TS金髪ロリになる、デュエルアカデミアに入学している 作:紙吹雪
タッグデュエル書くの面倒なのは身に染みて理解しているので書きません。
「こーらー! 起きなさい!」
「むにゃむにゃ……後3時間」
「長過ぎですっ!」
……これが、私の新たな朝の風景になります。
赤ずきんちゃん、朝に大きな声を出すのはマジでやめてクレメンス。
私の頭にはまだ睡眠が足りないんです。
「いいじゃん、明日香を探しに行って夜眠れなかったんだし」
「それが昨日のことならいいですが、そうじゃないですよね?」
「ああ言えばこう言うなぁ」
「あなたがそれを言いますかっ!?」
むむむ……仕方ない。ここは大人しく起きよう。
だがしかし、これで勝ったと思うなよ。
今日の私は私達の中でも最弱なんだからねっ。
……自分で自分が何言ってるんだか時々分からなくなる。
「はぁ、赤ずきんちゃんはなんでそう私の
身体を起こしてから質問を投げてみる。
ああ、まだ視界がクラクラする。
瞼が重い。これはスタンド攻撃かもしれない。
「健全なデュエリストの精神は健全な肉体に宿ります! よって、健全な生活をするのはデュエリストとして当然の事!」
「えー?」
「えー、じゃありません。私はご主人様に自堕落な生活を送って欲しくないんです」
自堕落でもいいじゃん別に……幸せなら。
「はぁ、赤ずきんちゃんは真面目だねぇ……なんだか、赤ずきんちゃんって呼びにくいね。本名とか無いの?」
ふと気になったので本人に聞いてみる。
いつまでも赤ずきんちゃんって呼び続けるのはなんか距離感が遠い気がする。
「……ない、ですね。絵本に私の名前が書かれてたことはないでしょう?」
ちょっと寂しそうな声でそう言う赤ずきんちゃん。
……少し悪いことを聞いたかもしれない。
私だって部屋の中に資料とかなかったら名前も分からなかった身なんだし、気持ちは分からないでもない。
ちょっと配慮が足りなかったかな。
……そうだ。
「じゃ、私が名前付けていい?」
「ご主人様が、ですか?」
「うん。駄目?」
「変な名前を付けたりしないのなら……」
一度この子の私への心象を確認しないといけないかもしれない。
まあ、おふざけを疑われる原因が私の今までの態度にあるのは理解してるけども。
「そうだねぇ……ベロニカ、いや、それはやめとくかな」
「?」
なんだか似てるんだよね、あの国民的RPGの11作目に出てくる小さな魔法使いの子に。
「うーん……そうだ、ベティ。ベティでどうお?」
「……良いですね。えへへ、ご主人様に名前を付けて貰えてなんだか嬉しいです」
あまりネーミングセンスに自信は無かったけど、喜んでくれて何よりだ。
そうだ、これも聞いておこう。
「あのさ、他の子達はまだベティみたいに話せないの?」
「そうですね……おそらくですけど、1年も掛からない内に皆エネルギーは溜まると思いますよ」
へぇ〜。
楽しみではあるけど、その子達も朝早くに起こしてくるのならちょっと悩ましいね。
「ふぅ、疲れたぁ……」
名前を決めるのにちょっと全力を出したからか、また眠気が襲って来た。
私はすんなりと再びベッドに背を付ける。
ああ、素晴らしき寝心地。
「ちょっと、なんで二度寝してるんですか!」
「名前付けるのに力使い果たしちゃった」
「言い訳ですよねそれ! 一度起きたんでしたら起きてください!」
「うー、起こしてーベティ……」
私は腕を上に向けて伸ばす。
引っ張ってくれないと起きれないよ。
「はぁぁぁ……本当にあなたって人は」
そんなやり取りをしていると、ドアをノックする音が聞こえて来た。
朝早くに誰か来るのは珍しいね。
しかし、私はまだ眠いんだけどなぁ……
「アリス、ちょっといいかしら?」
この声は……明日香だ。
まあ、私に態々会いに行く程の仲の人はまだ他にいないからね。
……仕方ない。頑張って自力で起きよう。
「おお、明日香さんに感謝ですね。ご主人様を起こしてくださるなんて……」
「ああもう、引っ込んでてベティ……今、出るよ」
全く、こんな朝に何の用事だろう。
「十代と翔君が退学に……!」
……なんですと?
「なるほど、立ち入り禁止の場所に立ち入ったからか……うん、文句言えないね」
アカデミア倫理委員会とやらが朝早くから2人を連行。
話し合いの結果制裁タッグデュエルに敗北したら退学処分に半ば強制的に決定したんだとか。
まあ、法則破ったのなら仕方ないよねっと思ってたんだけど。
「あれ、私や明日香は何のお咎めなし……?」
「……今からそれを校長先生に訴えに行くところなのよ。同行してくれるかしら?」
ふむ。正直、別に断っても特段何も問題は無いと思われる。
私は原作の流れを殆ど忘れている。
が、まだこの時期だとアニメは初期も初期。
こんな段階で退学になるのは流石にあり得ないだろう。
つまり、私が頑張らなくても十代と翔(誰だっけ)は制裁タッグデュエルとやらに勝利する筈。
と言うか退学を賭けてデュエルもするのね……
デュエルの世界はある意味奥深い。
で、結局行くか行かないかだけど。
「待ってて、今着替えるから」
友人の頼みだ。
何もしないでいるのは些か心が痛む。
何なら私が圧力を掛けたらワンチャンこの話がお釈迦になるかもしれない。
「分かったわ。でも、急ぎたいからなるべく早めにお願いね」
「ふふん、40秒で支度するよ!」
「ご主人様ったら、他人のことになると優しいんですから……」
そこ、ちょっと黙ってなさい。
速攻で着替え終えて部屋の外に出る。
「お待たせ。行きましょう」
「……試験の時も思ったんだけど。アリス、制服は着ないのかしら?」
「何故か無いんです……」
「……そ、そう」
本当に何で無いんだか……
今度、購買で買うのを検討しよう。
校長室に到着したが、部屋の中には見覚えのあるコアラ君がいた。
話を聞くに、彼も私達と同じ目的でここに来ているらしい。
結構友達思いの人なのかな。
「君達は……」
校長先生は普通に優しそうな印象のおっさんだった。
悪い人には見えないしきっと良い人だと思いたい。
それで、私達も十代達と同じ現場に居たことを伝えた。
制裁タッグデュエルは、自分と十代が受けると。
ああ、なるほど。それが狙いだったのね。
しかし、この人が良さそうな校長先生は無理だとおっしゃった。
2人のタッグは査問委員会で決まったことだ、と。
あらあら、意外と厳しい。
「……それに、だ。不二木アリス君」
「え、あ、はい」
「君を制裁タッグデュエルに出した途端、私の首は3つ程余裕で飛ぶだろう」
3つも飛ぶって、キング◯ドラか何か?
はぁ、やっぱり私ってなんか偉いんだ。
どれくらい偉いのかはサッパリ分からないけど。
「じゃあ、私の口添えでこう、査問委員会とか倫理委員会に圧力を掛けて揉み消すのはダメでしょうか?」
「うぅむ……私の胃が多少荒れることになるが、私はそれを止めることはできないだろう」
校長先生の胃がやられる程度でこの騒動を鎮圧できるのなら……?
いや、流石の私でもちょっと罪悪感がある。
残念だけどこの案は却下だ。
大体、私にそんな権限があったとしてその後の皺寄せが絶対に無いとは言い切れない。
いつも権力ばかり利用してたらいつかしっぺ返しを喰らうかもしれない。
便乗ターボと大暴落のコンボみたいな。
「……なら、辞めときますね。校長先生の胃が破裂するのは、私も見たくありませんので」
「はっはっは。そうしてくれるとありがたいですな」
「明日香、それに隼人くん。翔って子はそんなにデュエルが苦手なの?」
「え? そうね……デュエルの腕と言う点では、彼自身に全く自信がないと言ったところかしら」
「そうなんだな……できれば、俺が変わってやりたいんだな」
……今思い出したけど、翔ってたしかビークロイド使いの人だったような。
あ、フルネームも思い出せた。
水色髪の小さな男の子、丸藤翔。
あの闇落ちするサイバー流の人の名字もたしか……
よし、決めた。
「2人とも、レッド寮に行こう」
「それは、どう言う……」
「鍛えるんだよ、翔くんを」
実際のところ、私が何かしなくても事態は無事に解決する筈だ。
でも、何もしないでいるのも退屈だし。
こう言っては悪いんだろうけど……暇潰しには丁度いい。
それに、たまにはデュエルしないと腕も鈍りそうだし。
流石に1人で2つのデッキを使ってデュエルするのはなんか嫌だ。
「2人は先に行ってて。私は部屋にデッキを取ってくるから」
「……急いで準備したから忘れちゃったのね。分かったわ」
タッグデュエルのルール分からないけど……何とかするとしますか。
◻️
やって来ましたレッド寮。
うーん……悪く言えばボロい、ある程度繕って言えば趣のある建物だぁ。
ブルー寮とは予算の掛け方が違い過ぎる。
隼人くんから聞いておいた翔くんの部屋を聞いてドアをガタンと開け放ち、私はこう言い放った。
「話は聞かせてもらった! 君達は退学になる!」
Ω ΩΩ <な、なんだってー!?
とは言ってくれなかった。
何故なら、部屋に誰もいなかったから。
「部屋、間違えたかな?」
でも多分間違っていない……筈。
……あれ、隼人と明日香が向こうにいる。
耳を澄ませば、向こうの崖の下から声が聞こえてくる。
もしかして、先んじて十代と翔がデュエルでもしているのかな?
「おーい、2人ともー」
「あ、アリスさん……」
「アリス。遅かったじゃない」
仕方ないでしょ。
私の部屋ってすごい遠いんだもん。
「それで、下で何やってるの?」
「十代と翔くんがデュエルしているわ。でも、もう勝負は……」
私も下を覗いてみる。
ふむふむ……
「バーストレディでダイレクトアタック!」
「うわあぁぁぁぁ!!」
丸藤翔 LP 200 → 0
……既に終わってるんですけど?
その後、十代と翔は何やら話していたようだけど、やがて翔は何処かに去って行ってしまった。
一体何を話してたんだか……
それはともかく、翔は頼りない印象しか受けないな。
明日香達が心配になるのも理解できてしまう。
「うーん……」
しかし、このままだと制裁タッグデュエルに勝てる気がしないんだが……
本当に大丈夫なのか、ちょっと不安になってしまった。
私が此処にいることで何かしら変化があったとか考えてしまう。
……い、いや。
そんなことはない筈だ!
多分。
取り敢えず明日香と一緒に十代の元へと向かう。
十代の話によると、翔はパワーボンドを兄に封印されていて使わなかったとか何とか。
封印されてるならデッキに入れるなって言ったら負けなのかな。
「……翔くんには本当の兄がいるの。しかも、この学園に」
「そうだったのか?」
「知らなかったの?」
……翔の兄は、私の知っている通りカイザーらしい。
うん、記憶通りで安心した。
「よっしゃ! その兄貴とデュエルしてみりゃ分かるってもんさ!」
「え?」
兄弟の間に何があったのかを知る為に兄とデュエルする……ってコト!?
へぇ、そんな話なんだ。
……これは、兄と十代のデュエルをみて翔が奮起する流れだったりするのかな?
「それで、何でアリスがここにいるんだ?」
「いや、明日香が君が退学の危機だからと助けを求められてね」
「ちょっとアリス。誤解を生みそうだからそんな風に言うのは……」
明日香はちょっと照れ臭そうにそんなことを言う。
「誤解って何だ?」
「誤解って何でしょう?」
十代は本当に何も分かってなさそうに言っている。
私はニヤニヤと全力でからかっている時の笑みを浮かべているけどね。
「アリス、あなたねぇ……!」
「さて、本題に戻るけど……十代はタッグデュエルに自信の程は?」
「やったことはないけど、まあ何とかなるさ!」
うむ。それでこそ遊城十代である。
と言うか、私もタッグデュエルはあんまり経験ないな。
アニメ版のタッグデュエルのルールに至っては全く知らない有様である。
「……まあ、私からは大した事はしてあげられないんだけど。デュエルの相手くらいならしてあげられるから」
本当は翔を鍛えるって趣旨だったけど居なくなっちゃったし。
「お、本当か? なら、早速してみたいぜ!」
「えっ、さっきまでデュエルしてたのにまた?」
元気過ぎでしょ……流石原作主人公。
リアルファイト最強とか言われてるだけある。
「まあ、君が構わないなら私もOKだけど……また今度にさせてもらうよ」
「えー?」
「ふわぁ、だってそろそろ眠くなってきたし……」
いつもだったら寝ている時間だからね。
「待ちなさい。アリスは普段はいつ寝てるの?」
「夕食食べたらすぐにだけど?」
「夕食……そうだ、早く行かねぇと!」
十代はレッド寮の方へと走り去って行った。
さて、この場は片付いたし私もそろそろ帰るかな……
「待ちなさい! ちょっと、貴女の生活リズムが自堕落過ぎるわ!」
『そうだ、そうだ!』
くっ、姿が見えないのを良い事にベティまで明日香みたいに……!
「よし、決めたわ。これから毎日アリスの部屋に行ってきちんとした生活を行えているか確認させてもらうわ」
「えっ!? え、遠慮するわ!」
「却下!」
そんな……何故だ!?
Q.赤ずきんちゃんの名前の由来は?
A.いずれ分かるさ、いずれな……
6/10 デュエルの内容がしっくり来なくなったので削除しました。