我々は愛する国民を守り抜く、日本の守護者として。
-琴葉茜
米国 ホワイトハウス
現在米国ではフラッカやヘロイン等の乱用で薬物中毒者が増加しており、その数は月10万人以上となっている。主な原因は麻薬カルテルがメキシコからの不法入国者に紛れて、米国で大量にドラッグを流通させたことにある。今や麻薬カルテルは国境警備隊の手に負えない程強大になっており、この問題を解決するにはメキシコにいる麻薬カルテルを撲滅するほかない状況となった。
「シューターくん、アメリカは麻薬カルテルという今までに類を見ない脅威と戦うことになる。しかも奴等はベトナムよりも強い国力を持つメキシコを支配している。今までの様な戦い方では撲滅仕切ることはできない。そこで我が国は新兵器、ロボット歩兵を投入する。」
ダグラス・シューター 58 副大統領
2028年の大統領選挙で大統領候補となる共和党の副大統領。メキシコ解放作戦を麻薬カルテルを撲滅する唯一のチャンスであると考えている。彼も元海兵隊大将でありマキ大将は勿論、茜大将との関係も深い。
「遂に投入するのですね、それでどれくらいの数を投入するのでしょうか。」
「2500機だ。陸軍や海兵隊の尖兵として運用することで、突撃時の犠牲を抑えることができる。量産体制も確立しているから、これから更に多く投入できるだろう。」
「後は議会で自立型致死兵器使用法が制定されるかですね。」
「制定させるさ、なんとしてもな。」
10月28日 米国議会議事堂で自立型致死兵器の使用を認める法律が制定された。この法律は世界に衝撃を与え、AI兵器が本格的に軍事利用されることを象徴する出来事となった。
三菱重工総合研究所
「アカリ、遂に米国がAI兵器を本格的に運用する様になったらしいわね。私達も負けてられないわよ。」
「勿論ですとも。我々は四足歩行型のAI兵器を完成させ、そして今はロボット歩兵を完成させています。後は日英両軍による運用試験さえ通れば、米国と同様ロボットと人間の共同作戦が可能となります。」
「このロボットの名称は自立型機械歩兵Zということになってるけど、何か親しみやすい名前は無いかしら。」
「メインカラーが緑でZですから…そうだ!ずんだもんというのはどうでしょう。これなら兵器って感じがしないので反発もあまり起きないと思います。」
「ずんだもん…カワイイ名前ね!ところで名前の由来はなんなのかしら?」
「日本にはずんだ餅という緑の餅がありまして、そこからとってるんですよ。」
「なるほどね、とりあえず名称決定の企画担当の人にこのアイデアを提案してみるわ。」
警視庁公安部
「伊織委員長、対象の船がウラジオストク港から北東に動いています。」
「よし、ここまで来れば北海道に来ることは確かだ。若波、北海道警察を全ての港町に向かわせろ。ここで証拠を全部掴み取り、新革をぶっ潰してやれ!」
「了解です。」
小樽港
「花梨先輩、ここどれも新鮮な魚ばっかすね。」
「そりゃあ港町の海鮮市場なのだから当然よ。」
「これは千冬のお土産に何か買っておいた方が良いっすかね?確か帆立とか鮭とか言ってたような…」
夏色花梨 21 小春六花 20 花隈千冬 19 チェビオ
この世界の三人は小樽潮風高校出身の大学生で、北海道大学の寮で生活している。今は風邪を引いている千冬を寮に置いて、夏色と小春の二人が車で小樽港に来ていた。ちなみに小樽は彼女らの地元である。
「それにしても今日は随分パトカーが多いわね、何か事件でもあったのかしら。」
「花梨先輩、なんかぞろぞろ警察官が入ってきてません?もしかして凶悪犯がいたり…」
「皆さん、この小樽港に危険物を密輸した疑いがある船が来航してきます。落ち着いて我々の指示に従って避難してください。」
「ほらやっぱり凶悪犯じゃないっすか!早く逃げましょうよ花梨先輩。」
「はいはいわかってるわよ。」
北海道大学寮
「とりあえず先輩達が無事に帰ってきて安心しましたよ、先程ニュースを見ていたところ新革が銃火器や爆弾を密輸していたようですから。」
「銃火器に爆弾…テロでも起こすつもりだったんすかね。最近物騒な事件がよく起きるなあとは思ってましたが、まさか北海道でも起きるなんて。」
「でもこれで新革は完全に潰れたのよね。」
「それがそうもいかないみたいなんですよ。北海道の北方支部と長崎の南方支部は既に取り押さえて閉鎖したみたいですが、中央本部の場所だけが未だに不明だそうです。しかも密輸は今回だけとは限らないみたいですし。」
「じゃあまだテロ起こす可能性あるってこと?」
「そうねですね、何かしら情勢変化があれば有り得ない話ではないと思います。」
「怖すぎるっす!」
「そういえば六花先輩、何か買ってきました?」
「いや、流石にあんなことが起きたら買う余裕なんてないわ。マジで時間の無駄だった。」
総理執務室
「失礼します、総理。」
「波音さん、どうされました?」
「総理!何故メキシコの件を今まで話してくれなかったんですか。」
「おや、一体誰からそのことを聞いたのですか?」
「岸大臣です。それより、メキシコ解放作戦の参戦は断固反対するべきです。第二次ベトナム戦争で疲弊した国民はまだ回復しきっていませんし、国防軍の消耗も激しいです。メキシコとの戦争なら米国だけで十分でしょう。」
「しかしそうにはいかないのですよ、メキシコをただ制圧するなら簡単です。しかし最終目標は麻薬カルテルの撲滅であり、それを成し遂げるには数で押すだけでなく特殊部隊等の精鋭による構成員の殲滅なども行わなければなりません。引退寸前の戦闘ヘリや90式改による援軍は米国にとって大きな恩恵であり、麻薬カルテルの撲滅をより一層現実的なものとします。」
「そうですか…総理のお考えは理解しました。では総理に挑戦状を渡します。私は次の総裁選に出馬し、次期総理として戦争の連鎖を止めます!」
「ほう…いいでしょう、受けて立ちますよ。自民党はどうあるべきか、私が証明してみせましょう。」
「……ところで総理、明日の晩は若波を持って来るつもりですが一緒にどうでしょう?」
「とうとう波音さんの方から誘ってくるようになりましたか、ではこちらもボルドーワインを持ってきましょう。」
「私もお供しますよ!」
京町長官は音もなく神出鬼没に現れた。
「ちゃんとノックして入ってきてください。あと東北さんもご一緒しますよね?」
「ええ、もちろんですとも。」
料亭金ふじ
「なぁ風見、波音の奴が桜乃に直接出馬するとほざいていたそうだが何があったか知ってるか?」
「波音くん曰く、桜乃総理を戦争の沼から救い出すとのことだ。虚音も岸くんから聞いてるだろうが、第二次米墨戦争への参戦に反対しているからだろう。」
「まさか波音の奴、総裁になったら参戦を拒否するつもりか。この情勢で米国が弱体化することだけは避けなければならんというのに。」
「だが一年も経たない内に再び戦争、それもベトナム以上の敵となれば悪戦苦闘は避けられん。そうなれば自民党は過半数はおろか与党の座から引きずり降ろされることも考えられる。」
「安心しろ、既に大義名分を得るためのプロパガンダはとっくにできている。」
「一応聞こう。」
「まずはフラッカやヘロインによる薬物中毒者が増加している事実を公表する。そしてそれらの主な流通ルートは日本に不法入国した麻薬カルテルによるものだと主張する。麻薬密売組織が敵となれば擁護する奴はいないし、いても大衆意見に潰されるだけだ。そこに反中感情を利用して中共が背後にいるという事実を公表すれば世論は交戦派が占めるようになるだろう。」
「そううまくはいかんと思うがな。やっぱり波音くんを総裁にするほかないようだ。」
「望むところだ、ひよっこが総裁の席を座ることはないということを思い知らせてやろう。」
米国防総省
「マキ大将、遂にこの日が来たな。私はアメリカ大統領として国民を守るため、メキシコ解放作戦を実行する。ベトナム以上に苦しい戦いになるだろうが、数多を戦争を勝ち抜いてきた貴官等なら再びアメリカを勝利へ導いてくれると確信している。」
「もちろんです大統領、我々は常に正義を守るために戦ってきました。この戦争もアメリカ国民を守るため、そして麻薬カルテルに支配されたメキシコ国民を救うための必要不可欠な戦争なのです。」
「日本は総裁選が終わるまでは参戦できず、結果次第ではアメリカとカナダだけで戦うことになる。だがそれでも我々は負けたりはしない。マキ大将、正義の飛翔作戦を決行する。麻薬に犯された狗鷲を倒せるのは白頭鷲だけだ。」
「了解。」
2028年2月12日米国とカナダはメキシコに宣戦布告、第二次米墨戦争が勃発した。開戦から4日後にティファナが陥落し、3月時点ではチワワやモントレー近郊に迫っていた。しかし問題は占領後であり、非武装の市民に紛れた麻薬カルテルの構成員が占領軍を攻撃する事態が各地で発生。攻勢のための戦力が徐々に削られていくのであった。
総理執務室
「総理、遂に第二次米墨戦争始まりましたね。」
「ええ、今の所米国側が優勢ですが犠牲者も多いです。長期戦となるとどうなるかわかりませんね。とにかく今は総裁選に向けて成果を出さなければなりません。東北さん、超小型原子炉の運用試験はどうなっています?」
「既に全ての試験を終えております。世論でも安全であるという意見が強くなっているので、普及させるなら今かと。」
「ならば超小型原子炉を配置する電力会社に補助金を出しましょう。これなら深刻な問題となっている電力不足は概ね解消されるでしょう。」
3月15日 政府は超小型原子炉の普及を進めるため、これを配置する企業に補助金を支給した。長年かけて安全性を説いていったことが功を奏し、世論では大きな反発がなくなった。トラックで運べるほど小型化した原子炉は安全性と効率性の両方を極め、火力発電への依存も弱まっていった。
自民党本部
7月24日 外交姿勢で対立する二人の候補者はそれぞれ巨大派閥を後ろ盾に、激戦を繰り広げてきた。そして遂に日本の今後を左右することとなる総裁選の結果が発表される。
「只今の議員投票の結果、投票総数は382票であり交付した投票用紙の数もこれと符号しております。この内投票議員の有効投票は382票であり党友票は382票となります。これより各候補者の得票数を申し上げます。議員票は波音律くん172票、桜乃そらくん210票。党友票は波音律くん182票、桜乃そらくんは200票。合計は波音律くん354票、桜乃そらくん410票であります。総裁公選規程第23条第一項により、得票数の多かったものを持って当選者とすることになっております。
よって桜乃そらくんが当選者と決定致しました。」
総裁選の結果、桜乃が引き続き総裁となった。
「総裁選挙は終わりました、ノーサイドです!」
総理執務室
「桜乃総理、再選おめでとうございます。」
「ありがとうございます、東北さん。それにしても票数差が50程しか無かったのは驚きでしたね、これからの政治も油断できませんね。」
「ところでメキシコ参戦はどうされますか?」
「TTO間の協議で既に決まっているので後は国防軍の配備完了次第です。作戦名は正義の飛翔作戦だそうです。」
二人が話していたその時、突然銃声が鳴り響いた。
「一体何が起きたんです?」
「私にも、わかりませんよ!」
銃声は何度も鳴り、更には爆発音まで聞こえた
「失礼します!新革と思われる連中がこの付近でテロを起こしています、総理はこの中にいてください。」
千代田区
テロを起こした新革だけでなく、それに対抗するかの如く神国再生会との繋がりを持つ暴力団の愛染組も彼らと衝突していた。機動隊が出撃したが敵は銃や手榴弾を持っており、鎮圧するのは容易ではない。そのため水奈瀬警視総監は特殊部隊SATを派遣することを決定した。
水奈瀬煌 55 警視総監 ボイスロイド
伊織とは高校時代から付き合いがあり、現在でも会うたびに花札をするほどだ。東北家や結月とも面識があり、どうにか特務庁と連携を画策している。
「敵の数は異常に多く、手榴弾を持っている者もいるためかなり厄介だ。敵の武装を確認次第殲滅せよ。」
「了解。」
しかし特殊部隊SATでも数千規模の抗争の中では苦戦を強いられることになり、鎮圧は彼の思うようにはいかない。
「あぁクソ!まさか武器密輸は既に何度もやっていたとは。公安は手遅れの状態で取り締まり、海保はそもそも情報を知らないからどうしょうもなかった。後は我々で対処するしかないのか…」
その時突如電話が鳴り響いた。
「こちら警視庁の水奈瀬警視総監です。」
「もしもし、岸国防大臣です。」
「一体どのようなご要件で?」
「実は先程国防軍で対テロ作戦を決行する方針になりましてね、警察の方々にも承認をして頂きたいのですよ。」
「悪いが国防軍が出しゃばる幕はない。テロリストは我々の方で鎮圧する。」
「しかしそちらはSATを派遣しても一向に終わる気配がないではありませんか、それにこの作戦は国防軍の最高司令官である桜乃総理の承認も得ております。」
「なんだと?総理は何故この作戦を承認したのだ?完全に国防軍に役割を持たせ過ぎではないか。」
「今は警察がどうの国防軍がどうのと言っている場合ではありませんよ、こうしている間にも次々に犠牲者が増えていきます。さぁ水奈瀬警視総監、承認をお願いします。」
「わかった、承認しよう。但し、何があっても勝手な行動はするなよ。」
「ありがとうございます、それではおよそ2時間後に主力が到着しますのでそれまでご辛抱ください。」
千代田区
「こちら第一歩兵科連隊、只今よりSAT及び機動隊との共同作戦を決行する。」
「了解、応援感謝する。」
彼らは現場に到着した矢先、敵に容赦なく機関銃の鉛玉を浴びせた。あれほど厄介だったテロリストもこちらの数が揃えば烏合の衆同然であった。事件発生から8時間後にテロリストは完全に鎮圧された。しかしマスメディアがドローンで映した映像には凄惨な光景が広がっていた。血塗られた道路に横たわる死体、そして手榴弾が直撃したと思われるかつて命だったものが散らばっていた。国内外問わず全てのSNSがこの話題で持ち切りであった。民間人40人、警察及び軍人120人の犠牲が出たこの事件は日本国民を大きく動揺させた大規模テロ事件となったのである。
総理執務室
「いやはや、このようなテロが発生するとは想定外でした。鎮圧のために大勢の方々が犠牲になることを防ぐためにも、ロボット歩兵は一刻も早く運用できるようにしなければなりませんね。」
「確かに鎮圧部隊として組み込むのに適しているとは思いますね、ちなみに明日の三菱重工のプレゼンでそのロボット歩兵の名前が公表されるみたいですよ。」
「それは見てみたいものですね。まあ、作戦決行日が近づいているので東北さんの口から聴くつもりですがね。」
佐藤家
「ねぇ高橋くん、中継見ているときに高橋くんの顔が映った様に見えたんだけどあそこにいたの?」
高橋
佐藤と鈴木の幼馴染みで、恋愛感情を持っていないため平気で下品な言葉を使っている。好きな食べ物はラーメン。公式では何故か下の名前がない。
「おお、よくわかったな。俺もあの連隊でテロリストを鎮圧してたんだよ。」
「やっぱり!高橋くんすごいね。」
「高橋…普通国防軍の対テロ作戦って特殊作戦群とか少数精鋭で行うもんじゃないの?」
「如何せん数が多いのと、上層部が特戦群を無駄遣いしたくないっていう感じなんだよな。」
「無駄遣い?特戦群ってこういう状況で運用するのが目的じゃなかったのかしら。」
「俺も中尉だから詳しいことはわからん。とりあえずさっさとあの酷い光景を忘れたいから酒を飲もう。」
「高橋くん、花陽浴ならあるけどいいかな?」
「あ〜いいっすね〜。」
「ところで高橋、総理が第二次米墨戦争に参戦するみたいだけどあんたはいくの?」
「うちの連隊は普段は東京だが、いろんな地域に展開するもんだから今は大丈夫でも数ヶ月すれば派遣されるだろうな。」
「はぁ…なんで国民は戦争を望んでいないはずなのに戦争をし続けることになるのかしら。」
「つづみ、こんな言葉を知ってるか?」
もちろん、人々は戦争を望んでいない。だが結局の所政策を決定するのは指導者であり、人々を引きずり込むのは簡単なものである。
-ヘルマン・ゲーリング
如何でしたか?もし 質問 このキャラや台詞が好き ここを改善、深掘してほしい などがありましたら感想を書いてくださるも幸いです(個人的に感想が一番楽しみです) 評価やお気に入り登録が増えるとモチベが上がります それでは引き続き狂気の世界を楽しみに待っていてください
※この物語はフィクションです
また、著者は特定の個人、集団、国家に対する差別的意図は一切ありません
この物語に出てくる数字は大抵適当です
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