ロシア ゲレンジーク
ロコソフスキー大統領は別荘で休暇を取っていた
「うむ、やはり昼から飲むウォッカは格別だな。嫌なこともこれさえあればなんてことなくなる。それにしても最近は軍とFSBが不明瞭な動きをすることが多くなってきたな、何故私のほうに情報が届かないんだ?ドルフやゲリヤもあまり姿を表さない…」
コンコンッ「失礼します」ガチャッ
ドアが開くとゲリヤとその後ろにいる武装した8人程の部下が彼の目に映った。
「休暇は楽しんでおられますか?大統領。」
「ゲリヤ、これはどういうことだ!」
「おっと動かないでください、あなたには今から囚われの身になって頂きます。」
「貴様…何故このようなことを!」
「決まってるじゃないですか、偉大なるロシアをここまで没落させたあなたには潔く辞任して頂き我々の監視下に置くのですよ。」
「そんなふざけた理由で貴様等に拘束されてたまるか!」
「あなたにだけは言われたくないですね。何がイルクーツク遷都ですか、何が北海道制圧ですか。あなたには唯一の取り柄だったカリスマも今は見る影もない、脅威となるライバルが全て潰された今のロシアには新たなる偉大な指導者は現れない。だから軍と秘密警察が共に人民を導き、強いロシアを取り戻すのです。」
「まさか軍部の奴らもグルだったのか?」
「ええそうですとも、今頃我々の崇高なる計画を邪魔する不穏分子は国の誇りたるロシア軍によってただの肉塊になっていることでしょう。」
ロシア モスクワ
銃声と爆発音そして市民の悲鳴が鳴り響き、赤の広場は文字通り辺り一面赤く染まっている。そのような状況下でドルフはクレムリンで演説を行っていた。
ゲオルギー・ドルフ 59 大統領 オリキャラ
クーデターを起こし大統領となった軍国主義者 “偉大なるロシア”を取り戻すためなら手段を選ばない
「我々ロシア軍は極悪非道たるロコソフスキー大統領の悪政から偉大なるロシアを取り戻すため、これからは我々が政権を担うこととなった。従って私が大統領となり、強いロシアを求めている国民を導いていく。ロシア国民よ団結せよ!再びロシアを偉大な国にするのだ。」
イラン テヘラン
「あれがミサイルを積んでいるコンテナね…」
結月ゆかり 38 特務庁職員 ボイスロイド
上海条約機構に加盟したイランを監視するために派遣された元刑事。MI6職員のオネと行動を共にしており、彼女をとても可愛がっている。現在は運送業者として潜入している。
「あれほど多くの警備員が動員されているので恐らくそうでしょう、しかもドローンも見ただけでかなりの数です。」
オネ・アリア 35 MI6職員 チェビオ
特務庁職員の結月の応援として派遣された。ジェームズボンドを意識してウォッカマティーニを飲むが実際はあまり好きではなく、既に結月にも気づかれている。しかもシェイクではなくステアで飲んでるためポンコツもいいところである。
「もしこれだけの兵器がベトナムに送られたら戦況はまずいことになるわね。しかもイラン革命防衛隊から義勇軍も送るそうだし。」
「どうされます?破壊工作員を要請しましょうか?」
「いや、それはまずい。長官からはなるべく破壊や交戦は避けるよう命令されている。とりあえず上に報告しておいて、今後も情報収集を継続するつもりよ。」
「了解です。」
「オイ!ボーットシテナイデサッサトハコベ!」
「あっすみません、すぐ運びます!」
総理執務室
「緊急速報です、9月3日日本時間午後19時にドルフ国防相がロコソフスキー大統領の退任とドルフ国防相の大統領就任を宣言しました。特務庁によるとロコソフスキー氏は現在ゲレンジークの別荘で休暇を取っていたため同地でFSBに軟禁されている可能性があり、モスクワではクーデターが発生したと報告されています。また都市部では軍のクーデターに反対している市民に対し銃や戦車を使用した非人道的な鎮圧が行われており、多数の犠牲者が出ているという状況です。」
「軍とFSBが大統領に不満を抱いていたのは職員から聞いてましたが、まさかクーデターが起こるとは…」
「軍国主義国家は何をしでかすかわかりませんからね、これだと北海道に配備している旧90式を退役させるのはまだまだ先になりそうです。」
「また、ベトナム情勢に関する新情報があります。イランではベトナム政府軍への兵器輸出とイラン革命防衛隊の一部を義勇軍として送り込むという計画があるそうです。」
「とうとうイランまで介入してきましたか。」
「どうやら中国の要請で兵器輸出をすることになったそうでドローンや銃、そしてミサイルが主力となっています。これらは今戦争を更に長期化させる要因となるでしょう。」
「ふむ…ならば波音さんをイラン行かせます。」
「総理、何かお考えが?」
「我が国は民主主義陣営で唯一イランとの友好関係を築いている国であり、上海条約機構を結束を崩す可能性がある国をでもあります。ここは波音さんの外交力を信じましょう。」
朝鮮 ソウル
「書記長、ウラジオストクに派遣した部隊がロシア軍と共に反対派を鎮圧し終えたとのことです。」
金公成 45 書記長 オリキャラ
朝鮮を日本より強い軍事国家にする野望を持つ指導者。近年はミサイル開発に力を入れており、民主主義陣営にとっては脅威的な人物である。
「よくやった、これで今後ともロシアとは良好な関係を継続できるな。ところで軍拡政策はうまくいってるか?」
「はい、現在ミサイルは約3000発にも及び海軍の増強も行っております。しかし何故ここまで急速に軍拡を行い、ロシアとの関係を重視するのでしょう。」
「私がロシアとの関係を重視するのは奴らが持っている膨大な食料と石油、鉱山資源を安定供給するためだ。我が国はロシアの侵略計画を支援することによってロシアとの強固な同盟ができるのだ。」
「侵略計画…どこかで戦争が起こるのですか?」
「戦争などするまでもない、将来的にこれまで起きていた世界恐慌とは比べ物にならない程の大事件が中国をはじめとして多くの経済大国で発生するのだ。」
「中国をはじめとしてとはどういう…」
「中国は表向きは米国の覇権に挑戦する超大国として振舞っているが、その実態は首の皮一枚で繋がっていると言ってもいいほど不安定な状態だ。今は不動産バブルを政府主導で無理やり維持し続けているが、それが崩壊すれば中国経済が崩壊し工業製品を中国に頼っていた民主主義陣営も致命傷を受けるだろう。」
「しかし、それだけはロシアが侵略戦争をしやすくなるというのは無理があると思うのですが。」
「ふむ、君にはまだ言っていなかったな。実は中国の民族自治区の独立派に極秘に軍事支援を行っている国があるのだよ。新疆ウイグルは主にトルコ等のイスラム系国家、チベットは宗教は違うがインドから、内モンゴルはモンゴルとロシアから、広西チワンは台湾からそれぞれ支援を受けているのだ。中国政府も知ってはいるようだがインフラがまだ十分に整っていない地域というのもあって実態が掴めていない様子だ。」
「民族自治区に軍事支援…まさか中国で内戦が起きるというのですか?」
「ああそうだ、あと数年もすれば米中欧による世界秩序は崩壊し我が国とロシアによる"新秩序"が始まる。中国共産党はしぶとく生き残るだろうが、少なくとも大国としての力はなくなるはずだ。そして民主主義国家の人間は歴史上最大の恐慌に絶えられず理性を失い、自ら破滅への道へ向かうだろう。そうすれば欧米は勿論日本だって敵ではない。」
「本当にそううまくいきますかね?」
「まぁ見ていろ、2030年にもなれば我々は新秩序の中で生き抜くのことになる…必ずな。」
イラン テヘラン
「初めまして、波音律と申します。」
「初めまして、アハムド・ムハーニーです。」
アハムド・ムハーニー 48 外相 オリキャラ
イランの内閣の中では穏健派の外相 民主主義陣営で唯一友好関係を維持している日本を重要な国であると考えている
「本日は貴重な時間を頂きありがとうございます、それでは早速会談を始めましょう。」
「今回はどういったご要件で?」
「実は貴国がベトナム内戦においてベトナム政府側を軍事支援していることが発覚しておりまして、我が国としては貴国との友好関係を維持したいため軍事支援を止めて頂きたい所存です。」
「軍事支援…あれは極秘で行っていたはずですが一体どうやってその情報を知ったのでしょうか?」
「…CIAからです。」
彼女は日本の諜報員が関わっているなど口が裂けても言えないため、イランと敵対関係にある米国が入手したと思わせるつもりである。そして日本は他の国とは違いイランとは融和路線の外交を展開するとアピールし、イランの軍事支援を止める計画である。果たして彼女の思惑通りに事が進むのであろうか。
「…やはりそうですか。まぁ、そのような情報を掴むのは米国くらいでしょう。それで、軍事支援を止めて欲しいとのことでしたね。実は我が国としてはこのような支援は決して望んでいることではありません。」
「そうなのですか?てっきり同盟国である中国の要請であれば喜んで支援を行っていたものだと思っていましたが。」
「同盟国ですか…確かに我が国は中国と安全保障においては強固な関係を構築していますが、ウイグルの同胞を虐げている共産党の方針には全く賛同できない。しかもベトナム戦争では国民に対し抑圧的な政治を行っている政府への支援を要請してくるのですから、彼らは現地住民のことを自分の駒としか見なしていない様に思えるのです。」
「ということは…」
「ええ…私としてはあなたの要望に答えるつもりです、条件つきではありますが。」
「その条件とは何でしょう。」
「我が国は欧米のクリーンエネルギー政策とやらで石油の輸出額が今までより大きく下がってきています。我が国も石油に頼らない第二次、第三次産業を発展させてはいますがこのままではそれすらも叶わずに経済が維持できなくなるでしょう。ですから貴国には我が国が工業国として成功するまでは石油の大口客となって頂きたいのです。」
「なるほど…もし承諾すれば本当に軍事支援を停止してくださるのですね?」
「はい、必ず実現することを約束しましょう。」
9月18日 テヘランで日本イランの外相会談が開催された。この会談ではイランの軍事支援を止める代わりに日本がイランの石油輸入量を大幅に増加するという内容であった。米国からは軍事支援を阻止したことを感謝した一方で日本がイランという仮想敵国の安定輸出先になったことに関しては否定的な見解を示した。ちなみに日本は輸入量の半分は備蓄へと回しているが、これが今後の展開で重要なポイントになる。
総理執務室
「よくやりましたね波音さん。」
「ええ…これなら無事に上陸作戦が成功できますね。米国としては複雑な心境なようですが。」
「そもそも彼らがイランと敵対し続けなければ我が国がここまでする必要はなかったんですけどね。」
「まぁいいじゃないですか、イランとの友好関係は維持できましたし。」
「それもそうですね、ではまた飲みましょうか!今日は京町さんがボルドーのワインを持って来るんですよ。」
「ワインですか、ならば断る理由はありませんね!」
「お二人共、良ければ私もお供しても?」
「おやおや?今まで秘書の分際で私を酒クズなどとほざいていた東北さんがお供したいですって。いいでしょう、今日は無礼講といきましょう!」
「なんで言ってないのにわかったんですか…」
9月27日 ベトナムのフエで日米軍による共同上陸作戦が成功し、フエの防衛線は完全に崩れた。上陸軍の損耗は激しかったが中国義勇軍の主力を包囲殲滅したことにより10月8日にドンホイを容易に制圧した。しかしハノイへの道はまだ遠く中国の戦力は未だ多く残っているため、予断を許さない状況であることには変わらない。
「よくやったアカネ大将!これでまた一つ懸念は解消できたな。だが奴らはヴィンにも防衛線を構築していて、最低でもあと半年は掛かるだろう。」
「それと懸念が一つ追加されました。実はかなり不穏な情報を特務庁から聞きましてね、ラオス軍が国境付近に集結しつつあるとのことです。」
「Oh…これはキツイな。確かにラオスは国そのものを中国に支配されてると言われているほど依存しているからな、何もおかしい話ではない。もしラオスが参戦してくるようならその時はハーバー大将に任せたい。」
「当然だ、中国の傀儡小国など敵ではない。」
「アカネ大将は私と共に北上軍を担当する。終戦への道のり未だは長い、引き続き気を引き締めろ。」
10月16日 茜の読み通りラオスが多国籍軍を派遣した民主主義陣営に宣戦布告。これにより戦力が分散され、第二次ベトナム戦争は両陣営のどちらかが泥沼に全身が沈むまで終わることのない最悪のシナリオとなった。
佐藤家
「ねぇつづみちゃん、ラオスが宣戦布告してきたってさ。これもしかしてベトナム戦争もっと泥沼化するんじゃない?」
「間違いないわね、ロシアのクーデターといい今年は本当に災難なことばかりね。イランの軍事支援が中止されたのは良かったけれども。」
「でも必要以上に石油を買わされるのは癪に障るよね、イランを敵に回すよりマジだけど。」
「まぁロシアが軍事国家になってるから石油の安定供給先を確保するというのもあるのでしょうけどね。それよりそっちの業績はどう?」
「業績は良くなってるよ、特にロシアが軍事国家になってから軍需物資はかなり伸びているね。ロシアの人々が苦しんでいる一方で私達はウハウハなんだから背徳感やばいよね。」
「あんた本当に倫理観終わってるわね…それにウハウハなのは本当に私達だけで、私の知り合いはほとんど生活に苦しんでいるのよ。ベトナム戦争でベトナム製品の生産が止まって軽工業は大打撃、部品製造をベトナムに頼っていた自動車業界も全体的に業績が悪化しているのよ。そのうち私達にもそういった被害を被ることも考えておいたほうがいいわよ。」
「うちは天下の三菱重工だからね、被害があっても生活に影響するほどの業績悪化はないでしょ。」
「楽観的過ぎて怖いわね。」
11月28日 去年のインド太平洋会談から一年が経ち、遂に東京条約機構(TTO)が設立された。この同盟はインド太平洋諸国の安全保障をより強固にすることを目的とし、仮想敵国は中朝露などの専制主義国家としている。現在の加盟国は日米印英豪比の六カ国であるが、今後も加盟国を積極的に加盟させる方針である。
また、11月3日にインドがスリランカに宣戦布告。中国義勇軍がいなかったため、スリランカ政府は12月22日に降伏した。
日本では特定国買収禁止法が12月27日に制定されたことにより日本企業が懸念国に買収されることはなくなった。一時的な経済的損失はあるものの、チャイナリスクをまた一つ摘み取ることがてきたのは大きな一歩である。
桜乃は大蛇計画の達成を宣言、そして彼女は次なる計画を実行する。
総理執務室
「総理、大蛇計画の達成おめでとうございます。」
「ありがとうございます東北さん、しかし大蛇計画はまだ前座に過ぎません。既に次の計画はできていますので早速実行に移しましょうかね。」
「一体どのような計画なのでしょうか。」
「産業用AIによる人手不足問題の解消、電磁砲の配備によるミサイル防衛網の強化、中枢都市の核シェルターの大規模整備、超小型原子炉の普及によるエネルギー問題の解消等を実行する国力増強計画です。名前は…」
八咫烏計画と致しましょう
如何でしたか?もし 質問 このキャラや台詞が好き ここを改善、深掘してほしい などがありましたら感想を書いてくださるも幸いです(個人的に感想が一番楽しみです) 評価やお気に入り登録が増えるとモチベが上がります それでは引き続き狂気の世界を楽しみに待っていてください
※この物語はフィクションです
また、著者は特定の個人、集団、国家に対する差別的意図は一切ありません
この物語に出てくる数字は大抵適当です
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