2028年12月20月 川崎重工製の人型ロボット、カレイド(Kaleido)が発売された。このロボットは介護や建築等の用途を想定された産業用ロボットであり、三菱重工と熾烈な競争を繰り広げることになる。ここで、三菱重工のずんだもんとの違いを説明する。ずんだもんは歩兵任務や警備などの公安系の役割を想定されて作られている。もちろん産業用のプログラムを搭載することも可能であるが、元々産業用として開発されているカレイドとは使い勝手が異なる。特にずんだもんは身長は160cmであるが、様々な装甲を備えていることにより体重が86kgになっているため、介護に使うには危険であることが指摘されている。そのため三菱重工とBAEシステムズは軽量型ずんだもんの開発も急ピッチで進めている。
2029年1月20日
三菱重工総合研究所
「また川崎だ!また川崎重工がシェア広げてきてる!1ヶ月でずんだもんに追いつきそうになってるの本当になんなのよ!」
「まあ兵器として開発したから仕方ないわよ、いろいろ装甲とか電子機器ついてるのを外しても74kgだし、大人しく川崎と同じくコンパクトサイズにするしかないわね。それとは別に来年からオオスズメバチが日英両国に販売されるらしいわ。」
「本当ですかイアさん!これならまた軍需産業の優位性は保証されたも同然ですね。」
「川崎がまた凄いのを作るフラグに聞こえるわね。」
特務庁
「尋問を行った工作員から得た情報によると朝鮮軍は済州島に配備されている陸軍部隊や、軍港に停泊している日米の艦船の詳細について知りたがっていたとのこと。そして陸軍部隊に関しては自分より前に来ていた工作員が既に入手していたそうだ。」
「あの…長官、彼は一体どうなったのでしょう。」
「尋問の後病院に行ったそうだが玄野曰く、死ぬほど疲れていたんだそうだ。」
「なんてこと…」
結月は何故あの時止められなかったのかという罪悪感が込み上げて、動揺を隠せずにいた。
「このことは口外するなよ。」
「……わかりました。」
感情を押し殺し、これから聞く任務のことだけを考えるよう自分に言い聞かせた。
「結月、君の次の任務は済州港への突入だ。」
「なぜそのようなことを?」
「朝鮮工作員の尋問が終わった後、そいつの証言で朝鮮工作員の潜入ルートが完全に発覚したのだよ。今まで韓国港湾協会が関わっているのは確信していたが、具体的なルートを把握できたことで事態は大きく進展した。秘匿班の調べでは韓国警察は汚職が全体的に横行していて完全に協会側、国家情報院にも複数の内通者がいたとのことだ。したがって、韓国の公安機関は全く機能しないと判断し、小隊規模編成(30〜50人)で強行班を突入させることを決定した。総理からの許可も既に頂いている。」
「しかし済州港はアジア有数の港湾で、突入なんてすれば大事になるのは確実です。それに韓国警察が協会側なら警察は我々を殲滅しに来るでしょう。」
「そのためこの作戦には陸軍の協力も得ることになっている。大きな事件になるのは間違いないが、ここで止めなければ韓国は完全に工作員の巣窟になってしまう。なんとしても韓国港湾協会の不正を暴き、朝鮮工作員の潜入を止めろ。そしてこの事を他の職員にも伝えておけ。」
「了解。」
1週間後 江汀駐屯地で強行班と彼等を韓国警察から守る陸軍中隊(150人〜200人規模)が作戦会議を開いていた。特務庁が本格的に突入を行うのは初めてであり、陸軍との共同作戦ということに未だ実感が湧いていない職員もいた。中隊の中には新兵の頃に第二次朝鮮戦争を戦い抜いた曹長もおり、階級的には上である中隊長を差し置いて作戦説明等を行っていた。
「工作員の証言から考えて、次に工作員が乗船してくる便は大連、済州島往復便を装った3日後の19時頃に来る便である可能性が極めて高い。したがって、強行班は輸送ヘリからジェットスーツで貨物船に降下し、中隊は港の封鎖を行う。また、工作員の中には重武装の者もいる可能性があるため、増援が必要な場合に備えて陸軍の突入部隊も用意しておく。中隊はあくまで封鎖が任務であるため、韓国警察や機動隊からの攻撃があるまでは待機だ。そして強行班、いくら工作員が乗っていると言っても、中には民間人も紛れている可能性もある。くれぐれも誤射には気をつけろ。また、今作戦の強行班の装備としてMP5短機関銃の使用を特別に許可された。訓練は終えているはずだから、使えませんとは言わせんぞ。」
その後は曹長のありがたいお言葉が30分程続き、作戦会議を終えた。
そして作戦決行の当日
例の旅客船が船着き場に近づいていた。強行班を乗せたヘリは上空で待機しており、中隊も港に集まっていた。
「あなた達何なんですか!何も連絡来てませんけど。」
「緊急事態が発生しましたのであなた達にはここで大人しくして頂きます。」
「なんで警察じゃなくて日本軍なんですか!」
そして例の旅客船が船着き場に着いた瞬間、中隊長が封鎖命令を出し、強行班も輸送ヘリから次々に降下して行った。
貨物船の乗員は混乱しており、武装していた工作員は迎え撃とうと屋上へ向かった。
ほとんどの職員、隊員が降下した直後に工作員と接敵し、銃撃戦が始まった。
「嘘でしょ!?本当に銃撃戦が起きるなんて。」
訓練を受けているとはいえ、結月は元刑事ということもあり数十人規模の銃撃戦は初めてであった。
「結月、とりあえず俺と玄野が前に出るから後ろから援護してくれ。」
「わかりました。」
同行していた現役隊員の多くが最前線で射殺されたため、この戦闘は軍人経験を持つ職員の指揮に掛かっている。
一方港では陸軍と韓国警察が揉めており、今にも衝突が起きそうな状況であった。
「日本陸軍は直ちに撤退せよ、さもなくば全力を以て制圧することになる。」
「それはできない、韓国警察は信用に値しない。」
互いの警告が飛び交い、やがて大勢の韓国機動隊が到着した。装甲車やヘリが港に集まり、機動隊員が最前線の部隊に銃口を向け、それに対し10機のずんだもんが庇うように前に出た。陸軍の方も旧式装備の96式装輪装甲車や16式戦闘車、そして退役予定のAH-64アパッチを2機展開。圧倒的な数の警察に対し、圧倒的な火力を見せつけて抑止する目論見だ。しかし事情を知らない韓国軍や米軍が介入するのは時間の問題であるため、強行班は迅速に証拠を取り押さえる必要がある。
江汀駐屯地
海兵隊基地から海兵隊大佐が直接聞き込みに来ていた。
「日本の車両がかなり動いていたが、まさかこんなことになるなんてな。一体どういうつもりだ?」
「我が旅団から特務庁強行班の護衛のための中隊を送ったまでです。特務庁の情報で韓国警察は朝鮮工作員と繫がっている港湾協会と癒着していることが発覚したため、特務庁が単独で動いているのであります。」
「あの最近できたCIAもどきか、こっちとしても日本の方を信じたいところだが、どちらにせよこのまま放っておくわけにはいかん。我々も出動させてもらう。」
旅客船内部では発砲音や閃光手榴弾の爆発音が鳴り響き、武装工作員を一人ずつ確実に殲滅しながら死闘を繰り広げていた。勿論、乗員のほとんどは正気ではいられなかった。
「どうするんですか船長!出口はロボットが銃持って塞いでますし、そもそもなんで銃撃戦が起きてるんですか!」
「 これは…完全にバレたな、もう私は終わりだ。」
上層階を制圧した強行班が階段を降りて、青山が銃口を船長に向けて指示を出した。
「乗員は全員は腕を上げて待機しろ。おい船長、他にも工作員はいるか。」
「恐らく全員上に行ったと思います。」
「よし、念の為に捜索しろ。そして捜索が終わり次第直ちに証拠を集めろ、中隊の方も長くは持たない。」
済州港では米軍が到着し、海兵隊大佐が中隊長に詳しい事情を聞いていた。
「Hmm…韓国警察が強行班を逮捕するかもしれないからと陸軍が港を封鎖して護衛していると。にしても随分物騒な兵器ばかり持ってきたもんだ、過剰戦力じゃないのかね。」
「これくらいはないと抑止できませんので。」
「だがもうすぐで韓国軍が来るぞ。」
「職員が輸送ヘリに帰還するまでは無理です、なんとか止められるよう説得して頂きたい。」
「無茶言うな。」
やがて大隊規模(500程)の韓国陸軍が港に到着した。装甲車や戦闘ヘリは勿論、4輌のK2戦車までもが配備され、その砲口は16式を真っ先に撃つかのように向けられていた。中隊は数と質共に劣勢に立たされている。
突入から2時間後 旅客船から職員が次々と屋上に上がり、証拠を積んだバックパックを前に背負い、ジェットスーツを身に着けて輸送ヘリへと向かって行った。これを確認した中隊長は撤退命令を下し、中隊は全部隊駐屯地へと撤退した。
幸いにも日韓両国共に
特務庁
「証拠が集まったのなら何よりだ、明朝には発表できるよう早急に帰還してほしい。…ああ、頼んだ。」
京町は電話を終え、一時の休息に浸った。
「とりあえず突入には成功した、あとは我々が韓国警察と港湾協会の不正を告発すればこの任務は成功だ。今日は徹夜して明日には会見か、アラフィーの体にはきついものだな。この疲れを癒すには、会見終わった夜に酒に溺れるしかないな。そうと決まれば総理と波音さんも誘っておこう。」
国会議事堂
「只今より、先日韓国の済州港で発生した事件についてご説明致します。」
京町は職員と共に徹夜で証拠をまとめた資料と原稿を机に置いて会見を始めた。
「今回の事件の背景には韓国に潜入する朝鮮工作員の増加という重大な問題がございます。彼等を放置すると日本の企業や国家機関が持つ機密情報の流出や民間人の拉致等極めて悪質な妨害を行って来ます。彼等の潜入ルートは大連港と済州港を往復する便を装った木浦港との往復便であることが我々の調査により判明しました。さらに韓国港湾協会には朝鮮労働党との交流記録が残されており、協会と朝鮮が繫がっていたのは明白でありました。本来は現地の公安機関が取り締まらなければならないのですが、以前尋問した工作員の証言によれば警察全体が協会と癒着しており、国家情報院の中にも内通者がいるという証言をしておりました。したがって、日本が独自に証拠を取り押さえるべきだと判断し、数十人の職員に強行突入の命令を下しました。また、突入において韓国警察の妨害を防ぐため、現地の陸軍中隊に護衛を要請致しました。」
議事堂は拍手と怒号が混ざり合い、彼女の判断に対する姿勢が明確に分かれた。立憲、共産、公明の3政党はやれ国家主権の侵害だのやれ現地民の気持ちに配慮しろだのと騒ぎ立て、与党側はそれに対抗するかの如く擁護の声を上げた。
料亭金ふじ
「京町さん、本日の会見はお疲れさまでした。ほら、どうぞどうぞ〜」
京町の御猪口に日本酒が注がれる。
「おほ〜神蔵ですか、やはり総理はお目が高い。」
「さあさ、波音さんも。」
「まあ、一杯だけなら。」
20分後 結局波音は3杯飲んでしまった
「あぁ…チェイサーすれば大丈夫と思っていたが、それでも相当酔ってきた。でもワインは1杯欲しい…店員さん、ブルゴーニュ・ルージュお願いします。」
「まぁ残った分は京町さんが飲むでしょうから大丈夫でしょうね。」
「頼まなくても勝手に酒が来る、ここは天国かな?」
「私が言えたことではありませんが京町さん飲み過ぎですよ、神蔵6杯ってなんですか…あっワイン来た。」
波音は最後の1杯をおぼつかない手でグラスに注いだワインで締めくくり、満足げに眠りについた。
「それにしても韓国政府は今後どんな対策をするんでしょうかね、少なくとも警察全体の抜本改革は欠かせないでしょうね。国家情報院に関してはどうなるかは未知数ですが。」
「そんなの総理が圧力かけて終わる話じゃないですか、あんな奴らに自浄作用なんてありませんよ。」
「まぁ、ろくでもない対策をしていたら私が介入するのも一つの手ですね。あと、岸さんも大変そうでしたよ。敵に情報を知られたことで防衛時の作戦を改訂しなきゃならないって。」
「岸さんねぇ、あの人本能的に嫌いなんですよね。何考えているかわかりませんし、特にあの笑顔が本当に悍ましい、虚音さんはよくあんな人を盟友なんて呼べますねぇ。」
「あの人は黒い噂が絶えませんからね、国防大臣の座に固執する意図もわかりませんし。岸家はクセが強い家系なんですかね。」
「クセの強さでは祖父に敵わないと思いますがね。」
桜乃と京町は全身に鳥肌が立ち、波音もその声を聞いて酔いと眠気が瞬時に覚めた。目を擦るとそこには不敵な笑みを浮かべた妖怪と魔王が立ち並んでいた。
「おお、京町〜今日も随分飲んでんなぁ。」
「はは、どうも…」
先程まで酔いで赤くなっていた京町の顔は完全に血の気が引いている。そして桜乃は慌ただしく財布を取り出して口を切る。
「お二人共お疲れさまです。それでは京町さん、波音さん、そろそろお会計にいきましょうか、勿論割り勘で。」
二人も財布を持って早々と席を立ち去る。
「おやおや、岸は相当嫌われてるようだな。」
「多分虚音さんもそうじゃないですかね。」
よっこらせと呟きながら予約した席に座る。
「言ってくれるもんだ。んで京町はあんなこと言ってたが、お前はあいつをどう思ってるんだ。」
「まあ誰にでも本能的に嫌いな人というのはいるものです。それに京町さんは次の衆院選にも出馬の意欲を示しているようですし、しっかり仕事もできますから私は嫌いじゃないですよ。」
「気持ち悪いくらい悪感情がないな。」
「強いて言うなら…伊織さんと同様、過干渉なところには嫌気がさしますかね。」
岸はボソボソと聞こえないような声で呟いた。
「ん、今なんつった?」
「いえなんでも。ささ、早く飲みましょう。すみませーん、
「お前いつもそれだな。」
「はい、若い頃はいろいろ飲んでましたが、やっぱり地元の名物が一番なんですよね。」
「いい拘りだ、じゃあ今日は俺もそれにしよう。」
警視庁公安部
「浦霞と黒龍は知っていると思うが、先日、賢章会の福岡会館が活動中に何らかの組織の襲撃を受けた。そして被害者の証言と現場に落ちていた弾丸や手榴弾の跡からこの事件には暴力団が関わっている可能性が極めて高い。」
「宗教施設の襲撃…つまり、神国再生会が裏で糸を引いているということですね。」
「ああ、立正安国論を掲げているようなところだから、鳴花姉妹にとって真っ先に潰したいところだろう。容疑者は賢章会の会員に借金をしていた奴がいて、いつまで経っても返さないから集団で襲撃したとのことだが…どう考えてもそんな理由だけで起こす行動じゃあない。それに警察の捜査も何故か少人数で進展が遅い、そして容疑者の証言を全くと言っていいほど手に入れていない。黒龍、黒河組には何か情報は来てないか?」
「襲撃に関する情報は何も…」
若波はため息をつきながら上を見上げた。
「しかし、それとは別の重要な情報があります。」
「ほう、聞かせてもらおう。」
「先週、我々が鳴花姫愛と襲撃予定の団体について協議をしに行っていた際に姫愛から一ヶ月後に講演会があることを伝えられたんです。彼女曰く、かなり有力な議員が神国の活動の正当性を論じてくださるとのことです。」
「議員も来るというのなら是非参加してくれ。」
「既に了承しております。」
福岡市民会館
浦霞と黒龍は講演会の会場とされるこの会館に着いた。入場券をスタッフに見せ、簡単な手荷物検査を終えてホールへと入ろうとしたその時、浦霞が黒龍の肩を掴んで静止させた。
「ん?どうした浦霞。」
「先輩、あそこ見てください。」
浦霞が指を指した先には眼鏡をかけた白髪の老人とその取巻きらしき者が2人いた。
「あのじいさん…もしや打破会長か?」
打破浩文、神道政治連盟の会長である。
「ええ、間違いありません。」
黒龍は眼鏡に付いているカメラでその顔を収めた。
「まさか神政連がバックについてるのか?」
「神道の精神を重んじる日本を創るという思想は一致しています。彼がここにいるということは確実に繋がっているとしか考えられません。」
「講演会が始まる前からとんでもない情報が入ってきたな。もしかしたら他にも要人がいるかもしれん、時間になるまで散策するぞ。」
二人は分かれて会場を歩き回った。開始まではあと10分であるため、大体の人は着いていると仮定して他に要人がいないかを確認する。そして、今度は黒龍が身に覚えのある顔を見つけた。彼は愛国党の幹事長、松山誠司である。教育勅語の復活や東京裁判の否定を主張する、一般的に言われる右翼の典型例である。党首の如月と最も対立している幹部であり、次の代表選で党首の座を狙っている。
「愛国党の大物がお出ましとはな、もし如月がこいつに負けたら神国は確実に与党を侵食する。それまでになんとか影響力を弱められないものか。」
開始までの2分前、二人はホール前に戻った。
「浦霞、そっちはどうだ?こっちは大物見つけたぜ。」
「奇遇ですね、私もまた大物を見つけました。講演会が終わったらじっくり話します。」
二人は席に着き、その直後に講演会が始まった。そして、壇上には鳴花姫愛と顔の良く似ていて、和装を纏った紺色の髪の女性が立っていた。
「皆様、本日は神国再生会特別講演会にお越し頂き、誠にありがとうございます。私は神国再生会会長、鳴花美琴と申します。この講演会では神国再生会の活動理念やその正当性を改めて理解して頂くため、皆様ご存知であろうあのお方に来ていただいております。愛国党衆議院議員、松山誠司様でございます。」
松山が舞台の横から壇上へと向かったとき、ホールは拍手喝采が鳴り響き、彼は美琴が降りた後に壇上に上がった。
「皆様ごきげんよう、衆議院議員を務めさせて頂いております松山誠司でございます。」
浦霞が黒龍に囁いた。
「あれが先輩が言っていた大物ですか?」
「ああ、そうだ。」
校長の話と張り合えるほど長い挨拶を終えた後、本題に入る前に教育勅語を一斉に朗読した。辺りを見渡すと、多くの観客は何も見ずに朗読できる様子だ。そして、朗読を終えるとようやく本題に入る。
「突然ですが皆様、カルト宗教は怖いですか?怖いと感じている方は挙手をお願いします。」
二人は質問の内容に困惑したが、他の観客は皆挙手しているようなので二人もそれに追随した。
「そうですよね、近年のカルト宗教は戦争や政治的混乱による国民の不安につけ込んで徐々に勢力を拡大しています。ここでは名を伏せますが、親中派の公明党を支える自称日蓮宗や立正安国論を唱える反乱分子、科学要素が一つもないチャンポン宗教など様々なカルトが乱立しております。しかし彼等を放っておけば、かつてオウム真理教が引き起こした地下鉄サリン事件の二の舞を踏むことになるかもしれません。いや、なります。神道の精神を完全に失った信者は教義という大義のためなら、その強靭な信仰心を持って暴力を振りかざすことでしょう。」
まるで選挙演説であるかのように迫力のある声をあげ、身振り手振りを交えてを持論を熱弁する。
「ですがご安心ください、神国再生会は古き良き日本の神道を重んじて日本国を守る活動をしています。そして神国再生会の理念を実現する唯一の政党が私が所属する愛国党なのです。来年の選挙の際はどうか愛国党に一票をお願いします。そして神国再生会へのご支援もお願いします。皆様の一票と支援が日本を守るのです、どうかよろしくお願いします。」
再び拍手喝采が鳴り響く。松山が降りた後、美琴が再び壇上に上がった。
「松山様、ありがとうございました。彼が仰ったように我々神国再生会は神道の精神を捨てて和を乱す者を諭し、未来ある若者を正しき道へと導き、弱き者を皆の手で救うという神道の精神を重んじ、尚且つ近代社会としての普遍的価値観に基づいて活動しております。ですがこの組織の財源は現状私と副会長が大部分を負担しており、強大な財力を持っているカルト宗教団体と比べればロビー活動の影響力が劣っていると言わざるを得ません。だからこそ皆様のご支援を頂きたいのです。カルトが勝つか我々が勝つか、ご賢明な皆様にとってどちらが良いかは明白でしょう。我々と共に、良き日本を取り戻しましょう!」
ホールは拍手と歓声に包まれた。松山が美琴に近づき、彼女からマイクを受け取った。
「私からももう一度、神国再生会と愛国党をよろしくお願いします。」
歓声が更に大きくなり、選挙演説でなければおかしいくらい熱狂的な様相であった。講演会を終えた後、二人は帰りの車の中で溜まっていた話のネタを吐き出した。
「あの議員も相当電波系な気がしますね。」
「ああ、あの講演会で神国の狂気がはっきりと見えた。どれくらい支援を受けるかはわからんが、早急に対策をしないととんでもないことをしでかすだろうな。ところで浦霞、あんたも何か大物を見つけたんだって?」
「ええ、知名度はありませんが極めて重要な人物です。福岡県警の警部、裏切増男です。」
「はあ!?警部だと、それ本当か。」
「ええ、本当に驚きましたよ。幸い目は合っていませんが、狭い通路だったので鳥肌立ちましたよ。バレないようにするためかフードを被り、更にはサングラスまでかけてたのが怪しかったので、横から見たらあの特徴的な垂れ目が見えたんです。小太りな体型も同じでしたし、間違いありません。」
「警察の幹部にも神国信者がいたとは、道理であんな大事件が起きても捜査が遅いわけだ。さっさと上に報告するぞ。」
「ええ、それにしてもこの1日でここまでの情報が出てくるとは思いませんでしたよ。これで神国再生会の全体像は掴めました、この正義の皮を被った狂人達を絶対に野放しにはさせません。」
ここまで来れば、引き下がる選択肢などない。
今回は結構現実世界にある組織名を使いましたが、宗教団体に関しては消されたくないのであえて違う字に置き換えました。また、今回は少々文章が長くなってしまいました。文章はどのくらいの方がいいのかをアンケートで答えて頂けると幸いです。
如何でしたか?もし 質問 このキャラや台詞が好き ここを改善、深掘してほしい などがありましたら感想を書いてくださると幸いです(個人的に感想が一番楽しみです) 評価やお気に入り登録が増えるとモチベが上がります それでは引き続き狂気の世界を楽しみに待っていてください
※この物語はフィクションです
また、著者は特定の個人、集団、国家に対する差別的意図は一切ありません
この物語に出てくる数字は大抵適当です
文章はどれくらいがいいですか?
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