TS金髪ロリになる、デュエルアカデミアに入学している   作:紙吹雪

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他にも遊戯王二次投稿してるのに増やしてやるぜヒャッハー!
まああちらがちょっと詰まってるので気分転換に……ネ

プロローグと初デュエルを押し込んだ為に無駄に長いです
あと殆ど見切り発車です
ほぼ書き溜めがないです
_:(´ཀ`」 ∠):




夢を見ているみたい

 

 目が覚めると、見知らぬ部屋でした。

 俺が今陥っている状況を簡潔に説明するとこうなる。

 全く意味が分からないだろう?

 俺も困惑しているから安心して欲しい(?)

 

 まさに、「知らない天井だ……」ってところ。

 このセリフを現実で言う時が来るとは思っていなかった。

 これが誘拐されている状況ならそんな呑気に構えている余裕はないけども。

 

 なんとなく誘拐では無い……気がする。

 ほんと何となくね。

 身体の何処も痛みはないし、縛られてもないし。

 

 俺はふかふかのベッドに寝ていた。

 この寝心地は中々殺人的だな。

 真冬は寝転んだ者を決して離さない魔のアイテムになるに違いない。

 どうしよう、こたつから中々抜け出せないタイプの人間なんだけど。

 

 部屋の内装は結構煌びやかと言うか、お金持ちの部屋って印象。

 と言うかアレだな、殆ど高級ホテルだな。

 まさにそんな感じな部屋だ。

 小さなバスルームが付いてるし、ベットは馬鹿みたいにデカい。

 

 ……そう言うホテルじゃないよねここ?

 違うよね?

 

 まあ、俺の自宅よりもよっぽど豪華——

 

 

 

 

 ——いや、そもそも自分の部屋がどうなのだったか思い出せない……?

 

 

 

 

 ……駄目だ。自分のことが全く思い出せない。

 年齢や家族構成、自分の名前とか。

 目覚める前の記憶すら全く分からない。

 性別が男だったことは辛うじて覚えてるけど……名前も忘れてるのは辛いな。

 

 ……うーん、やっぱりどんだけ頑張っても思い出せない。

 頭に靄がかかってるみたいだ。

 

 取り敢えず、ベッドから身体を起こす。

 照明も明るいし、ほんと高級ホテルの一室みたいだ。

 そんな高いお金かかりそうなとこ、泊まった記憶ないけど。

 顔のすぐ横にあったカーテンを開けると……ってあれ、なんか手が小さいような?

 まあいいか。外は学園みたいな風景が広がっていた。

 校舎とか、中高校生くらいの子供達が集まっていたりとか、そんな感じ。

 

 あれ、もしかしてここは学校?

 いや、逆に学校じゃないならあんなに沢山の生徒っぽい人達は居ないよね。

 よし、ここは暫定学園だ。そう判断しよう。

 

 ふむ……よく見たら、制服と思われる服装を皆着用しているのだが。

 どうやら青色と黄色と赤色の計3色のバリエーションがあるらしい。

 あれ、これどっかで見たことあるような?

 

 

 ……あっ、(察し)。

 

 

 い、いやまだそうと決まった訳ではないし……

 何か、俺が今居る場所が何なのか分かるアイテムがないかと部屋を今一度見渡す。

 

 すると、テーブルの上にある物を発見した。

 

 

 デュエルディスクとデッキだ。

 

 

 あっ、ふーん……(確信)

 

 

「いやいやいや! も、もしかしたら夢とかかもしれない、し……?」

 

 思わず声を出した俺。

 その声の高さに強烈な違和感を覚える。

 これは、まるで……

 

「っ!」

 

 急いで部屋の鏡の前までダッシュする。

 ピッカピカの鏡に映った自分の姿は……金髪の美幼女だった。

 

 腰まで届く長くサラサラとした触感の金髪に碧眼のまぁるい瞳。

 顔立ちは嬉しいやら悲しいやら、滅茶苦茶整っていると思う。

 唇はリップはしてないと思うのに綺麗なピンク色で鼻先は高くてちょい外国人チック。

 服装は寝巻きだけど、ちょっと大きめなのか袖がダボついている。

 これが俗に言う萌え袖ってやつか……

 頭にはリボンが付いていて、まるで童謡に出てきそうなお姫様みたいだ。

 

 ……さっきまで寝ていたのになんでリボンが付いてるんだろう。

 あれか、小学生が買ってもらったランドセルを背負って寝るみたいな?

 いやそこはどうだっていいんだ、重要なことじゃない。

 

 ああもう……本当に夢でも見ているみたいだ。

 頬を引っ張ってみたけど、残念ながら痛いだけで目は覚めない。

 あとこの頬めっちゃ伸びるな。餅みたいだ。

 

「これからどうしよう……」

 

 声もよく聞いてみれば我ながら声優みたいな声が出る。

 うーん、近い声質を挙げるなら悠◯碧さん辺りか……?

 って、自分の名前は思い出せないのにそんなことは覚えているのか。

 なんで肝心な所だけ忘れてるんだか。

 

 

 なんだよ……1つだけでお腹いっぱいなのにいっぺんに来るなよぉ。

 いや、片方だけと言われてもアレだけど。

 TSに遊戯王世界に転移だろ?

 あー、自分の頭が混乱しているのを感じる

 

 ……これからどうしよう?

 取り敢えずここがデュエルアカデミアである可能性が濃厚と。

 つまり、下手を打てばデュエルで命を落とすかもしれないと。

 

 いやいやいや、怖過ぎでしょ。

 ()、多少デュエルは嗜んでるけど殆どただの一般人ですけど?

 いきなり世界単位の危機とか来ても困っちゃうよ。

 今は可愛らしい女の子なのに……

 やだやだ、無理無理怖い!

 

 

 

 ……なんか思考が女の子っぽくなってる。

 いかんいかん、私は元男今でも精神は男……

 ああもう、いつの間にか一人称が変わってる。

 

 ええい、今はそれは後回しにしちゃえ。

 更に部屋を漁ってみよう、そうしよう。

 

 

 

 その成果で分かった情報が以下の通りである。

 

 

・この金髪ロリの名前は不二木アリスと言うらしい。

・私はオベリスクブルーの生徒である。

・なんか特別待遇枠の生徒で授業はいくらでも欠席して構わないらしい。

・保護者らしき人物が超過保護。

 

 

 こんなところかな。

 なんか親が学園にどうこう言ってるみたいだ。

 いや、正確には親と思しき人だけど……まあ普通に考えて両親のどっちかでしょ。

 そんで、私は幾らでも授業を休める権利があるみたい。

 何それ怖い。何の為に私をこの学園に入学させたの……?

 と言うか授業全部休めるって行く意味最早ないでしょ。

 

 生憎、この肉体の記憶はまるでない。

 なので親(仮)が何故そのようなことをするのかと言う理由が全くちんぷんかんぷんなのである。

 親の顔すら分からない始末である。

 残念ながら異世界転生はハードモードだったようだ。

 

 そんで、部屋の中を歩き回っていると放送がなった。

 どうやら月一テスト、つまるところデュエルの実技試験を行うらしい。

 

 ……デュエル。デュエルかぁ。

 

 紙は金銭的な都合で辞めちゃったけどゲームの方では割とやり込んでいた方である。

 【種族操作】や【コントロール転移】なんかを好んで使っていた。

 なので、持っているデッキ次第だけど割と自信はあるのだが……

 

「なんだこのデッキ……アニオリにこんなカードあったっけ?」

 

 少なくとも、OCGでは見たことがない。

 アニメの方は……駄目だ、思い出せない。

 大分昔に見たっきりだからだろうか?

 軽くデッキを見たけど、これならまあ何とか戦えそうだ。

 アニメ効果の三幻魔とか来たら厳しいけど。

 ……いや、本物の神よりはマシか。

 ヲーがラーになってるんだろうなきっと。

 

 ふと、私はハッとあることに気が付いた。

 覚えていることなんて殆ど無かったのに、遊戯王知識は思い出せる。

 まあ、アニメのことは殆ど思い出せないんだけども。

 だが、カードの効果とかは大体覚えている。

 

「……実技試験、行くか」

 

 別にサボっても良い……のだと思う。

 でも必ずサボれって訳でもないし、折角の機会だ。

 本場のデュエル……本場……デュエルの本場ってなんだ……?

 まあいい。とにかくアニメみたいなデュエルができるならちょっとやってみたいよね。

 

 正直な話、いきなりこんなことになって今ちょっとテンパってるけど……

 デュエルをしたら落ち着けるんじゃないかな。

 少なくとも、あーだこーだ悩んでうじうじするよりはマシな筈だ。

 頭を働かせた方がいくらか気は紛れるだろう。

 

 リアルだと一緒にやる友達は記憶にないし。

 まあ、忘れちゃってるだけかもだけど……

 い、いや、きっと忘れてるだけに違いない。

 多分何人かは居たに決まってる!

 

 

 ……よし、行ってみようかな。

 

 うふふ、ちょっと楽しみだね……

 

 あ、駄目だこれ。完全に思考が女の子になってる。

 ……もう面倒だし私女の子でいいや。

 男だった記憶も曖昧だし、いっそ前世(?)も女だったと思い込もう。

 うん、そうしよう。

 

 ええと、制服はっと……あれ、無い。

 クローゼット内にはおしゃれな服はいくつかあるけど制服だけがない。

 と言うかなんだこのコスプレみたいな衣装は……

 今日日コミケでもこんなロリータファッション見ないでしょ。

 コミケ行ったことないけど。

 

「えぇ……?」

 

 取り敢えずパジャマのままはアレだし、適当に着替えてから向かうか……

 それにしても制服すらないってどう言うことなの?

 一応は生徒でしょうに。

 

 結果、私は物語の中から出てきたお姫様みたいな格好で実技試験に向かうことに……

 これは私のファッションセンスが酷い訳じゃないのだ。

 マジでそんな感じの服しかなかったのよこれ……はぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 幸いにも迷うこともなく実技試験場にやって来れたようだ。

 人が沢山集まってるね。

 

 あ、クロノス先生だ。【アンティーク・ギア】とか懐かしいなぁ……

 うん、やはりここはGXの世界だね……

 さてと……主人公こと遊城十代の姿は何処かな?

 

「お、おい。あいつって……」

 

「ああ、間違いない。あいつは例の……」

 

「まさか、あのお姫様が実技試験に出てくるなんて……」

 

 

 この身体は耳が良いのか、そんな話し声が聞こえてきた。

 私、そんな扱いナノーネ。

 つーか姫ってお前……

 

 

「あの引き篭もり姫が外に出てくるとは……」

 

「ああ、てっきり俺はただの噂だと思っていたよ……」

 

「……ふん。あれ程までの特別待遇を受けている奴がどんな奴かと思ったらただのチビじゃないか」

 

 おい最後。誰だ貴公、名を名乗れぃ!

 

 ……万丈目だった。いや、万丈目さんだった。マジか。

 制服が青いから多分アニメの時系列はかなり初期だ。

 この後なんか……黒くなるんだっけ?

 うーん、こんなところまで記憶が曖昧。

 

「オウ、シニョーラ不二木!? 何故ここにいるノーネ!?」

 

 ……なんだこのラノベの無双物みたいなセリフは。

 もういいや。気にしてたら疲れる。

 生クロノス先生よりもそっちを気にしてしまった。

 

「何か問題ありますか?」

 

「と、特にないノーネ……」

 

 なんで私こんな権力者になったんだろう。

 いつから教師が手下みたいに……いや、気にしないでおこう。

 この頃のこの人小物だったような気がするし。

 

 さて、私がデュエルする相手はだーれかなっと。

 なんか私が視線を向けると顔を逸らす生徒が多かった。

 万丈目さんはそんなことないけど……

 

「……早くデュエルしたいな」

 

 この大人数にずっと見られているのは流石にちょっと落ち着かない。

 しかも1人だけ制服じゃ無くてお姫様のコスプレみたいな服着てるし。

 

 ……あ、デュエルの対戦相手は自分達で決める訳じゃないんだ。

 おっ、十代君発見。ついでに丸藤翔君もみっけ。

 三沢大地も無事に見つけた。空気とか呼ばれてるけど彼。

 あとメインキャラで見つけてないのは……

 

「ねぇ、あなた」

 

「……はい?」

 

 話しかけられた声に振り返れば……遊戯王GXのヒロイン(?)こと天上院明日香が居た。

 おおう……実際に目の前にするとすげー美人(と巨乳)。

 

「ほら、行くわよ」

 

「えっ」

 

 ……対戦カードを確認すると、そこには

 

 

天上院明日香 VS 不二木アリス

 

 

 との文字が。

 なるほど。最初の相手はこの人か。

 

 天上院明日香。

 遊戯王GXのヒロイン枠。

 スタイル抜群のやや強気な美女。

 たしか、デュエルが恋人とか言っていたような気がする。

 

 ……この人アニメでどんなカード使ってたっけ。

 まあこの頃のカードならそこまで怖いカードはない筈。

 

「……分かった」

 

「貴女の実力……見定めさせて貰うわ」

 

 彼女は鋭い目付きでそう言うとデュエルリングへと歩いて行く。

 ……なんか、妙に敵意が強い気がするのは私の気の所為だろうか。

 え、私何かした? 君のお兄さんとも何の関わりもないよ?

 ……ないよね?

 単に全然姿を見せないいけすかない生徒の実力を知りたいだけ……だよね。

 

 そう思おう。

 ああ、でも……

 

 アニメの……二次元のキャラに生で会えるなんて、わくわくするじゃん。

 

 

 

◻️◻️◻️◻️

 

 

 

 噂だけは聞いていた。

 親のコネで授業も何もかもを免除されている、とんでもない生徒が存在すると。

 

 別に、オベリスクブルーの誇りが〜とか、そんなことを思う訳ではないけれど。

 コネだけの人間なんて、大抵ろくでもない人間だろうから。

 そう思っていた。

 

「(ちょっと態度がキツいかしら……)」

 

 その噂の生徒は傲慢さなんて欠片もなさそうな可愛らしい女の子だったから驚きだ。

 もっとこう、我儘な人だと思っていたがそんなことはなかったらしい。

 

「……あ、始める前に1ついいでしょうか?」

 

「何かしら」

 

 その生徒……不二木アリスは私を前にこんなことを言い放ったわ。

 

 

「私、色々と分からないことが多くて……でも、デュエルについてなら大体知っているから。精々私を楽しませてくれるかしら」

 

 

 ……どうやら見間違いだったらしく、傲慢ではあったようだ。

 でも、この傲慢さは嫌いじゃなかった。

 分からないことが多くて……ね。

 それがどう言う意味なのかは分からないけれど。

 

 ああ、どんなデュエルをするのか楽しみね。

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

天上院明日香 LP 4000

不二木アリス LP4000

 

 

「先攻は譲るわ」

 

「私が先攻ね。……えっと、ドロー」

 

 何故か、ドローの仕草があまり覚束なく見えたのは気の所為かしら?

 

「(……いや、油断は良くないわね)」

 

「私はオリジンテイルズ-赤頭巾の少女(プリンセス)を召喚」

 

 

オリジンテイルズ-赤頭巾の少女 ATK 1200

 

 

 アリスが召喚したモンスターは100人中100人が「赤ずきんちゃん」だと答えそうな少女の見た目のモンスターだった。

 赤い頭巾に金髪、籠には沢山の花……

 まるで童謡の中から抜け出して来たかのようね。

 

「このカードが召喚に成功した場合、デッキから「テイルズ」罠カードを1枚手札に加える。私はオリジンテイルズ-狩人の救出劇を手札に加える」

 

「(狩人の救出劇?)」

 

 たしか、童話では赤ずきんはおばあさんに化けた狼に喰われた後、通りすがりの猟師に助けられる顛末だった筈。

 彼女のデッキはさしずめ童謡デッキと言ったところかしら。

 

「私はカードを2枚伏せて、ターンエンド」

 

「へぇ、あいつ結構可愛いカード使うんだなぁ」

 

「可愛いッスね兄貴!」

 

 側面を向くと、そこにはオシリスレッドの十代とその弟(?)が。

 全く、呑気な2人だわ。

 

 ……?

 今、アリスが十代が居る方を二度見したような……

 何かしら。まるで霊でも見たかのような反応だったけれど。

 

 っていけないいけない。

 デュエルに集中しないと。

 

「私のターン、ドロー!」

 

 ……あの場に伏せたカード。どちらかは必ず先程手札に加えたカードの筈。

 わざわざデッキから持ってきたカードなんだから、要注意すべきね。

 

「私は速攻魔法、サイクロンを発動。私から見て右の伏せカードを破壊するわ!」

 

「っ……」

 

 破壊されたカードは……狩人の救出劇ではなく、「オリジンテイルズ-悪女の謀略」と言うカードだった。

 

「(どうやらカウンタートラップのようね。もしかしたらサイクロンを無効にも出来たのかもしれないけど……狙われたのがこのカード自身だったから無意味なことはしないわよね)」

 

 私は気持ちを切り替えてデュエルに集中する。

 

「私は魔法カード予想GUYを発動。このカードは自分フィールドにモンスターがいない時に発動でき、デッキから通常モンスター……ブレード・スケーターを特殊召喚するわ」

 

 

ブレード・スケーター ATK 1400

 

 

「更に、私はエトワール・サイバーを召喚!」

 

 

エトワール・サイバー ATK 1200

 

 

「バトルよ!」

 

「バトルフェイズ開始時。私は永続罠オリジンテイルズ-狩人の救出劇を赤頭巾の少女を対象に発動する」

 

 やっぱり前のターンで手札に加えたカード……!

 

「相手フィールドで1番攻撃力の高いモンスターは獣族になり、攻撃力が400アップする。そして、そのモンスターは私が対象にしたモンスターに必ず攻撃しなければならない」

 

 

ブレード・スケーター ATK 1400 → 1800

 

 

 私のフィールドで1番攻撃力の高いモンスター……ブレード・スケーターからまるで狼のような体毛が生えた。

 うっ、見た目がちょっと……

 

「なんだよ、相手の攻撃力を上げるとか初心者でもやらないぜ?」

 

「やっぱり所詮は引き篭りの世間知らずってことか」

 

 種族を変更する効果に相手の攻撃力を上げる効果、さらには攻撃を強要……確実に何かあるに違いないわ。

 周囲のオベリスクブルー達はどうこう言っているけれど、私には嫌な予感がした。

 でも私は怯まない!

 

「ブレード・スケーターで赤頭巾の少女を攻撃! アクセル・スライサー!」

 

 あわあわしている赤頭巾の少女を、私のブレード・スケーターが一閃する。

 

「……赤頭巾の少女効果。このカードの戦闘によって発生する私へのダメージは0になる」

 

 狼みたいになったブレード・スケーターは、動かなくなった赤頭巾の少女を丸呑みにしてしまった。

 

 

 いやいやいや、ちょっと待って! ブレード・スケーターはそんなことしないわ。

 見た目もなんだかショッキングと言うか……

 狼……丸呑み……なんだか嫌な予感がするわね。

 

「……エトワール・サイバーでダイレクトアタック! エトワール・サイバーはダイレクトアタックする時、攻撃力が500アップするわ!」

 

 

エトワール・サイバー ATK 1200 → 1700

 

 

「ライフで受ける……くっ」

 

 

不二木アリス LP 4000 → 2300

 

 

 先制攻撃は上手く決まったわね。

 

「だけど、バトルフェイズ終了時に戦闘で破壊された赤頭巾の少女のモンスター効果発動! 相手フィールドの獣族モンスターを1体破壊し、このカードを墓地から特殊召喚する。私はブレード・スケーターを破壊!」

 

 ブレイド・スケーターが苦しみ出す。

 やがて、そのお腹が裂けて中から赤頭巾の少女が出て来た。

 う……流石にちょっと気持ち悪いわね。

 

 ダメージを優先してエトワール・サイバーを直接攻撃ではなく赤頭巾の少女の破壊に攻撃権を使いたかったわね。

 童話を元にした効果なら予測は出来たけど……エトワール・サイバーじゃ攻撃力が足りなかった。

 

「お、あいつ明日香相手に結構やるじゃねぇか!」

 

「なるほど、先程の永続罠はこの布石だったか」

 

 遊城十代……今の光景を見ておいてあなたねぇ……

 三沢くんの方は冷静みたいだけど。

 

「私は戦士の生還を発動するわ。墓地のレベル4以下の戦士族……ブレード・スケーターを手札に加える。そして魔法カード融合を発動! 手札のブレード・スケーターとフィールドのエトワール・サイバーを融合し、サイバー・ブレイダーを融合召喚!」

 

 

サイバー・ブレイダー ATK 2100

 

 

「サイバー・ブレイダーは相手フィールドのモンスターの数によって効果が変わるモンスター。今あなたのフィールドにはモンスターが1体なので、サイバー・ブレイダーは戦闘によって破壊されない。パ・ド・ドゥ!」

 

 これで良し。

 

「私はカードを1枚伏せてターンエンドよ」

 

「私のターン、ドロー」

 

 ゆるりと落ち着いた様子でアリスはカードを引く。

 

 

 

 

 この勝負……貰ったわ。

 

 私の伏せたカードはドゥーブルパッセ。

 おそらく、アリスは赤頭巾の少女をサイバー・ブレイダーとバトルさせる筈。

 狩人の救出劇とのコンボでサイバー・ブレイダーを破壊する為に。

 そこをドゥーブルパッセで躱せば赤頭巾は戦闘破壊されず、効果を使えない。

 次のターンのサイバー・ブレイダーの直接攻撃で私の勝ちよ!

 

 

 

 

「バトル。まず私は狩人の救出劇の効果発動。サイバー・ブレイダーは攻撃力が400アップし獣族になる」

 

 

サイバー・ブレイダー ATK 2100 → 2500

 

 

 早速やって来たわね。

 

「赤頭巾の少女で獣族となったサイバー・ブレイダーを攻撃!」

 

「ふふっ、そう来ると思ったわ。リバースカードオープン! ドゥーブルパッセ!」

 

「おお、出た! 明日香のマイフェイバリットカード!」

 

 勝手にマイフェイバリットカードにしないでくれるかしら……

 まあ、このカードにはかなりの愛着があるのは事実だけれど。

 

「自分の表側攻撃表示のモンスターに相手が攻撃した時、攻撃したモンスターの攻撃力分のダメージを与え、その相手モンスターの攻撃を直接攻撃にする!

 

「……っ」

 

「くぅ……」

 

 

不二木アリス LP 2300 → 1300

 

天上院明日香 LP 4000 → 3000

 

 

「……そして次の私のターン、サイバー・ブレイダーは直接攻撃が可能となる!」

 

「……」

 

「もし、あなたがこのターンにこれ以上何もできないのなら……私の勝ちよ」

 

 ノータイムでバトルフェイズに入ったと言うことは彼女の手札にサイバー・ブレイダーを処理できるカードは無い筈。

 

 アリスは下を向いて黙り込んだ。

 

 しかし、それはほんの数秒のことだった。

 私が何か声を掛けようかと考えていた時に、アリスはスッと顔を上げて笑顔を浮かべた。

 

 

 

 

 

「それはどうかな?」

 

 

「……っ!?」

 

 

 まるで追い詰められていないような軽い調子で、彼女はそう言ったのだ。

 この状況は全て自分の計算通りだとでも言いたいのでしょうね。

 

 面白い……なら見せて貰おうじゃない!

 この状況を打破する逆転の策をっ!

 

「私は速攻魔法、ツイステッドマジック-ディストーション・フォースを発動! このカードは、オリジンテイルズモンスター1体をねじれさせる」

 

「ねじれさせる……どう言う、ことなの?」

 

 まるで意味が分からないのだけれど?

 

「自分フィールドのオリジンテイルズ1体をリリースし、リリースしたモンスターと同じ属性で種族が異なるツイストテイルズ1体を召喚条件を無視して特殊召喚する! 私は赤頭巾の少女をリリースし、手札からこの子を特殊召喚!」

 

 い、一体どんなモンスターが召喚されるの……?

 

「あの日の無念を未だ抱え、執念に心を焦がし敵を屠れ! 現れよ、ツイストテイルズ-血頭巾の魔狩人(ハンター)!」

 

 

ツイストテイルズ-血頭巾の魔狩人 ATK 2400

 

 

 現れたモンスターは、端的に言うならリリースされた赤頭巾の少女が成長したかのような姿だった。

 だけど、色々とおかしい。

 

 赤い頭巾は何故か茶色く変色しているし、身体中が傷だらけだ。

 籠の代わりに持っているのは錆の浮かんだ短剣と火薬臭そうな短銃。

 赤頭巾の少女は明るそうな表情だったのにこっちは不気味な程物静かで……

 まるで、何年も戦場を駆け回った傭兵のような貫禄があった。

 

「バトル続行! 私は血頭巾の魔狩人で獣族になったサイバー・ブレイダーを攻撃!」

 

「攻撃力はそっちが下なのに……」

 

「血頭巾の魔狩人は自分よりも攻撃力が上の獣族モンスターとバトルする時、攻撃力が2400アップする!」

 

「に、2400!?」

 

 血頭巾の魔狩人が今まで細められていた眼をカッと見開いた。

 それだけで、彼女の身体から赤いオーラが溢れ出してきた。

 オーラはまるで触れる物全てを焼き焦がす焔のようにうねる。

 

 

ツイストテイルズ-血頭巾の魔狩人 ATK 2400 → 4800

 

 

 それは、攻撃力の上昇値としては破格の数値。

 実質攻撃力が2倍になってるじゃない!

 まるで亮のリミッター解除みたい……

 

「デメリットとしてこのターン終了時にこのカードは破壊され私は2400ダメージを受けるが……その前に決める! 行け、血頭巾の魔狩人! 揺るぎない一撃!」

 

『……狼、殺すッ!』

 

 殺意が可視化でもしているのかのようなオーラを靡かせながらサイバー・ブレイダーに向かって銃を向けた。

 って、今喋らなかった?

 

「きゃあ!?」

 

 

天上院明日香 LP 3000 → 700

 

 

 放たれた弾丸はサイバー・ブレイダーを貫通して私を襲う。

 

 だけど!

 

「今のサイバー・ブレイダーは戦闘では破壊されない! 次のターンが来れば……」

 

「明日香さん。あなたに次のターンは、ない!」

 

 ……っ、血頭巾の魔狩人の様子がまだおかしい。

 まだ興奮状態と言うか、暴れ足りないと言うか……

 とにかく、未だ鋭い目でサイバー・ブレイダーを睨め付けている!

 

「この血頭巾の魔狩人は1ターンに2回までモンスターに攻撃できる!」

 

「なんですって!?」

 

「行け、魔狩人! 野獣狩り!」

 

『……決して逃さない』

 

 血頭巾の魔狩人の短剣が再び振るわれ……

 

 

天上院明日香 LP 700 → 0

 

 

 私のライフは0になった。

 

 ……ああ、完敗だわ。

 

「ふいぃ……対戦有難うございました」

 

「……えぇ。あなた、中々やるじゃない」

 

 引き篭もって好き勝手している人間だと思っていた自分が恥ずかしい。

 不二木アリスは、自分にも打ち勝てる強者だ。

 認めなければならないだろう。

 

「その……ごめんなさい。デュエルする前、ちょっと失礼な態度を」

 

「え? あ、ああ……別に構いません。私の立場だと多分仕方のないことだと思いますし……多分」

 

 そこは自信無さげに小声でぶつぶつと呟くのね。

 なんだか……チグハグな子ね。

 デュエル中は自信たっぷりでちょっと男らしいのに。

 

「……デュエル、楽しかったです」

 

「……そうね。でも、今度は負けないから」

 

「ふふ、次も負けませんよ?」

 

 ううん、今はただの可愛らしい女の子に見えるわ。

 本当、不思議な子ね。

 

「……良かったら私と友達になってくれませんか?」

 

「え……え、えぇ。別に構わないけど」

 

 「やった!」と小声で喜ぶアリス。

 ……友達と言うより妹が出来たような感覚なんだけど、気の所為かしら?

 あと「初めて友達ができた……」とか口に出さないでくれるかしら。

 結構重いわ……色々と。

 

「それじゃあ今度またデュエルしましょうね、明日香さん!」

 

「ええ……それは勿論」

 

 

 

 ——これが私のデュアルアカデミアでの3年間を変えた人……不二木アリスとの出会い。

 

 思い出せば彼女との出会いは……まるで、夢を見ているかのようだったわ。

 

 





しばらくは 

日常パート→一人称視点
デュエルパート→対戦相手視点

としてみます。試験的な運用です。
多分そのうち主人公視点になります。


自作のオリカ紹介
コンセプトは「環境には入らない程度のカードパワー」
オリジンテイルズ:属するモンスターはレベル3・天使族で統一されているテーマ。童謡のヒロインがモチーフ。
ツイストテイルズ:属するモンスターは全て特殊召喚モンスターである。やや癖の強い効果が特徴。ヒロインがねじれた運命を辿った姿……と言う設定。
次の貴方のセリフは「あ、これソシャゲの広告で見たことある」だ!
既にシュトロームベルクの金の城とか妖精伝姫とかそれっぽいモチーフはあるけど遊戯王は大体の有名どころはカード化されてるので全くOCG化されてないのをモチーフにするとドマイナーで限られた人しか元ネタわからない物になりそうなのでこうなった。


《オリジンテイルズ-赤頭巾の少女(プリンセス)
効果モンスター
レベル3/炎属性/天使族/攻1200/守0
「オリジンテイルズ-赤頭巾の少女」は1ターンに1度しか特殊召喚できない。
①:このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。デッキから「テイルズ」罠カード1枚を手札に加える。その後、相手フィールドに攻撃力が2500以上の獣族モンスターが存在する場合、デッキからカードを1枚ドローすることができる。
②:このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。
③:このカードが獣族モンスターとの戦闘によって破壊され墓地に送られたバトルフェイズ終了時に発動する。相手フィールドの獣族モンスター1体を選んで破壊する。その後、このカードを墓地から特殊召喚する。


狼に食べられてもすぐには死なない強い子。炎属性……?
狩人の救出劇とのマッチポンプコンボで相手を狼にして破壊することが可能。
まあ本命は彼女のねじれた先なのだが……
何気に自己蘇生効果に必要な獣族は攻撃力を問わないのでねじれた方よりも効果の適用範囲が広い。
罠カードをサーチする用途で使うだけもヨシ。


《オリジンテイルズ-狩人の救出劇》
永続罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:1ターンに1度、お互いのバトルフェイズ開始時に自分フィールドの「テイルズ」モンスター1体を対象として発動できる。攻撃可能な相手フィールドの攻撃力が1番高い攻撃表示のモンスターは攻撃力が400アップし獣族になる。また、対象にしたモンスターを攻撃しなければならない。
②:自分フィールドの「オリジンテイルズ」モンスターが戦闘・効果で破壊される場合、代わりにフィールドのこのカードを墓地に送ることができる。


①の効果はどう考えても救出劇ではなく、ただの姑息な狼の押し付け営業である。
②の効果は救出と呼べなくもないが。
主に頭巾ちゃんの効果のサポートとして使う。
え、400アップは狙い澄ましてるだろって?
2100打点GXに多いから……フレイムウィングマンとかサイドラとか。
許して……許して……


《ツイステッドマジック-ディストーションフォース》
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:自分フィールドの「オリジンテイルズ」モンスター1体をリリースして発動できる。手札・デッキからリリースしたモンスターと同じ属性で種族が異なる「ツイストテイルズ」モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。
②:自分フィールドの「ツイストテイルズ」モンスターが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。墓地のこのカードを手札に加える。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには使用できない。


元ネタはランクアップマジック。
追撃からサクリファイス・エスケープ、自己サルベージまでも可能な1枚。
ただし「テイルズ」カードではない為サーチは一切効かない。
初期案は通常魔法かつサーチが効く名称だった。



《ツイストテイルズ-血頭巾の魔狩人(ハンター)
効果モンスター
レベル6/炎属性/戦士族/特殊召喚/攻2400/守1200
このカードは通常召喚できず、このカードの効果でのみ特殊召喚できる。
「ツイストテイルズ-血頭巾の魔狩人」は1ターンに1度しか特殊召喚できない。
①:「ツイストテイルズ」モンスターはフィールドに1体しか表側表示で存在できない。
②:自分の天使族・炎属性モンスターが戦闘によって破壊されて墓地に送られた場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。この効果の発動後、ターン終了時までお互いに墓地で発動する効果は無効になる。
③:このカードが攻撃力2500以上の獣族モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に発動する。このカードの攻撃力はターン終了時まで2400アップする。この効果を発動したターン終了時、このカードを破壊し、自分は2400ダメージを受ける。
④: このカードは1度のバトルフェイズ中に2回までモンスターに攻撃できる。


殺意の波動に目覚めた赤ずきんちゃん(推定17歳)。
混沌勢力狼を絶対殺すウーマン。
どうしてこうなった。
召喚条件は割と厳しめ(天使族・炎属性モンスターはwikiによるとたった17体しかいないらしい)。
だけど獣族に対する特攻と2回攻撃できる効果でフィニッシャーを担当できる。
おまけに墓地で発動する効果を封じるので灰流うらら等のケアもできる……が、召喚条件的にどう足搔こうがバトルフェイズになるのでちょっと厳しいかもしれない。赤頭巾の少女の効果も阻害する。
他のツイストテイルズと比べるとこれでも癖の少ないモンスターである。
今後も切り札枠として登場することだろう。
余談だが、攻撃力が2500以上の獣族ならなんでも狼に見えるらしい。
ビッグコアラが危険かもしれない。


え、攻撃名とか設定とか武器がどっかの誰かさんのパクリ?
はて、何のことやら(震え声)


悪女の謀略は発動されなかったのでまた今度。

自作オリカのオリジンテイルズとツイストテイルズについてのご意見募集中。
ここおかしくね?これちょっと強過ぎじゃね?などなど。
ほんと、コンマイ語は強敵だったよ……最近のとちょっと前のとを比べると変わってる部分もあるし。


主人公
不二木アリス
見た目は完全にお姫様なTS金髪ロリっ娘。
初期の名前は藤木アリスだった(後で遊作の名字だったと気付いて変更した)。
目覚める前の記憶は無くなっている所為なのか、現在の精神は割と不安定気味。
しかし、デュエル関連の知識やどうでもいいことは覚えているし、デュエルをしたら割と心は落ち着いた。
やはりデュエルは万能……
記憶にある使用デッキはサイキック族軸の【種族操作】で好きなカードは強制転移。
趣味はライフコストの踏み倒しと相手モンスターのみを使用してエクシーズ召喚すること。
残念ながら交血鬼と真血公は出演予定なし。
タグにエクシーズ無しとかシンクロ無しとかは必要なのかな?
最近では【イドロック】を取り入れた【アルバスの落胤】を使っていたらしい。
古いカードが好き。

今更ながら思う。記憶喪失とは素晴しく便利な設定なんだなって。
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