原作開始時でボルトがイタチと同じくらいの年齢で、ミナトとクシナの子供として生まれていたらどうなっていたのかという設定の小説です。

とある掲示板で「ここだけボルトがミナクシの子供」というスレタイで議論されていた内容に基づいて書きました。

今のところ続きが思いつきませんが、一応供養として上げさせていただきます。

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1話

<始>

 

 昔、昔、誰かに頭を撫でてもらった気がする。昔、昔、誰かに生まれてきて嬉しかったと言われた気がする。

 そして、いつもこれで終わる。

「お…はずっとお前の味方だからな」

 昔からこんな夢を見続ける。この夢が何なのか、今でもよくわからない。

 

 

 ────────────

 

「起きたかの。ナルト」

「……三代目のじいちゃん……」

 瞼の奥に光が落ちてきて、眩しくて目を開けるとそこには三代目のじいちゃんの顔があった。

そこにはいつもの優しそうな顔があって、何の不審さもない。

それなのに、オレ自身は何かを隠しているような、そんな気がしてしまう。

 

 

「……じいちゃん……オレってばさ……」

「なんじゃ? ナルト」

 特に疑問もなく話を聞いてくれる三代目のじいちゃんにこんな質問をぶつけるのは駄目なのかもしれない。でも聞かないと何かが、どこか遠くに行く気がした。

 

「昔から変な夢を見るんだ……誰かが頭を撫でて、……何言われたか全部覚えてないけど、最後に「お前の味方だからな」って言われるんだってばよ……」

「……」

「オレの妄想なのかな……って思うことも多いだけど……なんでこんな夢を見るのか分からなくて……」

「……ナルト……それはじゃな……」

「オレの家族って一体どうなったんだってばよ……?」

「……」

 

 一番聞きたかったことをぶつけた。それに三代目のじいちゃんは困ったような顔をしてしまった。

でもいつもじいちゃんはそれにちゃんとした答えを用意してくれない。今だって、ほら

 

 

「ナルト……それはお前が考える必要のないことじゃ……そろそろアカデミーの時間じゃ……遅れてしまうぞ」

 こんな風に風に巻いて有耶無耶にしてしまう。

それでも別に三代目の爺ちゃんを困らせたいわけじゃない。だからいつも、そんな風に有耶無耶にされても気にしないようにしている。

 

 

「そうだってばね……じゃあ行ってくるってばよ。爺ちゃんもそんなに俺んち見に来なくても大丈夫だってばよ!」

 そう、気にしなければ、大丈夫だ。

 

 

 ──────

 

 アカデミーでは相い変わらずのドベ街道を爆走している。正直抜け出そうといくら努力しても、上手くいったためしはない。

でもいつか火影になって皆にオレの力を認めさせるためなら、こんなの辛くない。

 辛いのは、誰の目にも自分の姿が映らないことだ。

 

 

「今日の授業では変化の術をやるぞー」

 イルカ先生の声と共に今日の授業のお題を知る。今日は変化の術らしい。まぁ、オレにとってはこんなの楽勝だってばよ! 

 

「うちはサスケ……っと……合格だ」

 サスケの名前が呼ばれて、前に出て変化の術を成功させていく。その姿を見て自分も奮い立つ気分だった。

「次、うずまきナルト!」

 きた、こんな時のためのとっておきの術があるんだってばよ! 

「へっへーん! こんなのお茶の子さいさいだってばよ!」

「さっさとやる!」

 

 

「変化の術!」

 きれいな女の人の姿を思い浮かべてやった変化の術は、直前に思い浮かべていた夢の中の兄ちゃんに代わってしまい、そのまま発現してしまった。

 

 

「な……ナルト……お前……変化の術ができるように……」

「やだ……あの人カッコいい」「な……なに……あの人カッコいい……」

「サスケくんの方がカッコいいわよ!」

 クラス中のみんなが騒ぐのが分かる。でも自分にはどうしてこうなったのか分からない。

 

「お前……いつ変化の術ができるようになったんだ! いや、その変化しているのは一体……」

「えっ……これは……」

「そうだぞ! ナルト! それにその姿は誰なんだよ!」

 イルカ先生やキバまで騒ぎ始めて、どんどん収拾がつかなくなっていく。

 そんな混濁になった教室に説明するのが面倒くさくなって、別の術を発動した。

 

「……っ……おいろけの術!!」

「「グハッッ!! ~」

「そのまま退散だってばよ!」「あっこら! 授業はまだだぞ!」「へっへーん!」

 変化で出した妙齢の女性の裸体を見て、鼻血を噴き出した先生たちを放って教室のドアに身を乗り出す。そのまま階段へ直行して屋上へ乗り出した。最後に聞いた怒鳴り声を聞いて少しだけイルカ先生のことが不憫になった。

 

 ──────

 

 快晴の日和。アカデミー屋上には誰もいないはず。いや、一人いた。

「よう……ナルト」

「なんだってばよ……シカマル……お前もいたのかよ」

「いちゃ悪いのかよ」「いや?」

 

 

 そう言って寝そべっているシカマルの隣に寝そべった。

 

「お前……さっきの術……」

「なんだよ。シカマルもそんなこと気にするのかよ」

 

 意外だった。いつも面倒臭そうで何も興味を示さない男が、あんな小芝居じみた悪戯に興味を示すなんて。

 でもシカマルは頭を掻いて面倒臭そうながら話し始めた。

 

「……いや、別にそういうんじゃねぇ」

「じゃあなんなんだってばよ」

「……変化の術っていうのは姿を思い描いて発動するもんだ。お前の架空の姿に変化するやつは中々できるもんじゃない」

 

 この男がこんな話を珍しい……と思いながら聞いていたら、続けて話をしてくれた。

「心に何か引っかかり事がある時に変化の術が誤発動するとも聞く。何かあったんじゃねぇよな?」

 なんだか回りくどい言い方をするなぁ……と思っていたが、最後が言いたかったらしい。

「オレのこと心配してくれてんの? シカマル」

「御託はいいから早く言え」

 

 少しだけ迷ったけど、シカマルにならいいかと思って話すことにした。

 

「よく……夢に見る兄ちゃんなんだってばよ」

「夢に見る? なんだそりゃ」

「おかしいだろ? でもそうなんだってばよ。会ったこともないと思うし……。

それにいつもこう言われて夢が終わるんだってばよ。

『ずっとお前の味方だからな』ってな」

 

「…………」

「三代目のじいちゃんも知らないって言うし……」

 

 

 そこまで言ってシカマルが突然聞いてきた。

「お前はそいつに会いたいのか?」

 

 そう言われると答えに困るけど……

「多分、オレは会いたいってばよ……」

 

 すると、急にシカマルが立ち上がってらしくないことを言い始めた。

「だったら会うために強くなるんだな。お前なら」

 それに対する答えは……これしかなかった。

「あぁ。会うためにオレは強くなるってばよ……」

 

 ────────

 

(三代目火影視点)

 老いて未だ火影で、それでさえ未だできないことも多い。

 

 目の前にいる、金髪の暗部面、そしてナルトの兄であるこの男はその筆頭だった。

「いいのじゃな……? たったひとりの弟を置いて暗部になどと……」

「オレはナルトが安全でいれば、それでいい……ダンゾウの手からナルトを守るためにもそれが一番だ」

 そう正論を口にする暗部面に反論も浮かび上がってこない。

 

 

 

「そうか……お主の覚悟は良くわかった。じゃが、忘れるでないぞ。ナルトがお主のたった一人の弟であるように、お主もナルトのたった一人の兄であることを」

 

「忘れはしません。するはずがないですってばさ……オレがオレであるためにも」

 

 

 そう言って立ち去ろうとした男を遮って、最後の願いを口にした。

「お主の口癖が久々に聞きたいのぉ……ナルトも似た口癖をしておるからの」

 そして促された男は、ゆっくりと口を開いた。

 

「……オレは何があってもナルトの味方だってばさ……これでいいか? じいちゃん」

 

 

 そう言ったボルトの姿は一瞬、昔の、四代目が存命していた頃の姿とダブって、感慨が溢れるものだった。

「あぁ、お前が、またナルトと過ごせる日々が来るよう、ワシも努力させてもらうぞ」

 

 

 これは、生き別れた兄弟の話。そしていくつもの困難を乗り越えた先に、再び再開する物語である。

<終>




続き思いつかない…

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