MI6本部
ウェリントン長官は京町にイラン関連の情報について報告するためにリモート会議を行っている。
「セイカ長官、先日の韓国の件では見事な功績を残しておりましたな。」
「ええ、優秀な部下のおかげで韓国の腐りきった実態を暴くことがてきました。これもあなた方の顧問の指導の賜物です。しかし強行突入の際は20人中12人もの犠牲者、それも多くが軍人経験のある人だったので強行班の人員確保や更に質の高い訓練の実施が大きな課題となっております。」
「うむ、我々でもあれほど大規模な突入作戦は極めて稀ですからな。お互いそういった貴重な情報を積極的に共有していかなければなりませんな。さて、そろそろ本題に移させてもらいましょう。まずはオネくんから報告を頼む。」
「はい、まずイランでの物流企業に潜入していた際に兵器類がトルクメニスタン、カザフスタンを通ってウイグル自治区に送られたことが判明しました。この企業はイスラム革命防衛隊との繋がりが強く、ほぼ確実に信託が行われているものかと思われます。」
「確かイランは中国とは安全保障面での関係が強かったはずでは?」
「安全保障面では協力という形になっていますが、ウイグルの同化政策が進んでいる影響で政治的にはかなり対立が深まっているため、政府が革命防衛隊に命令している、あるいは革命防衛隊が独断で動いている可能性があります。」
「政府が命令しているならともかく、革命防衛隊が独断で動くことなどあるんですか?」
「現在の革命防衛隊はあらゆる大企業を傘下に収めており、イランのGDPの4割を支えると言われているほど経済的な影響力を持っています。民間船の拿捕や単独での軍事行動が多発していることから、とっくに政府の手綱が切れていてもおかしくはありません。また、これはつい最近判明したことなのですが、民兵部門のバスィージが急速に動員を進めているそうです。現地の友人曰く、近々戦争を始める予兆だということだそうです。」
「今まではミサイルや無人機の局所的な攻撃がほとんどだったが、予備役とも言えるバスィージ部隊が招集されるということはかなり大規模な戦いになりそうですね。」
「オネくん、ありがとう。このようにイランは今までにない動きを見せていることから今年か来年辺りに近隣国と全面戦争をする可能性が高いでしょうな。まあ、日本としてはなるべくイランとは関係を悪化させたくないだろうが、くれぐれもG6としての道は外さないよう心がけて頂きたいですな。」
「ははは……波音外相にもそう伝えておきます。」
「ところで、ユカリくんは無事なのかね?」
「ええ、彼女は軽症で済みましたよ。」
「それは良かった、オネくんがニュースを聞いたときに心配のあまり長いこと動揺していたからな。」
「ちょっ、余計なこと言わないでくださいよ長官!」
「じゃあそのことを結月にも伝えておきますねw」
「セイカさんまで…」
他愛もない話をしていると突然画面に新しいユーザーが現れた、ウェリントン長官が話しかける。
「ん?君は誰かね、答えなさい。」
どちらの長官も何の言語であるか見当もつかず困惑していたが、オネは意味はわからなくてもペルシア語であったことはわかった。
「長官!恐らく革命防衛隊に情報が漏れています!」
「本当か?MI6管轄のネットワークだぞ、一体どうやって入ってきやがった!」
するとペルシア語ユーザーが英語で語りかけてくる。
「英国のエリート共は内側に潜り込まれるのに弱い、いつまで経ってもその体質は変わらないようだ。ちょっとはCIAを見習ったらどうだ?情報力も鬼畜さも奴らの方が上だぞ。」
「オネくん、発信先はまだわからんか!」
「他の職員が逆探知をしています。」
ペルシア語ユーザーが失笑する。
「そんなことしてる場合じゃないと思うけどな。長官、一旦ホーム画面を見ては?」
ウェリントン長官のホーム画面には残り15秒のカウントダウンとStaff will die because of youというメッセージ、ウェリントン長官が黒髪アフロになったコラージュ画像のくるみ割り人形のような雑なアニメーションが表示されていた。
「まさかお前爆弾を仕掛けたのか!?」
ペルシア語ユーザーはただ笑うばかりである。
「突き止めました、場所は…ロンドンのMI6本部!」
「なんだと!?職員全員外に出ろ!」
その直後、爆発音が鳴り響く。
「長官、机に!」
長官とオネが机に入った途端、部屋の壁が崩れ、危うく瓦礫に埋もれるところであった。長官パソコンが破壊され、リモート会議が中断された。
「ありがとうオネくん、しかし他の職員は…」
「とにかく今は脱出しましょう!」
実行犯やその仲間が潜んでいる可能性があると考え、オネは拳銃を取り出して避難経路を進む。施設内部は火の海と化し、あちこちに火が燃え移った職員がのたうち回っている。
「ああ…私の、私のせいで、みんなが…」
「何も考えないでください!あいつの言う事を当てにしてはいけません。」
入口は瓦礫で塞がっており、非常出口にも火が回っていた。
「長官、ちょっと失礼しますね。」
オネが長官を背負い非常出口へ走って行った。脚に火が燃え移りながらも冷静にドアノブを開け、脱出に成功した。オネは長官を突き飛ばして地面に脚を擦り付けた。
「いてて…はっ、大丈夫かオネくん!」
黒く焦げたオネのズボンを見つめる。
「はぁ…はぁ…多分軽い火傷で済んだでしょう。」
「まだ若いのに、本当に申し訳ない。」
救急隊員が駆けつけ、オネは救急車へと運ばれる。
「大丈夫でしたか、長官。」
刑事が駆け寄ってきた。
「ああ、部下のおかげでこの通り無傷だ。私はな…」
一方特務庁では
「まずい、我々がMI6と同じ情報を持っていることが知られた。直ちに職員を全員集めろ、警察に検査をしてもらう。最悪の場合、我々の中にも内通者がいる。」
突然、京町の携帯に見知らぬメールが届く
「誰よこんな時に。」
そこにはIf you don't want to end up like the British, don't get involved again.という内容が書かれていた。送り主はHosseiniというイランではメジャーな名前であった。
「はぁ……ここまで情報を握られていれば、もはや手も足もでないな。首相に閣僚会議を要請しろ。」
首相官邸
閣僚が集まり、桜乃が口を開く。
「さて、議題は特務庁の改革とのことでしたが、まずは何が起きたかを詳細に話して頂けますか。」
「はい、英国のMI6本部で爆破テロが発生したことは皆さんご存知かと思われます。その直前には我々特務庁とのリモート会議を行っており、その最中に革命防衛隊に関連していると思われるユーザーが出現。そしてウェリントン長官のパソコンにはカウントダウンが表示されていたとのことです。彼は無事でしたが、42人の職員が死亡しました。」
「しかし、何故彼がウェリントン長官のパソコンに干渉できたのでしょうか。」
「つい先程彼から連絡が来ておりまして、曰く確実にコッズ部隊の犯行とのことです。犯人と思われる人物はイラン系の職員で、携帯のログからHosseiniという人物とやり取りをしていたそうです。Hosseiniは既に私の個人情報も掌握していると思われるため、革命防衛隊に対する諜報活動は厳しいものとなりました。犯人は焼死したため動機などは不明ですが、二重スパイであった可能性が高いでしょう。」
「なるほど、それでこれからの方針はどうします?」
「MI6は世界最高峰の諜報機関ですが、未だに二重スパイとサイバーセキュリティに弱いということが判明したため、これからはCIAからも顧問を呼ぶことにします。そしてイランでの諜報活動は当分行わないものとします。」
「職員の情報もほとんど握られている可能性がありますから、安全性を考えれば妥当な判断ですね。」
「京町さん、ちょっといいですかな?」
岸が話に割り込む。
「ええ、どうぞ。」
「特務庁がイランでの諜報活動ができないならば、国防軍情報本部に任せて頂きたい。イランは今は友好関係ではあるものの、仮にも中朝露と安保関係を構築している国であります。故に軍事情報は常に把握しておかなければなりません。国防軍は特務庁よりも長く活動しており、サイバー戦の実績も多いため国内外問わず実力が認められています。MI6のようなヘマは致しません。」
「とのことですが総理、どうされますか。」
「そうですね、ここは情報本部に託します。ただ、くれぐれも勝手に軍事行動は起こさないでください。」
「勿論ですとも、彼等は優秀なのでね。」
閣議の内容は特務庁は今後イランでの活動は難しいという部分だけ公開され、桜乃はこれを機により一層サイバー対策に舵を切ることを宣言した。
一方その頃、第二次米墨戦争は29年1月7日にようやくアカプルコを制圧し、北部軍もグアイマスからカルフォルニア半島に撤退しようと海上輸送をしているメキシコ軍を日米潜水艦隊が全て海の藻屑に変えた。ロスカボスで抵抗を続けているメキシコ軍はもはや逃げ場はないと考えたのか正規軍は降伏し、カルテルのゲリラ部隊を掃討するのみとなった。マキ大将も総司令官を降りた後は南部軍司令官として順調に戦果を上げ続け、24日にラザロカルデナスを制圧。彼女は少しずつ自信を取り戻していった。しかし、マンサニージョに到達すると正規軍やゲリラ部隊の抵抗が更に強まり、戦線は再び停滞した。
サンディエゴ海軍基地
シューター大統領が作戦会議を始める。
「ハーバー大将が総司令官に就任してから約2ヶ月、マンサニージョまで行ったのはいいが結局戦線は膠着してしまった。日本の増援があれば進むはずだったが、報告によれば第1空挺団は未だ前線に出ていないそうではないか。」
茜大将が答える。
「いくら最精鋭の部隊と言えど、山岳に籠もっているゲリラ部隊と戦わせれば必要以上の損害が出るでしょう。従って、現段階では山岳部隊を用いてゲリラ部隊を殲滅し、主力部隊が都市部に到達した時に空挺降下で短期制圧をするのです。」
とは言うものの、実際は2500人しかいない貴重な第1空挺団をこんな所で消耗したくはない。というのが本音であり、運用するとしても都市部の制圧という華やかな戦果を得られる作戦に限定したいという思惑が彼女にある。
「ふむ、なるほどな。」
大統領は納得したが、ハーバー大将にとっては茜大将が考えたとは思えないほど適当な作戦だったため魂胆が見え見えであった。
「アカネ大将、我々は対等な同盟関係である以上片方だけが出し惜しみするというのはあってはならない。都市部の制圧だけなど美味しいところだけ持っていくなどありえん。」
「そこまで精鋭部隊の力が必要なら第82空挺師団を使えばいい話でしょう。もしや自分から戦争を起こしておきながら、なるべく自国の損害を出したくないから他国の部隊を使わせようなどとお考えで?」
茜大将に限らず米国以外の将校は勝手に巻き込まれた戦争という感情が強くなり、第二次ベトナム戦争時と比べてTTOは連帯感を損ないつつある。その結果、開戦当初は多国籍軍と纏められるほど多くの国が参戦していたが、非人道行為の疑惑や反戦運動などもあり、今ではほとんどが日米英に所属している部隊ばかりである。また、29年11月には英国で総選挙があり、世論調査では反戦派の労働党が優勢であるため、それまでには終戦を迎えなければならない。
「言っておくがこれはアメリカだけの問題ではない。我が国がカルテル共によって弱体化されてしまえば、困るのは貴様等の方なんだぞ。」
「今は米国がもっと自国の部隊を使うべきだという話をしているんです。論点をずらさないで頂きたい。」
マキ大将が会話を止めようと割り込む。
「OK、二人共落ち着いてくれ。ハーバー大将、この戦争はシューター大統領が全米国民を巻き込むことを覚悟して始めた戦争なんだ。もはや多大な犠牲を出さずに勝つのは不可能だと断言しよう。大勢の海兵隊を犠牲にした私が言う資格など無いと思うかもしれんが、アメリカが全力を出さない以上この戦争には勝てない。責任は全部大統領持ちだ、ありったけの部隊を動員してくれ。」
「……わかった、第10山岳師団を総動員し、第82空挺師団の一部も運用する。」
シューター大統領が口を挟む。
「いくらなんでも総動員はやり過ぎではないか?」
「大統領、失礼を承知で申し上げますが、あなたにはこれ以上作戦に口を出さないで頂きたい。先程のアカネ大将の作戦に納得した時点で、軍事作戦を大して理解できていないことがわかりましたので。」
シューター大統領は肘をついて俯いた。
「 これで納得しましたかな?アカネ大将。」
「ええ、問題ありません。」
「よし、とにかく第三フェーズは3月までに集結させる。日米英それぞれが全力で正義の飛翔作戦を遂行するんだ。以上、作戦会議を終了する。」
モスクワ クレムリン
「ようこそ金公成書記長、さあこちらの席に。」
「ありがとうございます、ドルフ大統領。」
「本日クレムリンに来て頂いたのは書記長に重大な頼み事がありましてね、ご賢明な書記長であれば受け入れてくれるかと期待しているのですよ。」
「ほお、我が国に頼み事とは一体なんでしょう。」
「中国は不動産バブルが崩壊して以降、国内が非常に不安定化しております。恐らく王主席は大規模な反乱が起きたとき、なんとか外交で成果を上げようと必死になるでしょう。メキシコ戦でTTOの団結を崩し、戦力の消耗をさせることで少しでも台湾統一を有利に進めようと考えてにちがいありません。」
「なるほど、しかし実際に勝つ確率は?」
「低いと思われます、インドやイランも新秩序のために動いていると言われてますからね。しかし、この戦争で日本を潰すことはできます。ですから朝鮮には…」
「我が国が済州島に猛攻撃を仕掛けて日米駐留軍を殲滅、そこから済州島を制圧する。そうして欲しいということでしょう。」
「ええ、まさにその通りです。しかしもう一歩踏み込んで欲しいのです。」
「もう一歩というと…対馬も制圧しろと?」
「もっと言うと、九州上陸です。」
「……小島であれば空挺部隊で制圧することはできますが、流石に本土上陸となると制海権を得るのが困難です。」
「そこはご安心を、ウラジオストクから極東艦隊を展開しますので。」
「ということはロシアも参戦するのですね。」
「 はい、しかし情けないことに北海道を攻略できるほどの陸軍は当面確保できないことが予想されます。そのため先に朝鮮に九州を制圧して頂き、日本軍を西側の防衛に集中させて頂きたい。」
「我が国も20年前とは違い、ロシアのおかげで大規模な近代化を実現しました。全力をもって侵攻すれば不可能ではないでしょう。しかし、それに見合うメリットがこちらにあればの話ですが。」
「勿論ですとも。報酬の1つ目はミサイル発射場や核濃縮施設など重要施設の防衛を想定した訓練をするための部隊を更に送ります。2つ目は今後10年間、朝鮮に格安で原油や天然ガスを供給します。そして3つ目に戦車開発に携わる技術者達を送ります。」
「なんと!戦車の技術を提供してくれるとは、もしや我が国との共同開発ということでしょうか。」
「ええ、それもT14超えレベルの戦車をです。」
「そこまでして頂けるのであれば、この提案を呑まないわけにはいきませんな。」
「あなたには感謝しかありません、これからも良好な同盟関係を築いていきたいものです。」
「こちらとしても願ったり叶ったりです。」
旭日世界の朝鮮は朝鮮統一後、ソ連と中国のどちらかに偏らず蝙蝠外交を展開してきた。そして両国との貿易や軍事援助、技術援助によって史実よりも大きく発展した。第二次朝鮮戦争の失敗から中露の支援を得て軍を近代化し、第三次に備えて虎視眈々と済州島を狙っている。
帰りの飛行機にて
「書記長、今回の会談は如何でしたか?」
「ああ、実に素晴らしいものだ。今までは中露のどちらかにペコペコ頭を下げることしかできなかったが、今となっては足元を見て交渉できる。北海道に展開する余裕がないとはロシアも相当落ちぶれたもんだな。」
「しかし、有事の際には九州上陸作戦をするなんて約束して大丈夫なのでしょうか?」
「ロシアの極東艦隊も味方についているんだ、制海権を奪取するのも難しくはない。上陸さえしてしまえばたった十数万しかいない日本軍など敵ではない。しかし、核兵器関連施設の防衛訓練と言っても、流石にこれ以上はいらんような気がするがな。」
「もしや本当は朝鮮を乗っ取るつもりでは?」
「それはないだろう、北海道に侵攻できない程の戦力で我が国を制圧できるわけがない。」
「……それもそうですね。」
「とりあえず、ソウルに帰ったら今日も日本の海にミサイルを一発かましてやろう。」
総理執務室
「総理、今月の内閣支持率は42%から45%に上昇したそうです。」
「……あんまり上がってなくないですか?」
「はい、最低賃金の引き上げは評価されているようですが、特務庁の活動で賛否が分かれているのと米墨戦争が未だに終わりが見えないことが影響しているのかと。」
「ふむ…あまり芳しくない状況ですね。衆院選ではなんとか与党を維持できましたが、今後の政策次第で危機的状況に陥る可能性も否定できませんね。」
ちなみにその衆院選の結果というのがこちら。
自民 227議席
維新 96議席
国民 42議席
立民 40議席
愛国 34議席
共産 16議席
公明 10議席
合計 465議席
「また、政府クラウドの創設そのものは順調ですが、情報保護庁は中々適正人材が集まっていない状況です。」
「そうですか…一筋縄ではいかないということですね、何か良いニュースはありませんか?」
「メタンハイドレートが安定供給に入ったおかげで火力発電に使える割合が3割にまで上昇しました。」
「素晴らしいですね、やはり四国さんに任せておいて良かったです。」
「ニュースを見ると、彼女は高知のドンになってみせると意気込んでいるそうです。」
「自分から言うものではないと思いますけどね(笑)
あっ、いいこと思いついた。内閣改造しましょう。」
「人事を刷新して印象を良くするんですね。」
「あんまり長く続けている人が多いせいでメディアにずっと批判されてますからね、ここで大幅に入れ替えましょう。」
翌日の閣議の結果、波音と岸以外は国務大臣が変更された。特に虚音が官房長官から幹事長へと変更されたことは大々的に報じられた。そして官房長官の後継は風見となった。しかし何故か岸は8年経っても国防大臣の座に居座るため、相変わらず問題視されていた。
「あの総理、何故岸さんを幹事長に?」
「いや〜あの人何でもかんでもはっきり言い過ぎなんですよね。それにいつも高圧的な態度を取ってきますから、それなら風見さんの方がいいなと。本人も結構批判を気にして落ち込んでますし。」
「なるほど、しかし岸さんはまだ続投するんですね。」
「あの人まだ国防大臣でいたいって言うんですよ。メディアには戦争中は国防軍との信頼関係がある人物が適任だと言っていますが、あまりにも長いのでそろそろ後継を決めたいところなんですけどね。」
「失礼します総理!」
その時、東北とは別の秘書が慌てて入って来た。
「どうされました?」
「中国とインドネシアが先ほど安全保障条約を署名しました!明日インドネシア議会で承認を得るようです。」
「……は?」
桜乃は開いた口が塞がらなかった。少し間が空いた後、東北が詳細を尋ねる。
「具体的な内容は?」
「軍需物資の提供やインドネシアとの戦争を起こした国への参戦義務、そしてインドネシアへ軍事基地を建てるというものです。」
桜乃はため息を漏らし、椅子から立ち上がった。
「波音さんに連絡してください、あらゆる外交筋を使って一人でも多くの議員たちに反対するよう要請させます。」
しかし、碌な根回しもできていない状態で議会を反対に変えることなどできるはずもなく、1月27日 安保条約は議会過半数の賛成により条約は締結された。
オーストラリア キャンベラ
ゴールドン首相は死んだ魚の様な目でモニターを見続けている。そして唇を震わせながら呟いた。
「まずい、非常にまずい!台湾有事になればインドネシアと戦争になりかねない事態になった…」
インドネシアとオーストラリアの関係は険悪だ。両国は麻薬に対しての考えが大きく異なり、イスラム国家のインドネシアで麻薬に溺れ、肌を露出し、わが物顔で振る舞うオーストラリア人が問題視されている。しかし、オーストラリア政府特に対策はしないため、インドネシア国内ではオーストラリアへの憎悪が強まっている。それに加え、中国からの軍事援助を受けようものなら軍事力の差は更に開いてしまう。もし台湾有事が起きたとき、中国がインドネシアに参戦を要請すればオーストラリアは全面戦争を強いられ、貿易が困難になることが想定される。
「首相、こちらも軍事費を大幅に上げましょう。」
「いや、それだけでは足りん。最終手段を取る。」
「……一体何をされるおつもりですか?」
あの島々を焼け野原にする破壊兵器を作るしかない
衆院選の描写を完全に忘れていました、申し訳ございません。投稿期間は気まぐれなので気長に待って頂けると幸いです。
如何でしたか?もし 質問 このキャラや台詞が好き ここを改善、深掘してほしい などがありましたら感想を書いてくださるも幸いです(個人的に感想が一番楽しみです) 評価やお気に入り登録が増えるとモチベが上がります それでは引き続き狂気の世界を楽しみに待っていてください
※この物語はフィクションです
また、著者は特定の個人、集団、国家に対する差別的意図は一切ありません
この物語に出てくる数字は大抵適当です
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