『どうしてか』なんて、分かりきっていることじゃないか。」

 

肩掴まれてる...

 

「私が来ると事前に知っていたのなら、その日無理にでも格好を付けようとするだろう?例えば...慣れないイメチェンとかね。」

 

「あー...はは...よくお分かりで...あとこれはイメチェンじゃないのよ...」

 

「そうなのかい?まあ話は後でじっくり聞くとして...」

 

手馴れたように私の頭を撫でて、ドクターに歩み寄る。

 

「リサの言う『なんでもできるドクターさん』を見に来たよ。リサが世話になっているね。こっちの()()の娘は何か粗相をしていないかな?」

 

「その呼び方やめてちょうだい...イングリッド母様...」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

シロツメ...心臓が止まるほど驚いたけど、『いつ死んでも大丈夫か』となんかダメな方のキマリ方した

 

スズラン...『パパも来てくれないかなぁ』って思ってる。可愛いね

 

パゼオンカ...毎日友人の手作り食べてたという絶妙な爆弾を落とされたピンクループス。

「このモヤモヤはドゥリン観察で解消ですわ!」

 

ウルピスフォリア...年上の娘に何があったのか切実に気になる。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

あとがき

 

この機会にシロツメのモジュール作るか...

 

 

 

 

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